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30世紀、人類のほとんどは肉体を捨て、人格や記憶をソフトウェア化して、ポリスと呼ばれるコンピュータ内の仮想現実都市で暮らしていた。ごく少数の人間だけが、ソフトウェア化を拒み、肉体人として地球上で暮らしている。“コニシ”ポリスでソフトウェアから生まれた孤児ヤチマの驚くべき冒険譚をはじめ、人類を襲う未曾有の危機や、人類がくわだてる壮大な宇宙進出計画“ディアスポラ”などを描いた、究極のハードSF。
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Posted by ブクログ
初イーガン、あらすじがとんでもないこと書いてあるので気になって読んだ。最新物理学の上に架空の物理学が乗っかっていたり、幾何学の説明が図もなしに地の文で何ページも書かれていたりするがわりと読み飛ばしても主題は追える。主題の「そこまでテクノロジーで出来たとして、あなた(私)は何をしたいのか(するべきなの...続きを読むか)」は西暦3000年を待たずに、もう全人類に突きつけられつつあるのではないかと思う
「難解」という評価が定着している本作であるが、確かに私自身、読み終えてみて理解できたと言えるのは全体の3割程度というのが体感であった。しかし、私はそれでも本作を人に薦めたいと思っている。なぜなら、その難解さにもかかわらず、圧倒的に面白いからである。数学や物理学等のテクニカルタームの洪水をなんとか泳...続きを読むぎ切れば、今までに感じたことのない読書体験ができたと思うはずだ。 本作の主人公(であろう)ヤチマが人工生命として誕生する第1部はとりわけ難解で、数ページ読んだだけで心が折れそうにはなったが、知性を持った人工生命がいかにして生まれ、認識能力を獲得していくかが細密に描かれており、わからないながらも引き込まれるものがあった。しかし、本作を評したものはほとんどが、30世紀の世界では人類は肉体を捨てて人格や記憶をソフトウェア化して……という設定をなぞるだけのものが多く、本作にどのような魅力があるのかを具体的に伝えてくれてはいない(ネタバレを避けるという趣旨ではあろうが)。おそらくそれだけ本作の難解さは際立っており、完全に理解できたと自信を持って評価することが難しいのであろう。 もちろん、私自身が本作の魅力を余すところなく伝える技量があるわけではないが、私の感想としては、ヤチマ誕生後の物語の展開はむしろシンプルであり、つまるところ本作はロードムービーなのである。そして、ヤチマたち(私自身は本作ではオーランドが非常に印象的だったが)が行く旅路はかつてどんな作品でも描かれたことのない現象に満ちていて、どんな人間が想像力を極限まで高めてもこの境地に辿り着くことはできないのではないか?と思わせるほどのアイディアに彩られているのである。フランスの画家、ポール・ゴーギャンの作品に『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』と題するものがあるが、本作に描かれているのは宇宙の、そして人類の可能性であり、その壮大さが感じられるからこそ、いかに難解でも本作に感動する人が絶えないのであろう。 それにしても、想像力と思考をここまで徹底しているという意味で本作はまさにハードSFの極致と言って良い。文庫版の訳者あとがきにもあるとおり、著者グレッグ・イーガンに比肩しうるのはスタニスワフ・レムくらいだと思うが、人類は異星生命と相互理解可能なのか?という命題に対する2人の考え方がまったく正反対であるのは非常に興味深い点である。 多くの読者が指摘するとおりSF初心者に薦めるには躊躇するが、いつかは手に取ってほしい作品である。
難解さで知られるイーガン作品のなかでも、比較的とっつきやすいと思います。 人間の、というより知性のアイデンティティを極限まで突き詰めた小説です。 ちなみにとある漫画で「イーガンを理解している人はいないけど、理解したふりをするのが通の読み方」みたいなことを、さもSFあるあるっぽく言ってました。 そう...続きを読むいう斜に構えた読み方はせず、純粋に楽しみましょう。
グレッグ・イーガンの作品は、それを読む前と後で読者の考え方を大きく変える程の力を持っているが、この本も例外ではない。 ストーリーを支える設定としての科学的考察があまりにも専門的すぎる(しかもあらゆる科学ジャンルを横断する)ため、1ページめくる毎にWikipediaを開くなんてことがしょっちゅう起こ...続きを読むる。 しかし、文章の向こう側で何が起こっているのか、用語を調べながら必死に内容を咀嚼するのは、それでとても楽しい作業だった。 どうしても理解できないと、ものすごく悔しいし、もっと理解したいと思う。それで関連する本を買って読み漁ったこともある。 もちろん詳しい考察は適当に読み飛ばして、想像力でストーリーを補うこともできる。そしてそれでも十分に内容を楽しむことが出来る。 表面的にストーリーを楽しんだり、反対にどこまでも科学的考察に深入りしたりすることも出来る。つまり複数のレベルで楽しむことが出来る。何度読み返しても新しい発見があるので飽きない。 「ディアスポラ」は、そのように複雑な魅力を備えた良書だと思った。
30世紀を舞台に、ソフトウェアによって生み出された 主人公ヤチマの冒険譚。 ヤチマの誕生を描いた第1章では、 ソフトウェア上での知性・人格・自我の生成プロセスが丁寧に記述されており、 難解ながらも読み応えあり。 その後、章ごとに、情報科学、数学、遺伝子工学、天文学、と、 多岐にわたる科学分野を横...続きを読む断しながら、 人格をアップロードしなかった肉体人とのコンタクト、 宇宙へのディアスポラ、ワープ航法の技術開発、といった旅が展開。 物語が進むにつれ、身体的、時間的、空間的な制約が次々と外され、 人類はどこまで行きつけるのか?、想像力をかきたてられた。 本作にテーマや世界観が近い作品を、関連順に。 ・『アッチェレランド』(チャールズ・ストロス) ・『順列都市』(グレッグ・イーガン) ・『都市と星』(アーサー・C・クラーク) ・『know』(野崎まど) ・映画『マトリックス』シリーズ
まさに、ハード・SF。圧倒的な時間とスケールの世界が描かれる。章立てが変わるたびに次元が変わってその世界観にクラクラした。 原子やワームホールの理論的に難しい話はさておき(しかも話の核ではなかったし、よく出てくるコヅチ理論の位置付けも謎だった)、肉体を離れた後の人類が、ソフトとして「生み出され」、...続きを読む人の「意識」や「思考」を持ち「交流する」。肉体を持つ人々は肉体、遺伝子、神経に手を加え進化を遂げている。 そんな世界の話だけでも充分夢中になれるのに、次々に高次の宇宙が現れて、その宇宙の真理を知っているのは、真理は何なのか…私たちの想像を超えた思考と宇宙の話。ひたすら圧倒される。 でも物理空間をせっかく脱却できたのに、自分たちがトカゲ座の二の舞にならないよう肉体に近いCZポリスとクローンで、宇宙空間に出なければならないことが皮肉な感じがした。肉体を持たずに広域に散らばるイメージがなんか矛盾している。 理論やストーリーが、綿密で面白いかはちょっと微妙だけど、こんな宇宙の捉え方、発見があるのかもしれないと垣間見られただけでも熱くなれる! アーサークラークの「幼年期の終わり」をちょっとだけ思い出した。
これでもかとSFが詰め込まれつつどんどんとスケールが大きくなっていく物語が、よくわからない部分がありつつもとにかく良い。
この頃、星空を見上げると、ある感慨にうたれる。この宇宙にはいろんな世界がある。他の星の生命もいるかも知れない。宇宙人もいるかも知れない。 もしかして自分もそこに到達できるかも知れない。と思ったのは子どもの頃。 星々の世界があると思っても、もはや自分にはあの星々に到達することはあり得ないと今は思...続きを読むわざるを得ない。そのことにある感慨を覚える。ましてやこの宇宙の外など。しかしそんな小説を読もうという気はある。なぜだかよくわからない。 すごいSFだけど、とても読みにくい。 という評言はまあ正しい。私も最初の三分の一くらい読んだまま、数年うっちゃっておいた。 まず最初のアイディアは、人間がその精神をソフトウェア化し、ヴァーチャル環境に移り住み、肉体人と二極化するという未来(ソフトウェア化しつつも、機械の身体にその精神を収めるグレイズナーの存在も)。そのヴァーチャル都市、《コニシ》ポリスで人工知性ヤチマが生まれるさま、ヤチマが《コニシ》ポリスを見聞きするさまが描かれる。 次のアイディアが中性子連星の想定外の崩壊によるガンマ・バーストで地球上の生身の生命が死滅してしまうというもの。当然、ポリスに逃げ込むしか生き延びる方法はない。私はこの辺で挫折していたのだが、このあとあたりから、疑似科学理論はとても難しいものの、話は快調に進んでいく。作品世界での時間もどんどん流れていく。 現実世界との接触を失うまいとするポリス《カーター・ツィンマーマン》に舞台が移る。ここで登場するのがコズチ理論という物理学。空間に時間を加えた4次元にさらに6つの次元を加えた10次元がこの宇宙であり、素粒子はそれらの次元を結ぶワームホールの口であるという理論。コズチ理論に基づき、ワームホールを抜ける超高速航法を生み出して,他の知的生命を探しに行こうとするがうまくいかない。そこでポリス住民の志願者すべてが千のコピーを作って、千の方向に宇宙船を飛ばす「ディアスポラ」計画が発動する。 「ディアスポラ」計画により、知性体・トランスミューターの足跡が捉えられ、彼らがこの宇宙より上位の宇宙に移動していることがわかり、修正コズチ理論を駆使して、彼らもその宇宙、時間1次元と空間5次元の宇宙に移る。ここの描写がまたすごいのだが、トランスミューターはさらにその宇宙もすでに去っている。ここから先、『タウ・ゼロ』以上のスケールになって、唖然と口を開けている他ない方へ話は進んでいく。 そして結末まで開いた口がふさがらないものと覚悟すべし。 そして、今日もまた口を開けて夜空を見上げるのだ。スカイツリーを、じゃなくて。
色々な作品、映画をみても、これ以上の切なさを感じさせるラストは出会えないかもしれない。イメージの極致。
圧倒的スケールにして緻密。読者を選ぶ物語ではあるけれど、量子力学と認知科学のある程度の知識があれば、何とかついていける。ただし、これは宇宙オタクを満足させるためだけの衒学的な語りなのではなく、こういった舞台の中でしか語り得なかった物語なのではないか。知性とは何かということを読みながらたくさん考えた。...続きを読む 非知性ソフトウェア創出が作り出したヤチマという個体が〈私〉を獲得するまでの18-54pのくだりで心を鷲掴みにされ、そこからは理論的な部分が少々わからなくても一気に読み進められた。一気に読む、ということが褒め言葉ではないと思うけれど、読まずにはおられない、この物語と少しでも多くの時間結合していたい、そう思わせる素晴らしい読書体験。
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