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Posted by ブクログ
表紙から、ちょっとダークかな?と思われる部分を感じていたが、全く!!
明日への希望!が、岩井さんの暖かい言葉と表現で伝わっていく!
最後、一瞬ファンタジーがはいるが、それでも、
あした への肖像(自分自身)と向き合える、向き合えた主人公によかった と思えた。
最初から最後まで主人公が軸となって物語が進むので読みやすい!
美大に通う男子学生が主人公で、彼の作品はすべて
自画像である、
たんに書けば良いのではない、自分を知る
そんな、彼に教授からバイトの話が入る。学内で亡くなられた女性生徒の保護者より彼女の自画像をかいてほしいとのこと。
彼は、彼女を知るために、色んな人と出会い、いろんな話をする。感情があらわになったり、激しくなったり、怒りが声に出たりと、人間味が増え出すような、血が通い出してきたような、、そんな姿さえ感じ取れる。
彼が、最後まで、かけた時、私自身も喜んだ。そして、彼の作品をこの目でみたいと思った。
機会があれば、芸大の子だちの有志の展覧会があれば見に行きたい!魂を感じたい!!
岩井圭也さんの小説は心が喜ぶ。
Posted by ブクログ
『ぼくにとって絵を描くことは、呼吸と同じだった。人は呼吸しなければ、生きていけない』
冒頭の一文
つまり、描けなくなったら生きる理由がない。
そんな美大生の小滝英哉は、教授からあるアルバイトを依頼される。
「肖像画を描いてほしい」
モデルは学内の事故で亡くなった学生で、彼女の両親から学校に依頼があったという。
小滝は彼女を知るために友人や実家を訪ね歩く。それと同時に、突然姿を消した恋人の宇野ひなたの行方も追う。
その過程で小滝は自分自身と向き合い、己を知ろうと、もがき苦しむ…
私は美大生のように特別な才能もないし、平凡な人生を送ってきたと思う。
だけど一応青春時代を経験してきたから、分かることもある。
嫉妬心や焦り、自分自身を認められない未熟さ…
でもね、苦しい日々が続いても、きっと出口があるのよ。
ある日、小滝の前に現れる謎の青年・ツブキリュウ。
彼は一体何者なの?
しかしこのリュウが、小滝を出口に導く重要な存在なの。
そして私のお気に入りのシーンは、小滝とひなたの思い出のドライブ。
糸魚川の海岸でヒスイを探す場面なんだけど、ここだけは優しい光を放っていて、やわらかい気持ちになる。
あぁ、私は岩井圭也さんの書く小説が好きだなぁ。
と、改めて思う一冊だった。
Posted by ブクログ
藝大の油画と言えば、日本の最高峰…
そこで学ぶ学生達の苦悩というと、想像以上なのだろうと思ってはいた。
我が息子やその友人達も美術を志し、厳しい予備校時代や浪人時代を経験した。
だからこそ彼らの苦悩を少しでもわかりたいと思いながらの読書。
正直とても辛く、未だその余韻でやや思考停止気味…
美術でも音楽でも、芸術を志す者たちにとっては、常にスランプや嫉妬との闘いであり、天才と呼ばれる者たち程プレッシャーとの闘いでもある。
藝大に入れなかった者にしてみれば、藝大に入れたのだから、才能はお墨付きではないかと思う。
でも、それは全くの逆で、藝大生だからこそ、最高の卒制を生み出すことのプレッシャーは想像できない程なのだと思う。
才能とは、なんなのか…
「兄には絵を描く才能があったからいい!俺には何の才能もない。」
と泣きながら叫んだ我が家の次男に、
「才能があってもなくても同じように努力しないとなんににもなれないんだよ!」
と泣きながら話したことを思い出す。
才能があったとしても、それを活かせるかは自分次第なのだ。
ひなたも小滝も、樺沢穂香も、自分自身を知るために制作し、自分の思いを作品に込められることを願う。
芸術とは、自分自身を探り続ける作業なのだ。
自分自身の明日の肖像画を描くことほど難しいことはない。でも、それをやり遂げる力はどれだけ自分を知り、自分を信じられるようになるかなのだろうな…
自分自身を知ろうとする作業は、芸術を志すものだけでなく、すべての人に与えられた使命なのかもしれない。
我が子だけでなくすべての若者達が、学生のうちに、たくさんの挫折を味わいながら自分を探すことができますように。
Posted by ブクログ
美大生の苦悩と孤独が詰め込まれた一冊でした。
天才と呼ばれている人にも、天才を見て自分の限界を知った人にも苦悩がある。
芸術を志す人にとって、自分とは何ぞや?という問いは一般人のそれとはまるで違った意味を持つのだなと深く思いました。
描けなくなった時、表現出来なくなった時、それでもこの自分は自分自身と言えるのだろうか?描けない自分を愛してくれる人はいるのだろうか?
学生時代に自分の道を決められる人、ましてや才能がある人を羨ましいと思っていたけれど、それ故に苦しい思いがあるのですね。読んでいてとても苦しかったです。
ミステリー要素もふんだんに盛り込まれていて読み応えたっぷりだし、終盤はファンタジー要素が絡んできましたが、私は好きな展開でした。
ファンタジーの謎を続編で書いてもらいたいような、謎のまでいてほしいような……
Posted by ブクログ
岩井圭也さん、本当に幅広い。
そしていずれの話もその世界に引き込まれ、
没入したまま、あっという間に読み終えてしまいます。
今回は美大が舞台。
(美大の最難関、上野の森の向こうにある東京藝大と思われる。
新倉と待ち合わせしてルシアンをのんだ古民家の喫茶店はカヤバ珈琲です、きっと!)
才能ひしめく中で、そこでまた優劣がつく。
真の天才の前で、自己を保つことはなんて難しいんでしょう。
それが愛してる人ならなお辛い。
小滝とひなたの決断はとても現実的で
あれぽっちの言葉だけで通じ合って
読んでるこっちの心はカラカラに乾燥してしまいそうだよと思ったら
思わぬファンタジー要素でなんだか少し潤いました。
亡くなった学生樺沢穂香の肖像画依頼の話はミステリー風。最後死の謎が解けて、
穂香の作品への想いがわかり、ホッとしました。
失踪したひなたの話、肖像画依頼の話が
絶妙に絡み合い、小滝を苦しめ、成長させます。
モヤモヤとした期間が長くて読んでいて途中とても苦しかったけど、読後感は良かったです。
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