面白かった。
カフェで美味しいお茶とお菓子をいただきながら、ミステリの話に興じ、マスターが持ち込まれた謎を解くという、コージーミステリでもあり、安楽椅子探偵ものでもあるミステリ。
私は各話の冒頭で出てくる定型文、『作品の悪くちはおおいにやるべし、ただし人の悪くちは言ってはならない。もっとも後者の誓
...続きを読むいはしばしば破られる。』という《コージーボーイズ》のルールがとても好きだ。
さて、収録作の内容について。
最初の「居酒屋の謎」は以前雑誌に掲載されていたものを読んでいたので、初読の衝撃はやや薄れつつも、改めてシンプルではあるが気持ちのよいパズラーだな、と思った。
私がおぼろげながら真相を予想できたのは「コーギー犬とトリカブトの謎」「ロボットはなぜ壊される」の二編。
一番驚いたのは「謎の喪中はがき」、これはアイデアがすごい。(もちろんどの話もアイデアありきではあるが)
「十万円」の真相は、分かってみればそこまで複雑さはないが、心理の穴というか、読んでいて全然思い付けず。
「郷土史症候群」はタイトルが上手いのと、「犯人」の大胆な計画にびっくり。
私は以前からTwitterで笛吹さんのお人柄をかいま見ていたので、帯の『ほがらかにデビュー』という文言がご本人にぴったりでなんだか嬉しくなってしまった。
次回作もお待ちしております!!