【感想・ネタバレ】あしたの肖像のレビュー

あらすじ

自画像をライフワークとする美大三年生の小滝英哉は、教授からアルバイトを頼まれる。それは学内の事故で亡くなった彫刻家四年生・樺沢穂香の両親からの依頼で、肖像画を描くというものだった。故人を描くという難題を前に、穂香を知るため不可解な事故の原因を探ろうと小滝は関係者に話を聞く。その頃、周囲から天才と呼ばれていた同級生で、小滝の恋人でもある宇野ひなたが行方不明になっていた……。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

藝大の油画と言えば、日本の最高峰…
そこで学ぶ学生達の苦悩というと、想像以上なのだろうと思ってはいた。

我が息子やその友人達も美術を志し、厳しい予備校時代や浪人時代を経験した。
だからこそ彼らの苦悩を少しでもわかりたいと思いながらの読書。
正直とても辛く、未だその余韻でやや思考停止気味…

美術でも音楽でも、芸術を志す者たちにとっては、常にスランプや嫉妬との闘いであり、天才と呼ばれる者たち程プレッシャーとの闘いでもある。

藝大に入れなかった者にしてみれば、藝大に入れたのだから、才能はお墨付きではないかと思う。
でも、それは全くの逆で、藝大生だからこそ、最高の卒制を生み出すことのプレッシャーは想像できない程なのだと思う。

才能とは、なんなのか…
「兄には絵を描く才能があったからいい!俺には何の才能もない。」
と泣きながら叫んだ我が家の次男に、
「才能があってもなくても同じように努力しないとなんににもなれないんだよ!」
と泣きながら話したことを思い出す。

才能があったとしても、それを活かせるかは自分次第なのだ。

ひなたも小滝も、樺沢穂香も、自分自身を知るために制作し、自分の思いを作品に込められることを願う。
芸術とは、自分自身を探り続ける作業なのだ。

自分自身の明日の肖像画を描くことほど難しいことはない。でも、それをやり遂げる力はどれだけ自分を知り、自分を信じられるようになるかなのだろうな…

自分自身を知ろうとする作業は、芸術を志すものだけでなく、すべての人に与えられた使命なのかもしれない。

我が子だけでなくすべての若者達が、学生のうちに、たくさんの挫折を味わいながら自分を探すことができますように。

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2026年04月23日

Posted by ブクログ

美大生の苦悩と孤独が詰め込まれた一冊でした。
天才と呼ばれている人にも、天才を見て自分の限界を知った人にも苦悩がある。
芸術を志す人にとって、自分とは何ぞや?という問いは一般人のそれとはまるで違った意味を持つのだなと深く思いました。
描けなくなった時、表現出来なくなった時、それでもこの自分は自分自身と言えるのだろうか?描けない自分を愛してくれる人はいるのだろうか?
学生時代に自分の道を決められる人、ましてや才能がある人を羨ましいと思っていたけれど、それ故に苦しい思いがあるのですね。読んでいてとても苦しかったです。
ミステリー要素もふんだんに盛り込まれていて読み応えたっぷりだし、終盤はファンタジー要素が絡んできましたが、私は好きな展開でした。
ファンタジーの謎を続編で書いてもらいたいような、謎のまでいてほしいような……

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2026年04月23日

Posted by ブクログ

芸術に向き合う学生のドラマです。
表紙の男の子は【アイツ】かな…?

事故死(恐らく)してしまった樺沢の過去を追及し、彼女の人物像が明らかになっていく様は気持ちよく読めました。
自分自身の問題とも向き合って、最後に出した答えはとても納得しました。

学生のひと夏の成長を見届けた、そんな作品です。

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2026年03月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

芸術を志す人たちの心情とは繊細でなんと苦難に満ちているのかと思い知らされた。
才能がない自分と向き合うことから逃げるために死を選ぶことも厭わないなんて、凡人には想像できない心理状態である。
小滝は突然連絡が取れなくなった恋人ひなたの失踪理由と作品制作中の事故で亡くなった学生樺沢穂香の肖像画を描く依頼を受け穂香の過去を辿る中で、自分を見つめ傷つき絶望していく様は心がザワザワして「小滝、死なないで」と祈りながら読んだ。
ツブキリュウの存在が救いでもあった。タイムリープものは好みではないが、この作品では大いにありだ。

岩井圭也さんの作品は好きで何冊か読んでいるが、これはお気に入りの一冊となりました。

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2026年03月28日

Posted by ブクログ

最近読んだ「真珠配列」と打って変わって、清々しい青春小説で夢に向かって悩む主人公を応援せざるを得ない、素敵な作品でした。

本作の主人公は自身の肖像画を描くアートスタイルの美大生。肖像画制作を通し自身の内面を見つめていた主人公は、ある日教授の推薦で、事故で亡くなった先輩の肖像画を描くことになる。その先輩は、どうして亡くなったのかを探る中で、美大生としてのあり方を見つめ直すというお話。

本作は、①肖像画の完成、②音信不通の恋人との和解という2軸で進むのですが、その2つの主軸どちらにおいてもクリエイターゆえの葛藤が描写されます。この葛藤を経ることによって、恋人への理解と亡くなった方への理解が深まっていき、そして主人公の決意へとオーバーラップしていく感覚がとても素晴らしかったと思いました。

表現力も素晴らしいなという印象なのですが、構成も面白くて、少しミステリー要素が含まれるような描写もあって意外性があるのも本作の良かった点かなと思います。

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2026年02月11日

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自分を知るために自画像にこだわり続ける美大三年の小滝英哉は、学内の事故で亡くなった彫刻科の樺沢の肖像画を描くというアルバイトを教授から頼まれる。
故人を描くという難題に先ずは、彼女について知ろうと動くのだが…
小滝には天才と呼ばれていた同級生であり、恋人の宇野ひなたの行方不明も気になっていた。
突然、現れたリュウとは…


芸術というものを知れば知るほど才能の有無に悩まされ、自分の存在も見失なうということを若いうちから経験する…苦しくも自分でどうにかするしかないというのはとてもしんどいことだと感じた。

決断することの辛さや苦しさもありながら成長していく姿を見ることができたのはよかったと思う。



小滝やひなたの未来はどうなっているんだろうと想像が膨らむ。

そして、リュウは…









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2026年02月05日

Posted by ブクログ

芸術大学に通う小滝(こたき)は自らの肖像画を描き続けています。時に他者の才能に触れ、嫉妬して打ちひしがれながらもまた再び自分を見つめて、そうやって成長していく物語りだったと思います。いくつもの想定外の伏線とその回収があり、先を読ませない、かつ、緻密に構成されたストーリー展開が好印象でした。
小説が映像化されることは多々ありますが、肖像画やその他芸術作品が重要な役割を果たしている本作品に関してはそれが難しい、是非小説として読むことをお勧めしたい内容でした。
星4つといたしました。

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2026年04月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自画像を描き続ける藝大の青年が学内の事故で亡くなった女性の肖像画を描くことを頼まれるが…

天才と呼ばれる者の苦悩
才能を見せつけられる者の苦悩
ちょっと胸が苦しくなります。

そんな芸術と事故の真相を探るというミステリー要素が唆る一冊♪

やっぱり岩井作品は面白い♡





自分の過去を考える読書だったわ〜

わたしも小さい頃から絵が上手いねって言われてた。なぜか見たままを描くことができた。裕福な子の24色絵の具が羨ましかった。でも絵の具を混ぜると何色でもできると知って楽しかった。絵を描く人になりたいと思った。中学生の時に隣の男子の風景画を見てショックを受けた。漠然と何かが足りない事がわかった。将来絵を描く人になりたいと思うことを諦めた…

40代の時パート先のスーパーが某激安店と合併して激安ジャングルになった。
パン担当からPOPさんになった自分はある意味絵を描く仕事になった笑笑


ジャングルでの後半はまたいつかʅ(。◔︎‸◔︎。)ʃ








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2026年04月24日

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自画像をメインに描く美大三年生の小滝英哉は、教授からあるアルバイトを頼まれる。それは学内の事故で亡くなった彫刻家四年生・樺沢穂香の両親からの依頼で、亡くなった彼女の肖像画を描くというものだった。故人の穂香を知るため不可解な事故の原因を探ろうと小滝は関係者に話を聞く。そして、それ以前より、周囲から天才と呼ばれていた同級生で、小滝の恋人でもある宇野ひなたが行方不明になっていた。穂香は本当に事故死なのか、さらに、行方がわからないひなたには何があったのか…。

今回の岩井作品は、美大生の描く苦悩、事故死した美大生の死因、そして、恋人はなぜ行方を晦ましたのか?という、青春ミステリ的なもの。

絵の才能って、生まれ持ったものなのかなー、大変だよなーって感じで読んでいたら、ひなたの姿を消した理由がわかり、最後には穂香の死の真相とキーパーソンとなる謎の青年リュウについてわかってくる。

明るい雰囲気は一切なく、美大生英哉の苦悩ばかり。

ひなたと英哉の未来のためには、あれはアレでよかったのかもしれないけど、なかなか難しい選択だったな。そして、ほんのちょっとだけ、明るい未来があるような終わり方には救われた。

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2026年04月12日

Posted by ブクログ

美大生(たぶん東京芸大)たちの話。
出てくる人たちがみんな真剣に、命がけみたいに絵や彫刻と向き合っていた。
読み終えてからあらためて表紙を見た。
これって、あの彼だよね。

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2026年04月05日

Posted by ブクログ

芸術家は自分とは対極にいるような人達というイメージがある。
努力だけでも、才能だけでもダメ。周りが評価してくれても自分が納得できなければダメ。そして、その自分自身が納得できるものが何なのかさえもわからない。正解のわからないこの世界は本当に厳しい。
この本の芸術を志す若者たちのタイプはバラバラ。
でも、それぞれの苦悩が伝わってきて、「わー、やっぱり大変だわ!」となった。
芸術家だからなのか、行動も自分の常識とは違っていて、なんとなく突拍子もない感じがしたけれど、違う世界に足を踏み入れた気分になった。
「絵は本人よりも本人を表している」という言葉があったけど、芸術作品ってそういうものかもしれないなとも思った。

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2026年03月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

芸大で油画を専攻する小滝と、突然行方不明になった彼女のひなたとの関係、そして小滝が肖像画を制作することになった故人、樺沢ほのかの死の真相、この2つを軸に展開されるちょぴっとSF(?)要素も含む物語

自分を知るために自画像を書き続けていた小滝ですが、ひなたの失踪を引き金にして自分自身の中にあった劣等感や虚栄心、ひなたへの少し歪んだ羨望にも気づいていきます。

恋人の失踪の真相に近づくにつれて、そういった自分の情けない部分にも容赦なく向き合う羽目になり、葛藤を抱えきれずに勢いのまま線路に飛び込もうとするのですが、、、。

とある人物のおかげで命拾いし、ほのかの死の真相にも納得のいく答えが見つかり、もう一度自分の人生と向き合う覚悟が芽生えていく小滝。

それを支えてくれたのは、ひなたの描いた自分の肖像画。
きっと描かれていたのは、見栄も虚栄もない等身大の自分だったのではないでしょうか。

ストーリー展開は2つの謎に近づいていく過程がとても惹き込まれ、非常におもしろかったです。

ただ、めちゃくちゃ個人的でデリケートな内容を、事情を知らない人もいる前で喋り始めたり勝手に口外してしまうのは、友達として(人として)どうなの?って結構本気で腹が立ちました。

そりゃ小滝も自暴自棄になってしまうわ、と。
確かにその件は必要だったかもですが、もっと他の手段もあった気がする、、、。

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2026年03月20日

Posted by ブクログ

ほんと岩井圭也さんのバリエーションの多さ。

才能があるがゆえのしんどさ。人よりちょっと才能がある。でもそれからは何の保証もない。別の道を歩む人、描き続ける人。

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2026年03月08日

Posted by ブクログ

才能があるがゆえの悩みは計り知れない。3人の若者の不安や葛藤、嫉妬や焦りがひしひしと伝わってきた。もっと違う選択をしてほしかったと思う場面もあったが、最後まで引き込まれた。

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2026年03月07日

Posted by ブクログ

恋人の失踪、火災事件の真相、そして芸大生の小滝の絵描きとしての苦悩が、ないまぜになり物語が進んでいく。

はー、若いって痛々しいし、なんだか人生難しいなぁ。小滝と彼女も、こんなあっさりしていて良いのだろうか。こうするしかなかったのか。悲しすぎるなぁ。


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2026年02月21日

Posted by ブクログ

あなたは本当にやりたいことを忘れていませんか? 「青春」を真正面から描き切った力作 #あしたの肖像

■あらすじ
美大生の小滝は、いつも自画像を描いていた。彼のもとに教授からある人物の似顔絵を描いてほしいと相談される。その人物は同大学の学生樺沢穂香、彼女は既に事故で亡くなっており、両親から依頼を受けたものだった。

小滝は人物像を描くために穂香の関係者に聞き込みをするも判然としない、また穂香の死因にも疑問が残る。さらに小滝には同級生の恋人がいたが、音信不通になっており…

■きっと読みたくなるレビュー
「青春」を真正面から書き切った力作ですね。

岩井圭也先生の作品は何冊は拝読してますが、パワー溢れる演劇&青春小説『舞台には誰もいない』に近いものを感じました。若いっていいなーと思う反面、私の20代の頃を思い出すと胸が締め付けられる…

本作は自画像に執心する美大学生が、故人穂香の似顔絵描くために関係者に聞き込みをしていく。並行して、彼の恋人が行方不明になってしまうが、理由も居場所も分からずに苦悶。やがて故人や恋人の情報に触れあうことにより、自身の芸術性や生きる価値観と重ね合わせ成長していく。

この手の作品って、ひたすら主人公の心の内を描く、内省がメインになるから説教臭くなりがち。しかし本作は恋人、友人、教授など、良い壁打ちキャラを配して、エンタメに仕上げているのがお上手。

さらには故人の人柄調査と行方不明になった恋人探しという、私立探偵小説の形式で進行するところも引きこんでくれるポイントですよね。もちろんミステリーらしい展開もあり、楽しませていただきました。

全般的に青春小説であり、悩みを抱えた若者たちを描いています。背負いきれない難題、本当にやりたいことへのチャレンジなど、彼らの熱い熱い想いが伝わってきます。こういう作品を読むと、もう若くない私も挑戦してみたくなるんですよね。元気をくれる作品でした。

■ぜっさん推しポイント
本作の主人公は自画像をライフワークとする絵描き作家。読み始めてすぐに思ったこと、この作品は岩井圭也先生自身の叫び声なんじゃないかと。

絵、小説、アート、音楽…、何もないゼロから何かを生み出す作業ってのは、他人に評価される・されないの区別はあっても、自分自身で納得する・しないの区別はないと思うんだよね。だからこそ芸術家って内省力が必須なんだけど、さらに耐え抜く根性があるかってのもキモ。

本書最後のページ「絵を描くということは… 」以下最後までの文章。岩井圭也先生が作家として生きていくこと、表現することへの覚悟のメッセージに読めるんですが、いかがでしょう。

きっとこれまでたくさん苦しみ悩んだんだと思う。だからこそ未だ芽吹いていない若い人たちに、精一杯のエールを送っているようにも見えるのです。

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2026年02月10日

Posted by ブクログ

岩井ファンの1Qさんはすぐに気づいちゃいました!

本作『あしたの肖像』の主人公・美大生の小滝英哉は彼にそっくりだと


彼って誰って…?


それは、「彼に鑑定できない証拠物なら、他の誰にも鑑定できない」と言わしめた男・土門誠だ

なぜなら土門さんのトレードマークといえば、ベージュのジャケットとパンツですよね
これはもう周知の事実です


で、小滝英哉も土門さんに負けじと紺色のセットアップを愛用している
夏場は毎日これを着て、洋服には興味がない、着るものに頭を悩ませる時間がもったいないという考え方も土門さんにそっくり


しかーし、小滝くん、君はまだまだ土門さんには及ばないよ!
だって君は紺色のセットアップを何着持っているんだい?

四着でしょ!
まだ四着!

土門さんなんて七着よ!

今すぐ買ってきなさい
あと三着買って土門さんに並びなさい!


そしたら評価も★5にしてあげる

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2026年02月10日

Posted by ブクログ

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ぼくを救うのは肖像画だけ。
君の姿を描かせてほしい。

『永遠についての証明』の著者があらたに描く、
いとおしくて魂が震える、青春小説のニュー・ヴィンテージ。』
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自画像にこだわり続ける美大三年の小滝。
ある日学内の事故で亡くなった樺沢穂花の肖像画の制作依頼を受ける。
彼女を知るために周囲の人間から話を聞き、事故について調べて始める…。
そんな小滝は、恋人の宇野ひなたが行方不明になっており…。

美術に対する拘り、プライド、祈り、嫉妬。
そして複数の謎。

ひなたは見つかるのか。
穂花はなぜ命を落としたのか。
小滝がたどり着く未来とは。

穂花の話は少し泣きそうになりました。

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2026年02月08日

Posted by ブクログ

著者の作品はこれまでにも何作か読んできたけど、本作もまたこれまでとは異なる雰囲気で、その引き出しの多さに改めて驚かされた。芸術を生み出すことの難しさや、才能への憧れと嫉妬といった感情が生々しく伝わってくる。青春小説にミステリーの緊張感、さらに終盤にはSFの味わいも加わり、最後まで一気に読み切ってしまった。結末には好き嫌いが分かれるかもしれないが、私はこの終わり方でよかったと思う。

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2026年02月08日

Posted by ブクログ

美大の三年生小滝英哉。自画像にこだわり続ける彼が教授に頼まれたアルバイトは、学内の事故で亡くなった彫刻科四年生・樺沢穂香の肖像画を描くことだった。彼女の死の真相を探る過程で否応なく直面する自らの才能と生きる意味。天才と呼ばれる恋人・ひなたの突然の失踪。天才の苦悩と、傍で才能に焦がれる者が抱く焦燥と敗北感。小滝が行きついたその先の生き方とは。


読んでいてずっと「永遠についての証明」の世界を思い出していた。
数学と芸術という違うフィールドではあるけれど、天才とそうでないものの間にある圧倒的な差と、持つ者の苦悩と、持たざる者の焦燥。
「永遠に〜」は天才の精神的な脆弱性とその側で天才への昏い嫉妬を描く者の姿を描いて救いがなかったが、こちらは最終的に救いがあって読後感はいい。

小滝の自己肯定感の低さが気になったけど、周りに圧倒的な才能を持つ者がいたらそうなってしまうんだろうか。絵が描けなくなったら生きている意味がないとまで追い込まれながらしか、芸術って続けられないものなのか素人にはよくわからないけど。
ツブキリュウジという謎の青年の正体。ここでSF?と思ったけれど、上野動物園との秘密の抜け穴のくだりでひなたが言った「絶対のあり得ないと言い切れる根拠がないなら、どんな可能性も捨てないほうがいい」という言葉を伏線として妙に納得した。

クライマックスは穂香の元恋人・新倉が出来上がった肖像画を見るシーン。泣けました。

青くて、痛くて、ひたむきで、もがき続ける青春の輝きを描かせたら右に出るものはいないんじゃないかと思う岩井さん。次はどんな若者の姿を見せてくれるのかと期待しかありません。




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2026年02月05日

Posted by ブクログ

肖像画を描き続けている美大生が、もがきながらも必死に自分と向き合っていくお話。
サスペンス、青春、SFいろんな要素が一冊に入ってて読み応えがあった。
芸術を生業とするすべての人たちにおすすめしたい。

妄想実写化キャスト
小滝英哉→高橋文哉
宇野ひなた→山田杏奈
樺沢穂香→吉川愛
ツブキリュウ→齋藤

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2026年02月03日

Posted by ブクログ

絶好調岩井さんの新刊。またもやクリーンヒットかな。美大を舞台にしたラブストーリー、青春物語みもありつつ、才能、男子学生の青さ、性急さ、鈍感さや情けなさなども真正面から描かれていました。後半からの展開には驚き、最後にとどめの謎も出てきて「えっ?!」となったり…。読んだ皆さんの感想が知りたい…

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2026年01月30日

Posted by ブクログ

芸大生ならではの悩みが随所に散りばめられ、芸大祭しか知らない私にも引き込まれて文字通り読ませる小説だった。リュウという不思議な青年の立ち位置が絶妙。最後は明るい展望が見える終わり方でホッとした。

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2026年04月20日

Posted by ブクログ

芸術家志望も大変。趣味で絵描いたり、彫刻刀握っている分には楽しいんだろうけど。何度も表紙見返したが、哀しみ?虚無?何と表現すればいいんだろう?この表情。そして、この肖像画は小滝くん?最後はきれいにまとめているけど、小滝くん、あっさり別れちゃダメだろう。どう理屈つけても自分勝手。岩井さんの引き出しの多さには感心するけど、ミステリーとしてはモヤモヤ感残った。「肖像画には、その人そのものが表われる。絵は時に、写真や映像よりも雄弁に物語る」なぜか唐突に「麗子像」頭に浮かぶ。「肖像画は、ただ見たまま描けばいいというわけじゃない。描かれている人の内面が滲んでいなければ、絶対にその人には見えない」ふーん。

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2026年03月30日

Posted by ブクログ

推しの岩井さん。本作はあまりのめり込めなかった。と言うか、主人公小滝の心境についていけなかった。美大で自分の肖像画しか描かない小滝に依頼された事故でなくなった女子大生の肖像画描き。自分と同じ境遇の彼女は本当に事故でなくなったのか?そして半年前に突然姿を消した彼女の行方を追うことに。設定はすごく良かったのに物語を追いきれなかった。ちょっと残念。

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2026年03月17日

Posted by ブクログ

岩井圭也さんの作品は多種多様でいつも驚かされる。

今回の作品は、美大生が自画像を描くことをライフワークとしながら、自我に向かい合い、生きることの苦悩と葛藤を描いた内容。

芸術の探究が趣味の領域を超えて、生きる術にしたいと考えた人は、こんな風に思い悩むんだろうか。
描けなくなることがイコール、死までも連想させる。
さらに、若さ故の不器用さや純粋さ、青春のほろ苦さが、これでもかと迫ってくる。

きっとそこに身を置く者にしか想像できない世界があるのだと思う。そして、そんな特異な世界へ静かに読者を誘う岩井さんの引力がすごい。

静寂感と緊張感のただよう作品だが、結末も予想外で驚いた。
何者?という疑念はずっと抱いていたが、そう来たかという驚き半分、唐突にファンタジーが入ってきたため、消化不良の要素が残った。ネタバレのあとで、もう少し膨らませて、楽しませて欲しかった。


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2026年03月15日

Posted by ブクログ

秀でた才能を持つ人が抱える苦悩や葛藤が痛々しい程に感じる作品だった。(「永遠についての証明」と通づるものがあった)
話の中枢は樺沢穂香の肖像画作成にあるけれど、それと同時に小滝とひなたとの関係や小滝の今後の進路等のストーリーも進んでいくので、それぞれの問題がどこへ向かっていくのか気になってどんどんと読み進めてしまう。
あと、ミステリーの他にまさかの要素もあってびっくりした。

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2026年03月08日

Posted by ブクログ

自分を知る為に自画像を描き続ける芸大生。
その青さいいねぇ。
恋人と連絡が取れなくなった理由にせまり、並行して学内で事故で亡くなった学生の肖像画を描く事になり、その人柄と事故の原因を知ろうとする。
そして謎の青年、リュウの存在。
若くて青い。

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2026年02月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

デビュー作「永遠についての証明」の芸術編と思わせる展開だったが、エンドは違っていてなんだかホッとした。

音信不通になった理由は解けなかったけれど、
なるほど、従弟については、結果あるあるかなというオチも。

いずれにしても、未来は明るい、そう想像できる世界があった。

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2026年02月22日

Posted by ブクログ

自画像を描き続ける小滝英哉。
小説最初からこの男の言動に言いようのない嫌悪感があった。
彼女を妊娠させてしまった行為の稚拙さ、妊娠が分かった時の身勝手な対応など、主人公に魅力がない。
そのうえ怪しいタイムトラベルらしき挿話で、物語を良い方へ無理やり持っていくには無理があるように思う。

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2026年02月19日

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