声

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小説・文芸
1,324円 (税込)

6pt

クリスマスシーズンで賑わうレイキャヴィクのホテルの地下室で、一人の男が殺された。ホテルの元ドアマンだったという地味で孤独な男は、サンタクロースの扮装でめった刺しにされていた。捜査官エーレンデュルは捜査を進めるうちに、被害者の驚愕の過去を知る。一人の男の栄光、悲劇、転落……そして死。自らも癒やすことのできない傷をかかえたエーレンデュルが到達した悲しい真実。全世界でシリーズ累計1000万部突破。翻訳ミステリー大賞・読者賞をダブル受賞。家族の在り方を描き続ける著者の、『湿地』『緑衣の女』に続くシリーズ第3弾。

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    残酷な子供時代

    それは、殺された男の過去でもあり、
    三作目にして次第に明らかにされる、主人公の弟の失踪当時の状況。

    クリスマス前のにぎやかなホテルのざわめきと比較して、サンタの姿で地下で殺された男はなんて静かで寂しい。
    心配されて誘われるほど嫌いになるクリスマス休暇、突然、主人公エーデンデュルは事件のホテルに泊まることにする(捜査のためではない)。

    「あの時から、私は何かを失ったまま……」
    殺された男の子供時代と歯車の狂った人生が次第に明らかになっていくにつれ、エーデンデュルは、弟の失踪から何かが狂ってしまった自分を責めて追い詰めてしまう。
    そして、問題を抱えたままのエーデンデュルの娘は、自分なりの方法で父に近づき、捨て得られたわけを探り、自分の子供時代を埋めようとする。

    事件そのものとエーデンデュルの物語が交差して、解決後も、あとを引きずる。

    お気に入りのこのシリーズ
    他のミステリーにあるような組織的な犯罪や派手な事件はなく、こじんまりとしたアイスランドの人々の生活の中で現れる事件そのものを、地道な捜査で解決するスタイル。
    前二作もそうだったが、今回も家族、特に父と子の物語。

    さらに、なんといってもスパッと明瞭な文章で、どんどん情景が頭に入ってくる。

    引き続き「お気に入り」に入れておくことにした。

    0
    2022年12月05日

    Posted by ブクログ

    今回もとても引き込まれた。派手さはないけれどすごく好き。いつもやるせなさが残るけれど、読み終わった後にいろんなことを考えさせられる。
    徐々に明かされていく過去と人間関係。家族の形。ありのままの自分をそばにいて愛してくれたら。簡単なはずなのに難しい。
    家族の愛と幸福と、だからこその悲しさが漂う物語だった。

    0
    2018年05月26日

    Posted by ブクログ

    これは切ない。人生の光と影というか、順風満帆ではない人生で最後になぜ殺されなくてはならないのか?読んでいくとなんとも言えず悲しみに包まれる。

    0
    2026年09月20日

    Posted by ブクログ

    このシリーズ三作目だけど、ホントどれも悲劇的で毎回しょんぼりしてしまう。
    でもストーリーは面白いし、人の描き方も上手い。
    読めば傷つくと分かっていても読みたくなるんだよね。
    ホテルの地下室で殺された男の知られざる過去も、未だに和解できずにいるエーレンデュル父娘にも、心臓がギュッとなる。
    解決しても悲しくなるんだからどうしようもないな。
    とか言いつつ、続編も読むんだけどさ。

    0
    2026年05月24日

    Posted by ブクログ

    毎回子供の虐待が取り上げられている気がする。ミステリーだけど、それにとどまらない人間ドラマに引き込まれる。
    真夏にクリスマスの本を読んでみたが、涼しくはならなかった。

    0
    2024年09月07日

    Posted by ブクログ

    最初から引き込まれたし、最後少し泣いてしまった。
    真犯人が見つかるまでに、関わる人たちの背景が少しづつ明らかになっていくのだけど、恥ずかしい性癖が知られてしまっただけの人もいて気の毒(笑)だった。

    0
    2022年08月24日

    Posted by ブクログ

    海外ミステリーって面白いかどうかは置いといても、まずは読みやすくないと、と思うのですが、この作家の作品は読みやすくていいです。シリーズ第3作目。ホテルの地下で、少年時代、スター歌手だった男性が殺害される事件が発生。謎が面白いわけでもなく、トリックがすごいわけでもないのでわミステリーとしては可もなく不可もなくというところでしたが、むしろ主人公の刑事をはじめとした周囲の人を巡る家族について問いかける作品でした。全体として落ち着いた作品のためか、なんか寂しくて暗い印象なのが残念なところです。

    0
    2022年07月07日

    Posted by ブクログ

    アイスランドのミステリー。アクションシーンやクサいセリフも何も出てこなくてむしろ暗くて内向的なんだけど、被害者や周辺の人々の過去を掘り下げていくことで事件を究明していく過程がドラマティックで面白かった。二作前の『湿地』は映画にもなっていて、同じ刑事が主人公。

    0
    2021年09月01日

    Posted by ブクログ

    ミステリ。警察小説。シリーズ3作目。1、2作目は未読。
    作品全体の暗く冷たい雰囲気と、アイスランド・レイキャヴィクの雰囲気が良く合う。
    濃密な人間ドラマが特徴的。
    登場人物の心理描写が丁寧。
    偶然見かけた全く知らない作品だったが、かなりの好印象。
    シリーズ追いかける予定。

    0
    2021年01月19日

    Posted by ブクログ

    アーナルデュル・インドリタソンは「このミス」で見つけた。「湿地」「緑衣の女」に続いて三冊目になる。流行の北欧ミステリなのだが、同じ地域だと大雑把に捕らえても、その作風はそれぞれまったく違っていて面白い。
    アーナルデュル・インドリタソンの作品の舞台からは当然北の風土感が伝わってくるが、読みどころは捜査官のエーレンデュルの心理描写や風景描写は、繊細で品がいい。

    エーレンデュルが抱えている個人的な悩みも深い、エピソード風に挿入されている過去に起きた出来事、彼の未だに囚われている苦しみに事件解決よりも惹かれるときがある。

    今回の事件は、クリスマス前の浮き立つ世間をよそに、有名ホテルのドアマンが、地下に与えられている小部屋で殺されていたことが発端になる。イベントに着るサンタの上着をはだけ、ナイフで滅多刺しにされ、下着は足元までずらした異様な姿だった。
    被害者のグロドイグルは28歳から20年間、ドアマンをしながら雑用も引き受け無事に勤めてきた。
    グロドイグルは子供時代は天才的なボーイソプラノ歌手で、地方で認められ始めていた。北欧巡業も決まっていた。が初めての大きな舞台で歌い出そうとしたとき突然変声期を向かえ、その後は消えてしまった。
    その後彼にまるで関心のなくなって家族は断絶した。

    しかし胸に何度も突き刺されたナイフの跡は何を意味するのか。調べを進めるうち、直前に接触した人物が分かる。
    彼はイギリスから、殺されたグロドイグルが子供時代に吹き込んだレコードを買いにきたのだった。
    残ったレコードは収集家が莫大な値段をつける超レアものだった。彼は手付金を受け取っているはず、が部屋にはなかった。
    麻薬も関係がない、ホテルの陰の娼婦斡旋も利用したことがない。不審な人の出入りもない。

    彼の過去は、子供スターとして短期間は世間に知れ、それが原因で学校では苛め抜かれ、常に公演の失敗を笑われ実に惨めに生きてきた。
    スターにするという夢のために父との過酷な日常を耐えた日々、ついに父と争って動けなくした。姉は手の平を返すように冷淡になり、家を出た。

    世間との接触をたって、ホテルの制服の中に逃げ込んでいた。彼がぬいぐるみを着るクリスマスのサンタは子供ちに人気だった。

    エーレンデュルとチームが次第に彼の過去に迫るにつれ、形は違っても、自分が抱えている癒されない過去が思いだされ苦しみながら話が進んでいく。
    一人の男の人生がこうして幕を閉じた後も、周りの人々の暮らしは続く。グロドイグルと関わった人たちの思いと、犯人の思いが、暗い地下の隅から、人々の前に姿を現す。
    しかしグロドイグルには誰にもいえないひそかな悲しい秘密があった。
    アイスランドの首都、レイキャヴィクのクリスマス前の数日が舞台である。


    一一一
    家。
    家とはなんだろう?
    人生がどうしようもない事態になり、崩壊と不幸の淵に沈んでしまう前に、家族と過ごした子ども時代に戻りたいと思うものだろうか?友達であり親友でもあった母親と父親、そして姉に囲まれて過ごした生家、そこで子ども時代に戻りたいという気持ちだろうか?生きていくのが苦しくてこれ以上耐えられないとき、失いたくない思い出、慰めとなった思い出を求めて、人の目につかないように生家に忍び込んでいたに違いない。
    もしかすると彼が忍び込んだのは、宿命と闘うためだったのかもしれない一一一

    0
    2019年12月30日

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