【感想・ネタバレ】順列都市〔下〕のレビュー

1,078円 (税込)
539円 (税込) 12月18日まで

2pt

あらすじ

ソフトウェア・デザイナーのマリア・デルカは、思いもよらぬ申し出を受けた。天才的人工生命研究者ランバートが考えだした人工宇宙―オートヴァース内に、ひとつの惑星全体と、さらには高い知能をもつ生命体に進化する原始有機体を設計してくれというのだ。だが、地球にあるすべてのコンピュータの計算能力をあわせても、走らせることさえできないプログラムを作る目的とは……?

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

SF的アイデアの宝庫。
科学的というよりは形而上学的に難解であり、登場人物の感覚や推論を理解しながら読むのが困難。
人間の意識をコンピューター上にコピーするという、ありふれた出発点からは想像もつかないような展開と着地。

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2025年01月05日

Posted by ブクログ

宇宙や生物を取り扱いつつ、話の軸はあくまで電脳であり、その大風呂敷の上で命を説くような文句なしのSF超大作だった。

物語の終盤は夢中になって一気読みできた。
マリアが長い眠りから目覚めてからの没入感がすごかった。エシュリオン vs ランバートの構図はさながらアクションサスペンス映画のようだった。
人間である自分にとって、ランバート人の理解できないほどの合理性はかなりエイリアン感があって良かった。

でも、やっぱりすごく難解だった…。
塵理論って結局なんだったんだろう。ハードSFを読むと数学や物理学をきちんと勉強したくなるw
トマスやビーとケイトのパートはよく分からないままさらりと読んでしまったな。。。
それでも白熱して楽しめてしまうのがグレッグ・イーガンの凄いところと言えば凄いところなんだけど。

もし再読することがあるなら、解説サイト?等を参照しながら読みたい。

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2019年05月26日

Posted by ブクログ

1994年に書かれた作品
この作者の作品は多くがそうなのだけれど
なかでもまっすぐに題材が大掛かりなものであるだけに
既に古典殿堂の趣き
あるいはクラシックという日本語であらわされるようなそれは
サイエンスでファンタジーなフィクション
カガクで想像豊かな物語として奥深い

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2018年10月25日

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ネタバレ

途中内容を理解するのに諦めるシーンも多い難解な内容だったが、奥深く壮大なスケールで描かれる宇宙創世の話はさすがイーガンといったところ。
エピローグで描かれた現実世界のマリアの姿の物悲しさが後を引いた……

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2017年01月28日

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面白かったが内容が難解すぎておそらく3分の1ほどしか理解できていなかったと思う。しかしなかなか丁寧に説明してくれているため曖昧で大雑把だがストーリーの本質や流れは把握できた。またあとで2、3回ほど読み直したい。

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2013年09月22日

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後半の方が断然に面白い。
結論も示唆的で考えさせてくれるものがある。
何筋かに話が平行しているので、読み返した。

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2009年10月04日

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現在の統計的な手法で物事を類推していくAIではなくて、完全に自律思考ができるAIが生まれたらどうなるのか、想像するのが恐ろしくなる作品。特にラストの辺りは…。読んだのは5年くらい前でしたが、今読み直すとまた別の感想を持つだろうなと思います。この本の初版が1994年というのにも、とてもびっくりです。
コピーの話を見ていると自己とは何だろうかとも思いました。

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2021年01月12日

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分かりにくいがその世界に入れば第一部はなかなかいい
表紙   5点小阪 淳  山岸 真訳
展開   7点1994年著作
文章   6点
内容 725点
合計 743点

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2017年04月12日

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ネタバレ

 1994年発表、グレッグ・イーガン著。ソフトウェア化された意識〈コピー〉が一般化された世界。富豪のコピー達に、宇宙が消失しようとも永遠に生きられる方法を提示する男。N次元オートマトンを駆使した、膨張し続けるTVC宇宙(エリュシオン)内に、コピー達と彼らの住む街〈順列都市〉を作り、さらに簡略化された物理法則を持つオートヴァ―ス宇宙を作る。やがてオートヴァ―ス宇宙側(そこに住む知的生命体、ランバート人)から、TVC宇宙への浸食(より高次の万物理論の暗示)が起こり始める。
 久しぶりのイーガンだったが、やはり一筋縄には理解できない。依然読んだ『ディアスポラ』以上に難しいと感じた。おそらく難解な部分そのものが、本小説の核だからだろう(『ディアスポラ』では難解さは味付けのように感じたのだが)。
 コピーという概念自体は使い古されたテーマだろうが、物語前半の経済的な制約やオートヴァ―スについての実験のリアリティー、数学的知識(塵理論と発進の原理)、コンピューターやセルオートマトンなど科学的知識を駆使して独特な仮想世界を生み出すあたり、とても新鮮だった。不死の概念を塗り替える思想はおもしろいし、何より最後の方のオートヴァ―ス側からの浸食がスリリングだった。別の物理法則をもった宇宙同士がぶつかり合うという話は、我々人間の科学的進展もまたランバート人のような過程を進んでいることを暗示しているのだろう。神の不在(本作ではランバート人にとってのエリュシオン人の不在)、神すら包括されている高次の物理法則。興味深い。古くからある、普遍的なテーマだ。さらに物語の裏に流れているであろう、数学の絶対視(TVC宇宙もオートヴァ―ス宇宙も数学の基盤からは逃れてはいない。どちらも数学に比べれば不安定なのだ)。以前から個人的に考えてきたことだったので、何だかイーガンに共感できてホッとした。
 本作を読むといろいろと勉強したくなってくる。数学、意識についての哲学、コンピューター工学。特にセルオートマトンについては非常に興味が湧いた。
 気になった点が二つ。一つは量子力学について。前半部分で、現実に比べてオートヴァ―ス内で突然変異が起こりにくい理由として登場したので、後半に重要な役割を担うと期待していたのだが、そんなことはなかった。もう一つはN次元オートマトンの作り方。本小説における一番の重要な装置だと思うのだが(これがないと宇宙が作れない)、ただ開発されたというだけで何の説明もない。もう少し詳しく説明してほしかった。

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2016年08月27日

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ネタバレ

上下巻あるうちの「下巻」。こちらに入ると俄然話が進んで一気に面白くなる・・・のだが、最後の半分は「順列都市」内の話になって、いきなり数千年ほど時間がたったりしてしまい、そこにいくともうSFと言うよりはファンタジーになってしまう。

最初読んだ時にはエリュシオンと塵理論の話がさっぱりわからず(というか最初からわかる人は皆無だろう・・・)解説しているサイトを色々読んで、二回目をようやく理解。わからなかったのは、エリュシオンを動かしているハードウェアを停止しているのに「なんで数千年もエリュシオンは動き続けるのか?」ということ。。

で、これを理解する・・というか解釈するためには塵理論が必要なんだけど、これって物理で言うところの素粒子論に近い処がある。たぶん大学で物理を学んだ人にはイメージがわくんだろうけど、塵理論というのはようするに「ある一瞬を切り出しても因果律を無視したあらゆる世界の可能性が含まれている」ということを言っていて、エリュシオンの中で数千年がたってていても、私たちが感じることのできる実時間では数秒もたっていないということなのだ(というかそもそも時間がたつ必要がない。因果律がないので)。

こういった可能性に考えが至ると、結局この話で書かれている不死性というのは時間の近くの仕方による・・という結論が導かれるのだけど、そこまで書くと話が長くなるし、自分でもなにを言ってるかわからなくなりそう。

とにかくほっぽり出した感がある最後と言い、難解さが半端ない作品ではあるが、まるで今のコンピューターの状況をかなり正確に予想していて、一読の価値ありである。

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2014年07月22日

Posted by ブクログ

いやー、豪快な話でした。この作者の「宇宙消失」もSF的大ネタを、緻密かつサスペンスフルにまとめあげた名作でしたが、この「順列都市」も、サプライズの連続で堪能できました。
セル・オートマトンとチューリング・マシンのアイデアは知っていましたが、これをVRなどと組み合わせてここまでスケールの大きな話に仕上げるとは。
「宇宙消失」とは、ストーリーや世界観としてのつながりは全くないのですが、「人間の意識が宇宙に影響を与える」というテーマで結びついており、おもしろいと思いました。
読み終えるとがまんできなくなって、早速「万物理論」も読み始めました。これもとても楽しみです。

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2012年06月03日

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(*´д`*)すーほいSF作品だ。
予想を遥かに超えてた!

人間の想像力にもいろんなレベルがあるけど、これは凄い強度だと思いました。
SF作家はすごいなぁ。

ただ、何度読んでもわけがわからない部分もありました。

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2011年05月05日

Posted by ブクログ

上巻に色々書くと下巻の欄に書く事が無くて困る。
ただ、順列都市に関しては、個人的に上巻のが好きだったりして。

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2009年10月07日

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2022-08-08
読んでいたと思ってたけど、なぜか読み逃してた。23年積んでた(笑)
ソフトウェア知性について「ディアスポラ」に比べると否定的な文脈が強い感じ。そこは「ゼンデギ」に近いか。ファーストコンタクトの相手の描写は非常に限定的。エイリアンの側を描くとどうしても擬人化せざるを得ないからか。
そして、結局はアイデンティティの物語。ほぼ全編その、思弁に費やされていると言ってもいいくらい。
なんだかすぐに再読したくなる。

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2022年08月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

オートヴァースをはじめ、話が難解で理解しきれない部分も多かったが、塵理論などはわからないなりに(解釈が間違ってそうだが)面白かった。塵のように散らばる要素を認識したものが世界であり、時間というものも、人間の勝手な認識の仕方に過ぎない、という感じ...?
終盤の、ランバート人が独自に納得のいく歴史を作りそれが真実になる、というあたりが特に面白かった。人類が今正しいと信じている歴史も、捏造かもしれないと仄めかすようでもある。

同じイーガンだと、「宇宙消失」のほうがとっつきやすく熱中して読めたので、その意味で⭐️3にした。

読みながら、デッド・チャンの「あなたの人生の物語」やリングシリーズの「ループ」を連想した。

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2020年06月24日

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ネタバレ

単純セルで形成された秩序と法則が、仮想世界の生き物によって乱され崩壊していく。
正直23回失敗したとか失敗と分かっている世界だの、言っている意味と理屈がよく理解できなかった。

ピーとケイトの数千年に1回の計算、外界から切り離され保たれる主観と流れていく「実世界時間」。圧倒的なスケールでこの中で1番好きなカップル。

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2020年05月12日

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 下巻の展開は、上巻を読み終えた時点での想定とは大きく異なるもので、これはかなりの衝撃だった。マリアとダラムが物語の主軸を担う点は上巻同様に変わらないが、その他の登場人物の物語はそれと交わることなく、並行して進んでいく。そしてより大きな問題が順列都市に出現し、その根本を揺るがす大転換がもたらされる。この意外性こそ、この小説が他の小説とは一線を画す点なのだろう。
 認識により世界が変革されるという観念が、本書終盤の鍵となる。悪貨は良貨を駆逐するとは言い過ぎかもしれないが、真実もまた相対的なのだという主張が見え隠れする。これを読んで、以前に聞いた次の話を思い出した。それは経済活動に関する新しいモデルが提唱されると、経済全体がそのモデルに従い始めるという現象があるという話だ。現実は摩訶不思議である。
 解説を読み、冒頭の詩がアナグラムとなっていることに気付かされた。曰く、アナグラムこそ塵理論の本質であり、この『順列都市』という小説もまた、塵理論の実践なのだと。世界と認識との関係は、上巻の感想でも述べた形式と内容との関係に当たるだろう。だとすれば、塵理論の言わんとすることは少し理解出来たのかもしれない。

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2015年04月08日

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上巻は状況説明や登場人物の紹介に潤沢なページを費やしていましたが,下巻はそれらを踏まえてストーリーを展開していきます。
もう一つの世界に自分を置くような感じで,世界観に酔いしれます。
そこそこ難しいSFなので読みにくさは感じますが,SF慣れしたころにまた読みたい作品でした。
「塵理論」についてあやふやな状態で読み進めると辛いので,難しいと感じたらぐぐって解説を見ることをお勧めしますよ。

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2015年01月29日

Posted by ブクログ

最後のほうはよかった。しかし、どうしても全体を通しては面白いとは思えず。内容なのか、文章なのか。とはいえ上よりは展開も速く読み進めるのはそれなりだった。話の感想としてもいまいちつかめず。である。最後の崩壊する理論ないし理由は自分としては説得力に欠ける。

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2012年05月01日

Posted by ブクログ

乱暴にまとめると、創造主(オリジナル)と創造物(コピー)の関係を描いた作品。

SFはアイデアの宝庫であり、新しい技術によって発生するであろう倫理的な問題に取り組むジャンルでもあると感じる。このジャンルはかなり「実用的」な読みが可能。

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2011年03月26日

Posted by ブクログ

申し訳ない。
ハードSFの傑作に、私自身がついて行けませんでした。
グレッグ・イーガン、すごい天才だと思う。
でも、理解するのが難しい。
許してくれー。

ジョン・W・キャンベル記念賞受賞作。
ディトマー賞受賞作。

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2009年12月10日

Posted by ブクログ

無理やり読み終わって、なんとなく分かったような
まったく理解していない。
でも、面白いことには違いない

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2014年10月05日

Posted by ブクログ

塵理論はさっぱり理解できなかったので第二部は頭の中が暖かい人の妄想だと考えることにした。というか誰も現実世界からエリュシオンを観測できないんだからそれは存在していないのと同じだ。あってもなくても、どっちでもいい。

と思って解説サイトを見てやっと分かった気がする。つまり宇宙の全ての状態がそこらに散らばってて、連続的に接続可能な状態同士が勝手に繋がっていくっていう理屈か。そして、創造主の存在を決定的にするための「発進」。ただ、オートヴァース暴走云々は良く分からない。神は居ないと言いたかっただけなんだろうか。

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2009年10月04日

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