ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
9pt
「俺、昔、喋る狼に会ったことがあるんだよ」カナダの温帯雨林にやってきた三人の日本人大学生。狼の生態に関するフィールドワークのかたわら、ひとりが不思議なことを言い出して──(表題作)。大人になる前の特別な時間を鮮やかに切り出した、四つの中編を収録。『叫びと祈り』『リバーサイド・チルドレン』の著者が贈る、ミステリ仕立てのエモーショナルな青春小説。/【目次】美しい雪の物語/重力と飛翔/狼少年ABC/スプリング・ハズ・カム
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
すごく好きだった。 四季や自然の美しさと共に、忘れていた青春時代のどうしようもない甘酸っぱさや、痛みを思い出し、胸がいっぱいになりました。 謎が解き明かされるたび、切なさに加え温かい気持ちも湧いてきて、読んでよかったと思える物語でした。
カナダ西部の太平洋岸に広がる世界最大の熱帯雨林〈グレート・ベア・レインフォレスト〉。バンクーバーの名門校に留学して、その研究の一環としてその熱帯雨林で狼の生態を調べている友人に押し掛けた〈僕〉と穂村のふたり。そんな旅先の中で語られる穂村の意外な過去。「俺、昔、喋る狼に会ったことがあるんだよ」と言う...続きを読む彼の言葉は謎が紐解かれるとともに、思いもよらない結末を迎える。――「狼少年ABC」 雪の日の卒業式、体育館に流れたのは本来流れるはずのなかった曲が体育館に鳴り響いた。仕組んだのは誰だったのか。あれから十五年の月日が経ち、卒業式翌日に校庭に埋めたタイムカプセルが開かれるとともに、同窓会が行われることになった。十五年後の自分たちへとあてたメッセージカードの中から取り出されたカードの一枚には、あの事件の犯人だと宣言するメッセージが書かれていた。十五年の時を経て、静かに記憶の扉が開く――「スプリング・ハズ・カム」 本作は全四篇の中篇で構成される作品集になっています。特に印象深い作品が「スプリング・ハズ・カム」で、『十代の青春』という良くも悪くも人生を形作るうえで重要な時間が、記憶となって根付いて遠のいていけばいくほど、心にしみてくるような作品になっています。静謐に辿った言葉の先に、涙なくしては読めないラストが待っています。全篇、折に触れて読み返したくなる、そんな素敵な作品集です。
幼い頃の記憶「しゃべる狼」の正体とは… 若者たちの苦渋と成長を描くミステリー短編集 #狼少年ABC ■きっと読みたくなるレビュー とってもセンスのいい日常の謎ミステリー短編集です。 なにより会話がお上手で、それだけで関係性や距離感がよーく伝わってきます。物語の舞台や切り口も凝っていて、それぞれの...続きを読む作品それぞれに色合いがあるんすよねー。またどの作品も若い世代が主人公になっているところが淡くって大好き、学生時代の友人を思い出しちゃいます。 ストーリーとしても綺麗で、読み味もポップ、謎解き小説としてもよくできてる。そのまま『世にも奇妙な物語』に採用されそうなお話ばかり。普段ミステリーを読まない人にもおすすめですね。 ■各短編の簡単レビュー ○美しい雪の物語 ハワイに引っ越してきた少女の物語、叔父に案内をされ、島の人々と交流を深めていく。少女が古い日記帳を見つけると、そこには男女の出会いが認められていた。しかし最後のページは… 少女と少年のやり取りの透明感、破壊力ありすぎ。すっかり作品に吸い込まれちゃいますね。おじいさんが優しくて泣きそう。私も年を取ったら、こんなおじいちゃんになりたい。ミステリーとしてもセンスが良いし、細かい演出もヒネリも効いてて文句なしですね。 ○重力と飛翔 クラスメイトが学校の屋上から転落して亡くなってしまった。彼は映画好きで、いつもDVDを貸してくれていた。通夜に参加すると、お姉さんから一枚の写真を預かる。友人が最後にとった写真ということなのだが… 青春ど真ん中の物語、この頃の思い出ってかけがえのないものですよね。友人に対する真っ直ぐな想いが美しく、ハッとさせられます。 ○狼少年ABC 【おすすめ】 農学部大学生の三人はリゾート地に狼の撮影に来ていた。そこで友人のひとりが古い記憶について語り始める。幼い頃に話をする狼に合ったことがあるというのだが… 三人の会話劇だけで進行する物語、ひとりひとりの性格が良く絵掛けていて、それぞれの顔が目に浮かんでくる。若者らしい会話だけがつづくなーと思いきや、突然提示される謎とき。エモくまとめてるところに作者の優しさがでてるなーと思った。 ○スプリング・ハズ・カム 【おすすめ】 高校時代の同窓会、15年前のタイムカプセルをあけることに。手紙を読み上げると、そこには卒業式に起こった放送室ジャック事件の犯人は私だという告白がされていた。 やっぱり会話がお上手、友人たちの仲が良さがよくわかる。仲間内のやりとりって、それだけでセンスが出ると思うんだよね。謎解きも多重推理で緻密だし、そうと思いきや真相にも驚かされる。 ■ぜっさん推しポイント 現実に生きていくってのは、大変なことばっかりですよね。特にまだ人生経験が少ない若い世代にとっては、は楽しいことより苦しいことのほうが多いでしょう。私の20代なんて、辛いことがあったら逃げてばっかりでしたね。 本作はそんな若者たちの苦渋、そこから這い出る成長を描いていると思うんです。若い皆さんは、決して保守的にならず、勇気をもってチャレンジして欲しいですね。
心が揺さぶられる優しいミステリの短編集。 「重力と飛翔」と「スプリング・ハズ・カム」がお気に入り。 2つとも死人が出ているお話だが、温かさを感じる。
いわゆるミステリ風味な作品集かなあって感触で読み始めまたらなんてことはない。 美しいミステリの仕掛け満載でした。 二作品目の全てが繋がる快感、ラストの作品のある叙述トリックにやられてあと込み上げそうになった。 良かった。 3062冊 今年290冊目
梓崎優先生の最新刊が読めるなんて!嬉しすぎる!! 普段は風景描写が苦手で目が滑るけど、梓崎先生は本当に目に浮かぶ様に描かれててずっと読んでいたい。そして着地があまりに素晴らしい「美しい雪の物語」。 「重力と飛翔」を読んでて思い出したの(大好きな!)宮部みゆきさんの現代青春モノ。淡々としていた語り手...続きを読むが最後に辿り着いた感情の正体に気付いた時の切なさたるや…! キャラの立った3人の学生が魅力的な謎について語り合う表題作の「狼少年ABC」は(やっぱり大好きな!)伊坂幸太郎さんのよう。少し鬱屈とした現状を吹き飛ばすような、愉快な未来を感じさせてくれるラストも素敵! そして、個人的に人生で1番好きな短編の1つである「スプリング・ハズ・カム」。 そうか、初めて読んだ時からもう15年も経っていたのか…。時間の経過が重なり過ぎてコレを狙っていたのなら凄すぎる! 『みんな、大人になったんだなぁ』の意味が当時より遥かに理解出来て、さらに結末を知っている分、読んでいて本当に胸が苦しかった。 小説でしか味わえない、時が経っても絶対に色褪せない最高の物語でした。 また梓崎優先生の作品が読めるのを、何年でも待っています。 読書ってやっぱり楽しいなぁ!
今回はじめて梓崎さんのお名前を知ったのですが、読み終えて他の作品も読みたい!とすぐ思うくらいとても素敵な作品でした。 短編集を読むと、この話が1番好きだった…!というのが出てくるものだと思いますが 本作はどれも選ぶのが難しいくらい好きなお話でした。 強いていうなら1番はじめの「美しい雪の物語」が好き...続きを読むです。父親の都合でハワイ島に引っ越してきた少女は謎の日記を見つけ、日記に出てくる人を探そうとする。 p38で「気になるお店があったら〜皆、私の知り合いで気の良い人たちばかりだから。」と叔母が少女にいう。 p60では「それで、日記の男女のその後だが」と土産物屋の老人はいう。 p69で少女の名前が明かされる。 老人は少女の父親のことを知っていたのだろう、皆知り合いになるような街なのだから。 そして少女の両親は、両親にとって大切な思い出を名前に込める。 短いけれどミステリーになっており、 難しいミステリーではないが心温まるミステリーであった。そしてきっと今度はミユキとマテオの物語が始まっていくのだろう。 ものすごく素敵なお話だと感じました。
忘れ難い『叫びと祈り』からこの作者の名前を新刊の中にずっと探していました。 エモーショナルな青春小説ミステリ。 表題作はトッティの時代のASローマが好きでTシャツを持っている者としては、出だしの「あもう、れみお」である程度読めたとはいえ、カナダの森林に隠すうまさに脱帽。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
狼少年ABC
新刊情報をお知らせします。
梓崎優
フォロー機能について
「ミステリ・フロンティア」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
叫びと祈り
試し読み
砂漠を走る船の道 ミステリーズ!新人賞受賞作品集
リバーサイド・チルドレン
「梓崎優」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲狼少年ABC ページトップヘ