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作家と出会い、言葉と出会う 生きることの傍には、常に「言葉」があった 言葉が語らない「あわい」にこそ たしかなる人生の道標がある 「あの日、この本を机の上に置いたとき、 のちに自分がこれとほとんど同じ経験をすることになるとは 思いもしなかった」 (本文より) 生涯の伴侶となる女性に『深い河』を渡した日から、 妻を喪い、死者に託された「何か」を生きる今に至るまで 河合隼雄、須賀敦子、小林秀雄、柳宗悦、堀辰雄―― 自らの軌跡と重ねて綴る、特別な一冊
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Posted by ブクログ
今の私をハッとさせる言葉に満ちた本だった。美しい装丁を裏切らない美しい言葉で語られる若松英輔さんの人生の歩み。若き頃の若松さんと今の自分が重なって、一つひとつの言葉が心に沁みた。 20代のころの若松さんと50になろうとする私が同じ、ということには苦笑せざるを得ないが、久々に付箋を貼り、ペンを引きなが...続きを読むら一気に読んだ。
「読む」「書く」「思想」「かなし」「こころ」「たましい」… 様々な話題が尽きない。 本書を開いて読み始めた感覚としては、道を歩いていたら牧師さんに突如話しかけられて、なぜだかいつのまにかものすごく聞き入ってしまっている、といった感じだ。 難しい部分もあった。けれど沁みた。何回か読み返した部分もあった...続きを読む。幾たびの出会いをくれる本だった。出会についても言及されていたなそういえば、とも思う。 体の中に魂があるのではない、魂の中に体があるのだ。道理だと思う。 感想はこれだけではすまないけれど、うまく言葉にまとまらない。なにせ膨大な出会いがあったのだ。 読んで良かった。この人の本に、他にも出会いたい。
若松英輔さんの『読み終わらない本』に非常に感銘を受けたので、私には少し難しいところもあったのですが、こちらも拝読しました。 まず、読書に関するところだけは理解できたと思うので本文より気になった箇所を引用します。 p115より どうしても読み進められない本がある。読みたくないのではない。だが「読...続きを読むめない本」と呼ぶほかないものが存在する。 p141より ページをめくる前から、この本との出会いが人生を決定する。そう感じたことが幾度かある。 石牟礼道子『苦海浄土 わが水俣病』 上原専禄『死者・生者 日蓮認識への発想と視点』 神谷美恵子『生きがいについて』 須賀敦子『コルシア書店の仲間たち』 越知保夫『好色と花』 p220より 何度読んだかが分からなくなるような一冊。それがその人にとっての「良い書物」なのではあるまいか。それを誰かに与えてもらうことはできない。どうしても自分で探さねばならない。 p292より 読書は習慣である。習慣にならない読書は、いつまでも「勉強」の域を出ず、「学び」には至らない。勉強とは、何かに「強いられ、勉める」ことでどこまでも外発的な営みに留まる。だが「学び」はいつも内発的だ。(中略)読書が学びと出会う。すると「読む」ことの意味が一変する。 他者が書いた言葉を目にしながら、まざまざと感じるのは自己の内心のありようになる。他者の生の軌跡が己の歩いている道を照らし出すという論理を超えた出来事に遭遇する。 p310より 本は、書かれたときに誕生するのではない。それはまだ、芽吹いている状態に過ぎない。読まれることによって、開花し、その存在をこの世に告げ知らせるのである。 読書の他にも、主に亡くなられた奥様のことや信仰のことユング心理学ややはり亡くなられた詩人ブッシュ孝子さんのこと池田晶子さんのことなど、興味深いお話がいっぱいでした。
愛とか人生とかについて、若松さんの人生に影響を与えた本を交えつつ少し自伝風にまとめられてる とても深くて、静謐 人生の真髄みたいな、言葉にできないものに触れた読後感。おいそれと感想など書けない 九鬼修造や堀辰雄の項が素晴らしかった 多分何度か読み返しそう
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