作品一覧

  • 狼少年ABC
    4.6
    1巻1,899円 (税込)
    「俺、昔、喋る狼に会ったことがあるんだよ」カナダの温帯雨林にやってきた三人の日本人大学生。狼の生態に関するフィールドワークのかたわら、ひとりが不思議なことを言い出して──(表題作)。大人になる前の特別な時間を鮮やかに切り出した、四つの中編を収録。『叫びと祈り』『リバーサイド・チルドレン』の著者が贈る、ミステリ仕立てのエモーショナルな青春小説。/【目次】美しい雪の物語/重力と飛翔/狼少年ABC/スプリング・ハズ・カム
  • リバーサイド・チルドレン
    3.6
    1巻850円 (税込)
    カンボジアの地を彷徨う日本人少年は、現地のストリートチルドレンに拾われた。「迷惑はな、かけるものなんだよ」過酷な環境下でも、そこには仲間がいて、笑いがあり、信頼があった。しかし、あまりにもささやかな安息の日々は、ある朝突然破られる――。彼らを襲う、動機不明の連続殺人。少年が苦悩の果てに辿り着いた、胸を抉る真相とは? 激賞を浴びた第5回ミステリーズ!新人賞受賞作「砂漠を走る船の道」を巻頭に据え、連作化した『叫びと祈り』で2011年本屋大賞にノミネートされた俊英が放った、渾身の第一長編。第16回大藪春彦賞受賞作。/解説=吉田伸子
  • 砂漠を走る船の道 ミステリーズ!新人賞受賞作品集
    3.3
    1巻660円 (税込)
    「ミステリーズ!新人賞」から、これまで数多くの才能が登場してきた。ここに収められた五編のミステリは、それぞれ新鋭たちの輝かしい出発点となった作品である。居酒屋の片隅で、駆け出しのシナリオライターと映画監督が交わす歴史推理談義。無実の罪で父を囚われた少女と不思議な力を持つ老人が、毒死事件の真相を追う中華探偵行。のどかな田舎で起きた本ワサビ盗難事件と、それを捜査する刑事の趣味が迎える顛末。道に迷い無人駅で一泊をすることになった大学生ふたりを待つ、奇妙な一夜の出来事。そして、砂漠を行くキャラバンを襲った異様な連続殺人――。期待を集める五人の作家の、記念すべき“はじまりの物語”。/解説=福井健太*本電子書籍には、配信中の作品に収録されている次の短編が含まれます。『漂流巌流島』(創元推理文庫版 2010年8月初版発行)収録の表題作・『もろこし銀侠伝』(創元推理文庫版 2010年9月初版発行)収録の「殺三狼」・『田舎の刑事の趣味とお仕事』(創元推理文庫版 2009年9月初版発行)収録の表題作・『夜の床屋』(創元推理文庫版 2014年6月初版発行)収録の表題作・『叫びと祈り』(創元推理文庫版 2013年11月初版発行)収録の「砂漠を走る船の道」
  • 叫びと祈り
    3.7
    1巻639円 (税込)
    砂漠を行くキャラバンを襲った連続殺人、スペインの風車の丘で繰り広げられる推理合戦、ロシアの修道院で勃発した列聖を巡る悲劇……ひとりの青年が世界各国で遭遇する、数々の異様な謎。選考委員を驚嘆させた第5回ミステリーズ!新人賞受賞作「砂漠を走る船の道」を巻頭に据え、美しいラストまで一瀉千里に突き進む驚異の連作推理。《週刊文春》ミステリーベスト10国内部門第2位をはじめ各種ミステリ・ランキングの上位を席捲、本屋大賞にノミネートされるなど破格の評価を受けた、大型新人のデビュー作。

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ユーザーレビュー

  • 狼少年ABC

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     デビュー作『叫びと祈り』で大きな話題を呼んだのが2010年。第2作『リバーサイド・チルドレン』が刊行されたのが2013年。そして2025年、12年ぶりに懐かしい名前を書店で見かけるとは。忘れかけていたその作家の名は、梓崎優。

     第2作は長編で、第16回大藪春彦賞を受賞するなど高く評価されたが、第3作はデビュー作同様の短編集であり、テイストも初期に戻っただろうか。12年の歳を重ねた分、読書のキャパシティは減っているのだが、本作は読んでよかった。

     最初の「美しい雪の物語」が一押し。ボストンからハワイ島に引っ越した少女が、偶然見つけた日記。そこに書かれているのは、過去でもあり現在でもある。そ

    0
    2025年12月18日
  • 狼少年ABC

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    梓崎優先生の最新刊が読めるなんて!嬉しすぎる!!

    普段は風景描写が苦手で目が滑るけど、梓崎先生は本当に目に浮かぶ様に描かれててずっと読んでいたい。そして着地があまりに素晴らしい「美しい雪の物語」。
    「重力と飛翔」を読んでて思い出したの(大好きな!)宮部みゆきさんの現代青春モノ。淡々としていた語り手が最後に辿り着いた感情の正体に気付いた時の切なさたるや…!
    キャラの立った3人の学生が魅力的な謎について語り合う表題作の「狼少年ABC」は(やっぱり大好きな!)伊坂幸太郎さんのよう。少し鬱屈とした現状を吹き飛ばすような、愉快な未来を感じさせてくれるラストも素敵!

    そして、個人的に人生で1番好きな短

    0
    2025年12月13日
  • 狼少年ABC

    Posted by ブクログ

    すごく好きだった。

    四季や自然の美しさと共に、忘れていた青春時代のどうしようもない甘酸っぱさや、痛みを思い出し、胸がいっぱいになりました。
    謎が解き明かされるたび、切なさに加え温かい気持ちも湧いてきて、読んでよかったと思える物語でした。

    0
    2025年12月02日
  • 狼少年ABC

    Posted by ブクログ

     カナダ西部の太平洋岸に広がる世界最大の熱帯雨林〈グレート・ベア・レインフォレスト〉。バンクーバーの名門校に留学して、その研究の一環としてその熱帯雨林で狼の生態を調べている友人に押し掛けた〈僕〉と穂村のふたり。そんな旅先の中で語られる穂村の意外な過去。「俺、昔、喋る狼に会ったことがあるんだよ」と言う彼の言葉は謎が紐解かれるとともに、思いもよらない結末を迎える。――「狼少年ABC」

     雪の日の卒業式、体育館に流れたのは本来流れるはずのなかった曲が体育館に鳴り響いた。仕組んだのは誰だったのか。あれから十五年の月日が経ち、卒業式翌日に校庭に埋めたタイムカプセルが開かれるとともに、同窓会が行われるこ

    0
    2025年11月13日
  • 狼少年ABC

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    今回はじめて梓崎さんのお名前を知ったのですが、読み終えて他の作品も読みたい!とすぐ思うくらいとても素敵な作品でした。
    短編集を読むと、この話が1番好きだった…!というのが出てくるものだと思いますが
    本作はどれも選ぶのが難しいくらい好きなお話でした。
    強いていうなら1番はじめの「美しい雪の物語」が好きです。父親の都合でハワイ島に引っ越してきた少女は謎の日記を見つけ、日記に出てくる人を探そうとする。
    p38で「気になるお店があったら〜皆、私の知り合いで気の良い人たちばかりだから。」と叔母が少女にいう。
    p60では「それで、日記の男女のその後だが」と土産物屋の老人はいう。
    p69で少女の名前が明かさ

    0
    2025年11月04日

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