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赤城下ろしが吹きすさぶ、寒い2月。父親の危篤の報を受けた斎木亮は、前橋駅に降り立った。そこで初恋の女性の妹・川村千里と偶然に出会う。彼女の口から初めて聞かされる、姉・麗子の死。睡眠薬を飲んで浴室で事故死、という警察の見解に納得のいかない、亮と千里は独自に調査を開始する。最近まで麗子と付き合いのあった中学時代の同級生を、訪ねるが――。調査の過程で再会する、中学時代とは変わってしまった同級生の姿に困惑しながらも、亮は真相に辿り着く。著者の地元、前橋を舞台に、一途な若者たちを描いた青春ミステリの傑作。約20年ぶりの大幅改稿で贈る決定版。
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Posted by ブクログ
樋口氏らしい、いわゆる「青春ミステリ」の作品。
が、これがデビュー二作目だそうなので、
「らしい」も何も、ここから始まってるのか。
主人公の(樋口氏らしくひねくれた)大学生の男が、
里帰りするところからストーリーは始まる。
駅で偶然にも「元カノの妹」と出会うことで、
この帰省が大きく変わって行くこととなる。
件の元カノは、つい最近事故で死んだと知る男。
紆余曲折の末に、実は事故でも自殺でもなく
誰かに殺されたのでは、という疑いで調査を始める。
樋口氏の特徴として、「肝心なシーンを書かない」
ということが挙げられるのではないかと思う。
いざ「誰かと対決する」ことになったとすると、
相手の元に向かうまでの心象を丁寧に描くが、
次のシーンではもう何日か経っていて、
読者は、登場人物の「その後の行動」から
対決の首尾がどうだったかを類推する。
そんな「芸風」が特徴的な気がする。
また樋口氏の「青春もの」は、女の子がいい。
ひねくれた言動をするのに根は純粋で、
ある意味「理想のツンデレ」的な(^ ^;
もちろん、この作品の発表当時には
「ツンデレ」なんて言葉は無かろうが(^ ^;
本作では、「東京からそう遠くない地方都市で
色んな意味で『くすぶってる』連中」が多く登場するが、
そのくすぶりっぷり、ひねくれっぷりの描写がいい。
地理的にも人間関係的にも、狭い範囲内で
密度の高いそんなこんなが繰り広げられていて、
良くは知らんが「地方のリアル」みたいなみのを
感じられる気がする。
もしや作者にとっては不本意かも知れないが、
ストーリーや「謎解き」よりも、
地方都市の「くすぶってる」若者の群像劇として
楽しく読ませていただきました(^ ^
Posted by ブクログ
1988年に作家「ぼくとぼくらの夏」で第6回サントリーミステリー大賞の読者賞を受賞し、作家デビューした樋口有介の初期の快作の一つ。
デビュー作は主人公が高校生のカップルで、1990年に和久井映見主演で映画化されたが、「風少女」は映画化もTVドラマ化もされていないようだ。この作品も映画向きと思うのだが。
「ぼくとぼくら〜」に比べて爽やかな映画にはならないけれども、映画で見てみたい。
というのもミステリーではあるけど、中学の同級生の女の子の死の真相を突き止めるために、考えたり行動したりのドラマが面白く描けている。主人公・21歳の大学生、斉木亮の発想やセリフ、言い回しがとても学生っぽくないとか、相方や脇の女の子がいい女過ぎないかなど、謎解きとは特に関係なくもない細かいところがとても面白い。
個人的に事件の真相とラストのところは、自分の身に起きたとしたら相当辛いけど、かりにそうなったらこのミステリーのように振舞おうというような、イカしたものなのである。ぜひ古い作品ではあるけど映画化してもらいたい。
ラストはもっとも映画的なので、映像化の場合さらにクールなカットを考えていただければいうことなし。
Posted by ブクログ
読み始めてものすごい既視感。読み進めてそれは確信へ。
主人公、斉木亮という名前だけど・・・君、柚木さんでしょう? 絶対柚木さんの学生時代でしょう(笑)。
解説まで読むと、やはりこの『風少女』の設定は、のちにそのまま『彼女はたぶん魔法を使う』に始まる柚木草平シリーズへとつながる・・・というようなことが書いてあり、ああ、やっぱりなぁ、と思った。
どことなく感傷的で、それでいて乾いたユーモア。どろどろまどろっこしいのに、青くさい爽やかさ。
樋口さんのエッセンスがよく出ている作品だと思う。よくも悪くも、気障ったらしくナイーブで、それでいて女の子が可愛い。主人公はヒロインに翻弄されているようで、実は亭主関白タイプだと思う(男は本音を言わない。だから女の方が勝手に腹を立てて決裂する)。
ミステリーというよりは、青春小説。軽妙な会話を楽しむ作品。
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