バタン島漂流記

バタン島漂流記

2,090円 (税込)

10pt

荒れ狂う海と未知の島、そして未開の民。ため息すら、一瞬たりとも許されない――船大工を志すものの挫折し、水夫に鞍替えした和久郎は、屈託を抱えながらも廻船業に従事している。ある航海の折、船が難破に遭う。船乗りたちは大海原の真っ只中に漂う他ない。生還は絶望的な状況。だがそれは和久郎たちにとって、試練の始まりに過ぎなかった……。史実に残る海難事故を元に、直木賞作家が圧倒的迫力で描く海洋歴史冒険小説。

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バタン島漂流記 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    江戸時代 尾張家御用の植木等を積んだ弁財船が三河沖で遭難し33日間の漂流を経てフィリピンのバタン島に漂着。その後 島で船員達が自力で船を造り約2年の後故郷に戻ってきたという実話に基づいた話。漂流したのは15名。3名が島で死亡。1名が島に残り戻ったのは11名だった。

    船の構造や部位、船員の役割など聞

    0
    2025年05月02日

    Posted by ブクログ

    17世紀中頃、江戸時代。尾張から漂流した颯天丸。黒潮とその循環流に乗り、遠くフィリピンのバタン島に漂着する。言葉も通じぬ異国で絶望する15名の運命。史実に基づく小説、漂流譚。
    江戸時代の船にまつわる専門的な用語にも注目。普通に会社で使う「すり合わせ」という言葉の語源を本書で知る。
    鎖国下での船乗りの

    0
    2024年09月04日

    Posted by ブクログ

    ★5 史実に基づいた江戸時代の漂流記、海の男たちの生き様を堪能できる歴史冒険小説 #バタン島漂流記

    ■あらすじ
    徳川四代目家綱の時代、尾張と江戸を航路を結び、物品の輸送を行っていた。船には船頭をはじめ、十五名の船乗りたちが乗船していた。しかしある航海の途中、突然の荒波に船が難破してしまい、彼らは太

    0
    2024年09月01日

    Posted by ブクログ

    ついつい手に取ってしまう西條奈加さん。今回は、今まで読んできたものとはやや趣きが異なる「漂流記」。実話に基づいていることを読後に知った。
    「万に一つ」の生還につながる「理由」に納得感があり、特に、多様なメンバーをとりまとめ一つの方向に進めていく知恵には、目を見開かされた。究極の状況だからこそ、何がほ

    0
    2025年05月26日

    Posted by ブクログ

    史実に基づいた漂流譚。バタン島は台湾の先あたりにある島なんですね。とりあえず生きて島に流れ着いたものの、奴隷のような扱いを受けながら何とか日本へ帰る手段を考える水夫たち。挙句、労働力と見なされなくなった者には過酷な運命が待ち受ける。原始的村社会を維持するためとはいえ、苛烈である。更には、ようやっと日

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    2025年05月18日

    Posted by ブクログ

    江戸から尾張に帰る船が漂流し、何とかたどり着いたバタン島で奴隷の様な生活をしながらも帰郷の夢を抱き続けるその執念に感服。

    0
    2025年04月14日

    Posted by ブクログ

    江戸時代にバタン島に漂流して、何年もかかって日本に戻ってくる物語。漂流から流れ着いた島での奴隷のような生活、そしてありものの材料で船を作って帰国するまでの船員達の苦悩と希望が伝わってきた。

    0
    2025年03月08日

    Posted by ブクログ

    寛文8年(1668)、江戸から母港となる尾張に向けて航海中の颯天丸(はやてまる)は、母港に到着寸前に突然の嵐に見舞われて難破、そして漂流することになる。
    乗組員は全員で15名、絶望の淵から三つの島を見つけ、なんとかその内の一つに上陸する。
    そこには先住民が暮らしていて、上陸早々に諍いを起こしてしまう

    0
    2025年01月03日

    Posted by ブクログ

    1668年、四代目将軍徳川家綱の時代に実際にあった漂流事件を題材にしたお話です。当時は風が頼みの航海とは知ってましたが、まさか羅針盤も無しに操船していたとは知りませんでした。漂着した島では原住民にすべてを奪われ、ろくな道具も無しに船を造り、やっとの思いで帰国できたと思ったら厳しい取り調べを受け、最後

    0
    2024年12月06日

    Posted by ブクログ

    漂流の恐怖やその後の暮らしの過酷さは書かれているものの、さほど悲惨さ凄惨さはなく、どちらかというと冒険物語であり仲間との関係性の中での若者の成長物語。時代背景や当時の船乗りの暮らしぶりもわかって興味深かった。
    異国での生活風習は、受け入れがたく思うところもある一方で、神仏頼みでげんを担ぐ日本人のマイ

    0
    2024年11月30日

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