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横浜・中華街、四川料理の名店「翠玉楼」は来月で閉店を迎える。いずれはオーナーの座を継ぐつもりでいたロンこと小柳龍一は当てが外れ、毎日することもなく、ぶらぶらと暇を持て余していた。二十歳を超えたからって、まだ将来なんて決められない。そんな働く気も夢も、何もない彼の元に次々と厄介事が持ち込まれる。それはロンが〈山下町の名探偵〉と呼ばれていたからだ。「何も手にはもっていないけれど、それでも」──大きな共感を集める等身大のヒーローが誕生!
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Posted by ブクログ
横浜旅行で素敵な街だったので読み始めたら、現代社会の問題の縮図みたいなストーリーだった。 この先もこの子達がどうなっていくのか気になる。 映像化しそうだなぁって読んでたら、ドラマ化するんですね!!
横浜中華街の名店「翠玉楼」を営む祖父に育てられたロンこと小柳龍一は高校のときに起こった事件を解決したことで〈山下町の名探偵〉というふたつ名を持つ(本人はダサくて嫌)。真面目に働くのが嫌で店を手伝いながら二十歳すぎまでブラブラしていたのだが、時代の流れで儲からなくなり、祖父が廃業を決め、将来のことを考...続きを読むえて始める。そんな時、高校の同級生の妹が、横浜駅西口のヨコ西というエリアで事故死。警察ももう追わない事件の真相を知る男を探して欲しいと人伝に頼みが来て… といったふうに、身近なのに、結構ハードな事件を望まずに解いていくロン。「洋洋飯店」息子でロンと同じくフリーターの趙松雄、あることがきっかけ(ここが2巻の内容に繋がるらしい)で部屋から出られない引きこもり美人幼馴染みヒナ;菊地妃奈子、SNS多重人格者。神奈川県警刑事部捜査一課の岩清水欽太(29)は実家が中華街で幼いときからの兄貴分など、元々の仲間達が魅力的なのに加え、依頼を解くと、またその人たちが協力してくれる仲間になっていく。ロンが特別な力も能力もないのに、正義感はあって(強くはないけど、絶対曲げない)暇だからと手助けし、知り合いは裏切らない。そういう性根の真っ直ぐなところと、何にも怖じ気づかず突入していくネジの飛んだ感覚が手が届くような格好良さがあって、共感しながら読めました。横浜の地理感覚があって、没入して楽しめるのも良かったです。 登場人物が魅力的で内容も読みやすいけどしっかりしているので、ぼちぼち読み進めたいと思います。個人的には★5寄りの★4。 暴力表現がなかなかハードな部分あるのと、性的な犯罪などもあるので、中学校以上。
舞台が横浜中華街で、根っからのハマっ子である私は あれはあそこだな、これはここだなとニヤニヤしながら読んだ。 かなり具体的に地名が出てくるので、土地勘があると主人公の「ロン」の動きがよくわかってより引き込まれる。 自分の日常のそばで起きたかもしれない非日常、みたいな引き込まれ方。 ハマっ子オスス...続きを読むメの1冊です✨
若干食わず嫌いなところがあったのですが、読んでみて良かった。 ロンくんの頭の良さと、中華街愛か溢れた登場人物と、現代の問題点をテーマに扱っているところが良かった点かと思います。 2巻以降もあるようなので楽しみ。
これまで岩井圭也作品に魂を揺さぶられ、すっかり魅了されてきました(まだ4作ですが笑)。本作は、岩井さんの文庫書き下ろしのシリーズ第1作ということで、岩井さんのエンタメ性としての別側面に興味が湧き手にしました。 舞台は横浜中華街。多様な民族や文化が混在する観光名所で、雑多なエネルギーが渦巻いてい...続きを読むる印象です。ここで、様々なストーリーが展開されます。 中華街の善隣門に記された「親仁善隣」からモチーフを得たタイトルで、主人公の生き方に関わってきます。 4つのエピソードとも、市販薬物乱用、自殺、特殊詐欺、外国人差別など、身近な事件や出来事を元にしているようです。短い文量制約ながら、事件に至る動機や経緯まで、人物描写も含めて丁寧に描かれています。 主人公は小柳龍一(ロン20歳)。祖父の「翠玉楼」の閉店で後継ぎの当ても外れ、学もないフリーター。でも、困っている人を放っておけない"お人好し"で、彼の元に様々な厄介事が持ち込まれます。優しく誠実なんです。弱そうですが、決して投げやりではなく、4つの事件・出来事を通して成長し、自分の進むべき道も見えてきます。 ロンがやや軟弱なので、補うべくして強靭な肉体のマツ、引きこもりだがSNSの達人のヒナ、ラッパーの凪などの仲間の他に、知り合いに刑事までおり、まさにグッド・ネイバーズです。 特に、人格とアカウントを使い分けるヒナの仕事ぶりは驚異的です。続編でヒナの秘密が明かされる雰囲気が‥? 岩井さんの本シリーズ、賛否あるかもですが、私は贔屓目ではなく好意的に受け止めました。シリーズを続けて‥とはなりませんが、登場人物の過去や今後が気になるところです。
初読みの作家さんで、フリーターが中華街で起こるトラブルや事件を解決する部分が「令和版IWGP(池袋ウエストゲートパーク)みたいだ。」と思った。ただ、中華街を舞台にした人間模様や現代社会にも通ずる問題をテーマにした事件を扱っている部分が面白かった。
よく知っている場所の話で、楽しめました。地元で幼い頃から家族みたいに育った友達や大人達との関係も良かった。
ハルキ文庫は書店買取らしく、小さなお店では、品揃え良く在庫するのは難しいとか。全く売れず死蔵されてしまうかもしれない、全くの賭けで書店主の嗅覚の見せ所だ。そんな厄介なハルキ文庫でも当たりはあるのだ。 大当たり!3作出てるネイバーズ。兎に角絶対続けて読みたくなる。急がないと小さなお店で品切れに...続きを読むなる可能性大。間違いなく押さえておきたい。
目的も持たずフリーター暮らしの中華街のロンが、相談を受けて問題を解決する短編集。常に軽いノリでサラッと躱しているけど、その内容は依頼者にもロン自身にも、なかなか過酷なもの。『山下町の名探偵』と言われるが、探偵というには素人の域。それでも頼まれると断れない性分で、仲間に助けられながらも体当たりしていく...続きを読む様子は時にハラハラさせられる。社会的要素も含まれていてガッツリ読み応えがあった。
たまたまサイン本が本屋に売っていて、なんとなく気になり購入しました。 主人公ロンが行動的で、いろんなことに関わり、危うい場面も乗り越えながら事件を解決していくのがとても面白く、あっという間に読み終えました。 続きが気になる終わり方でした。
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