テイド・トンプソンの作品一覧
「テイド・トンプソン」の「シリコンバレーのドローン海賊 人新世SF傑作選」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「テイド・トンプソン」の「シリコンバレーのドローン海賊 人新世SF傑作選」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
小説・文芸
Posted by ブクログ
どこで見たか忘れてしまったが、、確か雑誌か何かで知った一冊。最近仕事でドローンを扱うことも多く、SF好きなので自然と購入。
ショートSFならではの最後の続きを予見させるおわりにわくわくする。標題作では子供のいたずらのようなところから、ねずみ小僧的な海賊の姿が見えた時には続き読みたい...!と思った。
エグザイルパークもプラゴミ島という将来ありえなくもない環境とオロクンの超能力じみた設定。オロクンはなんの比喩だろうか。保守的な政治か麻薬か、かりそめの平和か、なにかに依存する世界を揶揄するものだろうか。
クライシスアクターズは陰謀論的な話で、気候変動を信じる信じないにしろ、とっている行動は同じで結局は環境活動に興じているというとんちのようなものにも感じた。形は違えど、親子はよく似ている。
菌の歌、軍団(レギオン)は支配型の未来が成立した世界。SFといったらこのやりすぎ設定が面白いが、技術のゴールは平等な社会だとするとこれって社会主義的な思想に近いと感じる。一方で、渡し守のような、割り切った資本主義構造によって貧富の差が大きくなることも一種の将来として想像しやすい。いずれにしても完全に管理することが可能な技術が出来上がると社会は極端な方向へ向かってしまうような気がする。
SFの面白さを改めて考えると私は読み始めのその世界を探っている感じが楽しい。どんな設定だろう、そういう常識の世界かーみたいな。そこにアイデアも感じるし、何を比喩しようとしているのか、フィクションだからこそストレートに感じる著者の意見が見える。
インタビューにあったキムスタンリーの、「SFには予言と現在のメタファーの二つの働きがある」というのはまさにその通りだと思う。予言としてみたらトンチキな設定かもだけど、風刺する意味では現代そのものだったりする。抽象化・メタ化して現在を投影した世界がSFそのものであり、だからこそいろんな歴史・ 知見が入るし、知的好奇心もくすぐられる。そこが好きなんだなと改めて認識した。
Posted by ブクログ
人新世SFということで、当然、地球環境の危機的状況をテーマにした作が多い。けれども、ハード面よりもソフト面にスポットを当てた作がほとんどを占める。環境危機への対応策なんて分かりきってる、問題は社会がそれを実行しようとしないことなのだ、ということなのだろう。ただ、そのアイデアが案外とナイーブ。全体に理想化されたコミュニティの登場が目に付くのだが、その描写がまるでカウンターカルチャー全盛の頃のヒッピーコミューンなのだ。「菌の歌」なんかは、あの頃のSFそのまんまである。こんな感じの話、いっぱい読んだなあ。まあお話の中とは言え、この問題に簡単に答えなんかが出るわきゃないってことなんでしょう。