柳沢由実子の一覧
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ユーザーレビュー
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「大切なことは最初に言おう、でないと忘れてしまうから」と言ったのは十五世紀のパン屋さんヒマーワリ・メーロンですが、彼の言葉に習って言います
刑事クルト・ヴァランダーシリーズ第三の物語は文庫本で700ページの大長編でしたよ!
うん、この情報は私の感想よりよっぽど重要w
とにかくもうヴァランダーが大好
...続きを読むきだ!
あえて言おう、彼こそ男の中の男であると
前にも書いたかもしれないが、本当に男のいいところ(と男たちが思っているところ)と男の恥ずかしい部分が凝縮されたキャラクターと言っていいのではなかろうか
意固地でまっすぐでロマンチストで臆病で怒りっぽくて自分勝手だ
彼は直感によって仕事を進めるタイプの刑事だが、それは天才的なひらめきと言った種類のものではなく、経験や修練から生まれた鋭い観察がもたらす勘どころみたいなんを信じて行動しているにすぎないような気がする
それを他人が見ると直感と感じる
ようするに熟練した職人と言うべきで、こんなところにも自分は男を感じでしまうのだ(女性の職人さんごめんなさい)
そしてなによりヴァランダーはけっこう失敗する
いや、失態と言ったほうが正確だ
部下に助けられたり、家族に迷惑かけたりする
極めつけは酔っぱらって想いを寄せる女性に迷惑な電話をかけてしまい、恥ずかしい思いをしてしまう
情けない場面を曝しまくる男が葛藤を抱えながらも闘う姿勢がかっこいいのだ!
でもやっぱり女性には読んで欲しくない
男の情けない姿はなるべく知られたくないのです
だが女たちは言うだろう
男が情けないのはアダムとイヴの時代から知っていると
やっぱり女なんでもお見通しだ
Posted by ブクログ
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彼女には深い葛藤があり、やはり自殺かと思われたが、そこにつけ込んだ犯人がいた。いくつもの話が展開し、実に面白い!
Posted by ブクログ
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スウェーデンの作家「マイ・シューヴァル」、「ペール・ヴァールー」共著の長篇ミステリー作品『刑事マルティン・ベック煙に消えた男(原題:Mannen som gick upp i rok、英題:The Man Who Went Up in Smoke)』を読みました。
「マイ・シューヴァル」、「ペール
...続きを読む・ヴァールー」共著は、一昨年の7月に読んだ『刑事マルティン・ベック ロセアンナ』以来なので、ほぼ2年振りですね… 北欧ミステリは3月に読んだ「ヘニング・マンケル」の『北京から来た男』以来なので2ヶ月振りです。
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夏休みに入った刑事「マルティン・ベック」にかかってきた一本の電話。
「これはきみにしかできない仕事だ」。
上司の命で外務大臣側近に接触した「ベック」は、ブダペストで消息を絶った男の捜索依頼を受ける。
かつて防諜活動機関の調査対象となったスウェーデン人ジャーナリスト。
手がかりのない中、「鉄のカーテンの向こう側」を訪れた「ベック」の前に、現地警察を名乗る男が現れる―。
警察小説の金字塔シリーズ・第二作。
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1966年(昭和41年)に発表されたスウェーデンの警察小説「マルティン・ベックシリーズ」の第2作です… これまでに読んだシリーズ第4作の『刑事マルティン・ベック 笑う警官』、シリーズ第1作の『刑事マルティン・ベック ロセアンナ』でも感じたことですが、犯罪の不可解性や捜査にあたる警察官の行動・推理、その家族の立場等、発表から50年を経た現代社会でも十分通用する内容で、骨太の警察小説・犯罪小説を愉しめる一冊でしたね、、、
本作品は2016年(平成28年)に新訳により再販された作品で、旧版では『蒸発した男』というタイトルだったようですね。
1966年(昭和41年)8月、夏の休暇初日を群島で過ごしていた「マルティン・ベック」は上司でスウェーデン警察本庁刑事殺人課警部の「ハンマル」から緊急の呼び出しを受けた… 「ハンマル」のもとに出頭すると外務省に行き外務大臣の側近という人物の話を聴くように指示された、、、
その人物の話によると、ある大手の週刊誌専属のジャーナリストの「アルフ(アッフェ)・シクスティン・マッツソン」が取材先のブダペストで行方不明になっているので探して欲しいという依頼であった… スウェーデン人がハンガリーで行方不明となるという事例はスウェーデンの外交官で1945年(昭和20年)1月にブダペストでソ連によりスパイ容疑で逮捕されたまま行方不明となった(恐らく1947年(昭和22年)7月にモスクワで処刑された)「ラウル・ヴァレンベリ」の件を想起させ、国際問題に発展するような事態にはしたくないという配慮があった。
夏休み中の「ベック」は不承不承この事件を引き受け、まず国内で「マッツソン」の身辺調査を行うが失踪の要因となるようなものは見つからなかった… ブダペストに渡り「マッツソン」が宿泊していたホテルを拠点に捜索を始める「ベック」には彼につきまとう影があった、、、
ストックホルムで「マッツソン」について情報収集をする「レンナート・コルベリ」から「マッツソン」が交際しているハンガリー人女性で元水泳選手の「アリ・ブック」のことを知らされた「ベック」は探して会いに行くが、その女性からは「マッツソン」という人物は知らないと言われてしまう… 「マッツソン」の足取りを追い続ける「ベック」であったが、ある暑い晩散歩に出たときに二人組の男に襲われた。
生命の危険に晒された「ベック」だったが、ハンガリー人少佐「ヴィルモス・スルカ」等に救出され、「ベック」を襲った二人組が逮捕されたことから、「マッツソン」は彼等と麻薬取引を行っており、東欧諸国等で調達した麻薬をスウェーデンで売りさばき、多額の収入を得ていたことが判明、、、
また、スウェーデン国内で「マッツソン」の調査を進めていた「コルベリ」等は、「マッツソン」は酒癖が悪く、泥酔して女性に手を出そうとしたり、女性を侮辱したことがきっかけで何度もトラブルを起こしていたことが判明… そして、「ベック」は、「マッツソン」の目撃証言の服装や残された服装、ブダペストでの他の旅行者のパスポート紛失等から、「マッツソン」はスウェーデン国内から出ておらず、別な人物が「マッツソン」になりすましてブダペストを訪問していたという推理を組み立てる。
あとは、真犯人と目する人物を落すだけ… 「マッツソン」のジャーナリスト仲間の自宅を訪ねた「ベック」は、時間をかけて徐々に犯人を追い込んでいく、、、
今回の事件は2週間程度で解決しましたが… ブダペストでの現地捜査で思うような成果をあげることが出来ず焦燥感が募るものの、スウェーデン国内に残った仲間たちの協力を得つつ、地道で辛抱強い捜査が功を奏する結果となりましたね。
刑事たちを中心とした、登場する人物が、身近にいても違和感のない存在として描かれているので、感情移入しやすいのことが魅力のひとつだと思います… あと本作品の魅力は当時のブダペストの佇まいが、とれもリアルに、情感豊かに描かれていることかな、、、
ブダペストの街中を流れる雄大なドナウ川や、その水辺の建物や人々の生活、モーターではなく蒸気でドナウ川を走る観光船、桟橋や市民プールでくつろぐ人々、市民の憩いの場であり硫黄の匂いのする温泉プール、ギーギーと音を出す古いホテルの古いベッド、レストランでの魚のスープ 等々、東欧の古い都市の魅力が、たっぷりと描かれていて、一度、訪れてみたくなりましたね。
以下、主な登場人物です。
「マルティン・ベック」
スウェーデン警察本庁刑事殺人課犯罪捜査官・警部補
「オーケ・ステンストルム」
同刑事殺人課捜査官
「レンナート・コルベリ」
同刑事殺人課捜査官
「フレドリック・メランダー」
同刑事殺人課捜査官
「ハンマル」
スウェーデン警察本庁刑事殺人課警部
「アルフ(アッフェ)・シクスティン・マッツソン」
ジャーナリスト
「オーケ・グンナルソン」
マトソンのジャーナリスト仲間
「ベングド・エイラート・ユンソン」
マトソンのジャーナリスト仲間
「アリ・ブック」
ブダペストに住む元水泳選手
「テッツ・ラーデベルゲル」
ドイツ人ツアーコンダクター
「テオドール・フルーベ」
ドイツ人ツアーコンダクター
「ヴィルモス・スルカ」
ハンガリー人少佐
Posted by ブクログ
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なんとアイスランドの推理小説作家。同国では姓名が無いとのこと!!!
少し暗いけど、その国の様子がわかり、とても面白かった。
Posted by ブクログ
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残酷な子供時代
それは、殺された男の過去でもあり、
三作目にして次第に明らかにされる、主人公の弟の失踪当時の状況。
クリスマス前のにぎやかなホテルのざわめきと比較して、サンタの姿で地下で殺された男はなんて静かで寂しい。
心配されて誘われるほど嫌いになるクリスマス休暇、突然、主人公エーデンデュルは
...続きを読む事件のホテルに泊まることにする(捜査のためではない)。
「あの時から、私は何かを失ったまま……」
殺された男の子供時代と歯車の狂った人生が次第に明らかになっていくにつれ、エーデンデュルは、弟の失踪から何かが狂ってしまった自分を責めて追い詰めてしまう。
そして、問題を抱えたままのエーデンデュルの娘は、自分なりの方法で父に近づき、捨て得られたわけを探り、自分の子供時代を埋めようとする。
事件そのものとエーデンデュルの物語が交差して、解決後も、あとを引きずる。
お気に入りのこのシリーズ
他のミステリーにあるような組織的な犯罪や派手な事件はなく、こじんまりとしたアイスランドの人々の生活の中で現れる事件そのものを、地道な捜査で解決するスタイル。
前二作もそうだったが、今回も家族、特に父と子の物語。
さらに、なんといってもスパッと明瞭な文章で、どんどん情景が頭に入ってくる。
引き続き「お気に入り」に入れておくことにした。
Posted by ブクログ
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