海泡

海泡

小説・文芸
984円 (税込)

4pt

3.7

小笠原諸島・父島――人口二千人の”洋上の楽園”にストーカーが現れ、帰郷中の女子大生が不審な死を遂げた。会心の「スモールタウン・ミステリー」誕生!

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    大学生の木村洋介は夏休みに父の住む小笠原の父島に帰ってくる。
     そこには中学、高校をともに過ごした仲間と、その仲間のひとり、丸山翔子がいる。洋介から一年遅れて、この島に来た彼女は、誰もが一目おく美人だった。その彼女が病に侵されて、死に掛けている。
     元村長の娘で、同級生の一宮和希が崖から落ちて死ぬという事件がおこり、その犯人とみられ、彼女を追って島に来たストーカーと見られている男が彼女の墓場で殺される。そして、そのあとに翔子も命を尽きる。
     翔子は、和希の事件をベッドのなかから、丸山一族の財力と権力を使って追っていた。

     地元民である島の同級生、漁師の浩司、旅館の娘、旬子との友情、東京で精神をきたし、丸山を救う「グリーンペペ」という新薬を作るという藤井、この島に住みついている画家である父親、そのモデルの雪子、飲み屋「トムズハウス」のマスター、バイトの可保里、和希の妹の夏希、など、それぞれが絡み合い、洋介の夏休みが過ぎていく。

     実は洋介が島に戻ってきたのは、洋介の恋人が自殺未遂をしていることが、翔子の調査で明らかにされている。
     和希は妊娠していたので、この胎児の死も合わせると、洋介は短時間に多くの死と向き合っている。
     それでなのか、とにかく20歳にしてはとても老獪で不思議な感じがする。

     が、その不思議な洋介と父島の風土と仲間の話は、もっと読みたいと思った。リズム感がいい。

    0
    2015年04月17日

    Posted by ブクログ

    小笠原 という 東京都でありながら 船で二十六時間も隔てられている いわば閉ざされた空間。
    いつも通りののんびりとした亜熱帯の風景、代わり映えのしない日常、不自由さ。
    その中に外から持ち込まれた厄介事。
    言ってしまえばそんな話なのだが それだけではない。

    閉ざされた世界には 閉ざされているが故に抱える 憂鬱さがあり 諦めがある。
    島の風景描写が語る 長閑さと倦怠と退廃、そして たくましさは 魅力に富んでいる。

    目新しくはない事件が この島ならではのスパイスで 一風変わった風味になっている。

    樋口有介氏には 一作読むごとに 惹かれてきている。

    0
    2009年10月07日

    Posted by ブクログ

    海泡 なんのことだろうと思いつつ
    小笠原を舞台にした ひとりの青年 洋介が巻き込まれた
    殺人事件を 心持ちエロティックな状況をおりまぜて
    ドキドキを増幅させた ついつい読み進めてしまう1冊だった

    0
    2020年03月17日

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