あらすじ
横浜・中華街、四川料理の名店「翠玉楼」は来月で閉店を迎える。いずれはオーナーの座を継ぐつもりでいたロンこと小柳龍一は当てが外れ、毎日することもなく、ぶらぶらと暇を持て余していた。二十歳を超えたからって、まだ将来なんて決められない。そんな働く気も夢も、何もない彼の元に次々と厄介事が持ち込まれる。それはロンが〈山下町の名探偵〉と呼ばれていたからだ。「何も手にはもっていないけれど、それでも」──大きな共感を集める等身大のヒーローが誕生!
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地元横浜が舞台の小説ということでなんとなく読み始めたこのシリーズなんだけど、文字なのに情景がはっきりイメージできて、読んでいてすごく気持ちがいい。
とくに3番目の「ベアードマンの亡霊」は描写も秀逸ながらも緊迫感や息遣いさえも感じられて、可能な限り他の雑事を後回しして一気に読み耽ってしまった。
登場人物のキャラもしっかりたっていて、登場人物が多いわりにごっちゃにならずストレスなく読み進められる。
誰が読んでも面白い本だと思う。
著者の岩井さんは私の最近の一押し作家さんです。
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横浜市の中華街に住む少年の探偵小説。
僕自身たまたま横浜(しかも中区)で育ったので、登場した地名から雰囲気がイメージ出来てとても楽しく読めました。
主人公が高校時代にとある事件を解決したという事から始まり、各章の依頼者から過去の実績を出され、不本意ながらその依頼を受けるという導入が毎回面白かったです。
主人公は探偵のセンスが勿論ありますが、協力してくれる仲間(警察官や、sns運用のプロ、アーティストなど)に恵まれているなと感じました。
最後に気になる伏線(ロンの両親、ヒナの本性)も貼られていました。次作もとても楽しみです。
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横浜旅行で素敵な街だったので読み始めたら、現代社会の問題の縮図みたいなストーリーだった。
この先もこの子達がどうなっていくのか気になる。
映像化しそうだなぁって読んでたら、ドラマ化するんですね!!
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横浜中華街の名店「翠玉楼」を営む祖父に育てられたロンこと小柳龍一は高校のときに起こった事件を解決したことで〈山下町の名探偵〉というふたつ名を持つ(本人はダサくて嫌)。真面目に働くのが嫌で店を手伝いながら二十歳すぎまでブラブラしていたのだが、時代の流れで儲からなくなり、祖父が廃業を決め、将来のことを考えて始める。そんな時、高校の同級生の妹が、横浜駅西口のヨコ西というエリアで事故死。警察ももう追わない事件の真相を知る男を探して欲しいと人伝に頼みが来て…
といったふうに、身近なのに、結構ハードな事件を望まずに解いていくロン。「洋洋飯店」息子でロンと同じくフリーターの趙松雄、あることがきっかけ(ここが2巻の内容に繋がるらしい)で部屋から出られない引きこもり美人幼馴染みヒナ;菊地妃奈子、SNS多重人格者。神奈川県警刑事部捜査一課の岩清水欽太(29)は実家が中華街で幼いときからの兄貴分など、元々の仲間達が魅力的なのに加え、依頼を解くと、またその人たちが協力してくれる仲間になっていく。ロンが特別な力も能力もないのに、正義感はあって(強くはないけど、絶対曲げない)暇だからと手助けし、知り合いは裏切らない。そういう性根の真っ直ぐなところと、何にも怖じ気づかず突入していくネジの飛んだ感覚が手が届くような格好良さがあって、共感しながら読めました。横浜の地理感覚があって、没入して楽しめるのも良かったです。
登場人物が魅力的で内容も読みやすいけどしっかりしているので、ぼちぼち読み進めたいと思います。個人的には★5寄りの★4。
暴力表現がなかなかハードな部分あるのと、性的な犯罪などもあるので、中学校以上。
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舞台が横浜中華街で、根っからのハマっ子である私は
あれはあそこだな、これはここだなとニヤニヤしながら読んだ。
かなり具体的に地名が出てくるので、土地勘があると主人公の「ロン」の動きがよくわかってより引き込まれる。
自分の日常のそばで起きたかもしれない非日常、みたいな引き込まれ方。
ハマっ子オススメの1冊です✨
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若干食わず嫌いなところがあったのですが、読んでみて良かった。
ロンくんの頭の良さと、中華街愛か溢れた登場人物と、現代の問題点をテーマに扱っているところが良かった点かと思います。
2巻以降もあるようなので楽しみ。
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これまで岩井圭也作品に魂を揺さぶられ、すっかり魅了されてきました(まだ4作ですが笑)。本作は、岩井さんの文庫書き下ろしのシリーズ第1作ということで、岩井さんのエンタメ性としての別側面に興味が湧き手にしました。
舞台は横浜中華街。多様な民族や文化が混在する観光名所で、雑多なエネルギーが渦巻いている印象です。ここで、様々なストーリーが展開されます。
中華街の善隣門に記された「親仁善隣」からモチーフを得たタイトルで、主人公の生き方に関わってきます。
4つのエピソードとも、市販薬物乱用、自殺、特殊詐欺、外国人差別など、身近な事件や出来事を元にしているようです。短い文量制約ながら、事件に至る動機や経緯まで、人物描写も含めて丁寧に描かれています。
主人公は小柳龍一(ロン20歳)。祖父の「翠玉楼」の閉店で後継ぎの当ても外れ、学もないフリーター。でも、困っている人を放っておけない"お人好し"で、彼の元に様々な厄介事が持ち込まれます。優しく誠実なんです。弱そうですが、決して投げやりではなく、4つの事件・出来事を通して成長し、自分の進むべき道も見えてきます。
ロンがやや軟弱なので、補うべくして強靭な肉体のマツ、引きこもりだがSNSの達人のヒナ、ラッパーの凪などの仲間の他に、知り合いに刑事までおり、まさにグッド・ネイバーズです。
特に、人格とアカウントを使い分けるヒナの仕事ぶりは驚異的です。続編でヒナの秘密が明かされる雰囲気が‥?
岩井さんの本シリーズ、賛否あるかもですが、私は贔屓目ではなく好意的に受け止めました。シリーズを続けて‥とはなりませんが、登場人物の過去や今後が気になるところです。
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初読みの作家さんで、フリーターが中華街で起こるトラブルや事件を解決する部分が「令和版IWGP(池袋ウエストゲートパーク)みたいだ。」と思った。ただ、中華街を舞台にした人間模様や現代社会にも通ずる問題をテーマにした事件を扱っている部分が面白かった。
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ハルキ文庫は書店買取らしく、小さなお店では、品揃え良く在庫するのは難しいとか。全く売れず死蔵されてしまうかもしれない、全くの賭けで書店主の嗅覚の見せ所だ。そんな厄介なハルキ文庫でも当たりはあるのだ。
大当たり!3作出てるネイバーズ。兎に角絶対続けて読みたくなる。急がないと小さなお店で品切れになる可能性大。間違いなく押さえておきたい。
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目的も持たずフリーター暮らしの中華街のロンが、相談を受けて問題を解決する短編集。常に軽いノリでサラッと躱しているけど、その内容は依頼者にもロン自身にも、なかなか過酷なもの。『山下町の名探偵』と言われるが、探偵というには素人の域。それでも頼まれると断れない性分で、仲間に助けられながらも体当たりしていく様子は時にハラハラさせられる。社会的要素も含まれていてガッツリ読み応えがあった。
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たまたまサイン本が本屋に売っていて、なんとなく気になり購入しました。
主人公ロンが行動的で、いろんなことに関わり、危うい場面も乗り越えながら事件を解決していくのがとても面白く、あっという間に読み終えました。
続きが気になる終わり方でした。
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初の岩井圭也先生の作品を読んだが読みやすくて2作目が気になる終わり。でも気になる終わりじゃなくても2作目は読みたくなる位面白い。ただ横浜中華街の事を知ってたらより面白い作品です。
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二十歳の時、将来やりたいこととか全然決まってなかったなあ。かと言って目の前にやってきたことに対して、こんな真摯に向き合っていたかも定かじゃない。でも毎日、生きてた。
今度横浜中華街行ったら、彼らがいないかキョロっちゃいそう。
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横浜、中華街から名探偵誕生。二十歳のフリーター、小柳龍一(ロン)はあるきっかけから事件を解決して〈山下町の名探偵〉と仲間内から言われることに。人を探してほしいという依頼から、事件に入り込んで行ったり、危険な目に遭ったり。周りにいる仲間たちも魅力的だし、ロンの人を放っておけない部分もいい。今の空気感、逃げ場がない人が行き着いてしまう場所とかそういうのが描かれていて長く続くシリーズになってほしい。
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岩井さんの新作は、横浜中華街を舞台にした痛快活劇だった。
主人公のロンこと小柳龍一は、〈山下町の名探偵〉の異名をとる20歳の若者だ。彼のもとに持ち込まれた相談事を、友人である柔術使いのマツ、引きこもりのパソコン少女ヒナ、神奈川県警捜査1課の欽太らと共に解決していく。
本書には4話が収録されており、5月には2冊目が刊行される。4話はそれぞれ現在の問題を取り上げているが、本作は完全にエンタメ寄りに振れているため読後感は爽快だ。
文庫書き下ろし・4話の連作・2ヶ月連続刊行と、ついに岩井さんブレイクのきっかけとなるか。
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舞台は横浜中華街。20歳の主人公とその仲間たちで問題を解決していく4編の連作短編。
トー横キッズの横浜版や特殊詐欺など、ニュースで見るような現代のリアルな社会問題がテーマとなっている。
主人公にクセがないので読みやすく、軽くサクサクっと読むには良いのかな。
現在このシリーズは『6』まで出版されているけど、多分続きは読まないと思う^^;
約1ヶ月勝手にひっそりと開催しました『岩井圭也さんフェア』ですが、残り1作品で終了しようと思います^_^
岩井圭也さんは、デビューからまだ7年なのに驚くほど多くの作品が出版されていて、私はこの作品で14作品目。
全部読みたかったけど、この5作品は見送りましたm(_ _;)m
『科捜研の砦』土門さんやっぱりゴメン。
『付き添うひと』子供が辛いのは苦手。
『夏の陰』同じく苦しくなりそうで苦手。
『いつも駅からだった』京王線わからん。
『花粉はつらいよ』鼻炎は1年中つらいよ。
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主人公は小柳龍一(通称ロン)
ロンの実家は横浜・中華街、四川料理の名店「翠玉楼」
オーナーである祖父、良三郎からいずれその座を継ぐつもりであったが、「翠玉楼」は閉店を迎えることとなりその目論見は外れ、毎日ぶらぶらと暇を持て余している
そんな暇っ子ロンの元に次々と厄介事が持ち込まれてくる
特殊能力なんて何も持たないロン
強いて言うなら普通の人よりも「頭のネジが一本外れているのかな?」というぐらい
それも特にびっくりするような外れ方ではない
つまり、普通にいそうな青年が仲間と共に事件を解決していく物語
普通っぽいところがこの物語の良いところなのかも
短編でサクッと読みやすいですし
シリーズ5巻まで出ているみたいなのでロンちゃん追いかけてみますか〜♪
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悪く言えば盛り上がりがない、よく言えば読みやすいって感じの小説でした。文身を読んで興奮している時に読んだから、よりそう思ってしまったのかも、、?
何作もあるみたいだし、余裕があれば次の作品も読んでみたいです。
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横浜中華街を舞台に、フリーターのロンが活躍、というよりは右往左往して事件を解決するための努力をするお話。事件自体はわりと重めなものの、テンポが良く、さらっと読める。一巻は登場人物紹介を兼ねている感じ。次巻以降が楽しみ。
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まさにIWGPの横浜中華街版。
少年達が自らの手で地域内の社会問題を解決するという構成はありきたりだけどその分とっつきやすい。
この先どのようにオリジナリティを出せるか、もう少し続けて読んでみよう。
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横浜中華街を舞台にしたご当地小説
横浜の人に読んで欲しい作品
老舗の名店を閉店して隠居した良三郎と一緒に暮らすフリーターのロン
なぜかいつも事件に巻き込まれて、本人の意思とは関係なく解決に導いてしまう
周りからは山下町の名探偵などと呼ばれている
ロンを取り巻く先輩後輩、地域の大人達が織りなす関係も今は珍しくなったのかなという風情を醸し出している
ところでいつも思うのだが、こういうご当地ものの小説にというか日本の小説全般に、相関図や地図が載ってないのはなぜなんだろう?
それがあるととても理解しやすいのに…
Posted by ブクログ
IWGPブームから20年以上経ち、皆が知らない今その後釜を狙っているのかな/ 中華街版IWGP/ トラブルシュートものとしてはエピソードが弱い/ 不良の世界を描き切れていない/ 特に詐欺グループのくだりはきつい/ 不良の世界を描くのは真面目に生きていた人たちには難しいだろう/ 得られる知識は整理されたものだけだし、あの空気を知ることなく大半の人は大人になる/ 不良じみていないトラブルをシュートする話を頑張って欲しい/