山岸真の作品一覧
「山岸真」の「アロウズ・オブ・タイム」「祈りの海」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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小説・文芸
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Posted by ブクログ
上手くまとまった面白い短編集、というよりかは「ちょっと面白い設定とかSF考えたからちょっと見てくれや」みたいな、発想博覧会的な趣がある。
量子サッカー(フィールド全体に波動関数としてボールが存在しており、プレイヤーたちが自由に動きそのエネルギー状態を遷移させることで、相手のゴール内にボールの存在確率を50%以上に収束させるスポーツ)とかその典型例だと思う。
もちろん人情的な話もあり、悲劇もあり、かなり幅広い短編sが収められている。
ディアスポラとかゼンデギとかその辺の長編から始めるよりかはこういう短編から読み始めた方が、グレッグ・イーガンの作風と振れ幅を知れていいのかなとは思う
Posted by ブクログ
やっぱイーガン面白いです、、短編集どれも質が高い〜〜
新・口笛テスト
一話目からストライク笑。毎回思うんだけど、イーガンって結構音楽とか美術とか好きだよね笑
…曲が人々の心の中でなんらかの消費財や企業名としっかり結びつけられてしまったら、曲そのものを楽しむときになにかが失われてしまうことは確実だ。…(p.20)
…いまでもほかの音楽に耳を傾けることはできるが、いちばん忘れようのない曲でさえ、自力では思いだすのがむずかしくなっていて(「山の王の宮殿で」や「ワルキューレの騎行」を数小節口笛で吹けといわれても、応じられなかっただろう) (p.26) - チョイスこの2曲なんだという!
ユージーン
発想のひとひねりがすごい。天才の子供を遺伝子操作で産めるかもという時に、未来からその天才の子供が干渉してきて、全てが潰れる話
銀炎
パンデミックの設定も面白いし、それがスピ/科学の批判に繋がるのが面白かった
要塞
社会派なイーガンマジで好き
森の奥
これまた発送のひとひねりに唸った一作。殺されると思っていた男が、いつか自分と同じ思いを抱えた人間は自分であると信じる認識改変をした後、自分と全く同じ感情を持った殺す側が死に、自分はその時誰なのか?という話
…ぼくはカーターを見おろし、足でそっとつつくと、ささやき声で。「きょう、だれが死んだんだ?答えろよ。きょう、ほんとうに死んだのは、だれなんだ?」(p.303)
TAP 表題作
…それは、自分の息子のことがわからなくなってしまったと感じたからではない。じっさい、そんなことはない。しかし、わたしたちがおたがいに、とにかく理解しあえているという事実が、突然、最高にいいかげんなまじないのように思えたのだ。(p.328)
「グレイスさんが、"現実"をどう定義していたか、知っているかい?」
「いいえ」
「ほかのあらゆるものが存在しないと立証できても、それでも立証できずに残る一万ビット」(p.343)
Posted by ブクログ
基本的に何が書いてあってみんな何を言ってんのかさっぱり分からんと思いながら読み進めましたが、ストーリーで何が目的で何が起こるのか、原因は何か、という部分についてはある程度理解できるような作りだったような印象を持ちました。
例えば独自の単位や独自存在の無説明の登場、当たり前にあるものなのだからわざわざ説明しない語り口に面食らいましたがそれも読み進めていくうちに、ああ前言ってたアレの事ねとなる設計だったように感じます。
キャラクターも魅力的であり、特に序盤の初期ヤチマとイノシロウ、ガブリエル、ブランカのやり取りは記憶に強く残る場面だと思います。
物理や数学についてはやはりてんでさっぱりなので、読みはするものの鉤括弧で閉じて頭の前から後ろへとすり抜けていく感覚しかありませんでしたが、生命体の倫理観や哲学の部分についてはおおよそ心を寄せて楽しめたと思います。
Posted by ブクログ
短編集ということもあり長編と比べると、小難しい物理とか数学の話が(比較的)少なく、イーガンの持つ人間観や未来像などがどのようなものかを理解するためには非常に読みやすかったです。
特に表題作は、イーガンの科学至上主義が非常によく現れた作品であるかと思います。ある夫婦の受難を、物理的にだけでなく精神的にも科学でもって和らげる様は、テクノロジーが進歩した未来では科学は宗教に取って代わられる、ということを説得力をもって語っているかと(反面、その科学の確実性を否定してまで救いを求める人間らしさも描かれている)。それに加えて、物語全体を通して見るとよくある家族問題でしかない、というのも作者が、AIが知性を持ったり人間がデジタル化されるのを当たり前の未来であると確証しているからこそではないかと思います。
ともかくとしてイーガンが抱く未来像のディテールには毎度ぶっ飛ばされるので、読んでいて非常に気持ちが良いです。