完全なる白銀

完全なる白銀

869円 (税込)

4pt

夢枕獏、恩田陸両氏推薦! 新たな山岳小説!

緑里はアラスカに向かっていた。旧友シーラと北米最高峰デナリに登るためだ。
シーラの幼馴染、リタ・ウルラクは新鋭の女性登山家として名を馳せていた。二人の故郷、サウニケは北極海の小さな島だが、地球温暖化の影響で海に浸食されている。このままでは島は海に沈む――故郷の危機を世界に知らしめるため、リタは登山家として有名になるべく冬季デナリ単独行を計画した。写真家としての先行きに悩んでいた緑里はリタの果敢な言葉や行動に励まされ、彼女がそれを成しえたら真っ先にポートレートを撮ることを約束した。だがデナリの下山中、リタは消息を絶ってしまう。山頂から“完全なる白銀”を見た――という言葉を残して。
リタの登頂を疑うマスコミは彼女を〈冬の女王〉ではなく〈詐称の女王〉と書き立てた。緑里とシーラは、デナリに挑み、リタの登頂を証明することを決意。しかし、世界最難関への登攀は一筋縄にはいかない。ブリザード、霧、荷物の遺失、高度障害……二人の信頼関係も揺らぐ。困難を乗り越え北米大陸で最も高い地へ手を伸ばす緑里。その先に見えたものとは。
極限の地だけでなく、社会でも闘う女性たちを描きだす、気鋭の著者の新境地。

※この作品は過去に単行本として配信されていた『完全なる白銀』 の文庫版となります。

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完全なる白銀 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    2023年発表。北米大陸最高峰デナリ(マッキンリー)冬季登頂に挑んだ三人の女性の物語。登山が題材なのですが山岳小説というよりは、夢を追うということが実際にどのくらいの痛いのかということについて、静かに丁寧に書かれている小説なのだと思いました。栗城史多さんの『デスノート』を思い出したりしましたが、巻末

    0
    2025年07月12日

    Posted by ブクログ

    三人の女性達の雪山登山
    一人は、新鋭の女性登山家として、活動していたリタ 彼女は地球温暖化により故郷の島が海に沈む事に心痛めていた
    故郷の惨状を世界に知らしめるためデナリ単独登頂に挑んだ
    しかし「完全なる白銀」を見たという言葉を最後に消息を断つ
    一人は、プロカメラマンとなった日本人女性
    リタとは旧知

    0
    2025年01月12日

    Posted by ブクログ

    この作者さんをもう少し嗜んでみる、の3冊目。

    舞台になるのは、北米最高峰のデナリ。私の世代にはマッキンリーのほうが通りが良い。
    某大統領が就任直後にこの山の名前を変えるように命令していたが、本当にまた昔の名前に戻ったのかしらん?(レビューは、本の通りに「デナリ」で書いておく)

    冬季デナリ単独登頂

    0
    2025年08月28日

    Posted by ブクログ

    作品毎に全く異なるテーマと趣で驚かされる
    岩井圭也さん。

    今回の作品は、なんと山岳小説!
    いやぁ、岩井さん、守備範囲が広いですねぇ。
    さては、もと山岳部?登山愛好家とか?

    ・・・って、岩井さん、
    本格的な登山経験は全くないという衝撃の事実。

    えぇ〜っっ!!マジか??
    巻末の解説でビックリさせら

    0
    2025年07月24日

    Posted by ブクログ

    写真家の藤谷緑里は、冬季デナリ単独登攀で消息を絶った親友・リタの登頂を証明すべく、親友の幼馴染みシーラとともに、デナリへの登頂を目指す。
    登攀行動と、彼女たちの過去の出来事が交互に綴られる。
    著者に本格的な登山経験がないのに、登攀シーンに違和感などがないと、登山家が解説で書いている。
    人間の生理とし

    0
    2025年03月01日

    Posted by ブクログ

    山小説好きなんですが、んー、難しいです。読みやすいんですけど、山岳小説独特の私の好きなゴリゴリ感がちょっと薄いんですよねー。小説としてはすごいうまいですけど、偉そうですが。

    0
    2025年02月07日

    Posted by ブクログ

    岩井圭也『完全なる白銀』小学館文庫。

    初読み作家。以前から名前は知っていたが、気になりながらも、なかなか手が出なかった。この小説が山岳小説と知り、読んでみることにした。

    率直に言って、期待外れだった。山岳小説としても安っぽいし、ドラマとしても随分と安っぽい。地球温暖化問題だとか少数民族とかをテー

    0
    2025年01月26日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    わたしのまわりには登山を愛してやまない人が数人いるのだけど、その人たちはみんな趣味程度にとどまることなく、常に次を求めている。
    なぜそんな気持ちになるのかな、と思っていたのだけど、この小説の引き込まれるような描写で登山を疑似体験した気になり、限界を突破することの中毒性みたいなものを感じ、少し腑に落ち

    0
    2025年03月03日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    一時期、新田次郎や夢枕獏、笹本稜平にハマっていて、しばらくぶりに山岳小説を手にとる。
    山のみならずセクシャリティ、写真の本髄などの要素が絡まって、一気読み。驚くことに登山経験がないのに、その描写は澱みなく、リアル。
    一つ気になるのは、女性の感情が男から見たものに思えること。非常にわかりやすいが、女性

    0
    2025年04月12日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    アラスカにも登山にも写真にも縁はないのだけれど、あらゆるシーンが目の前に現れ、臨場感がすごかった。
    高山病に緑里がなったときには、自分の頭でが痛いわけではないのに、こめかみ押さえてた。

    0
    2025年02月26日

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