作品一覧

  • 恋する女帝
    4.0
    1巻2,530円 (税込)
    奈良の都、最大の醜聞 女帝×「日本三悪人」道鏡――許されぬ恋の真相は? 天平文化華やかなりし世に即位する孝謙天皇(のちに称徳天皇として重祚)は、「奈良の大仏」造立で知られる父・聖武天皇の後継者として、21歳で史上唯一の女性皇太子となった。皇位継承後、近臣・藤原仲麻呂に支えられ治世は安定しているかと思われたが……。 平城京が騒然とした皇室スキャンダルと、天智天皇以降の皇統の謎を解き明かす、中山義秀文学賞受賞第一作。 「女帝はみな、わが腹を痛めた子への橋渡しとして、帝の役目を果たしてきた。しかし、朕は違う。朕は朕のために玉座につく。この国で初めておのれのための女帝となる」(本文より) 【目次】 序章 神託 一章 うるわしの姫天皇 二章 弓削から来た禅師 三章 奴を王と呼ぶとも 四章 大枝の里の刺客ども 五章 東の国の空の下
  • 身もこがれつつ 小倉山の百人一首
    4.8
    1巻1,100円 (税込)
    中山義秀文学賞受賞&「オール讀物」誌「時代小説、これが2021年の収穫だ!」――傑作和歌ミステリー、待望の文庫化 鎌倉初期の天才歌人・藤原定家の恋と「百人一首」の謎に迫る 平安時代の最高権力者・藤原道長に連なる藤原北家ながら傍流の御子左家は、歌壇ではそれなりの実力を発揮しているものの、公家の出世レースではパッとしない家柄。当家の次男に生まれた藤原定家は、病由来の難聴を克服し、侍従時代の同僚で親友の藤原家隆らとともに『新古今和歌集』の選者を務めるなど、歌壇でめきめきと頭角を現す。鎌倉幕府に押され気味の朝廷の復権を目指す後鳥羽院は、そんな定家に、三代将軍・源実朝に京への憧れを植え付けるため「敷島の道(和歌)」を指南せよと命ずる。後鳥羽の野心は肥大し、ついには倒幕の兵を挙げんとするが……。 知らぬ人のいない「小倉百人一首」には、なぜあの100首が選ばれたのか? 同じく藤原定家選の「百人秀歌」より1首少なく3首だけ異なる理由とは?――「承久の乱」前後の史実をきらびやかに描きながら、その謎を解き明かす。 【目次】 一の章 還御の噂 二の章 いとしの友よ 三の章 菊花の王 四の章 はかなき鎌倉将軍 五の章 勅勘と大乱 六の章 嵯峨山荘の障子和歌 附 記  解 説 大矢博子
  • 小説で読みとく古代史 神武東遷、大悪の王、最後の女帝まで
    3.5
    1巻1,023円 (税込)
    ヒミコは二人いた? 東遷は何度もあった? 気鋭の作家が古代史の謎に切り込む! 「歴史的なあの事件」は本当に教科書どおりに起こったのか? いや、私はこう考える――。歴史を題材にした小説作品に定評のある著者・周防柳が、松本清張、井上靖、邦光史郎、黒岩重吾、永井路子ら往年の大作家から、澤田瞳子、坂東眞砂子、さらには諸星大二郎、安彦良和ら漫画家まで、彼らが自作で展開した諸説を紹介しながら、自らも事件の背景や人物像を考察していく、学校では絶対に教えてくれない、スリリングな古代史入門書。 第一章 邪馬台国は二つあったか――大和と筑紫の女王卑弥呼 第二章 神武は何度東遷したか――記紀神話と初期大和政権 第三章 応神天皇はどこから来たか――河内王朝と朝鮮半島 第四章 大王アメタリシヒコとは何者か――馬子と推古と厩戸皇子 第五章 天智と天武は兄弟か――対立から見た白村江、壬申の乱 第六章 カリスマ持統の狙いは何か――不比等と女帝たちの世紀 古代史小説ライブラリー(神話世界~八世紀奈良時代)
  • うきよの恋花 好色五人女別伝
    4.5
    1巻2,200円 (税込)
    この恋は、地獄につながっている――。 女はなぜ、男のために火付けをし、火あぶりになったのか(「八百屋お七」)。 女はなぜ、道ならぬ恋におぼれ、自ら鉋(かんな)で胸を突いたのか(「樽屋おせん」)。 女はなぜ、ふしだらな下男と駆け落ちし、心を喪ったのか(「お夏清十郎」)。 江戸時代の人々の注目の的になった恋の事件の裏には、 悲しい“まこと”と、優しい“ほら”があった―― 心中、駆け落ち、不義密通。 江戸のスキャンダルをまとめた井原西鶴の代表作『好色五人女』を大胆に新解釈した、胸に刺さる悲恋時代小説。
  • 余命二億円
    3.0
    1巻748円 (税込)
    交通事故で植物状態になってしまった父親を巡り、延命治療を望む次男と、開業資金を必要とする長男で意見がぶつかり合う。やがてふたりの妻をも巻き込み、田村家は崩壊しようとしていたが……。
  • とまり木
    3.5
    1巻1,826円 (税込)
    「生きてて、よかった」心が潤う感動の名作。  幼い頃に両親を亡くし、親戚に引き取られた青山伊津子。自分の居場所を必死で見つけて生きる伊津子だったが、行く先々で不幸な出来事に見舞われてしまう。一方、死んだ姉と常に比べられ母親に否定されつづける少女・小林美羽は、ひどいアトピー性皮膚炎のせいで学校でいじめられていた。たび重なる不幸に耐えきれなくなった二人は、それぞれの場所で自らの命を絶つことを思い立つ。交わってはいけないはずの二人の人生は、この世でもあの世でもない、〈ある場所〉で交差する。  一度は諦めた「生きる」ということ。不思議な場所との出会いを通じて、もう一度「生きる」ことにした二人の人生は……。  壮絶な人生を生きる人が、自らの人生を終えようとするとき、彼らに聞こえた天からのメッセージとは。心が潤う感動の長編小説。
  • 八月の青い蝶
    4.2
    1巻594円 (税込)
    【第26回小説すばる新人賞受賞作】「わしはずっと八月を、くり返してきたんじゃ」。急性骨髄性白血病で自宅療養することになった亮輔は、中学のときに広島で被爆していた。ある日、妻と娘は亮輔が大事にしている仏壇で古びた標本箱を見つける。そこには前翅の一部が欠けた小さな蝶がピンでとめられていた。それは昭和二十年八月に突然断ち切られた、彼の切なくも美しい恋を記憶する品だった。

ユーザーレビュー

  • 恋する女帝

    Posted by ブクログ

    純愛だった。
    それも、大人の純愛。
    貫くためには、全てを棄てないといけない恋だが、激しさよりは、ほのぼのとする終わりを迎えられてよかった。

    0
    2025年05月08日
  • 身もこがれつつ 小倉山の百人一首

    Posted by ブクログ

    百人一首がどう成立したのか、家隆との友情と恋、それに後鳥羽院も混ざっての三角関係という著者の想像力と、幕府との関係や承久の乱などいろいろな史実としてのイベントを絡めてその過程を描いている。終わりのほうは本当に泣ける。いい小説だし、和歌とは何かとか、当時の朝廷と幕府の関係とか、あまり今まで意識してこなかったこともよくわかった。鎌倉殿の十三人でなんとなく名前は知っていた人物たちも、立体的に浮き上がって捉えることができるようになった。宇都宮蓮生がまたいい味出している。坂東武者でありつつ京の文化も理解しながら、いろんな人のアイディアを踏まえて独自の文化というか趣向のようなものを造りだしているところ尊敬

    0
    2024年11月13日
  • 身もこがれつつ 小倉山の百人一首

    Posted by ブクログ

    最後まで読み、また初めの方を読んだ。
    小学生の頃に覚えた百人一首の物語、鎌倉殿の13人を観たからこそ、よりまざまざと思い浮かぶ。とても引き込まれた物語だった。

    0
    2024年11月04日
  • 身もこがれつつ 小倉山の百人一首

    Posted by ブクログ

    藤原定家、家隆、後鳥羽上皇をめぐり錯綜する思いや歴史のうねりを和歌を通じて描いた傑作です 当然大部分の和歌は百人一首で馴染みのある歌ばかりです

    ネタバレになるので詳しくは書きませんが、人によっては拒絶反応に感じるかるかもしれませんが、全体を通じて流れる空気感は見事に鎌倉時代の社会を生き生きと描いており小説として完成されておりオススメです

    0
    2024年07月28日
  • うきよの恋花 好色五人女別伝

    Posted by ブクログ

    前の作品の「高天原」もとても面白かったです。
    今回は井原西鶴の「好色五人女」をオマージュした作品です。
    「真実は小説より奇なり」と言いますが、本当はこんな裏話があったりして?本当はこんな話だったんだよ。
    なんて、噂好きな巷の人々の声が聞こえてきそうな、物語です。
    そして、恋に身を焦がす女性がいきいきと、描かれているところが好きです。
    綺麗事ばかりじゃなくて、嫉妬だったり、思い違いだったり…。悲しいけれど、何故か優しさを感じます。
    これは、じっくり読んで頂きたい、大人の小説です。
    この作品を読んで、周防柳さんがますます好きになりました

    0
    2023年02月12日

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