小説・文芸 - 文春文庫作品一覧

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  • サイレンス
    3.5
    一気読み必至の偏愛サスペンス。 婚約者が雪深い孤島で突然失踪……、故郷の島には恐ろしい“秘密”があった。 深雪は婚約者の俊亜貴を連れ、故郷の雪之島を訪れる。結婚してありふれた幸せを手にいれるはずだった。ところが、祝宴の席で深雪は思いもよらないことを島民たちから知らされ、状況は一変する。やがて俊亜貴は行方不明に……。この島、何かがおかしい――。『暗黒女子』の著者が、人間の奥底にある執着心と狂気を描いた傑作サスペンス。 解説・澤村伊智 ※この電子書籍は2017年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 世襲人事
    3.7
    1巻800円 (税込)
    生保業界に新風を巻き起こした実在の人物をモデルに描く経済小説の傑作。 「世襲人事」と批判された社長の息子は、現場で働き、みんなから慕われ、ただひたすら働き、そして……。 大日生命社長を勤める父の強引な招きで、商社から取締役待遇で転職した広岡厳太郎。 「世襲人事」との批判をものともせず、外務の“生保のおばちゃん”に学び、保険の国際化、法人営業部の創設など、革新的な新機軸を打ち立てるのだが……。 英姿颯爽の快男児を描き、働き方や同属経営の問題に切り込む長編経済小説。 解説・高成田亭 ※この電子書籍は『いのちの風』を改題、加筆修正して文藝春秋より2020年1月に刊行した文庫版を底本としています。
  • 孟夏の太陽
    4.8
    為政者の徳とは何か。 現代にも通じる王と宰相の関係を描く長篇! 古代中国・晋の宰相として国を支え続けた趙一族の盛衰を、 歴史と運命への透徹した視点をもって描いた初期の傑作長篇。 中国春秋時代の大国・晋。 この国の重臣を代々務めた趙一族。 太陽 の如く酷烈な趙盾、族滅の危機に瀕した趙朔、 名宰相・趙武、王子 朝の乱を鎮定した趙鞅、その子趙無恤……。 二百年にわたる一族の興亡を、透徹した歴史観と清冽な筆致で描いた著者初期の傑作。 指導者に求められる「徳」のありようをめぐる物語。 解説・平尾隆弘 ※この電子書籍は1994年に刊行された文春文庫の新装版を底本としています。
  • 覗くモーテル 観察日誌
    4.0
    他人の性生活を、覗いてみたい――。 天井裏に自分だけの覗き部屋を作ったモーテル経営者、30年の奇妙な記録。 1980年のはじめ、著者のもとに一人の男から奇妙な手紙が届く。 男の名はジェラルド・フース。コロラド州デンヴァーでモーテルを経営しており、 複数の部屋の天井に自ら通風孔と見せかけた穴を開け、秘かに利用者たちの姿を観察して日記にまとめているという。 男を訪ねた著者が屋根裏へと案内され、光の洩れる穴から目撃したのは、全裸の魅力的なカップルがベッドでオーラルセックスにはげむ姿だった――。 ヴェトナム戦争で傷ついた兵士とその妻の行為から、不倫や同性愛、グループセックス、 さらには麻薬取り引きの絡んだ殺人事件まで、三十年に及ぶ記録からはアメリカの世相、性意識の変化が見えてくる。 解説・青山南 ※この電子書籍は2017年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 肉まんを新大阪で
    3.6
    週刊文春の人気食エッセイが電子版で登場! 暮らしの中にも旅先にも美味しさたっぷり。 「ぶたまん」の響きは、聞いたそばから耳がとろけそう――。 新大阪から乗り込んだ新幹線の中でその人気を見せつけられ、 すがすがしい五月の夕刻には浅草でどぜう鍋をつつき、 数十年ぶりに実家で食べる金色の栗ごはんに胸が弾む秋。 どんな時でも読めば食欲が湧いてくる エッセイ76篇を収録した文庫オリジナル。 解説・伊藤比呂美
  • あじフライを有楽町で
    3.9
    週刊文春の人気食エッセイが電子版で登場! どこまでも美味しい世界にご招待! とにかく、あじフライだ。この下世話さがいいんだなあ――。 志ん生が愛した〈酒かけ天丼〉、紀伊から届いた衝撃のシカ肉。 赤坂で本場のソルロンタンを想い、パリではキャロット・ラペをしみじみ噛みしめる。 古今東西を駆け巡る、美味なるエッセイ78篇が文庫オリジナルで登場! 安西水丸画伯との最後の饗宴です。 解説・戌井昭人
  • ひさしぶりの海苔弁
    3.8
    新幹線で食べる海苔弁の美味さ、油揚げが人格者である理由、そしてかまぼこ板の美学とは――。 食を愉しみ、食を哲学する。週刊文春の人気食エッセイが電子版で登場! 春の終わり、にょきにょき伸びるアスパラガス。真夏に囓るきゅうりの爽快さ。 目にしみるさんまの煙に秋の到来を感じ、酉の市で手に入れる切山椒は歳末の風物詩。 おつな味、いまの味が記憶の扉を開く。 惜しくも急逝された安西水丸画伯のイラストレーションも、単行本版から大増量して、計60点収録。 食を楽しみ、食を哲学する絶品エッセイ特盛83篇をご賞味ください。 【主な内容】 すいか相手にぶつかり稽古 どうする、目玉焼き れんこん讃歌 パセリを丼いっぱい パパパパパインはいかがです ニッカボッカの男めし 南国おでんの宇宙 「うみねこパン」を盗み喰い かまぼこ板の美学 さよなら、ホットケーキ 二十五年めのハンバーグ ……など。
  • 東京會舘とわたし 上 旧館
    4.2
    1~2巻800円 (税込)
    数々の結婚式やパーティー、この場所が見てきた百年の歴史。 社交の殿堂を舞台に描く感動小説。 大正十一年、社交の殿堂として丸の内に創業。 東京會舘は訪れる客や従業員に寄り添いつつ、その人の数だけ物語を紡いできた。 記憶に残る戦前のクラシック演奏会、戦中の結婚披露宴、戦後に誕生したオリジナルカクテル、クッキングスクールの開校――。 震災や空襲、GHQの接収などの荒波を経て、激動の昭和を見続けた建物の物語。
  • 切り絵図屋清七 ふたり静
    3.8
    絵双紙本屋の「紀の字屋」に出入りする浪人・清七郎は、弱い者を見過ごしにできない性分。江戸の町に不慣れな者たちが辛い目に遇っていると知り、自分の足で調べ上げた切り絵図を作りたいと夢を抱く。折しも主の藤兵衛が病に倒れ、清七郎に店を譲りたいと持ちかけられる……。『藍染袴お匙帖』の作者による、清新な時代小説書き下ろし新シリーズ誕生!
  • 現美新幹線殺人事件 十津川警部シリーズ
    4.0
    旅するアートカフェ新幹線に隠された謎! 絵画に隠された〈不都合な真実〉とは? 越後湯沢で休暇中の画商・竹田幸太郎は、東京の自宅で妻子が殺され、新進の画家・渡辺久の絵を盗まれた。 だが、その絵は、越後湯沢―新潟間を走る観光列車「現美新幹線」になぜか渡辺の自選で展示される。当の渡辺は渡米し所在不明に。 捜査の糸口も掴めない十津川は絵の秘密を追い“世界最速の美術館”に乗り込むが……。 ※この電子書籍は2017年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • つながらない勇気 ネット断食3日間のススメ
    4.0
    気がつくと、一日中スマホを見ていませんか? ネットが生活に欠かせない現代。 人間本来の思考力と想像力を取り戻すために「書きことば」の力を今一度信じたい。人生を変える一冊! 電車の中で、乗客全員がスマホを見ている光景は珍しくない。 しかし、ことばがデジタル化への変貌を遂げている今こそ、人間本来の思考力と想像力を取り戻し、 豊かな人間関係を築く為、また孤独に耐える力を培う為に、書きことばの底力を信じよう。 「読み書き」を大切にすることで、人生を根底から変えられる! 解説・山根基世 ※この電子書籍は2014年1月に文藝春秋より刊行された単行本『ネットで「つながる」ことの耐えられない軽さ』を改題・加筆修正をした文庫版を底本としています。
  • 不穏な眠り
    3.6
    仕事はできるが不運すぎる女探偵・葉村晶。 NHKドラマ化で話題の人気シリーズ! ミステリ専門書店でアルバイトとしながら、〈白熊探偵社〉の調査員として働いている葉村晶に今日も事件の依頼が……。 「水沫(みなわ)隠れの日々」 終活で蔵書の処分を頼んできた女性のもう一つの依頼は、死んだ親友の娘を刑務所から連れてきてほしいということだった。刑務所から女性の元に向かう道で、娘は拉致される。 「新春のラビリンス」 大晦日の夜、解体直前の〈呪いの幽霊ビル〉の警備をすることに。ヒーターが壊れ、寒さの中一夜を明かした葉村は、女性事務員から連絡が取れない男友達の行方を調べてほしいと頼まれる。 「逃げだした時刻表」 葉村の働くミステリ専門店でGWに〈鉄道ミステリフェア〉を開催することになった。展示の目玉として借りた弾痕のあるABC時刻表が盗難にあう。本の行方を追ううちに思わぬ展開に。 「不穏な眠り」 相続で引き継いだ家にいつのまにか居座り、そこで死んでしまった女の知人を捜してほしいという依頼を受けた葉村。女を連れ込んだ男の家を訪ねたところ、男の妻に危うく殺されかける羽目に。 解説・辻真先
  • 妖し
    3.6
    10人の豪華執筆陣が〈怪異〉をテーマに描く、奇譚アンソロジー。 暑い日になぜか起こる奇怪なある出来事、風鈴の音が呼び覚ますもう一人のわたしの記憶、死んだはずの母が見えるわたし、病院から届いた友人のSOS、旧いブザーを押す招かざる客……。 それは不思議な夢か、それとも妄想か……。あなたが見ている世界は本物ですか? 極上の奇譚小説をあなたに――。
  • 赤川次郎クラシックス 幽霊湖畔
    4.0
    〈赤川次郎クラシックス〉 第5弾。 宇野警部と永井夕子が、休暇で湖畔のホテルに滞在中、アルバイト学生がナイフを胸に突きたてられた死体で発見される。 この人造湖の湖底には、かつて強盗殺人事件で奪われた、二億円相当の宝石が沈んでいるらしい。 逃走中の犯人が必死に宝物を探すなか、宇野と夕子に散弾銃が向けられる!? 表題作ほか、「着せかえ人形の歌」「危い再会」「吸血鬼を眠らせないで」「狼が来た夜」の全5篇。 どこから読んでも楽しめる〈幽霊〉シリーズです。 カバーイラスト・あずみ虫 ※この電子書籍は、1991年8月に文藝春秋より刊行された文春文庫の「新装版」を底本としています。
  • 私の「紅白歌合戦」物語
    -
    令和元年暮れに七十回目を迎えた紅白歌合戦。 昭和49年より9年連続で白組司会を務めた元NHKアナウンサーだから書ける舞台の裏側と、とっておきの話。 誌上での再現放送や、当時の著者の日記も公開。 目次 一 「紅白」はこうして始まった 二 「紅白」が私に近づいてきた 三 「紅白」真っ只中 第25回NHK「紅白歌合戦」誌上放送 対談・佐良直美×山川静夫 「紅白」黄金時代裏話 四 「紅白」ちょっといい話 初のテレビ放送/審査員の変遷/森光子さんの思い出/ “サブちゃん”の存在/宮川泰さんのこと/素敵な蝶ネクタイ/ 忘れたマイク/昭和52年「紅白歌合戦」始末記/ 「紅白」雪景色/水前寺清子さんの「情」/ 頭の回転がするどい黒柳徹子さん/中村メイコさんの気配り/ 東北人、新沼謙治と千昌夫/「紅白歌合戦」と阿久悠の魔法 対談・由紀さおりと×山川静夫 わが心の「紅白歌合戦」 五 「紅白」よ、どこへ行く あとがき
  • 悲しみの秘義
    4.6
    もしあなたが今、このうえなく大切な何かを失って、 暗闇のなかにいるとしたら、この本をおすすめしたい――(解説・俵万智) 宮沢賢治、須賀敦子、神谷美恵子、リルケ、プラトン、小林英雄、ユングらの、 死者や哀しみや孤独について書かれた文章を読み解き、人間の絶望と癒しをそこに見出す26編。 「言葉にならないことで全身が満たされたとき人は、言葉との関係をもっとも深める」 ―-自らの深い悲しみの経験を得た著者が、その魂を賭けて言葉を味わい、深い癒しと示唆を与えてくれる26編。 「一日一編読んでいる」 「自分の無意識のどこかに必ず染みてきて、涙がにじむ」 「どんな仕事でもそれを支えているのは、『語り得ない何か』。その一つが悲しみである、という言葉の凄さに慰められた」 日経新聞連載時から話題を呼び、静かなロングセラーとなった一冊。 東日本大震災後の福島にて、柳美里さんが営む書店「フルハウス」では2018年売り上げベスト6位に本書が入っている。 文庫化に際して「死者の季節」「あとがき」を増補。 解説・俵万智 ※この電子書籍は2015年11月にナナロク社より刊行された単行本『若松英輔エッセイ集 悲しみの秘義』の文庫版を底本としています。
  • 標的
    3.9
    1巻850円 (税込)
    特捜検事・冨永VS.初の女性総理候補 。 話題の「正義と権力」シリーズ第三弾! 東京地検特捜部検事・冨永真一のもとに、初の女性総理候補・越村みやび厚労相に関する情報提供者が現れる。 超高齢社会に突入する日本。福祉行政の隙間で利権を狙う者、政界の権謀術数、ぶつかり合う検事と記者それぞれの正義。 息もつかせぬ物語の結末は!? 『コプラティオ』『売国』に続く「権力と正義」シリーズ第三弾! 解説・鎌田靖 ※この電子書籍は2017年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 主君 井伊の赤鬼・直政伝
    4.0
    その男は、たった一人の井伊家再興の希望だった──。 お前の“主君”はだれだ? 人は何のために人に仕えるのか。 家康に寵愛され、その苛烈さから「赤鬼」と呼ばれた井伊家第17代当主・井伊直政の生涯を、家臣・木俣守勝の目を通して描く。 EXILE/三代目J SOUL BROTHERSの小林直己さんによる前代未聞、怒濤の1万字解説「苛烈で、繊細で、孤独で、その瞬間、一人だけ共にいた」を掲載。 「『忠義とは何か。お前は誰に仕えているのか。そして天命とは』 本書から投げかけられたこの問いに対し、現代を生きる我々と、僕自身のバックグラウンドであるEXILEを比較対象とし、答えを模索していきたい」(解説より) たった一人の井伊家再興の希望として、直虎はじめ一族の願いを一身に背負い、徳川幕府譜代筆頭にまで登りつめた直政。 戦になれば大将自ら一番槍で突っ込んでいき、命を惜しまない直政に終始振り回されながらも生涯支え続けた守勝。 対照的な性格から、守勝は直政に反発に似た感情を抱きながらも、我が身を守ることを知らぬ苛烈さに惹かれていく。 その二人の今生の別れは、苦い悔いに満ちたものだった。 数多くの作品が映像化、漫画化されている著者の初めての歴史小説が、大河ドラマに先駆けて井伊直虎を描いた『剣と紅』。これに続き、井伊家第17代当主・井伊直政を描いた歴史小説二作目。 ※この電子書籍は、2017年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 葵の残葉
    4.2
    新田次郎文学賞&本屋が選ぶ時代小説大賞W受賞! 維新に放浪された高須松平家の四兄弟。 石高わずか三万石の尾張高須の家に生まれた四兄弟は、縁ある家の養子となる。 幕末の激動期、官軍・幕府に別れて戦う運命に。 御三家尾張藩主となり、いち早く官軍についた次男・慶勝。 一橋家を継ぎ維新派と交渉した五男・茂栄。 美貌と高潔で知られた会津藩主、六男・容保。 京都所司代として兄・容保を補佐し、最後まで転戦した八男・定敬。 兄弟の誰か一人でも欠けていれば、幕末の歴史は変わった――。 埋もれた歴史を活写する傑作長篇小説! 解説・内藤麻里子 ※この電子書籍は2017年12月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • その男(一)
    4.3
    1981年に文庫化されて以来、46刷まで重ねている池波正太郎のロングセラーが新装版に。 池波正太郎の“もっとも愛着のふかい”長篇小説! 過酷な運命の少年、杉虎之助が、動乱の世を斬り開く――。 杉虎之助は微禄ながら旗本の嫡男。生来の病弱に加えて義母にうとまれ、そんな我が身を儚んで十三歳のとき大川に身を投げるが、謎の剣士・池本茂兵衛に助けられた。この日が波瀾の人生の第一歩だった。 幕末から明治へ、数奇な運命を辿った直参の剣士の生涯を描きつつ維新史の断面を見事に剔る異色の長編小説。 ※この電子書籍は1981年に文藝春秋より刊行された文庫版を、新装版として刊行したものを底本としています。
  • こいしり
    3.8
    NHKドラマ化もされた大人気「まんまこと」ワールド第2弾! 町名主の跡取り・麻之助は、ついに祝言をあげることに。けれど花嫁を迎えに出ようとしたその時、悪友・清十郎の父が卒中で倒れてしまう。堅物の父・源兵衛から「かつて訳ありだった二人のおなごの境遇を確かめて欲しい」と頼まれた清十郎は仰天し――。 町名主名代ぶりも板につきながら、淡い想いの行方は皆目見当つかぬ麻之助。両国の危ないおニイさんたちも活躍する、江戸情緒溢れる6つの短編集。 解説・細谷正充 ※この電子書籍は2009年3月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • まったなし
    3.9
    俳優・福士誠治さんも絶賛! 大好評「まんまこと」シリーズ第5弾! 妻を亡くした悲しみが癒えぬ町名主の跡取り・麻之助、 養子に入った家に年の離れた許婚のいる堅物の吉五郎、 そして彼らを親友と考えている金貸し丸三とその妾のお虎。 いずれも色男・清十郎に運命の人が現れることを願っているが、様々な障害や思わぬ事件に巻きこまれ……。 解説・福士誠治 ※この電子書籍は2015年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • ときぐすり
    4.0
    NHKドラマ化もされた大人気「まんまこと」シリーズ第4弾! 女房のお寿ずを亡くした麻之助だが、町名主・高橋家の跡取りとして裁定に追われる毎日。 「人が人を、大事だって思う気持ちにつけ込んで、下司なことをするんじゃねぇよ」 ――幼馴染で親友の八木清十郎と相馬吉五郎の助けもあり、魂の抜けたような麻之助も徐々に回復してゆく。 解説・吉田紀子 ※この電子書籍は2013年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • こいわすれ
    3.9
    NHKドラマ化もされた大人気「まんまこと」シリーズ第3弾! 江戸町名主の跡取り息子・麻之助は、親友とともに様々な謎と揉め事の解決に立ち向かう。ふわりとした筆致で描かれた、6つのあたたかな短編集。 「私は父親になるのかい?」妻のお寿ずから懐妊を知らされ、驚きつつ大喜びする麻之助には、思いもよらぬ運命が待ち受けており――江戸情緒とともに、切ない幕切れが心にしみる1冊。 解説・小谷真理 ※この電子書籍は2011年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • まんまこと
    4.0
    ふうわり心が温まる畠中恵ワールド。ドラマ化もされた大人気「まんまこと」シリーズ第1弾! 江戸は神田、玄関で揉め事の裁定をする町名主の跡取りに生まれた麻之助。このお気楽ものが、町の難問奇問に立ち向かう。 ある日、女好きの悪友・清十郎が「念者のふりをしてくれ」と言ってきた。嫁入り前の娘にできた子供の父親にされそうだという。本当の父親は一体誰なのか!? 「まんまこと(=真真事・ほんとうのこと)」を麻之助が解き明かす短編連作シリーズ。 解説・吉田伸子 ※この電子書籍は2007年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • グロテスク 上
    3.9
    1~2巻750~790円 (税込)
    光り輝く、夜のあたしを見てくれ! 女たちの孤独な闘いを描いた最高傑作。 名門Q女子高に渦巻く女子高生たちの悪意と欺瞞。 「ここは嫌らしいほどの階級社会なのよ」 悪魔的な美貌を持つニンフォマニアのユリコ、競争心をむき出しにし、孤立する途中入学組の和恵。 ユリコの姉である“わたし”は二人を激しく憎み、陥れようとする。 圧倒的な筆致で現代女性の生を描き切った、桐野文学の金字塔。 解説・斎藤美奈子 ※この電子書籍は2003年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • ファイアボール・ブルース
    3.4
    1~2巻490~520円 (税込)
    女にも荒ぶる魂がある、闘いたい本能がある! 女子プロレス界に渦巻く陰謀を描く傑作長篇ミステリー。 「ファイアボール」と呼ばれる女子プロレス界きっての強者・火渡抄子、といまだに一勝もできない付き人の近田は、外国人選手の失踪事件に巻き込まれる。 新人のリンチ事件、事務所の独立問題……トラブル続出の中、後楽園ホールの試合が近づいてくる。 女子プロレス界に渦巻く陰謀と、女の荒ぶる魂を描く長篇ミステリー。 解説・鷺沢萌
  • 白蛇教異端審問
    3.8
    ケンカ・キリノの真骨頂といえる初のエッセイ集。 直木賞受賞直後の多忙な日々を綴った日記や書評、映画評、いわれなき中傷に対して真摯に真っ向から反論する表題作の長篇エッセイに加え5篇のショート・ストーリーも収録。 デビュー以来10年の軌跡をまとめ、小説では味わえないストレートな「桐野夏生」の魅力がぎっしりと詰まった著者初のエッセイ集。 解説・東野圭吾 ※この電子書籍は2008年1月刊行の文春文庫を底本としています。
  • 錆びる心
    3.7
    「家出するなら夫の誕生日にしようと心にきめていた……」 人間のダークサイドを炙り出した作品集。 十年間堪え忍んだ夫との生活を捨てて家政婦となった主婦。囚われた思いから抜け出して初めて見えた風景とは。(錆びる心) 劇作家にファンレターを送り続ける生物学教師の“恋”を描いく。(虫卵の配列) 荒廃した庭に以上に魅かれる男の内面に秘められたもの。(月下の楽園) 魂の渇きと孤独を鋭く抉り出した六つの物語。 解説・中条省平 ※この電子書籍は1997年11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 奴隷小説
    3.6
    どこにも、逃げられないよ──。 長老との結婚を拒絶する女は舌を抜かれてしまう、という掟のある村で、ある少女が結婚相手として選ばれる「雀」。 ある日突然、武装集団によって、泥に囲まれた島に拉致された女子高生たちを描いた「泥」。 アイドルを目指す「夢の奴隷」である少女。彼女の「神様」の意外な姿とは?(「神様男」)。 管理所に収容された人々は「山羊の群れ」と呼ばれ、理不尽で過酷な労働に従事し、時に動物より躊躇なく殺される。死と紙一重の鐘突き番にさせられた少年の運命は?(「山羊の目は空を青く映すか」)……など。 時代や場所にかかわらず、人間社会に現れる、さまざまな抑圧と奴隷状態。 それは「かつて」の「遠い場所」ではなく、「いま」「ここ」で起きている。 あなたもすでに、現代というディストピアの奴隷なのかもしれない――。 様々な囚われの姿を容赦なく描いた七つの物語。 桐野夏生の想像力と感応力が炸裂した異色短編集。 カバーイラストは、かわいさと残酷性を併せ持った作風で物議を醸すLA在住の画家、Luke ChuehのRough Waters。 解説・白井聡 ※この電子書籍は2017年12月刊行の文春文庫を底本としています。
  • 光源
    3.7
    こんな奴ら見たことない! 監督、カメラマン、プロデューサー、俳優が各々の思惑と事情を抱えてぶつけ合う光の乱反射。 誰よりも強く光りたい。 元アイドルの佐和が自分を主張し始めた途端、撮影現場は大混乱。 苦り切る人気俳優、怒る監督、傷付く女性プロデューサー、佐和に惹かれるカメラマン。 金、名声、意地、義理、そして裏切り。 我執を競い合って破綻へ向かう、世にも身勝手な奴らの逆プロジェクトX物語。 解説・佐々木敦 ※この電子書籍は2000年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 柔らかな頬 上
    3.8
    1~2巻710~740円 (税込)
    私は子供を捨ててもいいと思ったことがある――。 衝撃のラストが議論を呼んだ直木賞受賞作。 カスミには、家出して故郷の北海道を捨てた過去がある。 だが、皮肉にも北海道で幼い娘が失踪を遂げる。 じつは夫の友人・石山に招かれた別荘で、カスミと石山は家族の目を盗み、逢引きを重ねていたのだ。 罪悪感に苦しむカスミは一人、娘を探し続ける。 四年後、元刑事の内海が再捜査を申し出るまでは――。 解説・福田和也 ※この電子書籍は1999年4月に講談社より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • アンボス・ムンドス ふたつの世界
    3.6
    人生で1度だけ思い切ったことをしたからには――。現代女性の奥底に潜む毒を描く、刺激的で挑戦的な桐野文学の方向性を示す短篇集。 不倫相手と夏休み、キューバに旅立った女性教師を待ち受けていたのは非難の嵐だった。 表題作の他、女同士の旅で始まった生々しい性体験告白大会、若い女の登場に翻弄されるホームレスの男達、など七つの短篇を収録。 「直木賞受賞後に発表された七つの短編を収める本書は、桐野さんの新旧二つの作品世界に架けられた吊り橋のようなものといえようか」 (本書解説より) 解説・杉本章子 ※この電子書籍は2005年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • ポリティコン 上
    3.8
    1~2巻730~740円 (税込)
    充たされぬ魂の行き先は、破滅か、新天地か? 芸術家たちの理想郷「唯腕村」を舞台に繰り広げられる、絶望郷のごとき愛憎劇! 理想社会の実現を目指し、東北の寒村に建設された唯腕村は、もはや時代遅れとなったユートピア思想の残滓である。村の人間関係に倦み、強烈に女を求める青年・高浪東一は、謎の男と村に流れ着いた美少女・マヤを我がものにしようともがき、自らの運命を狂わせてゆく。 ユートピア思想の崩壊、性の乱れ、高齢化――様々な問題を抱えた村は、徐々に綻びを見せていき……。 ※この電子書籍は2011年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版(上)を底本としています。
  • だから荒野
    4.0
    “家族”という荒野を生きる――。そこにある、孤独と希望。 新聞連載時、大反響を呼んだ話題作。 こんなにいとも簡単に夫と息子を捨てられるとは。 会社員の夫と、大学生と高校生の息子たちとともに東京の郊外で暮らす主婦・朋美。 日々家庭を支えてきた苦労を理解しようともせず、夫はその場しのぎの言葉ばかり、息子たちは「キモいおばさん」扱い。 46歳の誕生日、朋美はついに反乱をおこす。自分を軽んじる、身勝手でわがままな家族たちとの決別。レストランの席を立って、夫の愛車で高速道路をひた走る――。家出した妻より、車とゴルフバックが気になる夫をよそに、朋美はかつてない解放感を味わうが……。 解説・速水健朗 ※この電子書籍は2013年10月に毎日新聞社より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 水の眠り 灰の夢
    3.9
    オリンピック前夜の熱を孕んだ昭和38年、東京。連続爆弾魔を追う週刊誌記者・村野は、女子高生殺しの容疑者にされてしまい、やがてとある疑惑へと辿り着く――。 地下鉄爆破に遭遇した村野は連続爆弾魔・草加次郎事件を取材していた。村野は女子高生・タキとの出会いを通じ、殺人事件に巻き込まれていく。高度成長の歪みを抱えたまま変貌する東京を舞台に、炙り出されたおぞましい真実とは。孤独なトップ屋の魂の遍歴を描いた傑作ミステリー。 解説・武田砂鉄 ※この電子書籍は1995年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を新装版として刊行したものを底本としています。
  • 旅する巨人 宮本常一と渋沢敬三
    4.3
    第28回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。 民俗学者・宮本常一の人と業績を、財界人・渋沢敬三との交流から描いた傑作評伝。 日本中の村と島を歩き尽くした男がいた――。 瀬戸内海の貧しい島で生まれ、日本列島を隅から隅まで旅し、柳田国男以来最大の業績を上げた民俗学者・宮本常一。 「日本資本主義の父」渋沢栄一の孫として生まれ、財界人として活動する一方で、パトロンとして物心両面で宮本を支え続けた渋沢敬三。 対照的なふたりの30年に及ぶ交流を描き、宮本民俗学の輝かしい業績に改めて光を当てた傑作評伝。 第28回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。 解説・稲泉連 電子書籍化にあたり、新稿「素晴しき「助平」たち――渋沢栄一と宮本常一」を収録した。
  • 眠れない凶四郎(三) 耳袋秘帖
    3.6
    私の妻はこんな事で死なねばならなかったのか! 妻を殺されて不眠症になった同心が、妻惨殺事件の真相に迫る! 妻を池の端の出合い茶屋で惨殺された同心・凶四郎は不眠症となり、 夜回り同心として江戸の町を見守っている。 「武家屋敷に化け猫が出た」「神社の石灯籠が動く!?」――江戸の夜は意外と賑やかだ。 一方妻の実家の主が蝦夷地の交易に密かに手を染めているらしいと判明した。 果たして妻が殺された真相に迫ることが出来るのか!
  • あしたの君へ
    3.9
    寄り添う事で、人の人生は変えられるのか―― 家庭裁判所調査官見習いの若者の奮闘を描く感動作! 家庭裁判所調査官として研修の間、九州の福森家裁に配属された望月大地。 そこでは窃盗を犯した少女、ストーカー事案で逮捕された高校生や親権を争う夫婦とその息子など、心を開かない相談者たちを相手に、懊悩する日々を送ることに……。 大地はそれぞれの真実に辿り着き、一人前の家裁調査官となれるのか!? 解説・益田浄子(家庭裁判所調査官)
  • 壁の男
    4.3
    彼はなぜ絵を描き続けたのか? 〈最後の一撃〉が読者の心を撃ち抜く感動の傑作長編。 北関東の小さな集落で、家々の壁に描かれた、子供の落書きのような奇妙な絵。 決して上手いとは言えないものの、その色彩の鮮やかさと力強さが訴えかけてくる。 そんな絵を描き続ける男、伊苅にノンフィクションライターの「私」は取材を試みるが、寡黙な彼はほとんど何も語ろうとしない。 彼はなぜ絵を描き続けるのか――。 だが周辺を取材するうちに、絵に隠された真実と、孤独な男の半生が次第に明らかになっていく。 〈最後の一撃〉が読者の心を撃ち抜く感動の傑作長編。 解説・末國善己
  • アンソロジー 隠す
    3.8
    冒険、ミステリー、人間ドラマ、恋愛……。 11人の人気女性作家が同じテーマに挑む短編小説集! 誰しも、自分だけの隠しごとを心の奥底に秘めているもの――。 実力と人気を兼ね備えた11人の女性作家たちがSNS上で語り合い、「隠す」をテーマに挑んだエンターテインメントの傑作! 『アンソロジー 捨てる』に続く「アミの会(仮)」が送る、注目シリーズ第2弾。 多彩な物語すべてに、共通の「なにか」が隠されています。 (答えが掲載されている「あとがき」は、最後にお読みください) これが、本物の短編小説集。 ※この電子書籍は2017年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 科学オタがマイナスイオンの部署に異動しました
    3.6
    「マイナスイオンドライヤーなどの美容家電製品は、廃止すべきです」 自分の主義に反するものを、あなたは売れますか? 大手電器メーカーに勤める科学マニア、羽嶋賢児は、 自社の非科学的な商品にダメ出しをしたばかりに、 最も行きたくなかった商品企画部に島流しに…。 空気を読まずに正論を言う。そんな賢児はやがて部の 鼻つまみ者扱いになってしまう。 賢児のまっすぐすぎる科学愛は、美容家電を変えることができるのか!? 自分の信念を曲げられずに日々会社で戦っている、 すべての働く人に贈ります。 『わたし、定時で帰ります。』で話題の著者が描く、お仕事小説。 解説・塩田春香 ※この電子書籍は2016年11月に文藝春秋より刊行の『賢者の石、売ります』を改題した文庫版を底本としています。
  • 煽動者 上
    3.0
    二度読み必至! ドンデン返しの魔術師ディーヴァーの面目躍如。 シリーズ屈指の大胆な騙しを仕掛けた驚愕作! 相手のボディランゲージから嘘を見抜く尋問の天才、キャサリン・ダンス。彼女が「無実だ」と太鼓判を押した男が麻薬組織の殺し屋だったという情報が入った。男はすでに逃走、失態の責任を負ってダンスは捜査の第一線から外され、民間のトラブルを担当する民事部に異動となった。 新たな部署でダンスが担当するのは満員のコンサート会場で観客が将棋倒しとなって死傷者が出た事件。だがこれは事故ではなかった。何者かが会場の外で火を焚いて火事だと思いこませ、非常口を封鎖した。仕組まれた無差別殺人だったのだ。残忍な「煽動者」をを追いはじめるダンスだったが、犯人は講演会で、テーマパークで、新たな事件を引き起こす…… パニックを凶器にした無差別殺人。取り逃がした麻薬組織の殺し屋。ふたつの事件に追いつめられるダンスは汚名を雪げるか? 「人間嘘発見器」キャサリン・ダンス・シリーズ第4作、読者に背負い投げを食らわせるサプライズ・サスペンス。 ※この電子書籍は2016年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 僕のなかの壊れていない部分
    4.0
    「どうして自分はあのことを忘れることができないんだろう?」 剥きだしの叫ぶが響く、著者の初期傑作。 美しい恋人・枝里子をサプライズで京都に誘った。 それは、昔の男が住む京都で枝里子の反応を見ようという悪意だった――。 東大卒出版社勤務、驚異的な記憶力を持つ「僕」は、同時に3人の女性と関係を持ちながら、誰とも深いつながりを結ぼうとしない。 その「理屈っぽく嫌味な」言動の奥にあるのは、絶望なのか渇望なのか。 彼の特異な過去を知った枝里子は。 「自分の人生にとって本質的なことからは決して逃れられない」 切実な言葉たちが読む者の胸を貫いてロングセラーとなった傑作が文春文庫に登場。 解説・窪美澄
  • 漂う子
    4.0
    『デフ・ヴォイス』で話題の著者による傑作長篇! 現代社会が抱える闇のひとつ――「居所不明児童」とは? 恋人の教え子・紗智が父親とともに突然姿を消した。 彼女を探すことになった二村直は、ただ一つの手掛かりをもとに名古屋へ向かう。 所在がわからない子供、「居所不明児童」という社会の闇を知るうちに、直は重大な決断を迫られる――。 子を持つとは、親になるとはどういうことか。 話題作『デフ・ヴォイス』の著者が描く感動のミステリー! 解説・大塚真祐子(書店員) ※この電子書籍は2016年10月に河出書房新社より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 始皇帝 中華帝国の開祖
    3.7
    始皇帝は“暴君”ではなく“名君”だった!? 『キングダム』で話題のえい政=始皇帝のすべてがわかる必読の書! 世界で初めて政治力学を意識し、中華帝国を創り上げた男。その人物像に深く迫りつつ、現代にも通じる政治・経営学を解きあかす。 自らを「始皇帝」と名乗るに至った男、えい政。乱世に終止符を打ち、中華帝国を統一した男は暴君なのか、それとも英雄なのか? 3歳まで人質として過ごした幼少期、兄との熾烈な玉座争い、家臣との相克――。天賦の才覚と不屈の精神力で過酷な運命のもとに勝ち上がった男の真実を浮き彫りにする、不朽の名著。 「崇高な争い」は感動的で、しかも美しい。 だから「歴史」でそういう場面に出会うと、夜なら眠れない程に興奮する。 ――著者「文庫版あとがき」より 解説・冨谷至 ※この電子書籍は1995年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を新装版として刊行したものを底本としています。
  • Mr.トルネード 藤田哲也 航空事故を激減させた男
    4.0
    彼がいなければ、世界の空は安全に飛べなかった! 科学ジャーナリスト賞受賞のNHK番組『ブレイブ 勇敢なる者「Mr.トルネード 気象学で世界を救った男」』を書籍化。 1975年6月。NYでイースンタ航空機が墜落した。誰も解明できなかった事故の原因を突き止めたのが、日本人科学者・藤田哲也だった。事故原因をダウンバーストという気象現象だと突き止めたのだ。 「気象学の世界にノーベル賞があったら間違いなく受賞していた」と言われた天才科学者は、人類史に偉大な功績を残した。 日本ではほとんど知られていない、「テツヤ・テオドール・フジタ」の数奇な運命をたどる。 解説・元村有希子(毎日新聞記者) ※この電子書籍は2017年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • プロムナード
    3.0
    人気作家・道尾秀介のヒミツが明らかに? 作家になるまでの道程、偏愛する映画や本のこと、昔好きだった女の子の話……デビューから6年の歳月をかけ、独自の視点で日常を切り取り、丁寧な言葉で書き綴った新感覚エッセイ集
  • 落談まさし版 三国志英雄伝
    4.7
    さだまさしの「語り」で甦る中国英傑たち。 さだまさしが、あの古典を語ったら……? 劉備が、曹操が、そして諸葛孔明が、なんだかおかしい。有名な中国英傑たちが、近所のおじちゃんに思えてくる。 桃園の契りから三顧の礼、劉備の死まで。定評ある話芸の才で挑戦した6時間の口演を紙上で再現。 初心者にはまたとない水先案内、上級者にも全く新鮮な「笑える三国志」!
  • さまざまな季節に
    -
    才気あふれるユーモアが織りなす、まさしの不思議な世界。 青春の喜び、悲しみ、楽しさ、苦しみをみずみずしいタッチで綴った23の自画像風エッセイ。 幼い日のほろ苦い思い出をめぐる「泣いた赤鬼」、ユーモアあふれる「珍さんの薬」など5つの短篇小説。 まさしのステージで味わう感動を、本書でどうぞ!
  • 噺歌集
    4.0
    3時間のコンサートのうち2時間はしゃべる、という しゃべりストさだまさしのステージをまるごと再現する活字ライブ。 シリーズ第一集は1980年前後のおしゃべりの中から選んだ 傑作面白ばなしをまとめて90本!  とにかく笑っちゃうアドリブに痛烈な楽屋落ち。 さらに自身の幼少期の話から、アリス、松山千春といった音楽仲間の話題まで。 さだまさしの歌を聴きながら読めば最高です。
  • 二小節の詩 愛を読むカレンダー365
    -
    若きさだまさしが人生、愛、音楽を語った選りすぐりの365の言葉。 「体内に燃えたぎる熱い血を抱きしめて、それでも僕は、できるだけ静かに歩いてゆくつもりです。」 「『言葉』というもの程、鋭い刃物をまだ知りません。」 「人の優しさは甘さではなく、許容量である、と思う。」 「一分一秒を重くするには、一分一秒を思いやるといい。」 1982年当時のさだまさしの著作やインタビューから選び抜いた言葉の数々。 みずみずしい感性にあふれた20代のさだまさしが蘇る。 レコーディングやコンサート風景などの写真、本人によるイラストも多数収録。
  • 新・御宿かわせみ
    4.4
    ついに「御宿かわせみ」復活! 時は移り明治の初年。維新の激動の中で「かわせみ」ファミリーにも数々の厄難が降りかかっていた。東吾は戦乱で行方不明、源三郎は凶賊の手にかかり落命、麻生家も源右衛門ら3名が殺害された。しかし、麻太郎や花世、源太郎らは、悲しみを胸に抱えながら雄々しく歩み始める。いまだ江戸の名残を色濃くとどめ、舶来の風俗が異彩を放つ新しい舞台で、力いっぱい立ち向かっていく次代を背負う若者たち。大河小説第2部、堂々のスタート!
  • なんでわざわざ中年体育
    4.1
    なんで私がスポーツを!?  中年たちは皆、運動を始める。人気作家・角田光代が、フルマラソン、登山、ボルダリング――様々なスポーツに果敢に挑戦した、爽快エッセイ。 おそらく私はこのまま中年ど真ん中になっても、20代のような手痛い失恋をして、10代の娘のように傷つくだろう、一方で、体はどんどん衰えていくのだろう。 年齢と精神と肉体はどんどんアンバランスになっていくだろう。 30数年間、一度も積極的にやったことのない運動をはじめたのは、この予感がきっかけである。 (まえがきより) 運動が得意、好きな人だけが運動をするのではない。だけど、嫌いだと自覚しているからこそ、続けられることもある。健康維持のためというわけでもない。たまに山登りで「ハイ」になったり、ワイン飲みマラソンで「酔狂」を体験したり……。志の低いユルい楽しみ方こそ、中年体育の特権ではなかろうか。 笑い転げながら読んでいると、不意に襲う感動。インドア作家の挑戦に勇気づけられる、傑作エッセイ集。 ※この電子書籍は2016年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • ガン入院オロオロ日記
    3.2
    ある日、肝細胞がんなる病名を突然告げられ、がーんとなった東海林さん。 約40日間にわたる「初体験入院日記」。手術に、病院生活、その後の治療などを振り返る。 ほか、「粉もん大好き」「ミリメシはおいしい」「流行語大研究」 「初詣はおねだりである」「そうだ、蕎麦食いに行こう」「ガングロを揚げる」など。 新井平伊医師(認知症専門医)との対談「認知症時代の“明るい老人哲学”」、 南伸坊氏・伊藤理佐氏との座談会「雑誌って面白い!」、 岸本佐知子氏(翻訳家)との対談「オリンピック撲滅派宣言『スポーツって、醜いよね?』」 の3本も収録。 解説は池内紀氏(ドイツ文学者・エッセイスト)。 『オール讀物』連載〈男の分別学〉を改題。 ※この電子書籍は2017年3月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 上機嫌な言葉 366日
    4.0
    人生で一番すてきなものは、上機嫌! 生きること、恋、人間の面白さ――田辺聖子が生んだ数々の作品から、珠玉の言葉たちをぎゅっと凝縮。 人生を面白く愉しむ達人・お聖さんのチャーミングな366の〝上機嫌な言葉〟。 「コセつかず、咎めだてせず、目を三角にしないこと」 「相手の知らぬことを言うときは、羞じらいをもっていうべき」 「男は犬に似ている」 「人間を洞察すると、ゆるすほか、なくなる」 「一月 人生をおいしくする」など、月ごとのテーマと、1日ひとことの言葉は、日々の暮らしを豊かなものに見せてくれます。 白黒つけない曖昧な部分にこそ宿るオトナの智恵が、硬い頭と心を解きほぐしてくれる、常に傍らに置きたい一冊。 ※この電子書籍は2009年4月に海竜社より刊行された単行本を、文春文庫より2019年10月に文庫化したものを底本としています。
  • 闇の平蔵
    3.8
    1巻790円 (税込)
    悪い奴は誰も、その男の顔を知らない―― 逢坂剛が描く〈火付盗賊改・長谷川平蔵〉シリーズ、第三弾。 不届きにも、「闇の平蔵」と名乗る者が現われた。 闇の平蔵は、「火盗改が、悪党どもを成敗処罰するのと引き換えに、 捕り方の役人を同じように成敗処罰する」と公言し、 火盗改や役人に強い遺恨を抱いている悪党を集めているという。 その噂を聞きつけた長谷川平蔵組の斧八は、「闇の平蔵」の人集めへ潜り込んだ。 「闇の平蔵」は、かつて、遊蕩していた頃の長谷川平蔵に何度も煮え湯を飲まされ、 恨みを抱いているという。そこに来ていた紅一点・可久は「闇の平蔵」に、 その話を信用してほしければ頭巾を脱いで顔を見せろ、 お前は実は長谷川平蔵なのではないか、と迫る。 闇の平蔵は頭巾を脱いだが、 手下の斧八でさえ長谷川平蔵の顔をまともに見たことはなく、 彼が長谷川平蔵なのかそうでないのか判断がつかない。 だが、可久は、「この男は本物の長谷川平蔵だ」と言い、闇の平蔵もそれを認める。 慌てた斧八だったが――(「闇の平蔵」) 表題作ほか、全六篇を収録。 長谷川平蔵に対抗心を抱く火盗改・松平左金吾が登場、 新たな手下・可久も加わり、物語はますます深みを増す。 まさに江戸を舞台にした潜入捜査。 悪党どころか、手下たちも顔を知らない男・長谷川平蔵のハードボイルドな活躍を描く。 ※この電子書籍は2016年11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 希望が死んだ夜に
    4.3
    「教えてください。彼女を殺したのは誰ですか?」 本屋大賞2019発掘本で話題になった社会派ミステリー! 神奈川県川崎市で、14歳の女子中学生・冬野ネガが、同級生の春日井のぞみを殺害した容疑で逮捕された。 少女は犯行を認めたものの、動機は一切語らない。 県警捜査一課の真壁は“半落ち”のままの容疑者に納得がいかず、所轄の生活安全課の女性刑事・中田蛍とともに捜査を続けると、やがて意外な事実が浮かび上がってきた。 ネガは母親の映子と川崎市登戸のボロアパートに暮らしている。 母はあまり働かなくなり、生活保護も断られた。 まわりに頼れる大人や友人がいないネガだったが、あるとき運命的な出会いがあって……。 単行本刊行時からSNSでじわじわと噂が広まり、本屋大賞2019発掘本でも話題となった隠れた傑作が待望の文庫化。 現代社会の暗部を描いた話題作! 「面白い作家が、凄い作家になる瞬間がある。本書を読んだとき、天祢涼は凄い作家になったと、感嘆した」(細谷正充) 「彼女を死に至らしめたのは社会ではないか? 社会派×青春×ミステリーの見事な融合。本書に出会えてよかった」(ベル 文学YouTuber) 解説・細谷正充 ※この電子書籍は2017年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • わずか一しずくの血
    4.0
    長年埋もれていた連城三紀彦のミステリー長篇! ファン待望、必読の一冊。 薬指に結婚指輪をはめた左脚の白骨死体が山中で見つかり、 石室敬三とその娘は、その脚が失踪した妻のものだと確信する。 この事件をきっかけに、日本各地で女性の身体の一部が発見される。 伊万里で左腕、支笏湖で頭部、佐渡島で右手…… それぞれが別の人間のものだった。 犯人は、一体何人の女性を殺し、 なんのために遠く離れた場所に一部を残しているのか? 壮大な意図が、次第に明らかになっていく超絶ミステリー。 ※この電子書籍は2016年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 怪談和尚の京都怪奇譚
    4.3
    京都の怪談名人の、ぜんぶホントの怖~い話 死者からの電話、人形の怨念、線路にしゃがむ老婆……。 京都の古刹・蓮久寺の住職が相談を受け体験した、怖くて、ホントで、不思議な実話の数々!
  • 影裏
    3.6
    第157回芥川賞受賞作。 大きな崩壊を前に、目に映るものは何か。 北緯39度。会社の出向で移り住んだ岩手の地で、 ただひとり心を許したのが、同僚の日浅だった。 ともに釣りをした日々に募る追憶と寂しさ。 いつしか疎遠になった男のもう一つの顔に、 「あの日」以後、触れることになるのだが……。 樹々と川の彩りの中に、崩壊の予兆と人知れぬ思いを繊細に描き出す。 芥川賞受賞作に、単行本未収録の「廃屋の眺め」(「文學界」2017年9月号・受賞後第一作)、「陶片」(「文學界」2019年1月号)を併録。 綾野剛・松田龍平主演で映画化(大友啓史監督)、2020年初頭に公開予定。 ※この電子書籍は2017月7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • ラストレター
    3.9
    「Love Letter」から24年――映画「ラストレター」原作小説。 「君にまだずっと恋してるって言ったら信じますか?」 「君にまだずっと恋してるって言ったら信じますか?」亡くなった姉の未咲の代わりに同窓会に出た裕里は、初恋相手の鏡史郎と再会し、姉のふりをして文通を始める。 手紙は姉妹の娘たちをも巻き込み、二つの世代の時間を動かし始める――。 不朽の名作『ラヴレター』から24年の時を経て贈られる、岩井美学の到達点。 映画「ラストレター」(出演:松たか子、広瀬すず、神木隆之介、福山雅治ほか)の原作小説。 解説・西崎憲 ※この電子書籍は2018年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • どうかこの声が、あなたに届きますように
    4.6
    地下アイドル時代、心身に深い傷を負い、鎌倉の祖母のもとでひっそりと生活を送っていた20歳の小松奈々子。そこに突然現れたラジオ局のディレクター黒木から、番組アシスタントにスカウトされる。 初日の生放送は、後に「伝説の十秒回」と呼ばれる神回となり、かつてラジオ界で絶大な人気を誇ったパーソナリティの片鱗を感じさせるものだった……!? 大食いのアナウンサー、演じるキャラに疲れている女性芸人、売れっ子のオネェタレント…。様々な仲間に囲まれ、時に黒木と罵り合いながら、奈々子はラジオの世界に向き合っていく。それは自身の傷や、過去とも対峙しなければならなかったが、奈々子が生き直そうと決めた「小松夏海」の存在は、次第に黒木たちをも巻き込んで、確かなムーブメントとなっていく。そしてその言葉は、子どものできない夫婦や、大人になることの意味を考える高校生など、切実な日々を生きるリスナーたちの、ほんのわずかな未来を動かし始めていた。 「いいか小松、ラジオにはテレビやネット動画と違って映像がない。 映像という明確なものがない分、リスナーはそれを補って想像する。 そうして頭の中で想像されたものは、誰にも否定されないし奪えない。 だから想像させろ。 リスナーに、姿の見えないお前を想像させるんだ」(本文より引用) ラジオの魅力と、傷を抱えた人々が織り成す、あたたかな小気味よさあふれる物語。 150万部を突破した『神様の御用人』著者、浅葉なつの書き下ろし長編!
  • 東京ワイン会ピープル
    3.0
    1巻754円 (税込)
    今秋映画化。一杯のワインが彼女の運命を変えた!? 自慢のワインを持ち寄り楽しむ宴。そこは愛と欲望と打算が渦巻く場でもあった。人気コミック原作者によるもうひとつの『神の雫』。 ※この電子書籍は2017月11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 縮尻鏡三郎 美女二万両強奪のからくり
    4.0
    町会所から千両箱が消えた! 前代未聞の事件は幕閣の醜聞に発展する。 捕縛したものを取り調べる仮牢兼調所「大番屋」の元締を勤める鏡三郎が今回遭遇する事件は、町会所の押し込み強盗。 町会所とは幕府が貧困や災害時の救恤のため民間に設けさせた機関で、そこから二万両が奪われたという。 鏡三郎らは犯人の行方を追うが、事件は幕閣が震撼するスキャンダルへと意外な展開を見せて……。 殺される証人、予測不能な展開。狡猾な事件の黒幕に迫れるか。 冷酷非道な悪に立ち向かう同心の決死の闘い。 ※この電子書籍は2016年3月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • わが母なるロージー
    3.8
    『その女アレックス』のカミーユ警部、再登場 パリのあちこちに仕掛けられた七つの爆弾。犯人だと出頭した青年の狙いは何か? カミーユ警部と富豪刑事ルイが奔走する番外編。
  • 明智光秀をめぐる武将列伝
    4.0
    2020NHK大河ドラマ「麒麟がくる」をより面白く! 名著『武将列伝』から光秀ほか六人の武将を抜粋した特別編集版。 戦国史上最大の逆臣と言われる明智光秀。 信長に仕えて以降は詳しく伝えられているが、その出自と最期は判然としない。 そこに改めて光を当てたのが海音寺潮五郎。 名著『武将列伝』から光秀自身と、彼に関わる武将の列伝を新たに編んだのが本書である。 斎藤道三、織田信長、 豊臣秀吉、前田利家、明智光秀、黒田如水、徳川家康の七人を収録する。
  • 奇跡のチーム ラグビー日本代表、南アフリカに勝つ
    4.5
    2019年、ラグビーW杯日本開催に必読の一冊。 世界が震えたあの勝利は、こうして生まれた! 2015年ラグビーワールドカップ。エディー・ジョーンズ率いる日本代表は、強豪南アフリカを相手に劇的な逆転勝ちを収め、世界を震撼させた。エディー・ジャパンはなぜ日本ラグビーの歴史を変えることができたのか? 選手・関係者40人近くへの徹底取材を通して、その秘密を解き明かした傑作ノンフィクション。 解説・畠山健介 ※この電子書籍は、2016年3月に文藝春秋から刊行された『エディー・ウォーズ』を改題し、新章を加筆した文庫を底本としています。
  • スタフ staph
    3.8
    ランチワゴンは疾走する、危険な中学生アイドルを乗せて。 バツイチ、アラサーの移動デリ経営者・夏都、人生最高で最悪の二週間。 街をワゴンで巡り、料理を売って生計を立てる女性・夏都(なつ)。 バツイチ・アラサーの身で借金を返しながら海外赴任中の姉の息子を預かる生活は楽じゃない。 ある日、緑色の髪をした中学生アイドル・カグヤのファンたちに車ごとさらわれた夏都は、芸能界を揺るがすスキャンダルに巻き込まれることに。 スキャンダルの流出を防ぐため、ある女性の携帯電話に残されたメールを削除せよ。 カグヤと協力してミッションに挑む夏都だったが――。 解説・間室道子 ※この電子書籍は2016年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • バブル・バブル・バブル
    3.0
    パルコ系クリエーターとして、バブルをど真ん中で経験したヒキタクニオが 自らの仕事と恋愛、青春の日々を回想するドキュメンタリーノベル。 1967年、故郷の福岡を出て東京へ。大学在学中にイラストレーターとしてデビューし、 やがて大規模なグラフィック展覧会「80 sグラフィックパワー展」の顔ぶれに20代で抜擢され、 パルコ系クリエイターの仲間入りを果たす。 それがきっかけで、汐留の国鉄跡地に造られることになった 大型ライブハウス&ディスコ「サイカー PSYCHER」の内外装を任され、 さらにゲームファンタジア渋谷の外壁や店内アートを担当する。 時はバブル全盛時代。数々の変人たちと出会いながら、 充実した仕事の毎日を送る一方で、同郷の恋人と別れてモデルと結婚。 絶頂の日々を過ごしつつも、確実に時代の変化を感じていた――。 解説 日比野克彦 バブル当時、著者が出会った人々 空間プロデューサー、コンセプチャー、デザイナー、 女性のアート系プロデューサー、新進気鋭の映画監督、 広告代理店の営業マン、超能力者、老舗ホストクラブの男、 ヤクザの3人組、銀座で豪遊するキング・オブ・バブル社長、 アニメ「ちびまる子ちゃん」を平成のサザエさんに仕立てた男……
  • 神の座 ゴサインタン
    4.0
    現代人の心の淵と魂の再生を描く圧倒的筆力 豪農の跡取り、結木輝和はネパール人のカルバナと結婚したが、両親が相次いで死に、妻の奇異な行動で全財産を失う。怒り、悲しみ、恐れ、絶望……揺れ動き、さまよいながら、失踪した妻を探して辿り着いた場所は神の山ゴサインタンの麓だった。現代人の根源にある魂の再生を力強く描く、第10回山本周五郎賞受賞作。
  • 最高のオバハン 中島ハルコはまだ懲りてない!
    3.9
    金持ちなのにドケチな女社長・中島ハルコ第二弾! ドン引きレベルの傲慢さで、どんな悩みもスパッと解決。 金持ちなのにドケチな女社長・中島ハルコは超パワフルなスーパーマダム。 そんなハルコのもとには、様ざまな悩み事を抱えた人たちが集まる。 恋も仕事もパッとしない菊池いずみもその一人。 ハルコの核心を突く毒舌と正論で長年の不倫生活から脱却した。 最近は、ハルコに何かと用事を言いつけられて……。 肥満に悩む財閥御曹司、夫の浮気に苦しめられる梨園の妻、医学部を辞めた息子の進路などなど。 悩める子羊たちにハルコはどんな救いの手を差しのべるのか? ※この電子書籍は2016年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 寝台急行「銀河」殺人事件 十津川警部クラシックス
    4.0
    東京―大阪間を9時間強で結ぶ寝台急行銀河。そのA寝台で女性の他殺体が見つかった。容疑をかけられたのは、乗り合わせたサラリーマン、井崎。十津川警部の旧友にして、被害者の愛人だった――。潔白を主張する井崎を、十津川は救えるか? 今はなき寝台急行を舞台にした傑作が30年の時を経て新装版で登場! 解説・寺本光照
  • 続・怪談和尚の京都怪奇譚
    4.5
    シェアハウス、パン屋さん、映画サークル、公園。ほら、あなたのうしろにも……! 京都・蓮久寺の三木住職のもとには、助けを求める人が絶えません。 悪霊に祟られた人、ポルターガイストに悩まされる人、人形をお祓いしてほしい、さまよう霊を供養成仏させてほしい……。 そんな実話や自身の体験など、現代の怪談、奇譚の数々をお届けします。 蓮久寺は江戸時代初めの建立で、島原の遊女・吉野大夫との縁も深い名刹。 三木住職の怪談は、テレビの「怪談グランプリ」準優勝の名人芸です。 見えない世界に触れることで、あなたの人生も変わるかもしれません。
  • ゆけ、おりょう
    3.5
    「世話のやける弟」がいつしか時代の英雄になってしまった――。 坂本龍馬の妻・おりょうの目を通して描かれる、幕末の名場面! 幕末の京都で出会った「世話のやける弟」のような男・坂本龍馬と結婚したおりょうは、夫を呼び捨てにし、酒を浴びるほど飲み、勝海舟にも食ってかかる「妻らしからぬ」振る舞いで周囲をへきえきさせる。 ついには龍馬の周囲から、「龍馬のために離婚してください」とまで迫られる始末。 しかしおりょうは、寺田屋で間一髪龍馬の命を救い、日本で初のハネムーンを敢行。 薩摩へ、軍艦に乗って長崎へ、馬関へ――。 激動の世の中を楽しげに泳ぐうち、いつしか薩長同盟・版籍奉還の立て役者として時代の英雄になってゆく夫。 そして、龍馬亡きあとの20年を彼女はどう生きたのか。 型にはまらない生き生きとした夫婦の姿、意地っ張りで責任感が強く、龍馬に惚れながらも自立した魂が輝く「門井版おりょう」。 現代の女性に響く物語! 解説・小日向えり(歴女) ※この電子書籍は2016年8月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち
    4.0
    株式市場で、巨大な詐欺が行われていた!? 何故か株を買おうとすると値段が逃げ水のようにあがってしまう。その陰には巨大詐欺と投資家を出し抜く超高速取引業者の姿があった。 ※この電子書籍は2014年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • ひとり旅立つ少年よ
    4.4
    『音もなく少女は』『その犬の歩むところ』に続く感動作 悪党が狙う大金を奴隷解放運動家に届けるべく少年は一人でアメリカ縦断の旅に。非道の中の人間の尊厳を描き続ける巨匠の会心作。
  • 特攻 最後のインタビュー
    4.5
    特攻、これだけは伝えたい。 生還した11人からのメッセージ。 多くの“神話”と“誤解”を生んだ特攻。 その真実を知る最後の語り部たちが重い口を開いた。 四式重爆撃機「飛龍」、 百式重爆撃機「呑龍」、 四式連絡艇/四式肉迫攻撃艇「マルレ」、 九七式艦上攻撃機、 九七式戦闘機、 人間機雷「伏龍」、 零式艦上戦闘機、 一式陸上攻撃機、 四式戦闘機「疾風」、 九三式中間練習機。 心ならずも生き残った11人の元特攻隊員のロングインタビュー。 平和を知るために私たちの祖父、そして父たちの熱き想いに耳を傾けよ。 写真・図版多数。
  • 悪声
    5.0
    「ええ声」を持つ「なにか」はいかにして「悪声」となったのか――。 ほとばしるイメージ、疾走する物語。著者入魂の長編小説。 「なにか」は、ある重みをもって、廃寺のコケの上にそっと置かれた――。 京都のはずれの廃寺に捨てられたみどりごは、コケに守られながら生をつなぎ、やがて犬のブリーディングと桜の剪定を生業とする花崎さんに引き取られる。 「なにか」の声は、居合わせた誰もがはっと振り返るような特別なものだった。 長じて歌うことを覚えた「なにか」は、アムステルダムからやってきたサックス・プレイヤーの「タマ」と「あお」の父娘といっしょに、生駒の方舟教会でライブを行う。 奔放な想像力が魅力の、現代を代表する物語作家いしいしんじが、筋立ても分量も、あらかじめ何も決めずに想像の赴くままに書き進めた、少年の一代記。 第4回河合隼雄物語賞受賞作。 解説・養老孟司 ※この電子書籍は2015年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • われ大いに笑う、ゆえにわれ笑う
    4.1
    森羅万象を笑い飛ばす ユーモア哲学エッセイ集!! 名作「わたしのギョーザをとって食べた人へ」をはじめ、「胃カメラからの生還」「妻への詫び状」 「論よりだんご」「女性を徹底的に賛美する」「わたしの教えた学生ワーストテン」など、 常識の垣根を取り払い、森羅万象をユーモアと諧謔で解きあかした、お笑い哲学エッセイ集。 著者自身によるイラスト多数収録。 解説・木村晋介
  • 斜陽 人間失格 桜桃 走れメロス 外七篇
    4.2
    1巻774円 (税込)
    日本文学を代表する天才作家の名作11篇! 没落貴族の家庭を背景に、滅びゆく高貴な美を描く「斜陽」。太宰文学の総決算ともいうべき、小説化された自画像「人間失格」。ふたりの若者の信頼と友情を力強く表現した「走れメロス」。家族の幸福を願いながら自らの手で崩壊させる苦悩を描き、命日の呼び名となった「桜桃」など、11篇を収める。 奥野健男氏のくわしい年譜、臼井吉見氏のこまやかな作品案内と作家評伝付き。 <収録作品> 斜陽 人間失格 ダス・ゲマイネ 満願 富嶽百景 葉桜と魔笛 駈込み訴え 走れメロス トカトントン ヴィヨンの妻 桜桃
  • 昭和十七年の夏 幻の甲子園 戦時下の球児たち
    3.0
    正史から抹殺された甲子園大会の「謎」に迫る!  昭和十七年夏の甲子園大会は、朝日新聞主催から文部省主催に変更。さらに、戦意高揚のため特異な戦時ルールが適用され、「選手」としてではなく「選士」として出場することを余儀なくされた。そして、大会後は「兵士」として戦場へ向かった──。球児たちの引き裂かされた青春の虚実を描くノンフィクション大作。 解説・岡崎満義 【目次より】 序章 開幕迄 第1章 満州のハーモニカ 第2章 とある予科練生の憂鬱 第3章 応召した監督 第4章 台湾から来たチーム 第5章 少年航空兵に憧れた主将 第6章 幻のホームラン 第7章 海軍航空隊の現実 第8章 戦時下の大記録 第9章 シベリア抑留 第10章 撃沈 第11章 真の最多得点記録 第12章 焼け落ちた優勝旗 第13章 一通の戦死公報 第14章 キノコ雲の下 第15章 最後の熱戦 第16章 それぞれの青春と戦争
  • 清原和博への告白 甲子園13本塁打の真実
    4.0
    PL学園時代の清原和博が甲子園で放った通算13本塁打は、今後破られることがないであろう不滅の記録だろう。この13本は、ただの記録として残っているわけではない。甲子園の怪物に出会い、打たれた球児たちは、あの瞬間の“記憶”とともに、その後の歳月を歩んできた――。 2016年6月、清原和博は覚せい剤取締り法違反で有罪が確定した。甲子園歴史館からは清原和博の痕跡が消え、踏み入れてはいけない領域に手を染めてしまったヒーローの名前は世間の表舞台から消えていった。そんな中、甲子園で13本塁打を浴びたライバル全員が、30年以上の時を経て、あえて今、静かに口を開いた。これは、18歳の清原と49歳(2016年当時)の清原への、打たれた者たちからの“30年越しの告白”である。13本のホームランが生んだ真実が、ここに蘇る。 ※この電子書籍は2017年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 会津執権の栄誉
    3.5
    狙いはただひとつ。伊達政宗の馘(くび)――。 四百年の長きにわたり会津を治めながら、相次ぐ当主の早世で嫡流の男系が途絶えた芦名家。 常陸の佐竹家より新たな当主として婿養子を迎えたものの、家中に軋轢が生じ、北からは伊達政宗の脅威が迫る。 芦名家の行方は家臣筆頭の金上盛備の双肩にかかっており、ついに伊達との摺上原での最終決戦を迎えた。 東北の名家の存亡を描き、直木賞候補となった出色のデビュー作。 本屋が選ぶ時代小説大賞2017受賞! ※この電子書籍は2017年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • お騒がせロボット営業部!
    3.2
    失踪→詐欺→殺人!? 病院で銀行で、残念ロボット・パティが事件を巻き起こす 社会人二年生、ITシステム開発中小会社に勤める外崎朝香は、「ロボット開発課」に異動になる。 社運をかけて開発された身長80センチの人型ロボット『パティ』を売るために東奔西走するが、下がり眉の公家顔というダサい外見と実用性の低さで、大手競合他社の有名ロボットには太刀打ちできない。 トホホな日々が続く中、取引先から「パティが事件を起こした」と衝撃の連絡が!! 「パティにそんな能力はない」と絶対の自信(?)を持つ朝香と人間よりロボットを愛するイケメン・内藤怜央のコンビは、パティを守るために事件の真相を暴こうと奮闘するが!? 元ロボット事業部勤務の著者によるリアル満載のお仕事小説&軽快ユーモアミステリー!
  • I love letter アイラブレター
    3.5
    小学生からの殺害予告に引きこもり人間からの告発――。 文通会社に届くワケありの手紙には、手紙で立ち向かえ! 「ねぇ、まめに手紙をくれてた人と急に音信不通になるって、どんな場合だと思う?」 叔母さんが突然切り出した質問にたじろぐ、17歳の岳彦。 叔母さんのむぅちゃんは秘密裏に、ILL(I love letter)という会員制の文通会社をやっている。 年会費を納めると、会員は自分のペースでILLの社員宛てに手紙を書いて出す。 毎日でも、ひと月に一度でも構わないが、姓と住所は本物を明記しなくてはならない。 子供の頃、せっせと叔母さんに手紙を書いていた岳彦はその腕を見込まれ、ILLの臨時スタッフとして雇われることに。 二年間、ずっとILLと文通していた水元さんに何があったのか。 岳彦は叔母さんに変わり、水元さんに手紙を書き始めるが……。 「ぼくはママをころそうと思います」――八歳の少年からの殺害予告や、「どうしても、あの恋文を見つけたい」――大女優からの無茶な依頼などなどの難問に、自分自身の言葉を便箋に書き連ねて向き合う岳彦。 メールや電話では伝わらない想いがある――。 温かくて切なくて、ちょっと怖い六つの物語。 ※この電子書籍は2016年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 四月になれば彼女は
    3.9
    恋愛なき時代のベストセラー恋愛小説、ついに文庫化! 精神科医・藤代に大学時代の恋人から手紙が――失った恋に翻弄される十二か月。『世界から猫が消えたなら』『億男』著者の恋愛小説。
  • 『罪と罰』を読まない
    4.1
    未読者(みどくもの)四人による前代未聞の愉快な読書会 ドストエフスキーの『罪と罰』を読んだことのない四人が果敢かつ無謀に挑んだ「読まずに読む」座談会。 前半では小説の断片から内容をあれこれ推理し、後半は感想と推しキャラを語り合う。 ラスコ(ーリニコフ)、スベ(スヴィドリガイロフ)、カテリーナ……溢れるドスト愛。 「読む」愉しさが詰まった一冊。 解説マンガ・矢部太郎
  • 斜め下からカープ論
    4.0
    プロ野球におけるストッキングむき出しスタイルとヒゲの相関性、パンチパーマの向き不向き、帽子のつばは真っ平らか曲げるべきか、歴代ユニフォームの勝率や選手の改名事情などなど。一見どうでも良さそうなことにも深い理由が!? 中学生で広島カープファンに転向した著者が独自の視点で分析した、鯉党もそうでない人も必見のイラスト&エッセイ。解説 西川美和(映画監督) 目次 1 中﨑翔太のむき出しストッキングとヒゲの相関性についての一考察 2 プロ野球界における「パンチパーマ」の流行と衰退 3 広島カープの同姓選手を見るとドンジャラがやりたくなる理由 4 菊池涼介の「帽子のつば真っ平ら問題」を考える 5 なぜ私たちは九里亜蓮をフルネームで呼んでしまうのか 6 丸佳浩の“目の下の黒いアレ”を調べてわかった大変なこと 7 ジョンソンのユニフォームの脇の穴に隠された意図を探る 8 帰ってきた永川さん、勝てなかった時代の守護神のこれから 9 Cマークは弱いの? 広島カープ歴代ユニフォームの勝率を調べてみた 10 菊池涼介の「胴上げ時カンチョー」について考える 11 松山竜平のメガネはなぜ青い 12 エルドレッド、エルドレッド、無限のパワー 13 カープファンはFA制度にどのように向き合うべきか 14 カープ兄弟船 15 プロ野球選手の改名事情 16 背番号から予想する、今年活躍する選手 17 野球選手の私服考、そして會澤のセーター 18 選手プロデュースメニューを食べたことがないので分類だけしてみた話 19 いつか部屋がカープグッズで満たされる日 20 消えた「カープボーイ」の謎 21 『月刊ザ・カープ』をたどる旅 22 東京でカープファンを続けるということ
  • 国語、数学、理科、漂流
    3.3
    楽しい勉強合宿のはずが、謎の言葉を残して先生が姿を消し、生徒二人も行方不明に! 『国語、数学、理科、誘拐』に続く大好評の塾ミステリー第二弾! 中学三年生の夏期強化合宿のため、三泊四日の予定で離島にやってきたJSS進学塾の先生方と中学生たち。 ナイトハイクなどを楽しみながらも勉強漬けの毎日になるかと思いきや、生徒二人と先生一人が突如姿を消した。 英語を直訳したような文章で話す国語・英語担当の月谷優子先生と、しっかり者の近衛美郷、やんちゃな今野毅彦が行方不明に。 三人は一体どこに消えてしまったのか? 加賀見塾長の思わぬ過去も明らかになりながら、いなくなった生徒たちが戻ってくるその裏には、やはり勉強の面白さと人の優しさがありました。 各講師が作ったオリジナル問題「科目クエスチョン」を、生徒たちと共に考えて、頭の体操にもなります(巻末に詳細な解き方つき)。 ますます勉強がしたくなる、好きになる。 「勉強をすると人に優しくできる」塾ミステリー第2弾。 ※この電子書籍は2017年3月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 皇后雅子さま物語
    4.0
    痛みを知るから勁くなれる――令和の新皇后、雅子さま。その皇太子妃としての道のりは決して平坦ではなかった。ご成婚パレードでの笑顔はなぜ失われたのか? お世継ぎ問題、「適応障害」の真相は何だったのか? 長年にわたり雅子さまの実像を追う唯一のジャーナリストが描く、新皇后の素顔とは。半生を網羅した決定版! 【目次より】 序章 幸せの黄色いワンピース 第1章 帰国子女の憂鬱 第2章 「根無し草にはなりたくない」 第3章 新人外交官の悩み お妃候補への戸惑い 第4章 皇太子妃選定「極秘プロジェクト」 第5章 ご成婚──雅子さんのいちばん長い日 第6章 「新皇太子妃」に差す影 第7章 長官が尋ねた「お身体のこと」 第8章 愛子さまご誕生までの全舞台裏 第9章 涙が止まらない 第10章 「人格否定発言」初めて語られる真相 第11章 ようやく治療がはじまった 第12章 悠仁さまご誕生──急転する皇室の運命 第13章 愛子さまが学校に行けなくなった日 第14章 ご成婚二十年──雅子妃はお幸せだったのか 終章 令和の皇后として ※この電子書籍は、2015年1月に文藝春秋より刊行された単行本『ザ・プリンセス 雅子妃物語』を改題、新章を増補した文庫版を底本としています。
  • ペット・セマタリー(上)
    4.2
    2019年、リメイク版映画が公開! 競争社会を逃れてメイン州の田舎に越してきた医師一家を襲う怪異。モダン・ホラーの第一人者が“死者のよみがえり”のテーマに真っ向から挑んだ、恐ろしくも哀切な家族愛の物語。
  • 静かな雨
    3.7
    忘れても忘れても、ふたりの世界は失われない。 映画化決定(主演・太賀、衛藤美彩)、本屋大賞受賞作家の瑞々しいデビュー作。 行助は美味しいたいやき屋を一人で経営するこよみと出会い、親しくなる。 ある朝、こよみは交通事故の巻き添えとなり、三ヵ月後、意識を取り戻すと新しい記憶を留めておけなくなっていた。 忘れても忘れても、二人の世界は少しずつ重なりゆく。 文學界新人賞佳作に選ばれた瑞々しデビュー作。 *文庫版には「日をつなぐ」(角川文庫『コイノカオリ』収録)も併録しました。 解説・辻原登 ※この電子書籍は2016年12月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 京洛の森のアリス
    3.8
    1~3巻693~713円 (税込)
    少女ありすが迷い込んだのはもう一つの京都 幼いころに両親を亡くし、引き取られた叔母の家でも身の置きどころのない少女ありすは、遠く離れた京都で舞妓修業を決意する。 彼女のもとにやってきた老紳士に連れられて訪れた京都は不思議な世界だった――。 ともに人間の言葉を話す、カエルとハチスとウサギのナツメと、ありすは京洛の森の謎に触れていく。 「京都寺町三条のホームズ」シリーズの著者による、書き下ろし小説。
  • ペット・ショップ・ストーリー
    3.3
    東村アキコ氏絶賛「不倫の漫画を描くのに、とても参考になりました」 女が本当に怖くなる11の物語。 理由あって、都会から実家に戻った「私」は、年老いた母とペットのマルチーズと暮らしている。 時どき立ち寄るペットショップの女主人・中山圭子は、犬や猫をあやしながら、さり気なく飼い主から話を聞き出すのが得意。 圭子のもたらす情報が、「私」のどす黒い過去を甦えらせる――。 表題作ほか、婚期をのがした娘の子宮切除手術の前夜、娘の傍らで眠る父の悲哀と甘やかな妄想を描く「初夜」。 バーで独り飲む女にバーテンダーが語った奇妙な体験「眠れる美女」。 可愛かった妹の人生が低迷してゆくのを見守る兄の心理「いもうと」。 初めての不倫にふみだす妻のためらい「春の海へ」。 故郷の町に戻ってきた三人の女たちに渦巻くねたみと憎しみ「帰郷」など、10篇の恋愛官能小説集。 解説・東村アキコ *本書は2005年6月に文藝春秋より刊行された文春文庫『初夜』を改題し、解説を加えた新装版です。収録している短篇は同じです。
  • アンバランス
    3.5
    「彼女とセックスできる理由を話して」 性的不能だと信じていた夫の愛人は、醜く太った中年の女だった。 専業主婦の日奈子のもとへ、ある日、夫の愛人と名乗る、太った中年女性がやってくる。 夫のユキは長らく性的不能だったはずで、日奈子とはセックスレスの日々が続いていた。 いったいいつから、私たちの関係は、こんなにも不安定なものになってしまっていたのか――。 日奈子は、衝撃のなかで、ある行動に出る。 どんな夫婦にも訪れ得る、あやうい瞬間。 繊細な描写で、残酷なまでにむき出される心の機微を描く。 解説・東直子 ※この電子書籍は2016年3月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • Iターン
    3.8
    1~2巻743~785円 (税込)
    広告代理店の冴えない営業マン・狛江が単身赴任したのは、リストラ対象のQ支店。思わぬトラブルでヤクザに絡まれ、大借金のうえ身売りの大ピンチに。鉄拳の雨と禁断のレバ刺し、爆弾を抱えたダイ・ハードな日常。生き地獄に陥った男のI(=自分)ターンとは!? 悲惨、暴力のち爆笑! 修羅場を踏みまくった狛江が到達するタフな境地が笑える、新感覚リーマン・ノワールの誕生です。
  • 北の富士流
    3.7
    いまや「日本一着物が似合う男」としてNHKの大相撲解説で人気の北の富士勝昭。第52代横綱であり、親方として千代の富士、北勝海の二人の横綱を育て上げた名伯楽であります。そんな北の富士の男としての魅力を余すところなく綴ったのが本書であります。老若男女全ての大相撲ファン、いや全日本国民、必読の一冊! 【目次より】 第1章 北の富士前夜、北海道のけしき 第2章 私と相撲の遠距離交際 第3章 猛稽古と遊びの方程式 第4章 出世みち三歩進んで二歩下がる 第5章 破門から初優勝への大逆転 第6章 ライバル玉の海との出世競争と熱き友情 第7章 「夜の帝王」と「ネオン無情」の極彩色 第8章 横綱時代の万華鏡 第9章 二横綱を育てた名伯楽の奥行き 第10章 北の富士流の試練 第11章 テレビ解説席の粋、華、情 ※この電子書籍は2016年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 老いの入舞い 麴町常楽庵 月並の記
    3.0
    新米同心vs大奥出身の尼僧。江戸の新本格! 若き定町廻り同心の仁八郎は、上役の命で訪れた先で元大奥勤め・年齢不詳の庵主と出会う。その周囲で次々と不審な事件が起こるが…。
  • 笑いのカイブツ
    4.0
    27歳、童貞、無職、全財産0円。笑いに狂った青年が、世界と正面衝突! “伝説のハガキ職人”による、心臓をぶっ叩く青春私小説。 21歳にして「ケータイ大喜利」でレジェンドの称号を獲得。「オールナイトニッポン」「伊集院光 深夜の馬鹿力」「バカサイ」「週刊少年ジャンプ」などで、他を圧倒する質と量で圧倒的な採用回数を誇り、「アメトーク」でも取り上げられる。いつしか彼は“伝説のハガキ職人”と呼ばれるようになる。 構成作家を志すも、“人間関係不得意”のため、挫折の繰り返し。命を削るように面白いネタを書くことに邁進する、貪欲なまでのストイックさ。恋と、挫折。やがて彼の頭の中に奇妙な「カイブツ」が棲みつき、主人公をときに叱咤し、ときに罵倒する。休むことのない内なるカイブツとの戦いの果て、主人公はいつしか「死」を想うようになる。 笑わせるか、死ぬか。 この主人公は、著者自身なのか、それとも頭の中のカイブツが生み出した妄想なのか? ツチヤタカユキの熱狂的な道行きが、いま紐解かれる。 単行本刊行後を濃厚に描いた「文庫版あとがき」を収録。出版によってメジャーな世界に一歩踏み出したことで、主人公(作者)の鬱屈は晴れる日がきたのか、それとも・・・? とどまることのない激情の発露が、読者の心に突き刺さる、感動の「最新章」。

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