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ご近所美術館
国道沿いのビル群の間にひっそりと建つペンシル・ビル。その二階に“美術館”はあります。のんびり寛げるラウンジは憩いの場として親しまれ、老館長が淹れるコーヒーを目当てに訪れるお客もちらほら。しかし、この度館長が引退することに……。後任としてきたのは、稀に見る美貌を持つ川原董子さん。そんな彼女に、常連の海老野くんは一目惚れしてしまいます。董子さんを振り向かせたい一心で、彼女の妹あかねさんの助けを借りつつ、来館者が持ちこむ謎を解決していく海老野くん。果たして、彼の恋の行方は? 恋する青年が美術館専属の探偵となって奮闘する、ほんわか連作ミステリ。/解説=大矢博子 -
ぬいぐるみ警部の帰還
殺人現場にぽつんと遺されたぬいぐるみ。そのぬいぐるみは、いったい何を語る? イケメン警部・音無美紀の密かな楽しみは、ぬいぐるみを愛でること。遺されたぬいぐるみから優れた洞察力で、事件解決の手がかりを発見する――。そして、男勝りの言動の一方で音無にぞっこんの則竹女史。さらに実はミステリおたくの江角刑事や、若手の桂島刑事など、個性派キャラクターが脇を固める連作短編集。「お弁当ぐるぐる」(『赤い糸の呻き』所収)で初登場した、音無&則竹コンビが遭遇した不可能犯罪の数々。〈ぬいぐるみ警部〉シリーズ、記念すべき第1弾。解説=霞 流一 -
松谷警部と目黒の雨
目黒本町のマンションで殺害された小西のぞみの身辺を調べていくと、武蔵学院大学アメフト部「ボアーズ」との関連が浮上、更にはボアーズの仲間内でこの5年に複数の変死者が出ていると判明した。これらは繋がっているのか。松谷警部は白石巡査らと捜査に当たるが、のぞみの事件についてボアーズ関係者のアリバイはほぼ成立し、動機らしきものも見当たらない。過去の事件は不可解な点を残しながらも既決事項となっている。白石巡査は「動機は後回し」と地道に捜査を進め、ついに犯人がわかったと宣言。松谷の自宅で清酒「浦霞」を傾けながら、白石の謎解きが始まる。果たして真相は?犯人当ての妙味に富んだ本格ミステリ。解説=村上貴史 -
本を隠すなら本の中に
「いますぐわたしの家から出ていって!」大学時代のルームメイト、パミーが家に転がり込んで二週間、我が物顔で家を占領するだけでなく、トリシアの大事な城であるミステリ専門書店に出て客に迷惑をかけるにいたって、ついに堪忍袋の緒が切れた。ところがトリシアが追い出したその日のうちに、こともあろうに人手不足に悩むカフェの店主でトリシアの姉アンジェリカが、うっかりパミーを雇ってしまったのだ。だがそのパミーが店の裏で殺された……。古書と専門書の町、読書家の聖地ストーナムで起こる事件を描く、ライトミステリ。本の町の殺人シリーズ第3弾。アガサ賞候補作。 -
もろこし桃花幻
時は元末。世情不安の折から陶華は科挙受験を断念し、蜀への帰路を辿っていた。従者とはぐれ路銀乏しく道のり遠く、途方に暮れる陶華に声をかけたのは、愛くるしささえ感じさせる不思議な女道士。続いて二人の行者、こましゃくれた少女、後ろ暗そうな商人、人の好さそうな侠客、と道連れが増えていく。やがて桃源郷かと見まがうばかりの農村に行き着き、宿を求める。ところが旅の疲れを癒す間もなく一行の世話係が殺され、村人が多数遺体となって見つかるという事態に発展。陶華らの中に下手人がいるはずだと、詮議が始まって……。『銀侠伝』『紅游録』に続くシリーズ第3弾、初の長編で登場。 -
ホペイロの憂鬱
僕がホペイロ(roupeiro:ポルトガル語で用具係のこと)を務めるプロサッカークラブ・ビッグカイト相模原では、奇妙な事件がわんさか起きる。J2昇格を目指して新シーズンが始まったのに問題山積だ。まったく傷んでないのに頻繁にスパイクを交換したがるエース、窃盗容疑で逮捕されたナイジェリア人助っ人、名物サポーターの大フラッグの盗難……。その度に、僕に謎を解かせようとするんだ。選手のスパイクの手入れが本職なのに! 日本フットボールリーグ(JFL)所属のサッカークラブを舞台に、ホペイロの奮闘を描く、ほのぼの連作ミステリ。 -
理由あって冬に出る
某市立高校の芸術棟にはフルートを吹く幽霊が出るらしい――。吹奏楽部は来る送別演奏会のための練習を行わなくてはならないのだが、幽霊の噂に怯えた部員が練習に来なくなってしまった。かくなる上は幽霊など出ないことを立証するため、部長は部員の秋野麻衣とともに夜の芸術棟を見張ることを決意。しかし自分たちだけでは信憑性に欠ける、正しいことを証明するには第三者の立ち合いが必要だ。……かくして第三者として白羽の矢を立てられた葉山君は夜の芸術棟へと足を運ぶが、予想に反して幽霊は本当に現れた! にわか高校生探偵団が解明した幽霊騒ぎの真相とは? 第16回鮎川哲也賞に佳作入選したコミカルなミステリ。 -
館島
巨大な螺旋階段の下に倒れていた当主の死因は、転落死ではなく墜落死だった!? 天才建築家・十文字和臣の突然の死から半年が過ぎ、未亡人の意向により死の舞台となった異形の別荘に再び事件関係者が集められたとき、新たに連続殺人が勃発する。嵐が警察の到着を阻むなか、館に滞在していた女探偵と若手刑事は敢然と謎に立ち向かう! 瀬戸内の孤島に屹立する、銀色の館で起きた殺人劇をコミカルな筆致で描いた意欲作。『謎解きはディナーのあとで』『もう誘拐なんてしない』『放課後はミステリーとともに』などで注目を集めるユーモア推理の気鋭が放つ、大トリック炸裂の本格ミステリ。 -
人間豹
床屋でも銭湯でも芝居小屋の桟敷でも、東京市内一円は人さえ寄れば人間豹の噂であった。怪しい眼光を宿し野獣の爪牙と猫属の舌を持つ殺人鬼、名を恩田という。カフェの女給弘子、レビューガールの江川蘭子と、二度までも相愛の名花を惨たらしく手折られた神谷芳雄は、明智小五郎の助勢を請う。しかし魔術師の怪技と邪門歪道に長けた恩田父子の連繋は百戦錬磨の名探偵をも翻弄し、やがて明智の身辺に魔手を伸ばしていく。股肱の少年助手小林、窈窕淑女たる愛妻文代を掌中に収め、得たり賢しと北叟笑む人間豹。怪奇というべく余りに怪奇、人智及ばぬ人獣の蛮行を、名探偵は阻止できるか? -
プラスチック・ラブ 柚木草平シリーズ8
枯れた公孫樹の葉がアイスダストのようにふりそそぐ十二月、中学の同級生・竹田寛子が、ラブホテルで殺害された。高校二年生の木村時郎は、かつて一日だけデートしたことがあった寛子が、最近どうしていたのかが気にかかり、彼女の高校の同級生を訪ねる。すると寛子は、交際中の相手について、“プラスチック・ラブ”という謎の言葉を残していた。その帰り、時郎は事件を調査している柚木草平と出会う――。『刺青白書』に先駆け柚木草平の姿を客観的に描写した表題作「プラスチック・ラブ」など、時郎の目から八つの事件を綴った連作短編集。青春私立探偵シリーズ番外編。 -
晩夏に捧ぐ 成風堂書店事件メモ2
駅ビルの書店で働く杏子のもとに、かつての同僚・美保から一通の手紙が届いた。長野に戻り、地元の老舗書店に勤める彼女からの手紙には、勤務先の「まるう堂」こと宇津木堂書店に幽霊が出るようになり、店が存亡の危機だということが書かれていた。ついては名探偵のアルバイト店員を連れて助けに来い、というのだ。気が進まぬながらも多絵を連れて、信州へ赴いた杏子だったが、そこで彼女たちを待ち構えていたのは、二十七年前に弟子の手によって殺されたという、老大作家の謎だった……!元書店員ならではの鋭くもあたたかい目線で描かれた、本格書店ミステリ。人気シリーズ番外編。 -
スタジアム 虹の事件簿
観客席で不審な行動を連発し、遂には風に舞う紙吹雪の中で無数の一万円札をばら撒き始めた男の真意は? 自分が高校教師殺害事件の真犯人だと唐突に名乗り出た青年の運命は? アルバイトの女の子が遭遇した奇妙な出来事の意味は? そして、“結婚”の二文字を前にして揺れ動く女性が巻き込まれた事件の行方は? プロ野球球団・東海レインボーズのスタジアムで、不思議な事件を次々と解決に導くのは、筋金入りの野球音痴の球団オーナー虹森多佳子。優勝の夢に向かって走り始めた万年最下位球団の奮闘と、安楽椅子探偵の名推理を軽やかに描いた愛すべき本格ミステリ。ユーモアミステリに新風を吹き込む青井夏海のデビュー作。 -
ガーデン
燃える火に夜と書いて、カヤ。赤い髪に華奢な躯、大きな眸をした捉えどころのない娘。行く夏の海で火夜に逢った真波は、何の違和感もなく一緒に住むようになっていた。その火夜が不意に姿を消してしまう。そして二週間、真波の許へ火夜と同じエナメルを塗った小指が届く。動顛した真波は同じマンション内の今泉文吾探偵事務所を訪ね、火夜を捜してほしいと依頼するのだが……。謎めいた娘を求めて、植物園と見紛うばかりの庭苑に足を踏み入れた探偵。血を欲するかのように幾たりもの死を招き寄せる庭で、今泉が見出したものは? 悲痛な真相が惻々と胸に迫る、本格ミステリの傑作。 -
半永久の花束
丁寧に手入れされた美しい庭で、高校生の航大(こうだい)と大学生の拓海(たくみ)はいつものように、植物にまつわる些細な違和感について言葉を交わす。存在しない鉢植えを求める老婦人、 コスモスが咲く道で起こった人間消失、 葉っぱと数字でできた暗号の解読──。植物が絡むささやかな謎はやがて周囲の人の記憶や感情へと繋がっていく。読み終えたあなたの心のなかで温かな思いが芽吹く。 デビュー作にして入試問題に多数採用され注目を集めた『勿忘草(わすれなぐさ)をさがして』に続く、 優しさに満ちた連作短編集。/【目次】赤い葉/透明少女/失敗作の暗号/風吹けば謎/半永久の花束 -
フルハウス
ラグビーにおける「フルハウス」とは、一試合で同じ選手が、トライ、コンバージョンゴール、ペナルティゴール、ドロップゴールをすべて決めることを言う。本書は、日本人として初めてニュージーランド代表チームのオールブラックス入りしたラガーマン、早見剛大の物語である。2027年ラグビー・ワールドカップ、プール戦でオールブラックスは日本代表とぶつかる。かつて日本で一緒にプレーしていた仲間との激突! ラガーマンの孤独、友情、絆、葛藤……。自らもラガーマンであった著者が、そのラグビー愛のすべてを込めて書き上げた究極のラグビー小説。堂場瞬一スポーツ小説の頂点とも言うべき傑作! -
九年目の魔法
ため息をつき、本をベッドに伏せる。前に読んだはずだけど、こんな題名だったろうか? 壁にかかった写真の額を見上げる。これもこんな写真じゃなかったはず。この九年間で本当にあったことと、今おぼえていることが喰い違っている。まるで過去が変えられてしまったかのよう。大学生のポーリィは、十歳のころの思い出をたぐり寄せた。そうだ、近くの屋敷でお葬式が! そこで、あの人、リンさんと出会って、ずっと歳上の男の人なのに仲良しになって、それから……それから、とても恐ろしい何かが起こりはじめた……失われた時を求める少女の、愛と成長と闘いをつづる現代魔法譚!/解説=三村美衣 -
コージーボーイズ、あるいは四度ドアを開く
父のデビュー作の初版本はどこに? スナックのママさんの予知能力は本物なのか? 夜な夜なリコーダーでゲーム音楽を吹き鳴らす怪人の正体は? 無意識に食べたクッキーにはどのキャラクターが描かれていた? そして、またしても居酒屋が消えた!? ミステリ談義の集まりにひとりゲストをお呼びして、毎回カフェでゆるゆると行う推理合戦。それなりにみんながんばるのだけど、謎を解き明かすのはいつも店長の茶畑さんなのだった──しかし今回は例外あり? 期待の新鋭が贈るミステリ・シリーズ、新キャラクターも登場。お待たせしました第二集です。/【目次】コージーボーイズ、あるいは笛吹き男の怪/コージーボーイズ、あるいは猫形クッキーの謎/コージーボーイズ、あるいは四度ドアを開く/コージーボーイズ、あるいは屋上庭園の密室/コージーボーイズ、あるいはふたたび消えた居酒屋の謎/コージーボーイズ、あるいは予言された最悪の一日/コージーボーイズ、あるいはヤンキー・パズル/あとがき -
朝からブルマンの男
一杯二千円もするコーヒーを週に三度注文しては、飲み残していく客「朝からブルマンの男」、途中下車して遅刻しそうだった友人が、先に行った自分となぜか同時に高校入試の会場に到着した「受験の朝のドッペルゲンガー」、単身赴任中の父親が帰宅する金曜日の夕食だけ味が落ちるという、郷土料理研究会の会員宅のご飯の秘密「ウミガメのごはん」など、桜戸大学ミステリ研究会の二人組が出合った謎を描く全五編を収録。謎の魅力、推理する楽しみを詰めこんだデビュー短編集。※本電子書籍は、『朝からブルマンの男』(ミステリ・フロンティア 2025年6月初版発行)を電子書籍化したものです。/【目次】朝からブルマンの男/学生寮の幽霊/ウミガメのごはん/受験の朝のドッペルゲンガー/きみはリービッヒ -
あがり
舞台は、〈北の街〉にある蛸足型の古い総合大学。語り手の女子学生と同じ生命科学研究所に所属する幼馴染みの男子学生が、ある日、一心不乱に奇妙な実験を始めた。亡くなった心の師を追悼するためだ、と彼はいうのだが……。夏休みの閑散とした研究室で密かに行われた、世界を左右する実験の顛末とは? 少しだけ浮世離れした、しかしあくまでも日常的な空間――研究室を舞台に起こるSF事件の数々。第1回創元SF短編賞を受賞した表題作にはじまる、大胆な発想と軽快な語り口が魅力のデビュー作品集。/【目次】あがり/ぼくの手のなかでしずかに/代書屋ミクラの幸運/不可能もなく裏切りもなく/幸福の神を追う/へむ/解説=三村美衣*本電子書籍は『あがり』(創元SF文庫 新装版 2025年5月9日初版発行)を底本としています。 -
駅と旅
日々のなかで当たり前のように行き来する駅という場所は、なんでもない日も旅立ちの日も、変わらずそこで私たちを迎えてくれます。旅の始まりと終わりをいつも見届けてくれて、行く場所であり帰る場所となる、駅とは不思議な存在です。浜松、西宮、札幌、唐津、明洞、ポルト──六つの都市へ向かう列車で、あるいは辿り着いた先で、どのような景色が待っているでしょうか。新しい物語への切符は今、あなたの手のなかにあります。六人の作家、六つの駅が旅の非日常へと誘う、文庫オリジナル・アンソロジー。/【目次】砂村かいり「きみは湖」/朝倉宏景「そこに、私はいなかった。」/君嶋彼方「雪花の下」/松崎有理「東京駅、残すべし」/額賀澪「明洞発3時20分、僕は君に撃たれる」/鳥山まこと「辿る街の青い模様」 -
シリコンバレーのドローン海賊 人新世SF傑作選
人新世とは、「人間の活動が地球環境に影響を及ぼし、それが明確な地質年代を構成していると考えられる時代」、すなわちまさに現代のことである。パンデミック、世界的な経済格差、人権問題、資源問題、そして環境破壊や気候変動問題……未来が破滅的に思えるときこそ、サイエンス・フィクションというツールの出番だ。本書に収められた短編10編とインタビューで、不透明な未来を見通し、それが社会や家族や個人にどんな影響を与えるか、そして希望をもたらすにはどうしたらよいか、グレッグ・イーガンを始めとする気鋭の作家たちが探ってゆく。/【目次】序文――人新世におけるサイエンス・フィクション=ジョナサン・ストラーン/シリコンバレーのドローン海賊=メグ・エリソン/エグザイル・パークのどん底暮らし=テイド・トンプソン/未来のある日、西部で=ダリル・グレゴリイ/クライシス・アクターズ=グレッグ・イーガン/潮のさすとき=サラ・ゲイリー/お月さまをきみに=ジャスティナ・ロブソン/菌の歌=陳楸帆(チェン・チウファン)/〈軍団(レギオン)〉=マルカ・オールダー/渡し守=サード・Z・フセイン/嵐のあと=ジェイムズ・ブラッドレー/資本主義よりも科学――キム・スタンリー・ロビンスンは希望が必須と考えている=ジェイムズ・ブラッドレー/謝辞=ジョナサン・ストラーン/解説=渡邊利道/編者紹介/訳者紹介 -
お城の人々
人間の医者と呪いにかけられた妖精の王女の恋を描いたおとぎばなしのような表題作ほか、犬と少女の不思議な絆の物語「ロブの飼い主」、お城に住む伯爵夫人対音楽教師のちょっぴりずれた攻防「よこしまな伯爵夫人に音楽を」、独特の皮肉と暖かさが同居する幽霊譚「ハーブと自転車のためのソナタ」など、恐ろしくもあり、優しくもある人外たちと人間の関わりをテーマにした短編全10編を収録。ガーディアン賞、エドガー賞を受賞した著者の傑作短編集、第3弾。/【目次】ロブの飼い主/携帯用エレファント/よこしまな伯爵夫人に音楽を/ハープと自転車のためのソナタ/冷たい炎/足の悪い王/最後の標本/ひみつの壁/お城の人々/ワトキン、コンマ/訳者あとがき -
シェフ
三つ星シェフ、ポール・ルノワールが猟銃自殺を遂げた。世界最優秀シェフに選出されたばかりだった彼がなぜ? ネットフリックスの番組製作のために取材を受けていたさなかに……。伝説的な料理人だった祖母のいた時代から三つ星シェフに上りつめた現在までの彼の人生と、華やかなフランス料理界の裏側。料理人たちの野心、苦悩、嫉妬、愛、孤独、闘い、そしてガイドブックの星の重圧……。ポール・ボキューズもアラン・デュカスも登場する、元『ミシュランガイド』編集部員にしか書けない傑作美食小説! カゼス文学賞、海辺の文学賞受賞作。*カゼス文学賞は、ヘミングウェイ、アンドレ・ジッド、アラン・ドロン、ロミー・シュナイダー、ポンピドゥー大統領などが通ったサン=ジェルマン=デ=プレのブラッスリー・リップが創設した文学賞。海辺の文学賞はサーブル・ドロンヌ市と「フィガロ・マガジン」が主催の文学賞。 -
偽悪病患者
「佐治は偽悪病患者だ。接近させてはいけない」兄の警告を妹は一笑に付したが……犯罪の萌芽から事件発生と解決まで往復書簡形式で語られるモダン探偵小説の表題作、犯行に至る殺人者の心理を克明に描き、“なぜ殺したか”の謎を追求した「死の倒影」「情獄」、掘り出し物の骨董をめぐる奇譚「金色の獏」、都市伝説めいた怪現象が連続猟奇殺人に発展する犯罪幻想譚「魔法街」他、全九篇。日本探偵小説草創期に江戸川乱歩、甲賀三郎とともに絶大な人気を博した巨匠、大下宇陀児の多彩な作品を紹介する短篇傑作選。/【目次】偽悪病患者/毒/金色の獏/死の倒影/情獄/決闘介添人/紅座の庖厨/魔法街/灰人/〈エッセイ〉探偵小説の型を破れ/探偵小説不自然論/解題/解説=長山靖生 -
偽のプリンセスと糸車の呪い
ルーシーと親友のドーンは明日16歳の誕生日を迎える。これまで毎年いっしょに誕生日を祝ってきたというのに、今年はそれができなくなった。ドーンが育ての親である3人のおばたちに、明日一日家から出ることを禁じられたのだ。ドーンとは会えないし、運転免許の最終試験だしで、誕生日だというのにルーシーの気分はさえない。でも、本当の災難はそのあとに待っていた。ルーシーは試験会場に向かう途中、騎馬の男たちに拉致されてしまう。巨大な光る門を通ってたどり着いたのは、まるでおとぎ話(フェアリーテイル)の世界で……。〈(株)魔法製作所〉の著者が贈る、スイートでロマンチックなファンタジー。 -
黄金の人工太陽
SFとファンタジーの基本はセンス・オブ・ワンダーだ。そして並はずれたセンス・オブ・ワンダーを味わえるのは、超人的なヒーローが宇宙の命運をかけて銀河のかなたで恐ろしい敵と戦う物語だ(序文より)――常識を超える宇宙航行生物、謎の巨大異星構造物、銀河をまるごと吹き飛ばす超爆弾。ジャック・キャンベル、ベッキー・チェンバーズ、チャーリー・ジェーン・アンダーズら充実の執筆陣による、SFならではの圧倒的スケールで繰り広げられる冒険とアクションの物語18編を集めた、ワクワクに満ちた遊園地のような傑作アンソロジー。/【目次】序文=ジョン・ジョゼフ・アダムズ/時空の一時的困惑=チャーリー・ジェーン・アンダーズ/禅と宇宙船修理技術=トバイアス・S・バッケル/甲板員ノヴァ・ブレード、大いに歌われた経典=ベッキー・チェンバーズ/晴眼の時計職人=ヴィラル・カフタン/無限の愛=ジョゼフ・アレン・ヒル/見知らぬ神々=アダム=トロイ・カストロ&ジュディ・B・カストロ/悠久の世界の七不思議=キャロリン・M・ヨークム/俺たちは宇宙地質学者、なのに=アラン・ディーン・フォスター/黄金の人工太陽=カール・シュレイダー/明日、太陽を見て=A・マーク・ラスタッド/子どもたちを連れて過去を再訪し、レトロな移動遊園地へ行ってみよう!=ショーニン・マグワイア/竜が太陽から飛び出す時=アリエット・ド・ボダール/ダイヤモンドとワールドブレイカー=リンダ・ナガタ/カメレオンのグローブ=ユーン・ハ・リー/ポケットのなかの宇宙儀=カット・ハワード/目覚めるウロボロス=ジャック・キャンベル/迷宮航路=カメロン・ハーレイ/霜の巨人=ダン・アブネット/謝辞/解説=堺三保 -
壊れた世界で彼は
ニュージーランドの小さな町で人質事件が発生。未明、夫婦と娘ふたりがいる民家に、銃を持った男たちが立てこもったという知らせを受けて、刑事ニックは現場に急行する。警官に囲まれた家から大音量で音楽が流れ、銃声がしたのをきっかけに、狙撃班が銃弾を浴びせたところ、今度は大爆発が! 機動隊が妻と娘たちを救出。爆発跡から地元のギャング5人の死体が見つかるが、夫の姿はない。警察は、生き残った犯人グループのひとりが夫を連れて逃亡したと考え、大規模な捜索を開始するが……。『死んだレモン』の著者が贈る意外性抜群の衝撃作!/解説=村上貴史 -
ピラネージ
僕が住んでいるのは、無数の広間がある広大な館。そこには古代彫刻のような像がいくつもあり、激しい潮がたびたび押し寄せては引いていく。この世界にいる人間は僕ともうひとり、他は13人の骸骨たちだけだ……。過去の記憶を失い、この美しくも奇妙な館に住む「僕」。だが、ある日見知らぬ老人に出会ったことから、「僕」は自分が何者で、なぜこの世界にいるのかに疑問を抱きはじめる。数々の賞を受賞した『ジョナサン・ストレンジとミスター・ノレル』の著者が、異世界の根源に挑む傑作幻想譚。 -
シャーロック・ホームズたちの冒険
シャーロック・ホームズとアルセーヌ・ルパン――ミステリ史に名を刻む両巨頭の知られざる冒険譚「「スマトラの大ネズミ」事件」と「mとd」。大石内蔵助が率いる赤穂浪士の討ちいりのさなか、雪の降り積もる吉良邸で起きた密室殺人「忠臣蔵の密室」。実はシャーロキアンだったアドルフ・ヒトラーがナチス・ドイツの戦局を左右しかねない事件に挑む「名探偵ヒトラー」。日本を訪れたラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が“怪談”の数々を解き明かす「八雲が来た理由」――在非在の著名人たちが名探偵となって競演する全五編。異才が虚実を織り交ぜ纏めあげた、奇想天外な本格ミステリ短編集。/解説=北原尚彦 -
戦争獣戦争
1994年冬、北朝鮮・寧辺の核処理施設の査察に訪れた国連職員が目撃したのは、使用済み核燃料の沈むプールの中で泳ぐ二体の奇妙な生物だった――その正体は、戦争によって生まれるエントロピーを糧に成長する四次元生命体〈戦争獣〉。生態系ならぬ死態系に潜む死命(シノチ)の最優勢種である彼らは、華麗島で独自の文化に基づき生きる超人〈異人(ホカヒビト)〉のみ扱うことができる。敵対し合う二体の戦争獣、そして異人たちの前に現れる謎めいた男女の双子。彼らが人類にもたらすのは破滅か、救済か。奔放な想像力が生み出す傑作長編。 -
地中のディナー
2014年、イスラエルのネゲブ砂漠。秘密軍事施設には“将軍”の命令により、ただ一人の囚人Zが長年監禁されており、一人だけの看守に見張られている。ユダヤ系アメリカ人の学生からイスラエルの諜報員になり、自国の権力者に監禁されるに至った囚人Zの数奇な人生とは──。Zの存在を隠したまま何年も意識不明でベッドに横たわる将軍の回想、パレスチナ難民の青年の受難、パリで恋に落ちたZとウエイトレスのかつての逃避行。幾つかの物語が循環しつつ重なり合い、悲哀、諦観、希望を繰り返しもたらす不条理なパレスチナ紛争と、それに翻弄されながら生きる人々の姿を描き上げる。『アンネ・フランクについて語るときに僕たちの語ること』がフランク・オコナー国際短編賞受賞、ピュリッツアー賞最終候補となった著者による傑作長編! -
深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説
昭和12年(1937年)5月、銀座で似顔絵描きをしながら漫画家になる夢を追いかける那珂一兵のもとを、帝国新報(のちの夕刊サン)の女性記者が訪ねてくる。開催中の名古屋汎太平洋平和博覧会の取材に同行して挿絵を描いてほしいというのだ。超特急燕号で名古屋へ向かい、華やかな博覧会を楽しむ最中、一報がもたらされた殺人事件。名古屋にいた女性の足だけが東京で発見された!? 同時に被害者の妹も何者かに誘拐され――。名古屋と東京にまたがる不可解な謎を、一兵はどんな推理を巡らせて解くのか? 空襲で失われてしまった戦前の名古屋の町並みを、総天然色風に描く長編ミステリ。/解説=大矢博子 -
少女の鏡
「おまえ一昨日、旧校舎に行ったりしてないよな?」クラスメイトに言われて驚いた。美弥は旧校舎に足を踏み入れたことはない。学校の七不思議では旧校舎の鏡に姿を映すと、鏡の中の自分が抜け出て襲いに来るらしい。その後も覚えのない場所で彼女を見たという目撃者が続出、ついに美弥自身も出会ってしまった。そのとき、助けてくれたのは大きな犬と、その犬を兄と呼ぶ少年朱鷺だった。朱鷺は各地を旅して呪物を集めているらしい。半信半疑のまま美弥は自分に起きている奇妙な出来事を彼に打ち明けるが……。『魔導の系譜』の著者の新シリーズ開幕。 -
落下世界
目覚めると、世界は虚空に浮かぶ小島になっていた! しかも、みなが記憶を失っていて、なぜこうなったのかはもちろん、自分自身が何者かさえもわからない……。だが、断ち切られたような世界の縁から、見わたすかぎりつづく青空を眺めた“彼”は考える。この下のどこかには、別の島もあるに違いない。目覚めたときにポケットの中にあった手描きの地図にしたがって降りてゆけば、きっとこの世界の秘密がわかるはず――。かくして彼、フォーラーは、手製のパラシュートを背負って世界の謎を探る旅に出た。ヒューゴー賞作家が放つ傑作冒険SF! -
ヴィクトリアン・レディーのための秘密のガイド
これからあなたを、ヴィクトリア朝の世界へご案内します。あなたのあこがれの社会できちんと暮らしていけるように。『ダウントン・アビー』や『嵐が丘』に登場するような女性が実際にどのように暮らしていたか知ったら、きっとあなたは驚くはずよ……。衣服、トイレ、入浴、ダイエット、結婚、初夜、避妊など、約200点の図版を交えて、ヴィクトリア朝時代のイギリスやアメリカの女性のありのままの暮らしを紹介。読んで楽しく、驚きの事実が満載のユニークな歴史ノンフィクション。/【目次】こんにちは、自堕落さん/第1章 服を着る――恥ずかしい部分を上手に隠す方法/第2章 バケツに排泄する――忌まわしき生理的欲求/第3章 油断ならない入浴/第4章 月経――あなたはまちがっている/第5章 ダイエット――あなたは小さなプディングバッグ/第6章 美――焼き、厚く塗り、詰める/第7章 求愛――自分からは言い寄らない/第8章 結婚初夜――ばかな殿方と契りを結ぶ/第9章 避妊とその他の神を冒涜する行為/第10章 良き妻――夫をできるかぎり怒らせないための方法/第11章 家庭を正しく営む――緩やかな支配/第12章 公の場におけるふるまい――辱めと危険と博物館を避ける/第13章 ヒステリー――ヴィクトリア朝時代の生活においてちっとも愉快ではないこと/第14章 秘密の堕落行為――「いぼと小さい乳首はこれに起因する」/結論 パンティが恋しい/謝辞 抱擁を! あなたに抱擁を!/参考文献/解説=村上リコ -
ぼくを忘れないで
ぼくには仲良しの兄・サイモンがいた。でも死んでしまった。ぼくはサイモンに会いたくてたまらない。19歳になったマシュー・ホームズは、統合失調症の治療の一環として、自分自身について書いている。大好きだった兄サイモン、ダウン症だった彼の死は、幼かったマシューの思いつきがもたらしたようなものだった。罪の意識に苛まれるマシュー。彼には「ぼくを忘れないで」というサイモンの声がいつも聞こえている。精神科病棟の看護師だった著者だからこそ書ける、病める青年の苦しみ、不安、喜び、そして家族のこと。サイモンとマシューの兄弟を、あなたは忘れることができないだろう。コスタ賞の新人賞と大賞を同時受賞した傑作小説! -
飢え渇く神の地
死の神ダリヤが支配する西の砂漠。遺跡の地図を作ることを生業とする青年カダムは、探索を終えて落胆しながら帰宅した。十年前、遺跡の調査に行くと言い残したまま、西の砂漠に消えた家族の行方を探し続けているのだ。もう見つからないのかもしれない。そんなある日、レオンという若い宝石商が、カダムを道案内に雇いたいと言ってきた。どうやら治安警護隊に追われているらしい。カダムは渋々引き受けるが、彼らが砂漠の奥深くに迫ったとき、そこに眠る恐るべき秘密が目を覚ます……。第2回創元ファンタジイ新人賞受賞の著者が贈る意欲作!/解説=乾石智子 -
すべての愛しい幽霊たち
心臓移植手術を受けながら、生物学者はどんな夢を見たのか(「デニス・ノーブルの心臓」)。ダイアナ妃に憧れた少女が語る、プリンセスの結婚から死去までの日々とは(「ダイアナを夢見て:十二フレーム」)。“聖戦”に参加するためリクルーターの電話を待つイスラム教徒の青年たちは、観光地で何を思うのか(「ラディカル・フィッシュを褒めたたえて」)。芸術家の老女が、家のあちこちにいる幽霊たちへ向ける想いとは(「すべての愛しい幽霊たち」)。幅広い分野の著名人たち、そして世間に名前の知られていない市井の人々。彼らの人生がさりげない語り口で描かれ、浮かび上がる鮮烈なイメージが、わたしたちの心を奪う。ブッカー賞候補作家が贈る、切なさと愛おしさに満ちた12編。カナダ総督文学賞最終候補作。/【収録作】「雪解け」/「ソロで、アカペラで」/「デニス・ノーブルの心臓」/「シルヴィアはあの世でピンクの服を着る」/「大切なものがある」/「オシレイト・ワイルドリー」/「ダイアナを夢見て:十二フレーム」/「ラディカル・フィッシュを褒めたたえて」/「チェーホフを思いながら」/「市民による逮捕の方法」/「わたしたちはメソジスト教徒だ」/「すべての愛しい幽霊たち」 -
人魚と十六夜の魔法
四月、綾乃は無事ディアーヌ学院高等部に進級した。中等部には雪之丞の従妹のまりんや、絵葉の弟大地や、人間の女の子桜子も入学してきた。そんな新学期の慌ただしい一週間が終わったころ、綾乃たちの学年に転校生がやってきた。ロシアから来た礼儀正しい水妖ヴォダーくんは、あっという間にみんなの人気者になった。だが、そのころから学院内で奇妙なことが起こり始める。学院の周辺で不審者が目撃され、寮の部屋からお八つが消える。なにかがおかしい……。妖怪と人間が一緒に学ぶ魔女学校を舞台に繰り広げられる、愉快な学園ファンタジイ。 -
目黒の狂女
日常の謎ミステリの元祖ともよばれる、老歌舞伎俳優・中村雅楽探偵譚。歌舞伎界で起こった様々な事件や謎が持ち込まれると、雅楽は経験に裏打ちされた鋭い洞察力で鮮やかに絵解きをしてみせる。竹野記者の手記によって、雅楽が遭遇したあまたの事件の顛末が明かされていくシリーズ第3巻は、昭和50年代を中心とした作品群。竹野記者が目黒のバス停でつづけざまに出会った狂女にまつわる表題作「目黒の狂女」。なぜ淀君は逃げ延びなかったのかという、歴史に埋もれた謎を雅楽なりの解釈で解明していく「淀君の謎」など粒ぞろいの全23編を収録。【収録作】「かんざしの紋」/「淀君の謎」/「目黒の狂女」/「女友達」/「女形の災難」/「先代の鏡台」/「楽屋の蟹」/「お初さんの逮夜」/「むかしの写真」/「砂浜と少年」/「大使夫人の指輪」/「俳優祭」/「玄関の菊」/「梅の小枝」/「女形と香水」/「子役の病気」/「二枚目の虫歯」/「コロンボという犬」/「神かくし」/「芸養子」/「四番目の箱」/「窓際の支配人」/「木戸御免」/講談社版『目黒の狂女』 あとがき=戸板康二/講談社版『淀君の謎』 後記=戸板康二/創元推理文庫版編者解題=日下三蔵 -
白い久遠
香芝涼子は今日も、閑古鳥の鳴く店でひとり店番をしている。二年前、店主の祖父が病で倒れた際、美術館の学芸員という職と恋人を捨て、実家の『藤屋質店』に戻ってきた。将来に漠然とした不安を感じつつ、看板猫を撫でていると、外国製の陶製人形を男子大学生が持ち込んでくる。男性二人組という質屋には珍しい客に当惑しつつも、品物を預かって貸し付けしたところ、後にそれが盗品だったと分かり……。人間国宝作の萩焼の写し、いわくありげな櫛とかんざし、未発表の藤田嗣治の絵画など、不思議な縁で質屋に持ち込まれた品々を巡る謎、揺れ動く涼子の思いを優美に描く連作ミステリ。 -
砂漠を走る船の道 ミステリーズ!新人賞受賞作品集
「ミステリーズ!新人賞」から、これまで数多くの才能が登場してきた。ここに収められた五編のミステリは、それぞれ新鋭たちの輝かしい出発点となった作品である。居酒屋の片隅で、駆け出しのシナリオライターと映画監督が交わす歴史推理談義。無実の罪で父を囚われた少女と不思議な力を持つ老人が、毒死事件の真相を追う中華探偵行。のどかな田舎で起きた本ワサビ盗難事件と、それを捜査する刑事の趣味が迎える顛末。道に迷い無人駅で一泊をすることになった大学生ふたりを待つ、奇妙な一夜の出来事。そして、砂漠を行くキャラバンを襲った異様な連続殺人――。期待を集める五人の作家の、記念すべき“はじまりの物語”。/解説=福井健太*本電子書籍には、配信中の作品に収録されている次の短編が含まれます。『漂流巌流島』(創元推理文庫版 2010年8月初版発行)収録の表題作・『もろこし銀侠伝』(創元推理文庫版 2010年9月初版発行)収録の「殺三狼」・『田舎の刑事の趣味とお仕事』(創元推理文庫版 2009年9月初版発行)収録の表題作・『夜の床屋』(創元推理文庫版 2014年6月初版発行)収録の表題作・『叫びと祈り』(創元推理文庫版 2013年11月初版発行)収録の「砂漠を走る船の道」 -
躯体上の翼
航空上の脅威となる、強大な“人狗(ヒトイヌ)”の襲撃から〈共和国〉の緑化政策船団を護る生体兵器として生まれた少女・員(エン)。百年に一度、たった半年の任務のために存在している員は、ある日情報が枯れきった互聯網(ネツト)で、cyと名乗る人物に呼びかけられる。「会えて嬉しい。僕は常に一人だから」――ぎこちない会話を交わすうちに、員は彼に直接会いたいと願うようになる。だが、共和国による細菌兵器散布の脅威がcyに迫っていた。彼女は彼を救うため、二百二十一隻の船に戦いを挑む決意を固める。絶望的な戦力差を超えて、員はcyの元に辿り着くことができるのか。鮮烈な印象を残す本格SF。 -
ドミノ倒し
地方都市・月影市で探偵業を営む十村は、亡くなった元恋人の妹から「殺人事件の容疑者となっている男の無実を証明して欲しい」と依頼される。久しぶりの依頼に、十村は旧友の警察署長も巻き込んで、癖のある月影市の住人たちを相手に早速調査に着手する。しかし調査を進めていくうちに、過去に月影市で起きた別の未解決殺人事件との奇妙な共通点が見つかり、さらに別の殺人事件との繋がりも浮かび上がる。ドミノ倒しのように真実を追えば追うほど異様に広がっていく事件。その真相に探偵が迫るとき、恐るべき結末が待ち受ける――。人間の歪みと捩れを浮き彫りにする、衝撃の長編ミステリ。/解説=三島政幸 -
玉妖綺譚
異界と現実世界との間にある“はざま”。そこで産する竜卵石は妖力をもち、主の“気”を受けて玉妖と呼ばれる精霊を宿す。中でもその美しさ、知性から伝説的な存在とされるのが、難波俊之が育てた“難波コレクション”の七つの玉妖たちだ。そのひとつ〈くろがね〉を受け継いだ修業中の驅妖師・彩音は、玉妖に魅入られ眠り続ける姉を救おうとする……。人々の目に見えない異界妖が跋扈する皇国大和の首都・櫂都を舞台に、少女驅妖師・彩音と相棒の玉妖くろがねが、妖がらみの摩訶不思議な事件に挑む。第1回創元ファンタジイ新人賞優秀賞受賞作。/解説=井辻朱美 -
残照 アリスの国の墓誌
新宿ゴールデン街に店を構えるバー『蟻巣』。ミステリ好きの客たちが夜な夜な推理を戦わした日々も今は昔、ついに閉店の日を迎える。大家に鍵を返却するまでのわずかな時間、ママの近江由布子と常連客たちが思い出すのは、看板猫・チェシャをなでながらパイプをくゆらせていた物静かな巨匠、やはり常連客だった今は亡きマンガ家・那珂一兵の姿――。別れの酒の肴にと語られた、一兵が遭遇したというふたつの衝撃的な事件の経緯と真相とは? 『蟻巣』閉店までの数時間を昭和のマンガ・アニメ史とともに描く本格ミステリ。日本推理作家協会賞受賞の『アリスの国の殺人』より35年、辻ミステリの集大成! オールスターキャストで贈る長編ミステリ。 -
僕の探偵
宗介とは半年前、街で偶然再会した。学生時代の友人で、ひとから見下されるような仕事をしている僕とは違い、将来を嘱望された秀才だ。その彼が勤めていた大手コンサルタントを辞めて、行くあてもないと言う。仕方なく一晩だけ泊めるつもりが、その後も居着いて、今ではうちの居候。普段は暢気にヨガの修行をして過ごしている。そんな彼は、僕が仕事で遭遇した事件を持ち帰ると、瞬く間に解決していく探偵へと姿を変えるのだ。だけど、僕は知っている。宗介自身が誰より深い悩みを抱えていることを……。暗い過去を持つふたりの青年が、五つの事件を通して経験していく出会いと別れ。爽やかな余韻を残す連作短編集。/解説=千街晶之 -
松谷警部と三ノ輪の鏡
元プロゴルファーの横手祐介が台東区三ノ輪の自宅で殺害された。発見者は横手に呼び出された元妻の佐々木鴻子。二人の間には娘がいてプロゴルファーを目指しており、その関係でよりが戻りつつあった。当夜、横手は葉賀開発の石井経理部長と会う予定で、現場に「いしい」と読めるダイイング・メッセージが残され、当の石井は消息を絶っている。この状況に加えて、横手が関わる斜陽ゴルフ場に融資した常磐銀行の営業一課長、横手を目の敵にするジャーナリストの死が相次いで報告され、事件は一挙に多層化して松谷警部らを困惑させるが……。これぞ謎解きの醍醐味、シリーズ最高峰、充実の第3作。 -
松谷警部と三鷹の石
三鷹の堀越俊介殺害事件は無理心中の様相を呈し、松谷警部も当初捜査が難航するとは考えなかった。しかし白石巡査は納得しない。堀越の本命らしき女性の線から、次第に河口湖とカーリングに絡む諸々の事情が判明。堀越は長野オリンピック有力候補の木屋沢を事故に巻き込み、将来の芽を摘んでいた。カーリング場開設とクラブ結成の話が持ち上がった際に木屋沢はコーチに招かれ、土建屋&スポーツ用品店主の兄弟が一儲け企み……事実を積み上げても明確な方向性は見えなかったが、地道に聞き込みを続けた白石巡査はついに真相を看破する。ど真ん中の本格ミステリ、好評シリーズ第2作。 -
刑事たちの三日間
1889年、切り裂きジャックの恐怖がいまだ残るヴィクトリア朝ロンドン。地に落ちた警察への信頼を回復するため、警視総監サー・エドワードは、ロンドン警視庁(スコツトランド・ヤード)に殺人捜査課を創設する。だが、刑事の数はわずか12人。日々捜査に忙殺される中、あろうことか仲間のひとりが無残な死体となって発見される。新米刑事のディは、警視総監からこの事件の捜査を命じられるが――。巨大都市にはびこる犯罪の闇、正義を信じてそれに立ち向かう刑事の光。斬新なスタイルで刑事たちの三日間を描く、鮮烈なデビュー作。バリー賞、〈ストランド・マガジン〉批評家賞ノミネート。 -
国王陛下の新人スパイ
ベルリンのレジスタンスグループに無線機の部品を運び、ナチス高官の自宅に盗聴器を取りつけよ――。第二次世界大戦が勃発して約2年。チャーチル英国首相のタイピストから、エリザベス王女の警備役を経て、ついにスパイとしてベルリンへ送り込まれることとなったわたし、マギー・ホープ。そこで待ち受けていたのは、予想をはるかに上回る困難、そしてわたし自身の過去の問題だった――。読み手の予想を大胆に裏切り続ける、大展開に次ぐ大展開のストーリー! 赤毛の才媛マギーの活躍を描く、読み出したら止まらない、大好評シリーズ第3弾!/解説=大矢博子 -
チャーチル閣下の秘書
アメリカで育ったわたしが、ロンドンで暮らしはじめて1年余り。その間、この国はナチス・ドイツと開戦し、チャーチルが首相になり、そしていま、空襲の時が迫っていた。そんな折、首相官邸での職の話が舞い込んでくる。数学の能力を活かせる秘書官ではなく秘書としてのオファーだが。女性にタイプとファイリングしかまかせようとしないこの国に苛立ちを感じながらも、わたしはその誘いを受け入れる。官邸を取り巻くいくつもの謀略が、待ち構えていることなど知るはずもなく。才気煥発なマギーが体当たりで陰謀に挑む、魅力のシリーズ開幕編。MWA賞、バリー賞、ディリス賞ノミネート! -
本の町の殺人
【ミステリ専門書店本日開店!殺人事件の在庫はございません】古書と専門書の書店が軒を連ね、それを目当てに大量の観光客が押し寄せる、読書家の聖地、本の町ストーナム。トリシアはそんなストーナムにあるミステリ専門書店の店主だ。ヴィンテージものの初版から、新刊のベストセラーまで取りそろえたこの店は、彼女の夢と努力が詰まった大切な城。ところが経営不振だった隣の料理書専門店の店主が殺され、高価な料理本の初版が消えた。保安官は第一発見者のトリシアを容疑者扱い。なんとか容疑を晴らそうと、彼女は必死で事件を調べはじめる。本屋だらけの町を舞台にしたライトなミステリシリーズ第1弾。 -
完全・犯罪
「本来、これはわたしが貰うべき賞だったのだ!」ライバル、水海月博士に研究発表で先を越された時空博士。憤慨した博士は、自ら開発したタイムマシーンを活用して過去の水海月博士を殺害しようと決心した。念のため、自分に鉄壁のアリバイがある日時を犯行時刻に設定したのだが──(「完全・犯罪」)。真帆と嘉穂は、服も、玩具も、名前まで共有する一卵性双生児。自分は本当に「真帆」なのか。成長するに従い、真帆は次第にアイデンティティーを失っていく。思春期を迎え、恋を覚えた姉妹の運命は──(「双生児」)。驚きと恐怖、黒い笑いが詰め込まれた、全5篇のミステリ短篇集。 -
明日の空
桜が満開に咲き誇る4月。帰国子女の栄美にはその美しさを楽しむ余裕はない。何しろ今日、日本での高校生活の初日を迎えるのだ。「アメリカの話はなるべくしないように。日本人は、みんな一緒なのが好きなんだ」パパの忠告はしっかりと胸にしまってある。けれど予想に反して高校生活は心弾むものだった。ある日、栄美は気になる男の子と遊びに行く約束をしたのだが、なぜか二人は必ずすれ違ってしまい……。時は流れ、栄美は大学生となった。ある人との出会いをきっかけに、高校時代の大切な思い出と痛みの記憶はまったく別の形を見せてゆく――。「誰かのために」清廉な願いを名手が鮮やかに描く、忘れられない青春ミステリ。 -
月夜の晩に火事がいて
月夜の晩に 火事がいて/水もってこーい 木兵衛さん/金玉おとして どろもぶれ/ひろいにいくのは 日曜日――わらべ歌の歌詞どおりに、木兵衛屋敷が火事になり、屋敷の当主は顔を潰され、金玉をとられて死んでいた! 被害者の許には事前に事件を予告するかの如く、この歌の歌詞が届けられていた。調査に当たるのは、東京に出て私立探偵事務所を開いているぼく、山浦歩。旧友からの依頼を受けて久しぶりの故郷、善音寺市に帰ってくるや、待ち受けていたように事件が相次いで起こり、おかげでぼくはすっかり容疑者扱いだ。『ミミズクとオリーブ』『嫁洗い池』の主婦探偵シリーズでお馴染みの著者、初の本格長編推理。 -
大きな森の小さな密室
会社の書類を届けにきただけなのに……。森の奥深くの別荘で幸子が巻き込まれたのは密室殺人だった! 閉ざされた扉の奥で無惨に殺された別荘の主人、そしてそれぞれ被害者とトラブルを抱えた、一癖も二癖もある6人の客。犯人はこの中にいる──。犯人当ての「大きな森の小さな密室」。遺跡の発掘現場で発見されたのは、絞殺された若い女性の遺体。死亡推定時期は150万年前!? 抱腹絶倒の「更新世の殺人」。ミステリでお馴染みの7つの「お題」を天才殺人者やマッドサイエンティストなど一筋縄ではいかない探偵たちが解く。精密な論理が黒い笑いを構築する全7篇のミステリ連作集。 -
夢の終わりとそのつづき
警視庁捜査一課を辞めて八ヵ月。知人のつてで雑誌へ雑文を寄稿して食いつないでいた俺を、絶世の美女が訪ねてきた。久我山のある家に出入りする人間を一週間尾行してほしいという。元刑事の俺には簡単な仕事に、二百万もの報酬どこか胡散臭さを感じつつも、俺は早速久我山へ向かう。目的の男は買い食いしながら、一日中都内を歩きまわるのみ。しかし三日目、男は胃の中が空っぽの状態で発見される。死ぬ直前まで飲み食いしていたはずの男の身に、何が起こったのか。背後に蠢く巨大な陰謀の存在を察知した柚木の推理は――。大幅改稿、改題で贈る、柚木草平“三十五歳”の事件。 -
ねむりねずみ
「ことばが、頭から消えて行くんだ」若手歌舞伎役者の中村銀弥は、役者生命を奪いかねない症状に苦しんでいた。妻の一子は文芸誌記者の男性に惹かれている後ろめたさを抱えつつ、夫を気遣うことしかできない。その約二カ月前、銀弥の亭主役を務める花形役者・小川半四郎の婚約者・河島栄が、「絵本太功記」を上演中の劇場内で殺された。衆人環視の状況で胸元を刺されたはずが、犯行を目撃した者は名乗り出ないという。梨園を巻き込む事件を調べ始めた大部屋役者の瀬川小菊とその友人である私立探偵の今泉文吾は、いかなる真相に辿り着くのか。/解説=西上心太 -
神様の次くらいに 人の死なない謎解きミステリ集
デートに誘ったはずが「家電量販店に行こう」と言われ、憧れの女性と開店前行列に並ぶことになった大学生の青年。その日遭遇したある謎解きの顛末から、彼は人の優しさについて思いを巡らすことになる。著者の実体験を反映した佳品の表題作ほか、文化祭前日に生徒会副会長が密室の謎に直面する学園もの「ライオンの嘘」、公園からひとつずつ何かが消えていくのはなぜかを名探偵凜堂星史郎が推理する「小さいものから消えよ」など五編を収録する。日々の暮らしのなかにふと入り込んだ謎とその真相を鮮やかに描いた、人の死なない謎解き作品集。著者初の〈日常の謎〉、文庫オリジナル。/【目次】「さくらが丘小学校 四年三組の来週の目標」児童たちのいざこざを収めるため謎解きに挑む新米教師の悪戦苦闘/「ライオンの嘘」男子サッカー部の部室からパソコンが消失。現場は密室だった――/「神様の次くらいに」家電量販店の開店前行列に並んだ先輩と俺のささやかな謎解き/「小さいものから消えよ」公園からひとつずつ何かが消えてゆく? 名探偵凜堂星史郎の推理/「デイヴィッド・グロウ、サプライズパーティーを開く」『星読島に星は流れた』の青年デイヴィッド、セグウェイに乗って再登場/あとがき -
心霊博士ジョン・サイレンスの事件簿
ロンドンの医師で“心霊博士”でもあるジョン・サイレンスのもとには、超自然現象に悩む患者たちが訪れる。屋敷の悪霊に取り憑かれた作家の災難を描く「霊魂の侵略者」、前世の記憶から猫の街に引き寄せられた男の妖しい体験が語られる「古えの妖術」、旅の途中で30年ぶりに母校を訪れた商人が引きずり込まれた黒魔術の恐怖「秘密の崇拝」、青年の激しい恋情が驚愕の人狼事件へと発展する「犬のキャンプ」など、英国恐怖文学の巨匠ブラックウッドのジョン・サイレンスもの6編を完全収録した傑作短編集。/【目次】/事例一 霊魂の侵略者/事例二 古えの妖術/事例三 炎魔/事例四 秘密の崇拝/事例五 犬のキャンプ/事例六 四次元空間の虜/解説=朝松健 -
恐怖 アーサー・マッケン傑作選
アーサー・マッケンは平井呈一が最も愛した怪奇小説家だった。二十代の頃、友人から借りた英国の文芸雑誌で「パンの大神」に出会った平井青年は、読後の興奮収まらず、夜が明けるまで東京の街を歩き回ったという。戦後その翻訳紹介に尽力、晩年には『アーサー・マッケン作品集成』全6巻を完成させた。太古の恐怖が現代に甦る「パンの大神」「赤い手」「白魔」他の初期作に、大戦中に英国の或る地方を襲った怪事件の顚末を描く中篇「恐怖」など、異次元を覗く作家マッケンの傑作を平井呈一入魂の名訳で贈る。/【目次】訳者のことば/パンの大神/内奥の光/輝く金字塔/赤い手/白魔/生活の欠片/恐怖/アーサー・マッケン作品集成 解説/解説=南條竹則 -
見守るもの
兄冬二と喧嘩別れした朱鷺は、体調を崩し気を失って倒れているところを時藤蓮香という女性に助けられた。目を覚ました朱鷺は、蓮香が何かに呪われていることに気づく。時藤家には一族を守る石が伝わっており、石に選ばれた蓮香は、常に得体の知れないものからの視線を感じるせいで、人付き合いもできず、引きこもって暮らしていたのだ。呪物ならば千蔵家の蔵に収めなければ。朱鷺は蓮香に石の所在を尋ねる。一方、朱鷺の元を去った冬二は、獣医に保護されていた――。呪物を求めて旅をする朱鷺と、獣の姿をした兄冬二の運命を描く、三部作完結。 -
星空にパレット
九重高校で黒マスク姿の男による合宿費強奪事件が起きた。犯人のあまりの足の速さに、誰も追いつけない。できたばかりの探偵部に所属する浩介たち三人は解決のため独自に調査を開始するが、二度目の強奪の後に、事態は殺人事件へと発展してしまう――。夏の避暑地での不可解な連続殺人、ミステリ小説として書かれた殺人事件が実際の事件と重なっていることに気づいた作家の推理、大学病院での転落死の真相と、夜空に煌めく星のごとき全四編。学園ミステリにクローズド・サークル、二転三転するフーダニットとハウダニット。鮎川哲也賞作家が贈る、純度百パーセントのミステリ短編集。【収録作】黒いアキレス/夏の北斗七星/谷間のカシオペア/病院の人魚姫/あとがき -
京都東山 美術館と夜のアート
神戸静河は学芸員志望だったものの、縁あって採用されたのはイチビこと、地元の市立美術館の常駐警備員。警備システムの解除や正面玄関の開錠など、展覧会スタッフたちを迎えるためにいち早く出勤しなければならない。これが施設常駐の警備員のオシゴトである――。深夜に美術館裏の庭園で遭遇した不審な男の正体は? 巡回中の展示室で見た浮世絵が新発見の写楽? 展示物のブログ紹介がきっかけで神社の失われた御神刀が発見されたが……などなど、地道な警備のオシゴトと美術ミステリのコラボレーション! ミステリーズ!新人賞受賞作家が、京都の町と美術館を舞台に描く、連作短編集。 -
なぎなた
【倉知淳ノンシリーズ作品集成第一弾】死神を思わせる風貌の警部が、完璧だったはずの殺人計画を徐々に崩壊へと導いてゆく――倒叙ミステリ「運命の銀輪」をはじめ、残虐な場面が映し出されているにもかかわらず観客席の闇の中で微笑を浮かべる女性の謎を追いかける「闇ニ笑フ」、米大統領選挙の熱狂の最中に発見されたひとつの死体の謎をファンタスティックな筆致で描く力作本格推理「幻の銃弾」など7編収録。たくらみに満ちたミステリ・ワールドを二分冊で刊行!【収録作】「運命の銀輪」「見られていたもの」「眠り猫、眠れ」「ナイフの三」「猫と死の街」「闇ニ笑フ」「幻の銃弾」/単行本版あとがき