作品一覧

  • ミーのいない朝 愛する猫との二十年
    -
    1巻880円 (税込)
    愛猫ミーとの出逢いと別れを通し、深い絆を描いた感涙のエッセイ。初版刊行から26年を経て、海外メディアの注目が高まり世界的なベストセラーに!不朽の名作、待望の新装版。巻末に新たなエッセイ収録。
  • 半島へ
    3.5
    1巻1,881円 (税込)
    「海松」を超えた、究極の「半島物語」。東京を離れ、志摩半島を望む町で暮らし始めた中年女性。孤独な暮らしのなか、彼女がそこで見つめたものは? 川端賞受賞作「海松」を超えた、究極の「半島物語」。谷崎潤一郎賞、中日文化賞、親鸞賞受賞作! その春、「私」は半島に来た。森と海のそば、美しい「休暇」を過ごすつもりで――。たったひとりで、もう一度、人生を始めるために――。川端賞受賞の名作「海松(みる)」を超えた、究極の「半島小説」 顔を上げると、樹間で朝を待つものたちの気配がした。たぶんメジロやウグイス。どこに巣があるのかわからないが、葉擦れや枝のこすれとは違う音がする。寝覚めの脳に届いたのは身じろぎする鳥たちの気配だったのかもしれない。やがて、森のあちこちに青みを帯びた筋が差しこむ。樹間に広がる光の筋は、やがて明るい金色を帯びていった。途端に森の奥から、鳥の声がにぎやかに聞えてきた。なかに「リッカ、リッカ、ピイィ」と鳴く鳥がいる。そういえば、今日は立夏。東京から半島にきて、もう一ヵ月がたっていた。――<本文より> 第47回谷崎潤一郎賞受賞作 解説・木村朗子
  • 新装版 エンドレス・ワルツ
    3.0
    1巻1,870円 (税込)
    2014年八月に逝去した、作家・稲葉真弓の名作。阿部薫と鈴木いづみとの凄絶な愛の軌跡を描いた、女流文学賞受賞作。解説、小池真理子。
  • 自殺者たち 一日一死
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 毎日必ず人が死に、そのなかにはそれぞれの理由からさまざまな方法でみずから命を絶った人がいる。首吊り、飛び降り、服毒、割腹……明治・大正・昭和・平成の記録を拾い集めて提示する。事実を伝える行間から命への想いがにじむ鎮魂の日抄。

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  • 水の中のザクロ
    4.0
    1巻1,771円 (税込)
    ああ、ゴクラク、ゴクラクやね。湯の中でほどけてゆく心と体。ケンコウランドで出会う女たちのさまざまな生の形。――「いろんなものを流しにくるのよ。家の小さな排水口じゃ流せないものもあるから」と1人の女は言った。「なにを流すの?」「亭主に男」それに、と女は付け加えた。「昔のことは全部流したいねえ」それはなかなか流れてくれない、昔はしつこい、と言った。──本文より
  • 砂の肖像
    4.5
    1巻1,881円 (税込)
    ●「石に映る影」石の愛称は「ニコ」メノウの原石だ。いつも黒い服を着ていた謎の女K、そして、Kから聞いたニコのこと。●「ジョン・シルバーの碑」母は「パチンコ玉みたいなやつ」が居座ったままの右足のふくらはぎをごっそりと削る手術を受けた。難病に冒された母の病魔との闘い。他、珠玉の短編3作を収録!
  • 声の娼婦
    3.0
    1巻1,617円 (税込)
    ひとり都会に暮らす女たちの様々な心の風景。埋められない孤独と断絶感を抱きながら、都会の片隅にひとり暮らす女たち。結婚、仕事――揺れ動く心のかたちと生きかたを細緻な筆で描く秀作集。
  • 午後の蜜箱
    -
    1巻1,771円 (税込)
    しんと静まった闇の中に、五十数年生きている真琴とほんの少しだけ若い私がいて、しかし私たちは少しも自分のことがわからないのだ。男と出会って一緒に暮らしたりささいなことで別れたり、やっぱり一人がいいと言ってみたり、一方ではどこか別の場所で生きることを夢みたり。そのわからない自分の姿を、もし見られるものなら見たいという真琴の願いが私にもすんなりとわかるのだ。――(本文より)
  • ガーデン・ガーデン
    3.0
    1巻1,771円 (税込)
    女たちが戯れるエロスの庭。そこに咲く花には顔がなかった。奇妙な"消す"仕事から、夫婦の性と孤独、危うい愛のかたちが見えてくる。秀作集。「ガーデン・ガーデン」/「クリア・ゾーン」/「春の亡霊」。3篇収録!
  • 環流
    -
    1巻1,881円 (税込)
    かおり 16歳、高校生。演劇部所属。"幼なじみ"室田剛と"転校生"服部至の間で揺れる青春真っ只中。詩子 49歳、小学校の栄養士。地元の特産物を使った料理の「試食会」を主催。13年前に夫・昭彦と死別。ひな 76歳、華道教師。39年前に夫・孝二郎と死別。20歳の嫁入り以来、浮久町に住み、上げ舟を守る。祖母はここに嫁ぎ、母はここから出たことがない。そして、私は――母娘3世代、本当の大河小説。
  • 唇に小さな春を
    3.0
    1巻495円 (税込)
    人生のパレットに置かれた様々な色の物語。 川端康成文学賞、谷崎潤一郎賞を受賞した、ショート・ストーリーの名手による珠玉の小説集。 生と死、光と闇の間に遍在するさまざまな色。私たちにあまりに身近でありながら日頃意識することのない、ふとした瞬間にたちあがるひそやかな色。様ざまな事象が醸し出す「色」が小さな愛おしい物語を静かに語りかけます。 単行本未収録の、色のある掌編も3編収録。 「青」「桜」「黄緑」「オレンジ」「白」「黄金色」「銀」「紅」「朱鷺」「紫」「藍」などの色彩をまとった18編の短編と、3つの掌編からなる色彩のハーモニーをお楽しみください。

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ユーザーレビュー

  • 砂の肖像

    Posted by ブクログ

    珠玉の短編集。あなたに宝石を贈ります。

    帯に書かれた言葉を見たとき、何だかありきたりの売らんかな言葉だなあと思った。

    読み終わって「あなたに宝石を…」の意味はもとより、本当に透き通った鉱物の美しさが詰まっていたと思う。
    途中、何度もため息が漏れた。息をつめて読んでいたのだろう。

    15年一緒に暮らした大切な猫をおくった時、出会った作家だった。この人は解ってくれると思った。
    もっとたくさんの作品を書いてほしかったけど、今、向こうの世界で、青白い大きな蟹やM氏と笑いあっていればいいなと思う。

    0
    2015年01月02日
  • 半島へ

    Posted by ブクログ

    節季ごとに、自然の営みを観察し、それらに抱かれ、揺られながら、志摩での生活を描いている。なんとも言えない普通の日常が、特に盛り上がりもなく描かれているので、ゆっくりとしたうねりのような自然のリズムと一体感のある作品だと感じた。

    0
    2025年06月03日
  • 水の中のザクロ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    声が流れていると何も手につかなくなる。いらいらして、誰かを怒鳴りたくなる。でも声が聞こえなくなると、とたんに不安になる。妹の中でなにが壊れ、何を救えなかったのか考えてしまうんです。いまさらこんなことを言うなんて、本当にばかみたいだけど・・・・。ねえ、ありません?足元に割目が走るような気分。


    うまく言えないけど、私だって、ときどきは、ありますよ、いきなりもういやになること。理由なんかないですよ。突然、自分の中からこれまで知らなかった自分が起き上って勝手に歩き出しそうになること。そういうの、変ですかね。


    長くそこにいれば、踏みしめられて固まる場所と、少しずつ崩れていく場所がある。果物の

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    2017年10月14日
  • 砂の肖像

    Posted by ブクログ

    静謐な文体。砂のように、石のように、心の奥深く沈んで、取り出そうと思った時にしっかりとした手応えを感じさせるような……。

    略歴を読んだら『午後の蜜箱』の作者でもあった。さらーっと読んで忘れていた。

    「砂の肖像」が良かった。「掲示板」で知り合い手紙でつながる、会ったことのない人との濃密な関係。ミクシイ仲間とのレビューつながりとだぶって共感するところが多かった。


    作成日時 2007年06月02日 09:46

    0
    2009年10月04日
  • 自殺者たち 一日一死

    Posted by ブクログ

    自殺者と書かれているがそうでない人も混じっている。
    だからナンて事はない。明治から昭和・平成までに範囲が及んでいて普通に面白く読める。

    0
    2009年10月04日

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