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Posted by ブクログ
「大切なことは最初に言おう、でないと忘れてしまうから」と言ったのは十五世紀のパン屋さんヒマーワリ・メーロンですが、彼の言葉に習って言います
刑事クルト・ヴァランダーシリーズ第三の物語は文庫本で700ページの大長編でしたよ!
うん、この情報は私の感想よりよっぽど重要w
とにかくもうヴァランダーが大好きだ!
あえて言おう、彼こそ男の中の男であると
前にも書いたかもしれないが、本当に男のいいところ(と男たちが思っているところ)と男の恥ずかしい部分が凝縮されたキャラクターと言っていいのではなかろうか
意固地でまっすぐでロマンチストで臆病で怒りっぽくて自分勝手だ
彼は直感によって仕事を進めるタイプの刑事だが、それは天才的なひらめきと言った種類のものではなく、経験や修練から生まれた鋭い観察がもたらす勘どころみたいなんを信じて行動しているにすぎないような気がする
それを他人が見ると直感と感じる
ようするに熟練した職人と言うべきで、こんなところにも自分は男を感じでしまうのだ(女性の職人さんごめんなさい)
そしてなによりヴァランダーはけっこう失敗する
いや、失態と言ったほうが正確だ
部下に助けられたり、家族に迷惑かけたりする
極めつけは酔っぱらって想いを寄せる女性に迷惑な電話をかけてしまい、恥ずかしい思いをしてしまう
情けない場面を曝しまくる男が葛藤を抱えながらも闘う姿勢がかっこいいのだ!
でもやっぱり女性には読んで欲しくない
男の情けない姿はなるべく知られたくないのです
だが女たちは言うだろう
男が情けないのはアダムとイヴの時代から知っていると
やっぱり女はなんでもお見通しだ
Posted by ブクログ
レビューを書いてないままになっているのにひと月以上経って気づいたものの、もう概要を忘れてしまってきちんとした文章を書けなくなってしまいました。無念。かなりのページ数でしたが内容にひっぱられてぐいぐいと読み進められました。題名が印象的ですがこれも読み終わって納得。事件はただ間違った時間に間違った場所に居合わせてしまっただけの一般市民の女性が殺害され遺体が遺棄されたため行方不明になり、残された夫が地元警察署に届け出てヴァランダー刑事が捜査にあたるが手がかりがほとんど無く難航する捜査という軸と、南アフリカ共和国(執筆された当時はまだアパルトヘイト政策が撤廃される前)で白人優位を死守しようという勢力が、要人の暗殺を計画しその要人の生命そのものと政治の流れを抹殺するだけでなく、行われる暗殺の実行犯を単なる駒ではなく人種政策において重要な意味を持つ人物にすることで大きな流れを断ち切ろうと画策するという二つの軸が並行して交互に描かれていき、それらがどう交差してひとつの事件になったかというのを解き明かしていく、圧巻の作品でした。南アフリカ共和国の政情についてなど、巻末に丁寧な解説があり、全て読み応えがありました。ペースはぼちぼちですが全作通して読みたいシリーズです。
Posted by ブクログ
長い、とにかく長い700ページ。
だからと言ってつまらないというわけではなく、二冊同時に読み切った感じ。
南アフリカ共和国がまさに変わろうとしているとき、北欧スウェーデンで不思議な殺人事件が起こった。
読み手は前作同様に、ヴァランダーの執拗な行動の行方と次々に巻き起こる新たな展開、その先にあることへの興味でひっぱりこまれていく。
いっぽうで、
ネルソン・マンデラとデ・クラーク大統領による平和的な変革への道筋が、まさに進められているとき、これまでの社会を維持するために暴力による動乱の陰謀が企てられ、陰謀の気配を知ったものとの探り合いが始まる。
……作者はその様子を、これだけで一つ小説が成立するほど深く描写している。
(だから、これほどのボリュームになったとも思える)
このシリーズに登場する人物は、みな、なにかを抱えながら生きている。
主人公ヴァランダーや同僚、家族は前作同様だが、この物語では、相対する人物にもそれが見られる。
元ソ連KGBのコノヴァレンコ
南アフリカの白人政治結社メンバーで陰謀の実務推進者ヤン・クライン
南アフリカの黒人でありながら白人からの暗殺請負を生業としているマバジャ
スウェーデンに住むロシア人でコノヴァレンコの協力者リコフとタニア
ヤン・クラインの家政婦ミランダとその子供
などなど……。
彼らがここにいたるまでの道のりも、読者へ訴えるものがうっすらと透けて見える。
20世紀のアフリカ大陸の矛盾……。
白い雌ライオンが見つめる先は、なにか。
Posted by ブクログ
スウェーデンのミステリ。
警部クルト・ヴァランダーが主人公のシリーズ3作目。
ここから分厚くなってます。
イースタはスウェーデン南端の田舎町だが、交通の要衝にあるため、国際的な事件も起きうる。
思いも寄らぬ南アフリカの陰謀に巻き込まれる。
南アフリカでの人種問題をさかのぼるプロローグから、重厚に書き込まれています。
国際的なベストセラーになった理由がわかる気がしました。
ヴァランダー個人は妻に出て行かれたのはもう諦めたが、次の一歩は踏み出せず、落ち着かない精神状態。
ストックホルムに住む娘のリンダが心配でいつも会いたがっているのだが、なかなか上手くいかない。
捜査のためにストックホルムに出向くと、リンダがすっかり大人の女性になっていることに気づかされる。
画家の父親はすこし呆けかけているような兆候もあるのだが、家政婦と結婚すると言い出して、ヴァランダーを焦らせる。
ごく普通の主婦が3日、行方不明に。
おそらくもう死んでいるだろうと感じながらも口には出せず、捜査に取り組む署員。
捜査していくと主婦にも意外な側面があったりはするのだが。
ヴァランダーは事件にのめり込むことで突破口を見つけるタイプ。
容疑者の一人と深く関わることになる。
南アフリカ共和国での出来事も緊迫していて、迫力。
ひどい人種差別が長く続いた後、変化が訪れようとしているが、それに対する抵抗も大きい。
権力を握るボーア人(オランダ系入植者)の生活ぶりがリアルなので、ネルソン・マンデラ暗殺を狙う動きも説得力があります。
1993年発表当時、マンデラが27年間の投獄から釈放されたという時期から隔たっていないリアルタイムだったことも、力のこもっている原因かも。
ソ連の崩壊も、世界を動かしていたのですね。
南アフリカからは遙かに遠いスウェーデンがなぜ関わるか、ということにも理由はちゃんとあるのです。
暗殺のために雇われた殺し屋マバシャは、アフリカのズールー族の出。
異国をさまよう男の心象風景に深みがあります。
ヴァランダーの家族まで巻き込んだ対決と銃撃戦へ。
作者は何年もアフリカに住んで仕事をしていた経験があり、帰国後にスウェーデンの人種差別が悪化していると感じたとか。
それも実感を伴った描写に繋がっていると思います。
2004年9月翻訳発行。
Posted by ブクログ
長〜〜〜い!
とても長かった、ヴァランダーシリーズ第三弾。
田舎町で失踪した女性の事件から話はどんどんスケールを増し、ちょっと置いてけぼりをくった感。
中盤でだいたいの疑問が解けてしまうと
あとはもう忍耐の読書!という感じだった。
そんな中、特筆すべき点は
同僚であるスヴェードベリ刑事。
これまでの2作では登場しつつもあまり細かな描写はなく、ちょっとやる気なさげなけだるげな人、というイメージしかなかった。
今回はそんな彼の新たな一面が見られ、
ちょっと株が上がった。
ヴァランダーが信頼を置いていたリードベリなき今、
チームのメンバーの支えは大事。
ヴァランダーは相変わらず今の仕事に疑問を持ちながら続けている状態で、
時々その判断に、え?そう行く?大丈夫それ?と思うような行動を取る。
そこから招いた出来事がさらに彼のメンタルを崩壊させ…。この先がちょっと心配。
さて次作はどんな展開に?
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