【感想・ネタバレ】ひとりっ子のレビュー

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Posted by ブクログ

SF短編集。量子力学、多層世界、人工知能などを題材にしている。理論的な部分は難しい話が多くて、数学的素養のないわたしにはついてゆけないところも多かったのだが、理屈のところはなんとなく流して読んでも人間ドラマが面白いのがイーガンなので無問題。先に邦訳された「しあわせの理由」とリンクしているところもあるので、読むならそちらが先がよいかも。

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2014年12月07日

Posted by ブクログ

久しぶり再読。数学SF「ルミナス」。衝撃。まだSFにはこんなセンス・オブ・ワンダーの未開の分野が残っていると、強く感じさせてくれる傑作。初読の時ピンとこなかったのは、その難解さで、まだ自分の頭が、その独創性に気付けなかったからかな。

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2013年07月25日

Posted by ブクログ

 この短編の中ではちょっと重めの話。別世界、人造人間、人間の定義などのテーマが深く書かれていた。オラクルと併せて読むのがオススメ。
 人造人間じゃなくても、子どもが何を基準に好き嫌いやら良し悪しを判断してるのかは興味深かったりする。
 先天的な要因が殆どという気もするので、もしその初期設定を自分で行えたらどう設定するかってのは考えてみるとおもしろいかも。
 実際の子どもに対する時も選択肢の中の最良であるものを選ばせたいと思うのが親心だけれど、それが最良かどうかは知る由もない。最良の物を追いすぎて選択肢が狭まることもしばしば。むずかしい。

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2011年01月21日

Posted by ブクログ

イーガン作品は初めて読んだ。短編集。それぞれのエピソードのテーマは、人の意識、脳の領域に記憶や感情をインストールする技術、多元宇宙論、人造人間など。

登場人物の会話が完全に理解できないのが難点だが、ストーリーは面白い。この本で書かれている技術はいずれ実用化されそうなものが多いと感じた。

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2019年04月21日

Posted by ブクログ

『1984年』は2+2=5であることを証明するSFである
と他の誰でもないこの作者が言うのだからそうに違いない
それはともかく
この作者の作品を久しぶりに読んだけれど
SFとして最先端であるというより小説としての幅の広さが良くわからない感じ
『ルミナス』のように小説らしいSF小説が書かれている一方で
表題作のようにむりやり小説にしているようなお話もあり
SFにおけるカガクテキな着想をお話にする手段に
質の高低でなく種類の幅が迷走しているかのように見えて落ち着かない
数理論文でないものを書きたいのだろうし
SF作家として名声を獲得しているのに何かをいうこともないけれども
小説としては合わないと合う作品の幅が大きくて困る作者作品也

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2018年12月08日

Posted by ブクログ

相変わらず読みにくい部分もあるが、表題作はよかった
表紙   6点田中 光   山岸 真訳
展開   6点2006年著作
文章   5点
内容 698点
合計 715点

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2017年10月17日

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ここに、ひとの感情を固定させることのできるインプラントがあるとしよう。インプラントは鼻孔に挿入された後、脳まで一直線に掘りすすみ、そこから放出されたウイルス大のロボットが適切な処置を施してくれるのだ。もちろん痛みはない。
さて、ここで質問。あなたは夫婦間、あるいは恋人への愛情を例えば倦怠期による磨耗から守るために、このインプラントを使用するだろうか。

テクノロジーの発展がもたらす社会的道徳や価値観の変容。本書は、まだ変容を受け入れきれていない社会を舞台に、倫理と欲望の葛藤、そして思わぬ落とし穴を描く作品がちらほら。現代SFの最高峰グレッグ・イーガンの短篇集は全7篇収録。

テクノロジーの発展により変容する道徳、価値観、人間のあり方。読んだイーガンの作品は多くありませんが(短篇集だけ)、これはイーガンの作品によく見られるテーマかと思います。とりわけ、テクノロジーの発展によってあわらになったアイデンティティを題材にした作品は「祈りの海」に多く収録。本書では「行動原理」「真心」「ふたりの距離」あたりがこれらに連なるかと。

数学SFの極北と評される「ルミナス」は、もちろん言及される数学や理論の9割以上を理解できておりませんが、本書で描かれる異質のファーストコンタクトはそれだけでワクワクさせられるものでした。
表題作や「オラクル」にて示される多世界解釈。多世界解釈とは、これまでも色んな作者が取り上げており、いわゆるSFサブテーマのひとつといえるものですが、その多世界解釈を理論に落とし込み(もちろん理解しきれてませんが)、ハードSFに仕立て上げるイーガンの筆力にはびっくり。表題作については、娘を亡くした両親が機械のこどもを手に入れる”だけ”に留まらないのが凄いところ。

うん、やっぱりイーガンはおもしろいぞ。そろそろ長編も読もう。とりわけ簡単なやつを…

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2015年09月14日

Posted by ブクログ

しあわせの理由に引き続き読んだ。

ザ・SFな内容が味わえて不思議な気分になるが、大事なことは精神的な問題や社会的な問題でそこに正面から向き合った話が根本にあった。

例えば自分の意思が可視化されたらその先には何が見えるのか。
例えば人間の脳が宝石になり、まったく同じ考えを持つ人が隣にいるとどうなるのか。
例えば量子力学的な分岐を持たないAIが別の分岐に来たらどうなるか、なぜ来たのか。

グレッグ・イーガンは人間の脆弱性をついたセキュリティー試験を行っているのではないだろうか。

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2015年02月08日

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ハードSF短編集。イーガンの短編集には珍しくあちこちに他作品との繋がりが見える一冊。とは言えもちろん単独で読めます。
総合して見ると「人間とは、意識とは何か」ってテーマを起点にいろんな切り口からのアプローチ、って感じの一冊。ごくごく単純なワンアイディア短編あり、多世界解釈の分岐を絡めてタイトルまたいで込みいった中編あり。
テーマには一貫性があるけど、書かれた時代が幅広いのもあって一編ごとのまとまり方はちょっとばらつきがあるかな。
あと「プランク・ダイヴ」収録作「暗黒整数」に直接繋がる「ルミナス」収録もこの本。これが一番好き!

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2014年03月28日

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特に携帯メールの予測変換の進化ときたら、あまりにもすばらしいものだから、面倒なメール返信のときにはついつい予測で表示される単語をそのまま繋げて送ってしまったりする。・・・でも、これって、本当に「ワタシ」が送ったメッセージなんだろうか。私の介在は最小限であり、携帯がメッセージを作ったと言っても良いのではないだろうか。
こんな風に日常を取り巻くさまざまな事象が進化していくと、これまで当たり前だった「境界」がものすごく曖昧になる。どこまでが「自分」で「自分の意思」なのか、「生命」とか「人」と認識されるにはどんな条件が必要なのかとか、「選択した現実」と「選択しなかった現実」の差異とか。
・・・なんてことを、倩倩と考えてしまう物語群。本当の自分の姿は自分の中にあるようで、実はほかの誰かとの関わりの中でしか現れ得ない?そもそも「本当の自分の姿」なんて意識自体が幻想かもね。

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2013年03月21日

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ルミナスが収穫。
イーガン作品を読むなら、この作品を読んでからにした方が理解しやすい。

お得意の、計算によってこの世界を決定する、という話だが、多少丁寧に説明してくれている。もちろん、よく分からないのだが。
それにしても、1024ビット程度の演算を順序入れ換えて実行して演算結果が異なるって嘘臭いなー。何ビットでも嘘臭いけど。

光で計算に最適なハードを作り出す、というアイディアは秀逸。ハードウェアの最適化。

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2012年08月16日

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久しぶりにイーガン読んだら難しかった。自分の知ってるイーガンっぽくないとも思った。収録されてる中にわりと古い作品があって、その頃のだと受ける印象が違うみたい。

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2011年09月04日

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いくら不可知な人間の精神とはいえ、自然界の法則に逆らうことはできない。イーガンは数学をはじめとした大変な科学の知識で(文系のため、どんなジャンルの学問かもすでにわからない。汗)、人間の行動の決定や、愛や憎しみの感情を、どんどん因数分解していってしまう。各短編には、しょせん人間も機械の部品の組み合わせにすぎないのだという趣旨の文章がちらちら見える。しかし読み終わると、いやそうではないという思いが、まったく理屈ではないところから立ち上がってくる。

この短編集の最後2編はなかでも難解で、多元宇宙論をテーマにしている。全然わからないままとにかく最後まで読んだら、あれっと思う関連が隠されていて、また読み直した。すると、初読より断然得るものが多かった。イーガン独特の科学法則のたたみかけのような、やや退屈に思える部分が実はセンチメンタルなメタファーであることに気づいたのだ。その一瞬のひらめきはまるで天啓だった。他にもないかとページを繰ったけれど、残念ながら同じ感覚はもう訪れなかった。

理系の人なら感知できるのだろう、ロジカルな文中にそっと埋め込まれたイーガンのセンチメントを、私はずいぶん見逃してしまっているのだろう。それでもかすかな気配だけは感じることができる。それが彼の小説を苦労しても読みたいと思わせる“行動原理”なのだ。

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2010年07月05日

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短編集イーガンの数学的ネタが難解で「ルミナス」ついていけませんでしたが「真心」「ふたりの距離」は印象に残りました。特に「ふたりの距離」は二人の人間のアイデンティティを限りなく近付けるとどうなるかという…ある意味怖いです。

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2009年10月04日

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短編集。「行動原理」「真心」「ルミナス」「決断者」「ふたりの距離」「オラクル」「ひとりっ子」以上7篇収録。

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2009年10月04日

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量子論が難しくて理解しきれてない部分もあるのだけど、とても面白い世界観だった。

ひと、と、もの、の違いって何なんだろうなあ。

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2021年06月07日

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収録作品は軸が合わなかった。
思うに自分はアーサーCクラークの人類賛歌的なSFが好きなのであって、イーガンの作品の中心が数理であり、「魂」なんてものはまったく重要視されていないのが、合わないのかも。

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2014年02月01日

Posted by ブクログ

日本オリジナル短篇集。7篇収録。
脳内インプラントを使用する際、手馴れた人は小指の先にのせてすんっと鼻の穴に入れればいい、初心者用には挿入棒が用意されている、あるいはインプラントがどのように市場に流布していったか・・なんていうあたりはいかにもリアルに感じられて楽しい。それを使うか否かの葛藤や、初めて店で買う時のうろたえぶりもそうだろうなぁという感じ。
「ルミナス」「オラクル」や表題作では、作中で論じられる議論についていけなくて。だいたい、アルゴリズムってなにさ、量子コヒーランス?というレベルなので。もちろん、編者が言うように、“科学的・数学的な説明”がわからないなりの楽しみ方はできるのだけれど(他人に中毒を起こさせる血液ってすごいな、とか、AIに対する排斥運動とか、出奔したAIの娘を探し続ける親心とか)。でも、それらの説明についていけないとなると、イーガンのSFを読む醍醐味を取りこぼしているようで、ちょっと悔しい。
「オラクル」のジャックにはは〜んと思えたように、ロバートにもはは〜んと思えたらよかったのに。

――Singleton and Other Stories by Greg Egan

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2010年02月24日

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