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Posted by ブクログ
とっても興味深い一冊
物語としてはとっても面白かったし
起こった事件がどういう風にキャラクター達に関係していくかとか
考えながら読んでいくのも楽しかった
ただ医療に関しることだけはどんなタイプの小説を読んだとしても難しい…
このお話もしかり…
ただ扱っている題材が人の倫理に関することだったから
現実の中に落とし込んでしまうと
ただただ物語として楽しんでいることに複雑さを感じることも…
マリクとアーロンの関係が少しづつ変わっていく様子とか
事件に関わっていくごとに上からの圧力とか自分の力だけではどうしようもないこととか
感情移入して読むというよりは第三者的な目で読んだ
私にしては珍しいお話だかなと思う
アーロンの最後の選択は
人それぞれだから
良かったとも悪かったとも言えないけど
マリクはもちろん
アーロンにも幸せになってほしいと心から願う
Posted by ブクログ
『汽水域』にて岩井氏の小説を、次のように評した。「セリフと物語が、いかにもなセリフや物語としての書き言葉ではなく、本当に口から紡がれたかのよう」で、「臨場感や焦燥感など、空気を作り出している」。これは今回の『真珠配列』も同じで、語気の強さを、「強く言った」と言わずに思わせる巧みさがある。また「お気に入りの表現がない」かのように、同じような動作を、同じ言葉でまとめず、さまざまな語彙を尽くして、精緻に表そうという気概を感じる。
さて、同じく『汽水域』で「キャラクターが「立っていない」から、本当にいそうで、本当にそう考えそう」と評したが、今回はそうではなかった。最近、キャラが立っている人物が多いように感じる。
しかし、最後まで展開が読めず、実に「やられた!」と感じたし、結末も「そっちに転ぶことを選ぶのか」という意外性に満ちていた。たいてい、氏の小説は主人公が狂気でまわりの人物が普通なのに、今回は主人公が普通で狂気に飲み込まれる形となった。
Posted by ブクログ
岩井圭也さんらしい…
遺伝子操作、ウイグル問題といった日本人が無関心な問題を真正面から扱っている。
しかも、設定は2029年という近未来。
中国が舞台であることで聴き慣れない名称ばかりが続き、日本人にはまるで他人事のように感じるストーリー。
そして、近未来すぎて現実味がない故に陰謀論のようだと感じさせる。
でも、どこかの国で似たような研究が実際に行われている可能性はあると思う。
遺伝子操作もウイグル人問題も、真相はわからないことだらけだけれど、こんなディストピアな世界は近づいているはず。
そうだとして、これからどう生きて行こうかと考えさせられる。
遺伝子操作やクローン技術で生まれた人が増えた時、未組み換えやクローンでない人の生きる世界は残されない気がする。
想像しただけで震える世界だけれど、少しずつ慣らされて最後は生きられない世界になってしまうのだろうな。
物語のラストは私としては思いがけない着地点で今ひとつだったけれど、単に私が著書のメッセージを読み取れなかっただけなのか…。
数年後に読み直したら、今とは違う思いを抱くのだろうか。
機会があれば、いつか読み直したい。
Posted by ブクログ
タイトルの
「真珠配列(パールシークェンス)」とは、
理想的な人の遺伝子情報(ヒトゲノム)のこと。
遺伝子をその配列に操作することによって
病気にかかりにくく
頭脳明晰、運動神経抜群、見た目も麗しく、完全無欠な人間になれる。
近未来の中国、北京が舞台で
極度にバイオテクノロジーが進んだ世界では、真珠配列やヒトクローンが実際にもあり得るのではないかと思わされる。
正月ボケの頭で読み始めたせいか途中何度か挫けそうになったが、結末が衝撃的でした。
そう来るか。。まさに近未来ディストピア、、
さすが岩井圭也さん!
ウィグル人の差別や問題は
今もこのようなことがあるとは。。恐ろしい。
あまり報道されないよね。
Posted by ブクログ
遺伝子テクノロジーが発達した近未来、人間の卑しい欲望を描いたディストピアSF×ミステリ #真珠配列
■あらすじ
近未来の中国、高速で進行する癌によって亡くなる人たちが居た。その中に有力者の息子も含まれており、何らかの事件の可能性を懸念した公安局では捜査を開始。刑事アーロンは、遺伝子の専門家であるマリクに捜査協力を依頼するも、けんもほろろに扱われ…
■きっと読みたくなるレビュー
物語は近未来の中国が舞台、テーマは遺伝子テクノロジー、ゲノム編集ってやつですね。
ひと昔前に、遺伝子組み換えの大豆、クローン牛なんてのをよく報道されてました。技術の進歩は素晴らしいんですが、アンタッチャブルな神の領域の研究などと、異を唱えられてしまうこともあったんだと思います。
このゲノム編集、反発を受けることなく大きな進化を遂げていたらどうなっていたのか… 人類は幸せになるのか、不幸になるのか、そんな想像を駆り立てられる作品になっています。
本作のメインキャラはふたり、刑事のアーロンとウイグル人の遺伝子エンジニアのマリク。手を取り合って捜査を進めなきゃいけないんだけど… ふたりとも我が強くって、そりゃもう仲が悪いという。ちなみに個人的にはどちらも友達になりたくないね、うんうん。
ただ彼らの思惑、駆け引き、背景みたいなところが一番の読みどころ。ふたりの距離感どう変化していくか、そして読者としても、徐々に見え方が変わってくるんですよね。
そして本作で熱く語られる遺伝子テクノロジーですよ。真珠配列って、なんなのでしょう…
フィクションとは言え、この物語を読んでいると人間ってのは欲望の限りがないことを痛感する。結局は自分が幸せになるためなら、他人が不幸になってもいいという考え方なんすよね。一体どこまで、むさぼり尽くせば気が済むのでしょうか。
でもこんなディストピアな世界になると、どういうことが起こるのかってのがよーくわかります。世界中で我意を通している人たちに、ぜひ読ませてあげたい一冊でした。
さて本作、かなり重めのテーマではありますが、構成もシンプルだし、文章も読みやすくわかりやすい。さすがの安定感の岩井圭也先生ですね、面白かった!
■ぜっさん推しポイント
本作でもうひとつ語られる重要なテーマ、ウイグル人、新疆ウイグル自治区、ウイグル人権問題。日本のメディアでは、ほとんど報道もされない。
21世紀も4分の1が終わろうとしているのに、まだこんな人種差別が現実にあるかと思うと悲しくてやりきれない。私も聞いたことはあったという程度で、現実を全く知りませんでした。知らない人も多いと思うので、ぜひ調べてみて下さい。
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