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Posted by ブクログ
何となくタイトルに惹かれて衝動買い。
不勉強でこの作者のことは知らなんだが、
いやこれは素晴らしく面白い(^o^
主人公は、元警察官のフリーライター...
の振りをして探偵で食いつないでいる男。
やたら女に惚れっぽいと言う弱点(?)があり、
また行く先々で美女にもてる(^ ^
当人はフィリップ・マーロウを気取っているのか、
小洒落た台詞回しが「大人の楽しみ」って感じで、
しかも根底のところで当人が「バカバカしさ」を
きっちり理解しているのが好感持てる(^ ^
事件の「依頼人」の謎めいた美女や、
二転三転していく謎解きの展開など、
主人公のキャラ以外もきっちり描き込まれていて、
「隙がない」大人向けエンタテインメント。
惜しむらくは、この人の読点の打ち方が
私にはちょっと気持ち悪くて...(^ ^;
趣味の問題でしょうが、これさえ気にならなければ
もっと手放しで楽しめたのになぁ...(^ ^;
でも続編もあるそうなので、ぜひ読もうと思います(^ ^
Posted by ブクログ
好みど真ん中の作品だった。本書は1990年に出版された。なんと19年前。その頃、知らずに横を通り過ぎてしまっていたのは惜しかった。作者のあとがきを読むと、『ぼくと、ぼくらの夏』でデビュー後の、創作に苦しんでいた時期の作品らしい。息の長い作家を目指すにはシリーズものだ、ということで誕生したのがこの<柚木草平シリーズ>ということだ。本書を読むと、日米のハードボイルドやミステリ作品を研究した、作者の努力が窺える。探偵に美女たち。気障な台詞に洒落た言い回し。減らず口。ストイシズム。そこに樋口有介さん独自の人物造形、ユーモア、ひねり過ぎない事件、鋭すぎない推理などが加えられ、独特の軽やかさ、爽やかさを生んでいる。それにしても柚木草平はもてすぎる。文章からすると、ハンサムだからではないようだ。会話が面白いから?南の島への夏休み旅行を誘った美人女子大生とは、今後どうなるのだろう。その女子大生と、草平が不倫関係にある人妻とのかち合わせはどうなったんだろう? 続編が楽しみだ。
Posted by ブクログ
本書(創元推理文庫版)は2006年発売であるものの、元となった単行本は1990年と、その時代ならではのゆる~いトレンディドラマ風な(ファジーと書いた方が分かりやすいか)雰囲気の中、著者の樋口有介さん当時の年齢である38歳という設定で描いた、元刑事でフリーライターの「柚木草平」が私立探偵として活躍するシリーズの第一弾です。
読んでいくと、どうやら草平はハードボイルド風に気取りたいのかなと感じたものの、それもオープニングが娘の加奈子(小4)に遊園地に付き合わされる場面だったことによって、却って人の良さが滲み出てくる感覚は、特徴的な主人公を確立させる手段として上手さを感じられた上に、彼は妻の知子と別居中で(離婚はしていない)、娘の親権は妻にあることもまた切ないではないか・・・と書きつつも、実は仕事を回してくれる元上司の吉島冴子と愛人関係であることや、娘の頭の上に煙草の煙を吹く行為は、私的にアウトなんだけれども。
ただ、それでも悪い人では無いのかなというのは感じられて、例えば『恐ろしいのは女が、理屈ではものを考えない生き物だということだ』と言った後に、『さっきのは、あれは、冗談だ』なんて言うことには、一つの物事やマニュアル的なものに固執しない柔軟な考え方を持っていることが分かるし、更に元刑事の設定あるあるとも思えた彼の過去には、倫理的な問題こそあるのかもしれないが心に響くものを感じた人もきっといるだろう、といった賛否両論分かれそうな部分にこそ、もしかしたら人間を信頼できる要素はあるのかもしれない、なんてことを考えさせてくれる。
島村香絵から依頼された妹の交通事故死の真相に挑む草平は、元刑事の経験を活かし、地道に聞き込みを重ねていっては考察することで、着実に真相に迫っているように思われたものの、そこは彼の完璧でない人柄も見事に活かして二転三転することで、派手さは無いもののミステリとしての面白さもありつつ、事件の関係者の殆どが大学生ということで、社会へ踏み出そうとする前の最後の青春を謳歌する時期に垣間見えた、ちょっとした野心の無垢さや愚かさ、そして将来に対する不安から覗かれた哀愁は何とも切なく、それらは事件の後味にも繋がっている。
最後に気になった点として、本書のあらすじに「出会う女性は美女ばかり」と書かれていたものの、それぞれに際立った個性や魅力がいまいち伝わりきらなかったことに加えて、この素敵なタイトルの意味について、物語に登場した中の一体どの彼女が魔法を使っていたのか未だに分からないのだが、多分草平だったら、そういう表現をしたがるんだろうなという気持ちは分かるような気がする。
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