ひとりっ子

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小説・文芸
1,078円 (税込)

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待望の第一子となるはずだった女の子を失った科学者夫婦が選択した行動とは!? 子どもへの“無償の愛”を量子論と絡めて描く表題作、星雲賞を受賞した数学SF「ルミナス」、アイデンティティ・テーマSFの傑作「ふたりの距離」他、論理を極限まで突き詰めた七篇を収録する、日本オリジナル短篇集。

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ひとりっ子 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    短編集ということもあり長編と比べると、小難しい物理とか数学の話が(比較的)少なく、イーガンの持つ人間観や未来像などがどのようなものかを理解するためには非常に読みやすかったです。

    特に表題作は、イーガンの科学至上主義が非常によく現れた作品であるかと思います。ある夫婦の受難を、物理的にだけでなく精神的にも科学でもって和らげる様は、テクノロジーが進歩した未来では科学は宗教に取って代わられる、ということを説得力をもって語っているかと(反面、その科学の確実性を否定してまで救いを求める人間らしさも描かれている)。それに加えて、物語全体を通して見るとよくある家族問題でしかない、というのも作者が、AIが知性を持ったり人間がデジタル化されるのを当たり前の未来であると確証しているからこそではないかと思います。
    ともかくとしてイーガンが抱く未来像のディテールには毎度ぶっ飛ばされるので、読んでいて非常に気持ちが良いです。

    0
    2026年01月16日

    Posted by ブクログ

    SF短編集。量子力学、多層世界、人工知能などを題材にしている。理論的な部分は難しい話が多くて、数学的素養のないわたしにはついてゆけないところも多かったのだが、理屈のところはなんとなく流して読んでも人間ドラマが面白いのがイーガンなので無問題。先に邦訳された「しあわせの理由」とリンクしているところもあるので、読むならそちらが先がよいかも。

    0
    2014年12月07日

    Posted by ブクログ

    久しぶり再読。数学SF「ルミナス」。衝撃。まだSFにはこんなセンス・オブ・ワンダーの未開の分野が残っていると、強く感じさせてくれる傑作。初読の時ピンとこなかったのは、その難解さで、まだ自分の頭が、その独創性に気付けなかったからかな。

    0
    2013年07月25日

    Posted by ブクログ

     この短編の中ではちょっと重めの話。別世界、人造人間、人間の定義などのテーマが深く書かれていた。オラクルと併せて読むのがオススメ。
     人造人間じゃなくても、子どもが何を基準に好き嫌いやら良し悪しを判断してるのかは興味深かったりする。
     先天的な要因が殆どという気もするので、もしその初期設定を自分で行えたらどう設定するかってのは考えてみるとおもしろいかも。
     実際の子どもに対する時も選択肢の中の最良であるものを選ばせたいと思うのが親心だけれど、それが最良かどうかは知る由もない。最良の物を追いすぎて選択肢が狭まることもしばしば。むずかしい。

    0
    2011年01月21日

    Posted by ブクログ

    イーガン作品は初めて読んだ。短編集。それぞれのエピソードのテーマは、人の意識、脳の領域に記憶や感情をインストールする技術、多元宇宙論、人造人間など。

    登場人物の会話が完全に理解できないのが難点だが、ストーリーは面白い。この本で書かれている技術はいずれ実用化されそうなものが多いと感じた。

    0
    2019年04月21日

    Posted by ブクログ

    『1984年』は2+2=5であることを証明するSFである
    と他の誰でもないこの作者が言うのだからそうに違いない
    それはともかく
    この作者の作品を久しぶりに読んだけれど
    SFとして最先端であるというより小説としての幅の広さが良くわからない感じ
    『ルミナス』のように小説らしいSF小説が書かれている一方で
    表題作のようにむりやり小説にしているようなお話もあり
    SFにおけるカガクテキな着想をお話にする手段に
    質の高低でなく種類の幅が迷走しているかのように見えて落ち着かない
    数理論文でないものを書きたいのだろうし
    SF作家として名声を獲得しているのに何かをいうこともないけれども
    小説としては合わないと合う作品の幅が大きくて困る作者作品也

    0
    2018年12月08日

    Posted by ブクログ

    相変わらず読みにくい部分もあるが、表題作はよかった
    表紙   6点田中 光   山岸 真訳
    展開   6点2006年著作
    文章   5点
    内容 698点
    合計 715点

    0
    2017年10月17日

    Posted by ブクログ

    ここに、ひとの感情を固定させることのできるインプラントがあるとしよう。インプラントは鼻孔に挿入された後、脳まで一直線に掘りすすみ、そこから放出されたウイルス大のロボットが適切な処置を施してくれるのだ。もちろん痛みはない。
    さて、ここで質問。あなたは夫婦間、あるいは恋人への愛情を例えば倦怠期による磨耗から守るために、このインプラントを使用するだろうか。

    テクノロジーの発展がもたらす社会的道徳や価値観の変容。本書は、まだ変容を受け入れきれていない社会を舞台に、倫理と欲望の葛藤、そして思わぬ落とし穴を描く作品がちらほら。現代SFの最高峰グレッグ・イーガンの短篇集は全7篇収録。

    テクノロジーの発展により変容する道徳、価値観、人間のあり方。読んだイーガンの作品は多くありませんが(短篇集だけ)、これはイーガンの作品によく見られるテーマかと思います。とりわけ、テクノロジーの発展によってあわらになったアイデンティティを題材にした作品は「祈りの海」に多く収録。本書では「行動原理」「真心」「ふたりの距離」あたりがこれらに連なるかと。

    数学SFの極北と評される「ルミナス」は、もちろん言及される数学や理論の9割以上を理解できておりませんが、本書で描かれる異質のファーストコンタクトはそれだけでワクワクさせられるものでした。
    表題作や「オラクル」にて示される多世界解釈。多世界解釈とは、これまでも色んな作者が取り上げており、いわゆるSFサブテーマのひとつといえるものですが、その多世界解釈を理論に落とし込み(もちろん理解しきれてませんが)、ハードSFに仕立て上げるイーガンの筆力にはびっくり。表題作については、娘を亡くした両親が機械のこどもを手に入れる”だけ”に留まらないのが凄いところ。

    うん、やっぱりイーガンはおもしろいぞ。そろそろ長編も読もう。とりわけ簡単なやつを…

    0
    2015年09月14日

    Posted by ブクログ

    しあわせの理由に引き続き読んだ。

    ザ・SFな内容が味わえて不思議な気分になるが、大事なことは精神的な問題や社会的な問題でそこに正面から向き合った話が根本にあった。

    例えば自分の意思が可視化されたらその先には何が見えるのか。
    例えば人間の脳が宝石になり、まったく同じ考えを持つ人が隣にいるとどうなるのか。
    例えば量子力学的な分岐を持たないAIが別の分岐に来たらどうなるか、なぜ来たのか。

    グレッグ・イーガンは人間の脆弱性をついたセキュリティー試験を行っているのではないだろうか。

    0
    2015年02月08日

    Posted by ブクログ

    ハードSF短編集。イーガンの短編集には珍しくあちこちに他作品との繋がりが見える一冊。とは言えもちろん単独で読めます。
    総合して見ると「人間とは、意識とは何か」ってテーマを起点にいろんな切り口からのアプローチ、って感じの一冊。ごくごく単純なワンアイディア短編あり、多世界解釈の分岐を絡めてタイトルまたいで込みいった中編あり。
    テーマには一貫性があるけど、書かれた時代が幅広いのもあって一編ごとのまとまり方はちょっとばらつきがあるかな。
    あと「プランク・ダイヴ」収録作「暗黒整数」に直接繋がる「ルミナス」収録もこの本。これが一番好き!

    0
    2014年03月28日

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