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人間についての普遍的な原理を難しい言葉で記述するばかりが「哲学」ではない。書物に書かれている高尚な哲学ばかりが「哲学」ではない。ときに肉声のなかに、手紙のなかに、あるいは人知れぬ行為のなかに、真の哲学は宿っている――。
祖国を離れ、ひとり異国の地でひたすらに歩いた作家・須賀敦子。強制収容所で絶望を目の当たりにしながら、人生の意味を深く問うた精神科医・フランクル。食に命をこめる料理研究家・辰巳芳子。震災や戦争に際して遺族に祈りを捧げた美智子皇后。
歩く、祈る、見る、聴く、喪う。「悲しみ」ともいうべき人生の場面で言葉を紡ぎ、ある哲学を体現した者たちの「生きる哲学」を、その行為のなかに読む。
Posted by ブクログ 2020年11月03日
若松英輔(1968年~)氏は、慶大文学部卒、「三田文學」編集長(2013~2015年)等を歴任した批評家、随筆家、詩人。東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。2016年以降、NHK番組「100分de名著」で、 石牟礼道子の『苦海浄土』、内村鑑三の『代表的日本人』、神谷美恵子の『生きがいについて』...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年05月16日
生と死が繋がる悲しみの豊かさ。
その一点、その一筋をどこまでも、何度も辿っていく。
石牟礼道子の苦海浄土が本書の頂点か。
読む側の態勢、状況、構えを問う著書である。
ある時のわたしならば、すごく震えただろう。
しかし、疲れ切った今、彼の言葉は遠くでしか響かなかった。
しかし、良心は感じた。
しか...続きを読む
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