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もしあなたが今、このうえなく大切な何かを失って、
暗闇のなかにいるとしたら、この本をおすすめしたい――(解説・俵万智)
宮沢賢治、須賀敦子、神谷美恵子、リルケ、プラトン、小林英雄、ユングらの、
死者や哀しみや孤独について書かれた文章を読み解き、人間の絶望と癒しをそこに見出す26編。
「言葉にならないことで全身が満たされたとき人は、言葉との関係をもっとも深める」
―-自らの深い悲しみの経験を得た著者が、その魂を賭けて言葉を味わい、深い癒しと示唆を与えてくれる26編。
「一日一編読んでいる」
「自分の無意識のどこかに必ず染みてきて、涙がにじむ」
「どんな仕事でもそれを支えているのは、『語り得ない何か』。その一つが悲しみである、という言葉の凄さに慰められた」
日経新聞連載時から話題を呼び、静かなロングセラーとなった一冊。
東日本大震災後の福島にて、柳美里さんが営む書店「フルハウス」では2018年売り上げベスト6位に本書が入っている。
文庫化に際して「死者の季節」「あとがき」を増補。
解説・俵万智
※この電子書籍は2015年11月にナナロク社より刊行された単行本『若松英輔エッセイ集 悲しみの秘義』の文庫版を底本としています。
Posted by ブクログ 2024年03月04日
孤独を掴んでからがものがたりの始まり。ノートに書き写す既存のコトバでさえも、その時点でわたしの血となり肉となる。著名な人間たちの残したコトバ、若松さんのコトバ、それらが折り重なってより強靭な力をもつ。「かなしい」は全然悲しいじゃなくて、美しだったり愛しだったり。日本語の表現はほんとうにうつくしい。
...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年01月11日
昨年の夏、気に入って通っているカフェに併設された書店で、ふとこの本が目に留まり買い求めた。とはいえ、なんとなく読むのは今ではない気がして、そのまま他の本と一緒に積み上げていたが、年の暮れも押し迫ったころ、ふと今読もう、と思い立ち、1つ、2つと、ゆっくり噛み締めながら読む。書店で読みたい!と感じた勢い...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年05月20日
静かなかなしみに包まれる一冊。
悲しみは、愛しさであり、美しさであり、慈しみである。
言葉が、いろんな角度から、響き、語りかけてきます。
その時の自分の心のちょっとした状態の違いで深まり方が変わってくるので何度読んでも、また読みたくなります。
この本と出会って1週間ですが、すでに3回ほど読み返...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年04月16日
大切な人を喪うことは、ずっと怖い。
なぜなら死ぬことについて分からないから。
でも出会いあれば別れがあるように、そこから決して逃れることが出来ない。
だからこそ、悲しみの真髄を理解してみたいと思えた。
本書で引用されるフレーズはどれも刺さる。
解説:俵万智さんも仰るように、著者は引用の達人。
悲し...続きを読む
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