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山口瞳 電子全集
32年間連載し続けた「男性自身」シリーズの記念すべき初回~212話までを完全収録。 収録作品は、「週刊新潮」に連載がはじまった1963年12月2日号の第1話「鉄かぶと」から、1963年12月30日号の第212話「女」まで、単行本から漏れた話も含め、連載掲載順に212話を完全収録。 付録として、電子全集の総監修を務める、山口瞳の長男・山口正介が回想録、「草臥山房通信」を寄稿。「庄助」名で、「男性自身」に度々登場した長男が、連載当時の山口家の様子や裏話、そして父への思いを綴る。また、盟友・柳原良平氏が描く山口瞳のイラスト原画も収録しています。 「男性自身」の連載が開始した1963年と言えば、山口瞳、37歳。『江分利満氏の優雅な生活』で、第47回直木賞を受賞した年で、勤務先の寿屋が、サントリー株式会社に社名変更した年でもある。 -
脚本を書くための101の習慣
成功したければ、成功した人の実体験からその行動と考え方を真似することが近道である。巷ではその手の本が数多く売られており、わたしたちはすぐにその知識を得ることは可能であろう。しかしそれを実践し続けることは、至難の業であると言わざるをえない。 では成功するためにはどうしたらよいのか。かのアリストテレスが「我々は反復の産物である」というように、習慣にすることが大事なのである。持って生まれた気質や癖にとらわれるのではなく、成功した人のやり方や行動、逆に言うと、失敗した人たちがやらなかったことや途中で諦めたことを、習慣になるまで続けたことに尽きるのである。 本書は、教科書的に「良い脚本の書き方」の技術を教える従来の脚本術とは違い、脚本家の執筆における態度や心構えなど、成功を収めた22人の脚本家たちが励行する、最高のストーリーを書くための<習慣>を伝授するものである。本書を読めば師弟関係にならずとも、脚本の最高の師匠から書くことの一助となるやり方を盗むことができるだろう。 個別のインタビューを並べるのではなく、テーマごとに整理して101の具体的な行動を挙げて構成されているため、その核心が見つけやすく実践しやすい。職業脚本家として一本立ちし、世界に一つしかない脚本を書けるようになれるのか、あとは行動あるのみである。 -
【電子完全版】新訳 亡念のザムド
2008年に放映されたオリジナルアニメーション「亡念のザムド」。監督・宮地昌幸が世界観そのままにみずから書き下ろした小説「新訳 亡念のザムド」。2010年、上下巻にて出版された本作をこの度改訂を加え、電子完全版として登場! (あらすじ) 主人公の少年・竹原アキユキは、尖端島(せんたんとう)で母親と二人で暮らす高校生。ある日、爆破事件に巻き込まれてから、彼の人生の歯車が大きく変わる――。 (著者紹介) 宮地昌幸 みやじ・まさゆき/アニメ監督。小説家。劇場アニメ「千と千尋の神隠し」(2001年公開)の助手を皮切りにTVアニメ「OVERMANキングゲイナー」(2002年公開)の演出、その他多数のアニメ作品に携わる。自身の監督作品はTVアニメ「亡念のザムド」(2008年公開)、劇場アニメ「伏鉄砲娘の捕物帳」(2012年公開)。他の著書に「さよならアリアドネ」(ハヤカワJA文庫)がある。 -
百年の時効
刑事たちの昭和は終わらない。 真犯人が見つかる、その日まで。 1974年に起きた一家惨殺事件。 未解決のまま50年――。 アパートで見つかった、一体の死体によって事件の針は再び動き出す。 嵐の夜、夫婦とその娘が殺された。現場には四人の実行犯がいたとされるが、捕まったのは、たった一人。策略、テロ、宗教問題……警察は犯人グループを追い詰めながらも、罠や時代的な要因に阻まれて、決定的な証拠を掴み切れずにいた。50年後、この事件の容疑者の一人が、変死体で発見される。 現場に臨場した藤森菜摘は、半世紀にも及ぶ捜査資料を託されることに。上層部から許された捜査期間は一年。真相解明に足りない最後の一ピースとは何か? 刑事たちの矜持を賭けた、最終捜査の行方は――。 感動、スリル、どんでん返し……。エンタメの妙味が全て詰まった、超ド級の警察サスペンス -
空、はてしない青
致命的な心の傷を、人はいかにのりこえうるか? ささやくような美しい声で、答えてくれる物語。 (川上弘美 / 作家) 旅をするとき、人は同時に、命を見つめているのではないか。 (西加奈子 / 作家) この“旅”の体験と記憶は、いつまでも失われない。 自分もいつかは“最高の旅”を誰かとしてみたい。 人生に終わりはないのだ。 (小島秀夫 / ゲームクリエイター) あらすじ 「若年性アルツハイマーと宣告された男性、26歳。人生最後の旅の道連れ募集」。エミルは病院と周りの同情から逃れるため、旅に出ることにした。長くても余命2年。同行者を掲示板で募集したところ、返信が届いた。「高速道路の三番出口で待ち合わせしよう。こちらは、つばの広い黒い帽子にゴールドのサンダルに赤いリュック。どう?」。現れたのはジョアンヌと名乗る小柄な若い女性。自分のことは何も語らない。2人はとりあえず、ピレネー山脈に向けキャンピングカーで出発することにした。それは、驚くほど美しい旅の始まりだったーー。 爽やかな筆致で描く、命と愛、生きる喜びについての感動大長編。 -
ガメラ監督日記 完全版
【ご注意】※この電子書籍は紙の本のイメージで作成されており、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 「平成ガメラ三部作」制作日記の完全版! 怪獣映画の最高峰として、今なお多くの特撮ファンに愛されている「平成ガメラ三部作」。金子修介監督が自身の半生とシリーズ2作目『ガメラ2 レギオン襲来』(1996年)までの制作の裏側を赤裸々に記した『ガメラ監督日記』を『ガメラ3 邪神(イリス)覚醒』(1999年)公開25周年記念として復刊!オリジナル版に刊行後に制作・公開された『ガメラ3』のエピソード等を語った新規インタビューを収録した、「増補改訂版」になります! (底本 2024年3月発売作品) ※この作品はカラーが含まれます。 -
合本 運命の人(一)~(四)【文春e-Books】
「外務省機密漏洩事件」に材をとり、構想10年・毎日出版文化賞特別賞受賞の傑作「運命の人」全4巻が電子書籍の合本として登場。 第1巻/毎朝新聞政治部記者の弓成亮太は、自他共に認める花形記者。昭和46年春、大詰めを迎えた沖縄返還交渉の取材中、弓成は日米間にある密約が結ばれようとしていることに気づいた。しかし物証がない。熾烈なスクープ合戦の中、弓成に蠱惑的な女性の影が……。 第2巻/警視庁地下の取調室に響いた声は「弓成亮太、逮捕状を執行する」。強大な国家権力と「報道の自由」を訴えるジャーナリズムの全面戦争に沸騰する世論。ペンを折られ、苦悩する弓成。スキャンダル記事に心を乱し、家族を守ろうとする妻・由里子。弓成の不倫相手と注目され被告席でぐったりと目を伏せる元外務省の三木昭子と、それをじっと見つめる夫。そしてついに、運命の初公判──。 第3巻/東京地裁の判決は、2人の被告の明暗を分けた。毎朝新聞記者の弓成亮太は無罪、元外務省高官付き事務官・三木昭子は有罪に。その直後、弓成は新聞社に退職届を出し、とある週刊誌には昭子の赤裸々な告白手記が掲載された。傷ついた弓成の妻・由里子はある決意をかためる。判決後、検察側はただちに控訴。「知る権利」を掲げて高裁で闘う弁護団の前に立ちふさがるのは、強大な国家権力。機密は誰のためのものなのか? 第4巻/国家権力に叩きのめされた弓成は、すべてを失って沖縄へ辿り着き、様々な島の人々と出会う。アメリカに蹂躙されつづける現実に直面した彼は、ゆっくりと甦り、ふたたびペンを手にする。そのとき、あの密約を立証する公文書が米国立公文書館で発見されたというニュースが飛び込んできて……。感動の巨篇、ここに完結。電子版には、この作品に寄せる著者の談話と沖縄取材記を特別収録。 -
【合本版】ドラフィル!
音大を出たけれど音楽で食べていく当てのないヴァイオリニストの青年・響介。叔父から紹介されて彼がやってきたのは竜が舞い降りた――と思われる程に何もない町、竜ヶ坂の商店街の有志が集まったアマチュアオーケストラだった。 魚屋のおっさんから女子高生、スナックのママまで、激烈個性的な面子で構成されたそのアマオケを仕切るボスは、車椅子に乗った男勝りの若い女性、七緒。彼女はオケが抱えている無理難題を半ば強引に響介へ押し付けてきて――!? 竜ヶ坂商店街フィルハーモニー。通称『ドラフィル』を舞台に巻き起こる、音楽とそれを愛する人々の物語。 ※本電子書籍は、『ドラフィル!』全3巻を1冊にまとめた合本版です。 -
その犬をください
『同志少女よ、敵を撃て』著者による、近代日本と戦争をめぐる人と犬の物語。 1. 未開の咆哮/明治初期の東京府。御雇外国人として開成学校の教師に着任した英国人のジョージは、自分を見るや吠えかかる日本の野良犬たちに手を焼いていた。生徒であり通訳を務める士族の青年・藤川、そして祖国から連れてきた愛犬チェスターとローラを生活の支えとしていたジョージだが、ある日の夕暮れ時、帰路につくため駕籠を待っていたところ突然現れた浪人に立ち塞がれ――。 2. 忠犬誕生/昭和7年、渋谷駅。乗降客の間に混じって人待ち顔の老犬がいる。この犬についての新聞の小さな記事は、想像を超えた「ハチ公」ブームを作り出した。しかしその物語は記事のきっかけを作ったはずの日本犬保存会の会長・斎藤弘吉の想像を超え、動物愛護や映画産業に身を浸す人間を巻き込み、国家の思惑を含んで加速し、現実を超えてゆく。 3. 犬たちの戦争/アメリカとの戦争が始まった。熱烈な軍国少年となった坂間明は、いつも愉快な空想話を聞かせてくれた平吉兄さんが笑顔を失っていくことだけが気がかりだった。そんな折「犬の供出運動」が始まり、坂間家もお国のために愛犬ドーラクを差し出すように促される。明の父はあの手この手で供出を断るが、ついに巡査が家を訪れて説得をはじめる。 4. スランプ/令和の初夏。念願叶って進学校に入学した高校生の楓は、突然学校に行けなくなった。「戦争」という言葉が頭について離れず、自分を押しつぶしてゆくような恐怖を感じるのだ。家で飼っている引退警察犬リッキーも自分と同じく元気を失っており、楓はその世話をすることで気を紛らわせていた。しかしある朝突然、同級生の三門澄が家を訪れ、学校を休んでどう思ったかを問われて―― -
アルゴリズムの査証【電子特典付き】
累計1080万部突破! 『チーム・バチスタの栄光』 シリーズ20周年 最新作 医者は 神さまでも 聖人でもない。 病院改革が 波乱を呼ぶ! 医師を戸惑わせる臨床研修マッチング、働き方改革…… 東城大学医学部付属病院の生き残りをかけた改革。 田口分院病院長の下で起こる 若手とベテランの対立の行方は―― (あらすじ) 研修先の病院をアルゴリズムで決定する臨床研修マッチング制度により、第一志望の東城大学医学部付属病院とマッチングした研修医の禅波冬紀は、田口公平分院病院長と病理学教室の天馬大吉教授が主導する研修医制度改革に戸惑いつつ、初期研修二年目で救命救急での研修に入る。鳴り物入りで始まった新初期研修プログラムだが、人員不足で現場は大混乱に陥り、スーパー研修医の佐々木アツシが孤軍奮闘しているような状況だった。しかしそこに、元救命救急センターの将軍・速水晃一が助っ人として現れ……。 【著者について】 海堂尊 1961年、千葉県生まれ。医学博士。1988年、千葉大学医学部を卒業後、千葉大学第一外科入局。1997年、博士号取得後、独立行政法人放射線医学総合研究所重粒子医科学センター病院・臨床検査室医長に着任。2000年、Ai(オートプシー・イメージング:死亡時画像診断)の概念を提唱し以後、Aiの社会導入と死因究明制度の改善を目指し社会活動に励む。2009年より同所のAi情報研究推進室室長を兼任。2006年、第4回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、『チーム・バチスタの栄光』(宝島社)にて作家デビュー。全ての作品がリンクする「桜宮サーガ」シリーズは累計1800万部を越え、映像化作品も多数。「桜宮サーガ」シリーズの他に、ラテンアメリカの歴史小説や、近代日本の医学小説も展開している。2016年、放射線医学総合研究所の改組と共に同所を退職。現在は福井県立大学客員教授。 -
ホルモー燦燦
このごろ都にはやるもの、決戦、助っ人、大茶会。ホルモー競いて幾時代、川の流れは絶えずして、因果は巡るよどこまでも。オニを追ってか追われてか、今宵も河原でひといくさ、今宵もタワーでふたいくさ。このごろ都にはやるもの、好敵手(ライバル)、テンシキ、古茶釜。古都の騒ぎを聞きつけて、天下に広がる動きアリ。落下上等下剋上。目指すはテッペン、ホルモーdeタァップ! 妬みに、迷いに、友情に、思いの丈は蛇行して、耀(かがや)くアムリタ天駆ける。二つの都にこだまする、狂喜乱舞の雄叫びウェーブ。二十年目の大団円、問答無用の完結編。『ホルモー燦燦』いざ見参! -
逆鱗
新宿区百人町の探偵・氷川凜(ひかわりん)。彼女のもとに、やくざに追われる女子高生が逃げ込んできた。兄の隼斗が暴力団事務所に火を放つ現場に居合わせ、その罪を着せられているという。隼斗は行方不明のまま。凜は幼なじみの元マル暴刑事・赤峰重樹(あかみねしげき)を呼び出すが、時を同じくして、河川で男性の頭部のみが見つかる連続死体遺棄事件が発生する。被害者たちの下唇の裏にはひし形の刺青が入っていた。 消えた隼人を追う凜と、猟奇殺人を追う赤峰。交わるはずのない事件は、やがて東京の裏社会を二分する巨大な抗争へと繋がっていく。絶体絶命の危機の中、幼なじみの二人が己の流儀を貫く。東京を舞台に放たれる、傑作ハードボイルド! -
乃埋商店街の渦【電子版特典付き】
さびれた商店街のトラブルや謎を解決してくれる、喫茶店の二人の美形男性。 一見素敵な彼らだが、でもこの二人、なんだかちょっと、いや、すごく、変……!? 乃埋(のうず)商店街は、地方のさびれた商店街。シャッター通り化が進みつつあり、いつまで持つか未来が見通せない。 そんな商店街に、喫茶「うずまき」はある。 店長の藤谷保(ふじたに・たもつ)も、副店長の中之瀬圭一(なかのせ・けいいち)も美形男性で、歳は三十歳前後か、年配の店主ばかりになった商店街のなかでは、とびぬけて若い存在だ。 二人はひょんな流れで、商店街で持ち上がったトラブルや謎の解決をしていくことに。 酒屋の盗難騒動、駄菓子屋の万引き事件、総菜店の親子トラブルなどの、謎を解き解決していく藤谷と中之瀬。 最初はよそ者だった彼らを評価する人たちが着々と増えてきたが、彼らの本当の思惑は、この商店街を彼らのための「渦」に巻きこむことだった。 二人の絆と執着に身悶えする、バディストーリー! 驚愕のラストに二度読み必至! == 藤谷 保(ふじたに・たもつ) 考え中の癖は喉をさすること 絞められたことがあるからさする 中之瀬圭一(なかのせ・けいいち) 毎回違う夢を言う 本当の夢はもう叶っている ◆目次 プロローグ 第一章 上柳酒店の守り神 第二章 駄菓子の葛和と枠の中 第三章 鳳惣菜の跡取り 第四章 菅澤書店の傍観者 第五章 喫茶うずまきと乃埋の未来 エピローグ 装画=星野ちいこ *電子書籍版特典として、書き下ろし番外編ショートストーリーを収録。 -
箱の中の羊
もし、また、会うことができたら――。 少し先の未来。 息子を亡くした夫婦が迎え入れたのは、 亡き息子と同じ姿、同じ声を持つ ヒューマノイド――。 『そして父になる』(2013)でカンヌ国際映画祭審査員賞、『万引き家族』(2018)でパルムドール、『怪物』(2023)でクィア・パルム賞受賞と、世界的に高い評価を受けてきた是枝裕和監督。そんな是枝監督が、監督・脚本・編集を手がけた最新作『箱の中の羊』(2026年5月29日公開)、保存版の珠玉のシナリオブックが登場! 日本映画では『万引き家族』以来、8年ぶりとなるオリジナル脚本を完全収録した一冊です。この本でしか読めない設定資料や、巻頭カラー16Pで心に響く場面写真も収録、さらに特別収録で是枝裕和の画コンテも掲載! 是枝裕和監督が描く新たな代表作を、シナリオブックというかたちでお届けします。 <あらすじ> 少し先の未来。 息子を亡くした夫婦、甲本音々と健介は、亡き息子・翔と同じ姿、同じ声を持つヒューマノイドを迎え入れる。 その存在によって、止まっていた家族の時間は、ふたたびゆっくりと動き始める。 だが、それは失った日々を取り戻すことではない。 思い出と現実のあいだで揺れながら、二人はあらためて家族であることの意味に向き合っていく。 やがて一家を待ち受ける、想像を超えた未来とは――。 喪失と記憶、愛と違和感、再生と祈り。 静かなまなざしで家族と人間のその先を問いかける、是枝裕和監督の新たな到達点。 映画『箱の中の羊』 2026年5月29日(金)全国ロードショー 監督・脚本・編集:是枝裕和 出演:綾瀬はるか、大悟(千鳥)etc 配給:東宝・ギャガ (c)2026フジテレビジョン・ギャガ・東宝・AOI Pro. -
梅咲く頃にまた会おう
★★★第19回小説現代長編新人賞 選考委員特別賞受賞作★★★ 凪良ゆうさんの大プッシュで選ばれました! 「この物語は“小説は楽しい”ということを伝えられる強さがあり、 最後は気持ちの良い涙に着地する。」 「いつまでこの身体を借りられるのかな」 ある夏の夜。仲間と肝試しをした帰り道に、大学生の若梅は声をかけられる。 「ひさしぶり、梅ちゃん」。それは仲間の身体に乗り移った、死んだはずの初恋の人だった。 アルバイトに夏祭り、そしてデート。失った時間を取り戻すように、若梅は彼女とささやかな願いを一つひとつ叶えていく。いつかは身体を返さなくてはいけない、それでも――。 「もう一度会いたい」。真っ直ぐな願いが起こす奇跡は、一つじゃない。 純度100%のタイムリミット・ラブストーリー!。 -
冷蔵庫探偵
冷蔵庫を見れば、持ち主のすべてがわかる――。 ミステリー史上、もっともクールで生活感のある探偵、登場! 新人刑事の涼は思慮の浅い行動ばかりして上司に叱られっぱなし。「次に問題があればクビ」と言われて失意のなか、友人の小川が主催するホームパーティーへ参加する。だが、その場で突然小川が倒れてしまう。誰かが意図的にアレルゲンのそばを混入させたようだ。全く手がかりがつかめず途方に暮れる涼だったが、ケータリング業者として来ていた怜子が、冷蔵庫を見てプロファイリングし、たちまち謎を解いてしまう。 その深い洞察力に涼は感銘を受け、彼女に弟子入りを志願するのだった。 二人は仕出し先で次々と事件を解決し、やがて怜子が過去にパワハラの濡れ衣を着せられ退職した「スワンビューティーカンパニー」の闇に挑む! 第1話 ニンジンフライの正体 第2話 不屈のレモンおむすび 第3話 おからケーキの秘密 第4話 ピザ・カプリチョーザの選択 第5話 再生のラタトゥイユ -
ポピュリズム
「あなたの一票が、首相を決める」 20XX年、第5回首相直接選挙、開幕! 十数年前から日本に取り入れられた直接民主制。 国会は廃止され、議員は20歳以上の国民からランダムに選ばれる。 首相選に立候補するための条件は「日本国籍を持つ30歳以上の人」で、供託金は1億円。 投票するのは全有権者――。 立候補が見込まれる人物は、女性首相を目指す新日本党の政治家、関西を中心に絶大な人気を誇るTVタレント教授、SNS総フォロワー数800万人以上のインフルエンサーなど。 全国民を巻き込んだ“選挙ショー”の結果はいかに。 社会派小説の旗手が提示する、有り得るかもしれない「未来」。 【著者略歴】 堂場瞬一 どうば・しゅんいち 1963年生まれ。新聞社勤務のかたわら小説を執筆し、2000年、野球を題材とした「8年」で第13回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。スポーツ小説のほか、警察小説を多く手がける。「ラストライン」シリーズ、「警視庁犯罪被害者支援課」シリーズ、「警視庁追跡捜査係」シリーズなど、次々と人気シリーズを送り出している。ほかにメディア三部作『警察回りの夏』『蛮政の秋』『社長室の冬』、『弾丸メシ』『幻の旗の下に』『デモクラシー』「ボーダーズ」シリーズなど著書多数。 -
小説
我々は、なぜ小説を読むのか。 五歳で読んだ『走れメロス』をきっかけに、内海集司の人生は小説にささげられることになった。 複雑な人間の昇華体であり、人の心を掴んで離さない、人の心が作り出した物語の結晶。 そこには望むもののすべてがあった。 十二歳になると、内海集司は小説の魅力を共有できる生涯の友・外崎真と出会う。二人は小説家が住んでいるというモジャ屋敷に潜り込む。 そこでは好きなだけ本を読んでいても怒られることはなく、小説家・髭先生は二人の小説世界をさらに豊かにしていく。 しかし、その屋敷にはある秘密があった。 小説を書くことで失われる世界の均衡、読むことで広がる無限の心。 宇宙最高の愉悦のすべてが、今明らかになる。 -
飽くなき地景
土地開発と不動産事業で成り上がった昭和の旧華族、烏丸家。その嫡男として生まれた治道は、多数のビルを建て、東京の景観を変えていく家業に興味が持てず、祖父の誠一郎が所有する宝刀、一族の守り神でもある粟田口久国の「無銘」の美しさに幼いころから魅せられていた。家に伝わる宝を守り、文化に関わる仕事をしたいと志す治道だったが、祖父の死後、事業を推し進める父・道隆により、「無銘」が渋谷を根城にする愚連隊の手に渡ってしまう。治道は刀を取り戻すため、ある無謀な計画を実行に移すのだが……。やがて、オリンピック、高度経済成長と時代が進み、東京の景色が変貌するなか、その裏側で「無銘」にまつわる事件が巻き起こる。刀に隠された一族の秘密と愛憎を描く美と血のノワール。 -
予測不能の1秒先も濁流みたいに愛してる
黒木渚、ベストアルバムと同名小説、ついに発売! 不純な動機から始まった音楽は、私のすべてになった。 「私の歌で、こんな世界ぶち壊してやる!」 誰にも話したことがないけれど、私は光と共に生きてきた。 未来について想像するとき、私の頭の中には必ず白い光のイメージが浮かぶ。 高校二年の「シッポ」は中学時代からの片思いの相手、森園太陽に接近するために軽音部に入る。 好きな音楽はパンク、好きなバンドはクラッシュ、セックスピストルド、ダムド、ニルヴァーナ…… これ、全部嘘。 だけど太陽に近づくためにシッポが周到に用意した「設定」は、徐々に彼女の中にあった「音楽の光」をとらえて、 追い越していく。 眩しくて白いーーあの光はスポットライトか、それとも恋か。 音楽を始める動機なんて、不純だっていいじゃないか! 音楽×小説×青春 歌手兼小説家・黒木渚が初めて描く青春と音楽。 青春はエゴイスティックで汚くて、生々しい。それでも眩しい一瞬の光だ。 -
【合本版】キネマ探偵カレイドミステリー
「休学中の秀才・嗄井戸高久(かれいどたかひさ)を大学に連れ戻せ」。留年の危機に瀕するダメ学生・奈緒崎(なおさき)は、教授から救済措置として提示された難題に挑んでいた。しかし、カフェと劇場と居酒屋の聖地・下北沢の自宅にひきこもり、映画鑑賞に没頭する彼の前に為すすべもなく……。そんななか起こった映画館『パラダイス座』をめぐる火事騒動と、完璧なアリバイを持つ容疑者……。ところが、嗄井戸は家から一歩たりとも出ることなく、圧倒的な映画知識でそれを崩してみせ――。 ※本電子書籍は、『キネマ探偵カレイドミステリー』全3巻を1冊にまとめた合本版です。 -
中上健次 電子全集
熊野の風土と溶け合い、肉体労働に至福の時を過ごす「路地」の私生児・竹原秋幸を主人公とする『岬』、『枯木灘』、『地の果て 至上の時』の三部作。その幕開き『岬』で、戦後生まれの作家として最初の芥川賞作家となった中上健次は、そこに停滞することなく、織田信長に反旗を翻した一向宗団の頭目・浜村孫一の伝説を携えて「路地」に流れ着いた秋幸の実父・浜村龍造を『枯木灘』で造型する。成り上がり者のこの男の視線を強く意識しながら、再婚した母と別宅で暮らす秋幸は、血を分けた妹との近親相姦を実父に告白、予期に反して鷹揚にそれを受け流す龍造にはぐらかされた彼は、やがてその後継と目される異母弟の殺害に及ぶ。『覇王の七日』は、この息子を失った龍造が、失意のうちに自宅の一室に引きこもった、『枯木灘』の後日譚。『地の果て 至上の時』に至り、出獄の後に龍造に接近し父殺しの機会を窺う秋幸に対し、龍造は義父・実母らのいる実家に寄り付かない実子を庇護するうちに、二人は敵意と親密さの入り交じった特異な父子関係を築いてゆく。やがて不意打ちのようにやって来る龍造の自殺。秋幸は最早、再開発の波にさらされた「路地」に踏みとどまるべき理由を失っていた。 秋幸三部作は、われわれの文学の「現在」を規定し、「未来」を画定し、「過去」を裁定する格好のテクストとして、いま、ここにある。 また特別寄稿として、長女・紀の「回想録 家族の道端」(1)、「編集担当者だけが知っている中上健次」(1)を掲載。 付録:「中上健次写真館」(1)、生原稿や構想メモ、紀州サーガ登場人物関係図などの「特別資料」(1) 【ご注意】※立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 ※この作品にはカラー写真が含まれます。 -
【合本版】高遠動物病院へようこそ!
独立したてのWEBデザイナー、日和は、海外転勤する姉夫婦から頼まれ、2年間だけ雑種犬「安藤さん」と暮らすことになった。 安藤さんの予防接種のため、初めて訪れた動物病院は、診察券すらなくスタッフは獣医の高遠のみ。彼は動物だけを愛し、人間のことは名前さえ覚えない男だった。 病院の人手不足から、日和はお客さんにスタッフと間違われ奔走するはめに。そこを高遠の知人に見込まれ、正式に勤めることになった。しだいに日和は、高遠の採算度外視で治療をする不器用さや、前の病院を辞めた事情を知り…? ※本電子書籍は『高遠動物病院へようこそ!』全3巻を1冊にまとめた合本版です。 -
【合本版】レイカ 警視庁刑事部捜査零課
警視庁刑事部に配属となった若き刑事、大和。彼が足を踏み入れたのは刑事部捜査零課。そこは、組織から弾かれたアウトローの刑事ばかりが集められた部署。デスクのそばに置いた盆栽に語りかける昼行灯の羽佐間警部、ソファでくつろぎながらスマホゲームに熱中する春日警部補、ほとんど刑事部屋に戻ってこない陣内巡査部長。個性的な刑事たちの中でも、音無レイカは、驚くべき才能をもつ女性刑事だった――。心に深い傷を負った美しき女刑事レイカと、正義感あふれる大和刑事。陰惨で哀しい殺人事件に遭遇する彼らが、凶悪な犯人を追いつめていく。 ※本電子書籍は、『レイカ 警視庁刑事部捜査零課』全3巻を1冊にまとめた合本版です。 -
【合本版】紳堂助教授の帝都怪異考
時は大正。伝統とモダンが共存する帝都東京。レンガ造りが並ぶ銀座、風情のある花街の神楽坂に、見世物で流行る浅草。 その街を闊歩する青年が一人。若くして帝国大の助教授の肩書を持つ美青年は、博学多才にして超自然的なことにも通じているとか。警察の手に余る事件が彼のもとに持ち込まれることもあるという。 そして、彼の傍らにいるのは助手の美少年。その賢さとまっすぐな心を青年はこよなく愛し、常にそばにおいている。 これは帝都の巷で起こる不可思議な事件を、助手の少年が記録したものである。 ※本電子書籍は、『紳堂助教授の帝都怪異考』全3巻を1冊にまとめた合本版です。 -
中華食堂ひばり亭
クリニック勤務の小松原菜々子は、今日のランチに悩んでいた。結婚を考えている彼との将来のため、毎日地道に自炊して節約してきたのに、作ったお弁当を家に忘れてきてしまったのだ。谷中の路地まで辿り着いた菜々子が選んだのは、老姉妹の春美と雪子が営む町中華「ひばり亭」だった。ひょんなことから怪我をした雪子の代わりに、菜々子はここでアルバイトをすることとなり……。ふわふわのチャーハン、焼き目の香ばしい餃子、サクサクまろやかなカツカレー、関西風の天津飯に隠された秘密とは――。人生に迷っても「ひばり亭」の美味しいご飯が前を向かせてくれる。お腹も心も温まる、美味しい人情物語。 -
「しんがり」の意地 ドラフト最下位指名からの下剋上
プロ野球のドラフト会議で、各球団の「最後」に名前を呼ばれた男たち。本書は、期待値もチャンスも最下位というどん底の評価から這い上がり、名を残した「しんがり」選手たちを描いたノンフィクション。厳しい生存競争の中で、彼らがいかに己を磨き、運命を切り拓いたのか。その知られざるドラマと入団エピソードに迫る。さらに、現役スカウトが明かす「しんがり」指名の狙いや獲得戦略も必読。評価はいくらでも覆せる。男たちの逆転劇を読む1冊。 収録選手:小林至(91年・ロッテ8位)/田畑一也(91年・ダイエー10位)/鶴岡慎也(02年・日本ハム8巡)/平石洋介(04年・楽天7巡)/佐野恵太(16年・DeNA9位)/山本祐大(17年・DeNA9位)/愛敬尚史(楽天・スカウト) -
失くしても、また
大人にだって、きゅん!も、ぐっ……もある。 愛猫を失った夫婦、学校図書館で子どもたちに向き合う司書、久しぶりに集う高校の同級生たち、夢を忘れかけた会社員――。 ひとりでも、ふたりでも、みんなでも。 自分にちょうどの形を見つけて、そうして今日も、生きていく。 第1話 いくつになっても 第2話 さみしくてやさしくてかわいい 第3話 いとおしい大人たちへ 第4話 眠りに落ちるその前に 第5話 ぜんぶ自分のことだから 第6話 愛することと許すこと 第7話 大きく息を吸って 第8話 これはため息じゃない 第9話 忘れても、忘れなくても 第10話 あなたはここにいる -
月曜のこない部屋
もう消えたい。 でも出たい。 就職難・8050・家族クライシス 孤独と焦りを抱え続ける146万人のひきこもり。 ひきこもり支援施設RS(リアルステップ)で 交錯する、家族の闇と再生の物語。 ベストセラー『看守の流儀』の著者が、 家庭の内側に迫る社会派ドラマ! 【著者からのコメント】 「ひきこもりが長く続く原因は家族にある」 ひきこもりの取材と膨大な資料から 何度も感じたことです。 「ひきこもりというのは、 ひきこもる当人だけをいうのでなく その家族も含む」 「家族の心も当人と同じように ひきこもっているのではないか」 いろいろな方の話を聞いてそう感じました。 本人と家族をがんじがらめにしつづける 固定化した関係とは、 いったいどういうものなのか? これを溶かして、もう一度時間を動かすには、 どうしたらいいのか? 希望の物語だからこそ、きれいごとを抜きにして、 あえてザラザラした世界を描きました。 そうでなければ、現状を変える本当のヒントは 見えてこないと思ったから。 この物語が「出口のない穴でもがいている人々」の 何かのきっかけになってくれたらと 心から願っています。 【あらすじ】 ひきこもり支援施設「リアルステップ」で 働く矢島宇宙は、新人の栗本日菜子とともに、 依頼された家を訪ね、当事者を説得し、 社会復帰への道を探る仕事をしている。 ある日、疲れ果てた様子の女性が 施設を訪れる。 総合病院に勤めていた息子・敦司が、 5年前からひきこもっていて、 母親の服を切り刻む行動まで始まったという。 矢島は手紙や電話で敦司との接触を試みるが、 応答はない。 栗本とともに自宅を訪ねると――。 プロローグ 第一話 即興役者 第二話 ロスジェネの落武者 第三話 どこまでも王子 第四話 生き埋め二十年 エピローグ -
春、出逢い
正反対のふたりが目指す、三十一文字に賭ける夏。 「私はあんたなんてすぐに追い抜いてやるから」 ライバル心、淡い恋、熱い友情ーー青春ぜんぶ短歌に込めて。 『春、出逢い』につらなる、みずみずしくて王道の部活小説! 中学から文芸部で、ずっと短歌甲子園に憧れてきた東雲菜海。短歌への熱意には絶対の自信を持っていた。いっぽう、自分の好きなようにずっと一人で短歌を作っていたという、天真爛漫な神安海禾。そんな二人が、星澤高校文芸部で一緒に戦うことになる。かけがえのない日々を一秒もあまさず短歌に詠みあげる、彼女たちだけの青春。 物語を彩る、宮田愛萌さんによるオリジナル短歌を約六十首収録した、著者入魂のシリーズ第二弾! カワセミは飛ぶ一羽でもまっすぐに 人は一人でまっすぐ飛べない -
愛する男
いつしか孤独を抱きしめていた―― 誰にも知られず、思い出されることもない。 真に孤独なそのひとは、けれども愛を知っていた。 「俺が好きになった人は、みんな死ぬんじゃないか」 数奇な運命を背負った青年が絶望の果てに見出した、究極の「愛」とは。 魂をゆさぶる衝撃作! そのひとの孤独を、誰も知らない。 愛らしい顔立ちの赤ん坊は、生まれてすぐに母を喪った。立て続けに祖父母を亡くし、父も死んだ。養護施設で育ったその少年・中川宙希は、聡明な友人や心優しい大人たちに囲まれ、愛情を注がれ、大きくなる。だがひとたび宙希が好意を抱くと、彼らは死んでしまうのだった。 やがて愛することを恐れるようになる宙希。それでも数々の出会いが宙希に訪れ、その愛はただならぬ気配を帯びていく――。 -
営繕かるかや怪異譚
「家に興味がない、ということは、自分を守ってくれる場所に興味がない、必要ない、ということと同義です」建物にまつわる超自然的な現象を解決するため、営繕屋・尾端は死者に想いを巡らせ、彼らを鎮めるための方法を導き出す。恐怖と郷愁を精緻に描く、建築怪談シリーズ第4弾!単身者用の集合住宅に住む拓史は、工事現場でスマホを見つける。呼び出しに応じると、雑音に交じり男の声が。以来、耳障りな雑音が聞こえ、人影を見るように。(「忍びよる」)文美は上司から覚えのない嫌がらせを受ける。家では「内神様」が祀られ、亡き祖母と文美だけが暗がりに蹲る黒い「猿」を視ていた。やがて猿は職場にも現れる。(「迦陵頻伽」)仲川はギャラリー用に幽霊屋敷と呼ばれる廃屋を買う。リフォームを依頼された稲葉が、柱に打ち付けられた藁人形を大量に発見すると、仲川は人形を残そうとする。(「鉄輪」)他、全6篇を収録。 -
多類婚姻譚
一緒に生きる。わかりあえないあなたと。 一番近くにいる他人-こいびと-。どうして結婚はこんなに難しくなってしまったのだろう。 『流浪の月』『汝、星のごとく』で二度の本屋大賞を受賞した著者が描く、今そこにある愛のかたち。 セクシュアリティ/ジェンダー、金銭感覚、世代間格差、成育環境…… あらゆる価値観の対立の中で現代を生きるわたしたちの祈りと叫び。 【凪良ゆう コメント】 「文芸書としては『星を編む』から2年半、ようやく新刊をお届けできます。 今作は結婚について。 婚姻譚と銘打ちながらも、婚姻への道のりがはてしなく遠い!! これは果たして婚姻譚と言えるのか、と担当さん達と首をかしげる場面もありました。 読んでくださった方たちと”現代の結婚”について語り合ってみたいです。」 【収録作 紹介】 「Thank you for your understanding」 家族の期待に応え、ついに恋人と帰省する決意を固めた華。 「Beautiful Dreamer」 結婚したい。ありふれた夢のはずなのに、東京ではこんなにも遠い。 「小鳥たち」 離婚して、実家の書店を継いだ一葉。そこに偶然、初恋の人がやって来て--。 「Position Talk」 入籍を目前にした男女。性差を越え、個としてわかり合える日は来るのか。 「C'est la vie」 仕事も恋も、魂を分けあった二人。だが、夢のような時間にはいつか終わりが来る。 -
あんたはだいじょうぶ
1歳になる前から、みち代は、 ご飯を食べるのも居眠りをするのも、 父の足の上だった。 足芸をする曲芸一座の流転ーー。 『芥川賞落選小説集』『おにたろかっぱ』の著者による 人間のおかしみと切なさが胸を衝く、傑作小説。 鉄熊みち代は、足芸をする曲芸一座の家に生まれた。 3歳でアメリカ巡業に出るが、6歳で父と生き別れ、18歳で母を喪う。 第二次世界大戦中は日本人を収容するマンザナー強制収容所で過ごし、 終戦後はホテルのメイドとして働いていたが、 ある日、ピストルの流れ弾にあたって天啓を受け 「あんたはだいじょうぶ」と唱えながら街角で足芸をはじめることに……。 失ってばかりだが わたしたちには心臓がある 足がある タライがある 樽がある 三味線があって りんごの木箱がある -
法月綸太郎の不覚
油断大敵。 「推理」のその先へ―― ミステリの可能性を押し拡げるシリーズ最新作! 書き下ろし短編「平行線は交わらない」など、 全4篇を収録した作品集。 【収録作品】 「心理的瑕疵(かし)あり」 首吊り自殺物件に住むライターが同じ死に方で発見される。 しかし、自殺だとすると現場には不可解な謎があって――? 「被疑者死亡により」 <交換殺人>の疑いを晴らしてほしい。 だが養父を亡くした依頼人には、多額の死亡保険金が転がり込む予定で――。 「次はあんたの番だよ」 ランナーが公園で目撃した“女の幽霊”。 その顔は二日前に殺された資産家女性と瓜二つだった。 「平行線は交わらない」(書き下ろし) 和菓子屋店主が殺された事件。 背景には和菓子経営者の兄弟の因縁が……? -
その手は明日を紡ぐために
★『ぼくが生きてる、ふたつの世界』映画化 ★『「コーダ」のぼくが見る世界』が「第71回 青少年読書感想文全国コンクール課題図書」(高等学校の部)に選出 今注目の著者・五十嵐大による、初の半自伝的お仕事小説! 「え? ちょろっと文章書いてもらうだけなのに、そんな金取んの?」 耳が聴こえない両親のもとで育った聴こえる子ども・コーダである伊賀紡(いが・つむぐ)は、自分のことを“ふつう”に見てもらえない環境に嫌気がさし、親元を離れ、東京でライターとして活動することに。ところが、そのライター業でも無力感に苛まれる出来事ばかり。両親を地元に残したまま“逃げてきた”自分への罪悪感が募る一方だ。こんな状態ならば、親のために生きるべきなのではないか……。そんな紡にとっての心の支えは、紡と同じように地元を出てきた共に暮らす親友、柏樹優平。ともに苦労を分かち合うことでなんとか日々を過ごしてきた。 ある日、ヤングケアラーとして育った過去を持つ実業家・蓮音美羽の取材で、彼女の様子がおかしいことに気がついた紡はある質問を投げかける。このことがきっかけとなり、紡は少しずつ自分が進むべき道を見出し、自信をつけていく。しかしそんなとき、優平から思いもよらない言葉を投げかけられ……。 居場所を探す全ての人に贈る、まっすぐ心に届く感動作 -
物が全てを教えてくれる 日本初の女性化学者・黒田チカ
“寅ちゃん”より30年前に 「知」の門を叩いた女性がいた。 日本初の女子帝大生・黒田チカ。 彼女の研究は、百年後の私たちの健康につながっている。 学ぶことを選び続けた女性化学者の挑戦。 大正時代、日本の帝国大学は男だけの学び舎だった。 それでも彼女は、学ぶことを諦めなかった。 幼い頃から学問への熱い想いを抱いていた黒田チカは、学齢前に尋常小学校に入学、姉のクラスで授業を受ける。 佐賀師範学校、東京女子高等師範学校を経て、チカは東北帝国大学理科大学(現在の東北大学)へ入学を果たす。 女性初の帝大生のひとりとなったチカの研究テーマは天然色素。 世間の嘲笑と制度の壁を前に「知」を選び続けたチカは長年の研究で数々の賞を受賞、 なかでもタマネギの皮に含まれる〈ケルセチン〉の血圧降下作用―― それは百年後の現在も、私たちの健康を支えている。 彼女の名は若き化学者たちの後押しとなる「黒田チカ賞」としていまも残されている。 日本の化学史に刻まれた、ひとりの女性化学者の確かな挑戦の物語。 カバーイラスト:シシヤマザキ 【目次】 第一章 五歳の小学生 第二章 門をひらく 第三章 紫の結晶 第四章 色を追う日々 第五章 玉葱の力
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