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亀戸で複数の死傷者を出した無差別殺傷事件が発生。犯人の深瀬という男は逮捕後、「死刑になりたかった」と供述している。事件記者の安田賢太郎は週刊誌での連載のため、深瀬とかかわりのある人物にインタビューしていく。彼の人生を調べていくうちに、不思議と共感を覚えていく安田。しかし、安田の執筆した記事によって、深瀬の模倣犯が出現して…。社会との繋がりを失った人々の絶望と希望を紡ぎ出す、迫真のサスペンス。
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Posted by ブクログ
ジャーナリズムとはどうあるべきなのか本当に必要なのかと考えさせられた また深瀬はどこで道を踏み間違えたのか 石田の抱えているものも深く最後まで面白かった
物語の中身ではなく、外側について。 岩井さんの小説は、セリフと物語が、いかにもなセリフや物語としての書き言葉ではなく、本当に口から紡がれたかのような切り方、それも長い時も短い時もある。それが臨場感や焦燥感など、空気を作り出しているように思う。 また、キャラクターが「立っていない」。だから、本当にいそ...続きを読むうで、本当にそう考えそうで、「ふつうに考えた範囲では、ふつうそうなるよな」と思えて、「いやそうはならんやろ」とあまり思わない(一部作品にはあるが)。 そうしたことが没入感をつくり出していると考えた。では人物に共感するか?というと、そういうことではない。ましてや今回の物語は共感してはいけない。そもそも創作物は共感ではなく、違和感を知るためのものだから。でも、その違和感によって、私の今を確認できる。それは『楽園の犬』もそうだった。
淡々と読んでいたのがいつのまにか没頭していた。はじめは主人公のあまりの薄情さに冷たい視線を送っていたが、彼の仕事ぶりと生い立ちを追っていくと次第に胸が熱くなっていった。主人公の安田はフリーの事件記者。「死刑になりたかった」と供述している無差別殺傷事件の犯人、深瀬を取材しているうちに、深瀬と自分との共...続きを読む通点を見出す。取材が進むほど苦境に立たされても他人事とは思えない安田は事件を深堀りしていく。安田と深瀬の「父親が憎い」という共通点、その危うさに思わず共感してしまった。それでも安田の心の葛藤と成長に救われた。
汽水域とは、淡水と海水が混じり合う所 〝水中を漂うミズクラゲが、安田の目には人間と重なって見えた。 誰もが常に、善悪の汽水域を漂っている〟 うわぁ~ すごく良かった 良かったよぉ゚゚\(´O`/)°゜゚ 岩井さんの作品の中でもかなり好きなやつ 無差別殺傷事件を引き起こした犯人は「死刑...続きを読むになりたい」と供述している。 その事件を追う記者・安田が主人公で、別れた妻との間に七歳の息子がいるのだが、まぁ本当に父親としてはダメダメだと思う。 家族にはまるで興味なくて、子供のことは全て妻任せ。 そんな父と息子の関係。 また、安田の子供時代における父親との関係。 そこに犯人の過去がリンクしていく… 安田の仕事に対する向き合い方は本当に真面目で、被害者側でも加害者側でもない中立な立場を保とうとしている。 なのに、自分の過去と犯人の過去をどうしても重ねてしまう… 各章ごとに記される過去、誠実さがよく分かる安田の記事。 この辺がめっちゃ効果的で、どんどん物語に惹き込まれる。 〝寂しい時には、自分の周囲に命綱が張り巡らされていることを思い出してほしい〟 著者のメッセージがしっかりと伝わる一冊だったと思う。
江東区の亀戸で無差別殺傷事件が発生。犯人は逮捕された後、「死刑になりたかった」と供述していると報道された。 フリーの事件記者・安田賢太郎は週刊誌編集部から依頼を受け、犯人として逮捕された深瀬という男について調べはじめたが……。 善悪の狭間でもがかざるを得ない人間にスポットを当て、その苦悩を描...続きを読むき出すヒューマンサスペンス。 ◇ 11月の隅田川テラス。日曜日だが晩秋の夕刻は寒々としていて、人の姿は見当たらない。 その中で、安田賢太郎は川面に垂れた釣り糸を見つめていた。 始めて3時間になるが、竿先はピクリとも動かない。それもそのはずで、シーバス釣りの時期はとっくに過ぎているのだ。 安田の横に座る海人は早々に釣りに飽きたようで、さっきからずっとスマホで動画を見ている。 今日はひとり息子の海人との面会日だ。 4年前に離婚してから定期的に海人と会っているが、どこに連れて行ってやればいいのか安田は未だにわからない。挙げ句、7歳の息子を季節外れの川釣りに連れ出して、退屈させてしまっているのだった。 釣果がないまま日没を迎え、海人と焼肉屋で夕飯を食べ終えたとき、安田はスマホに仕事のメールがいくつも来ているのに気がついた。 最新のメールは週刊実相の三品デスクからであると知り、慌てて開けてみると、 「ヤスケン、これ取材できる?」 とあり、その下にURLが貼り付けられている。 そのURLをタップすると飛んだ先はニュースサイトで、30分ほど前に配信された凄惨な事件についての記事だった。 そこには、 〈亀戸で通り魔 7人が死傷〉 という目を疑うような見出しが……。( 第1章 ) ※全5章。 * * * * * 無差別殺傷事件として世間を震撼させた亀戸で起きた事件。 犯人は深瀬礼司という35歳の男で、深瀬は動機について、「死刑になりたかった」と供述しているということでした。 安田は最初、フリーの事件記者としての打算で取材を引き受け、事件を調べはじめました。 けれど深瀬について調べを進めるうち、安田はなぜか事件への執着を覚えるようになります。 そして、週刊誌での連載ルポを2回で打ち切られてからも、安田は自費で取材を続けていくのでした。 「善」と「悪」の狭間でもがかざるを得なかった深瀬の人生を知るに従い、似た境遇で育った自らを省みる安田。 深瀬は罪を犯し、自分はすんでのところで踏みとどまった。しかし、そのとき立っていた場所は、善悪のどちらにも染まり得るという点で、深瀬と自分に違いはなかった。 中盤過ぎまでの安田の心情は、ざっとですが上記のような推移をたどります。 まったく、ずしりと重く心にのしかかる展開です。読んでいて、実にしんどい。 重圧に弱いいつもの私なら、少しずつ消化しようとして、恐らく何日もかけて読んだでしょう。でも今回は読むのを止められませんでした。 そして読み終えたあとは、世間や人間そのものの不条理について、柄にもなく考えてしまうなど、余韻をかなり引きずりました。 これはもう、岩井圭也さんの圧倒的な筆力のなせる業であると、しみじみ感じ入ったのでした。 また、『汽水域』という作品タイトルも秀逸だと思います。 でもやっぱり疲れました。
ジャーナリズムの意義、親子の関係、無敵の人。色々な要素がバランスよく折り重なって、テンポよく楽しく読めました。私たちは皆、汽水域を漂っている。
「誰でもいいから殺したかった」 「人を殺して死にたかった」 最近よく事件のニュースで耳にするフレーズ。 そのたびに 他人を巻き込まずにひとりで死んでくれ と強く思う。 そんな連続無差別殺傷事件について フリーの記者として地道に取材を重ね 答えのひとつと これからのヒントを導き出している。 ジャーナリ...続きを読むストとしての 矜持や覚悟にも惹かれたけれど 犯人と自分を重ね合わせながら 自分自身の弱さをさらけ出すことで ひとりの子であり、父であることの強さや やさしさを取り戻していく姿に心を動かされた。
「三人殺せば死刑になる」と無差別に通行人を刺した深瀬。 フリーの記者・安田は週刊誌から依頼を受け、その事件を追う。深瀬の同級生や担任、元恋人の取材を通じて次第に明らかになる過去。 他の媒体が深瀬を残虐な犯人と報じる中、元同僚は彼の印象が悪人とは違ったと語る。会社の不正を許せず上司に詰め寄った過去が...続きを読むあり、周囲との衝突があったという。報道に違和感を抱いた元同級生もまた、深瀬の正義感めいた人間性や、父の借金で東大進学を諦めざるを得なかった過去を語る。 タイトルの「汽水域」とは淡水と海水の混ざる境界域を指す。我々もまた、ある種の汽水域に漂っているのではないか。自分が「正しい」と信じることが必ずしも正解として判定されるとは限らない。しかし深瀬は、正しいと信じたことを全て正解にしたかったのだろう。 本書はタイトルの汽水域を比喩に、善と悪、加害者と被害者、オールドメディアとウェブメディアといった複雑な領域を描き出す。 最終章では、息子が生まれてからも父性を感じなかった安田が、事件を通じて小さな父性の芽生えを経験する。だがそれは離婚後の最後の面会でのことであり、安田の喪失感に胸が締め付けられた。ただ、ライターとしての背中を見せるという小さな光を見出し、絶望のまま終わらなかったことに救いを覚えた。
思わず読んでる最中に作者に対して「悔しい…ぃっっ」と発してしまった。汽水域ってそういうことかねと多角的に解釈したくなるストーリー。 安田の息子(海斗)のある一言に涙がドバッと来た。
サスペンスは苦手分野。 でも、ブク友さん達のレビューを読んで 「これはきっと読むべき」と感じて手に。 皆さんも書かれているように、やはりレビューを書くのが難しい本だ。 無差別連続殺人を廻り、様々な社会問題を盛り込んだ作品。 中でも私はジャーナリズムのあり方について考えさせられた。 ジャーナリス...続きを読むトは傷ついた人々にマイクを向け、苦しみの中からでてきた声をあらゆる手段で加工して世にだす。それはやり方次第で傷口に塩を塗るような存在になり得る。 それでも彼らは、社会のためにという使命感を持ち、誹謗中傷に堪えながらペンを握っていたのか… ワイドショーや週刊誌を開くと芸能人や政治家のゴシップや殺人事件の容疑者を叩く記事ばかりが目に付き、虚しさを覚えることばかり。 安田のように事件を追い、容疑者の動機の真相を明らかにできれば、社会の歪みから生まれる殺意が掬われる世の中になるのかもしれない。 ジャーナリズムは社会を変える力を持っているのだ。 誰もが汽水域という、善悪の中に漂っている。 それでも、「自分の周囲に命綱が張り巡らされている」と思える者は、悪の流れに流されずにいられるはずだ。 誰もがその命綱を実感できる社会。 それこそが最も難しいテーマだ。 ジャーナリズムがそんな社会に近づける力をもっている。 その事に気づいているジャーナリストはどのくらいいるのだろう…
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