湿地

湿地

小説・文芸
1,018円 (税込)

5pt

雨交じりの風が吹く10月のレイキャヴィク。湿地にある建物の地階で、老人の死体が発見された。侵入の形跡はなく、被害者に招き入れられた何者かが突発的に殺害し、逃走したものと思われた。金品が盗まれた形跡はない。ずさんで不器用、典型的アイスランドの殺人か? だが、現場に残された3つの単語からなるメッセージが事件の様相を変えた。しだいに明らかになる被害者の隠された過去。そして臓腑をえぐる真相。ガラスの鍵賞2年連続受賞の前人未踏の快挙を成し遂げ、CWAゴールドダガーを受賞した、北欧ミステリの巨人の話題作。

詳しい情報を見る

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

湿地 のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    石垣に囲まれた小さな庭の中に建つ、二階建ての建物の半地下に作られたアパートで一人暮らしをしていた老人が頭から血を流し死んでいた
    側にはべったりと血糊を付けたガラスの灰皿
    汚くて無意味で、足跡や証拠を隠さないこの犯行は典型的で不器用なアイスランドの殺人だと思われた
    唯一不可解なのは、死体の横に添えられた3つの単語からなるメッセージ だが意味は分からない
    読者が最初にわかるのは
    それだけ太字で書かれた「あいつ」の単語のみ
    どちらにせよ、現場で全てを見たエーレンデュルとシグルデュル=オーリですら理解しかねているのだから今は大して重大ではないのだろう
    ......い ま は ね
    ーーーーーーーーー

    【後書き引用 (省略有)】
    物語の舞台、レイキャヴィクの街は
    端から端まで2時間も歩けば終わってしまう
    雨が多く、強風の寒冷地の気候に耐えるべくコンクリートの建物の外壁と屋根に波状のトタン板を貼っている
    赤や緑、黄色にピンクと多彩な建物の色が、陰鬱な空の下に映える
    こんなおとぎの国のような色合いのこじんまりした街並みに、凄惨な殺人事件など起こるのだろうか(中略)
    アイスランド人の話はお天気に始まり、お天気に終わると言われている
    一日中天気が変わる。朝に晴れていても傘とレインコートは手放せない。しかしこの国の人は誰も傘をささない
    傘をさす習慣がないのか、しょっちゅう変わる天気に備えるのが面倒なのか、それとも晴れてほしいとの願望を日々抱いているのか、太陽への憧れはとても強い
    一年にわずかしかない一日中快晴の日には、商店や会社は本日は《快晴につき休業》と張り出して、太陽に顔を向けて外に座っているという
    ーーーーーーーーー

    この舞台となるレイキャビクの背景、事前に知っておきたかったなぁ
    言ってしまえば平穏な田舎町で起きた大事件となる のだが
    前述した通り 雑な現場は雑な物盗りが起こした雑な事件にしか見えない
    だがご安心を
    開始早々お亡くなりのご老人 ホルベルクの素性を追っていく内にアハ体験かの如くいつの間にか大の文字が浮かんでいるはずだ
    並行して、主人公エーデンデュルとその娘エヴァ=リンドの父娘物語も気になる所
    父が娘の名が好きくない理由も...キャラを理解してからだと変に頷けちゃいましたね
    ったく不器用さんめ ツンツン

    そして今更だが
    グロは無いけど皆大好き胸糞は赤保留くらいの期待値で申し分無いかと思われる
    女性陣、心してかかろう
    ーーーーーーーーーーーーー

    全篇45章、約350ページ
    著者のアーナルデュルはアイスランドの伝承文学のサーガ(牛のなめし革に簡潔に書かれたもの 高価なので、小さなメモに最小限に書かなければならならず その結果、短い簡潔な表現となった)に基づき
    コンパクト且つ展開の早さを意識して書いているとの事
    その言葉通り、睡眠を犠牲にせずともサクサク読み進める事が出来た

    ラストは連載打ち切りされたジャンブ漫画を思わせるが、ずっと面白かったから◎ω◎
    なんなら
    残りのページ数で今の展開ならもう畳み掛けるしか無いよな って嫌でも察せるので
    心の準備は脳が勝手に指令出してくれてます



    因果応報
    北海道と四国を合わせた程度の面積しか持たぬアイスランド
    その中の首都レイキャビクは人口14万人(東京都狛江市と同等)という狭い空間で面積は千葉県千葉市程
    この環境による特有のシステムと歴史が無ければ

    ノルデュルミリ(北の湿地)のグレーサーガ(灰色の物語)は産まれなかっただろう

    0
    2026年10月01日

    Posted by ブクログ

    北欧ミステリ、面白い!
    本当に久しぶりに、シリーズを追いたくなる傑作に出会えました。

    先が気になって2日ほどで一気読みだったのですが、早く結末が知りたいような、まだこの豊かな読書をじっくり味わっていたいような、複雑な気持ちでしたね〜。

    ブックガイドなどで「北欧ミステリ」の存在は認識していたものの、どうにも暗く重たいイメージがあってなかなか手が出なかったんです。
    しかし、そんな私がドハマりしたのが『The Elder Scrolls V: Skyrim』(スカイリム)というゲーム。
    おそらく北欧がモチーフであろうこのゲームの世界観に馴染んだことで、ようやく手を伸ばす気になったのでした。

    結果、大当たり!!
    個人的に、現代ミステリはどうにも暴力的でセンシティブで受け入れがたい作品が多かったのですが、本書は私の好みにどんぴしゃ。
    というのも、解説にあった著者インタビューによると、アイスランドには昔の伝承文学のサーガがあり、子牛のなめし革に最小限で書く必要があったため短い簡潔な表現になったとのこと。どうりで読みやすいはずです。
    およそ翻訳小説らしくない抑制の効いた文章はすらすらと読みやすく、作中で扱われる事件はなんとも胸が苦しくなる事実ばかりなのに、不思議と気持ちが重たくならない。
    それでいて、読んだ後も鮮烈な読書体験として残り続ける……なんとも稀有な一冊です。

    主役であるエーレンデュル捜査官もなんとも硬派。
    ”アイスランド的”警官であり、若手に手を焼きながらも己の信じる正義を決して曲げない、とても頼りになる存在です。
    作中ずっと具合が悪そうで(事件解決が最優先で自分のことは二の次なため)、シリーズのどこかでリタイアしてしまうのではと不安でしたが、とりあえず重篤な病気ではなさそうで一安心。
    娘であるエヴァとの関係性も始終ひりつくものでしたが、作中で数少ない希望のある終わり方でよかったです。エヴァもまた登場してくれるかしら?

    続編も順次翻訳中とのことで、ぜひ次巻以降も読んでみたい。
    そしてこれを機に、物怖じしていた「北欧ミステリ」の名著にも、取り組んでいきたいなと思います!

    0
    2026年02月02日

    購入済み

    雨・闇・胸苦しさ

    最果ての地、アイスランド🇮🇸から届いたミステリー。現場にしがみつき、昇進を拒む男エーレンデュレ捜査官を主人公に据えたシリーズ第4作目(らしい)。それが謎解きのキーになるのか!?ちょっと持ち込むにはムリっぽくないのか? 等とも感じましたが、アイスランドという特殊な背景においては成り立つという。しかし、そのキーが成立するには、昔かたぎというのか、あまり語ること・説明することを得意としない、と同時に嗅覚・感性を疎かにしない、執拗な(疑問を放置しない)姿勢を持つ主人公がそこにいたからという奇跡になるのかなーーー。主人公の子どもたちがどうしようもない状況に置かれていたり、登場人物の痛ましい過去に紙幅を割いて描写したりと、この当たりが現代的に感じます。謎解きについては、ちょいと都合よくないか?と思う点一ヶ所?結局なんでメッセージを残したわけよ?とかありますが、おおむね「良」だと思います。アイスランドの秋から冬に移り変わる季節、記録的な長雨に見舞われる年、視覚的には映画「セブン」に近いのかもしれません。(^-^)/

    0
    2019年07月19日

    Posted by ブクログ

    3.8

    ネットでの評価が良かったので気になっていたものの、実はそれほど期待していなかった。いきなりシリーズ3作目のこれから読んでしまったくらい。

    被害者には、殺されても仕方がないと思わせるような過去があり、事件を辿っていくうちに、ある家族の悲しい事実へと行き着いていく。さらに主人公自身も家族の問題を抱えていて、事件だけでなく、それぞれの家族の物語としても興味深かった。

    タイトルを『湿地』にするほど重要かなと思っていたのだけれど、過去に沈んでいるものを掘り起こしていく物語そのものが、まるで湿地のようだと知って、軽く感動してしまった。

    0
    2026年10月04日

    Posted by ブクログ

    北欧ミステリー
    悲しい小説

    血の物語
    細い糸を手繰り寄せるような聞き込みと捜査
    エーレンデュルの抱える重荷

    真実を知ることの残酷さ
    そこから生まれる業火のような怒り

    アイスランドの風土がそのやりきれない物語に重たい影を落とす

    0
    2026年09月29日

    Posted by ブクログ

    翻訳小説だがすごく読みやすかった。
    淡々とストーリーが進むけど、芋蔓式に新しい人物や真実がどんどん出てきて飽きなかった。
    全体的に湿っぽくて曇ってる感じの世界観が好き。
    訳者のあとがきとあわせて読むと、アイスランドのお国事情も知ることができる。
    あとがきにて作者が、”ある国のことを知りたいならその国のミステリ小説を読めばいい”と言っていて、なるほどなーって思った。
    シリーズが何作かあるので他のも読みたくなった。

    0
    2026年08月18日

    Posted by ブクログ

    馴染みのないアイスランドが舞台の警察小説。
    ミステリーとしては犯人探しの側面も興味を引くが、それよりも動機の解明に心血が注がれており、その過程でなんとも言いようのない悲劇が事件の裏に隠されているのが判明する。

    解説に「どこかの国のことを知りたければミステリを読めばいい。一番的確な案内書だ」とあるが、まさにその通りで、アイスランドの風土やアイスランド人の気質が、レイキャビクの晩秋のどんよりとした気候や、主人公エーレンデュルの心情と相まってよく描かれている。
    またエーレンデュルの捜査は地道で職人気質な所もあり、多くの日本人にもそのキャラはある意味親近感を持たれるのではないだろうか。

    事件そのものは陰惨で暗く救いようがない。しかし物語の終わらせ方には痺れた。

    0
    2026年06月10日

    Posted by ブクログ

    ■自分の中での傑作
    とにかく、全てが淡々と進んでいく描写が非常に自分好み。
    登場人物が自分の人生や揺れ動く気持ち等を長々と地文で語ったりせず、会話も常に淡々としていて無駄がなく、余計な風景描写や場面移動にページを割かない。この文章のあり方がとにかく気に入った。
    訳者あとがきによれば、インタビューの中で著者本人が「形容詞をいくつも並べたりせず、簡潔で的確な表現を心がけている」と話したことが書かれているが、まさにこのあり方が自分の好みに突き刺さった。

    ■警察ミステリ
    本格推理小説ほどではないが、ミステリ色が強い警察小説。
    とはいえいわゆるフーダニット的なものはなく、手がかりに沿って捜査を進めていくうちに自然と犯人や動機が浮かび上がってくるので、「こういうことじゃないか」と自分で考えた結末がそのままピシャリと当たる。
    考える楽しみがある一方、楽しむメインのポイントは「謎解き」ではないため、その点やはり警察小説だな、と感じる。

    ■雰囲気は暗め
    「レイプ」「臓器」「悪臭」など、胸くそ悪くなるような描写が多いが、受け入れられないほどではない。
    文体自体が淡々としていることもあり、暗め、という印象を受ける作品。
    コージーミステリのような明るい作風が好きな人や、登場人物の心理描写やキャラクターを重視する作風が好きな人には、ちょっと合わない作品かもな、と思った。

    0
    2026年05月29日

    Posted by ブクログ

    何年か前に映画化されたのを観ましたが雰囲気しか覚えておらず読んでみました。ミステリー小説って面白い!と思わせてくれた作品です。

    物語はレイキャビク(アイスランドの都市)の湿地で殺人事件が発生するところから始まります。これを皮切りにこの地域に眠る陰惨な出来事が浮かび上がり…といった流れです。
    作中の天気も内容もずーっとジメッとしてるし内容はかなり重たいのですが、文節が細かく区切ってあり文体も簡潔でスラスラ読めました。
    個人的に主人公の偏屈&昔堅気だけど人情味があるところが好きです。作中の境遇を考えると時々可哀想に思いますが…笑

    シリーズものの3作目らしいので、翻訳済の他の作品も読んでみようと思います。いつか全シリーズ分翻訳されるといいな。

    0
    2026年02月28日

    Posted by ブクログ

    無駄な描写が無く最初から最後まで集中して一気読みできる警察クライムノベル。訪れたことがないアイスランドの様々な描写や麻薬などの社会的問題も垣間見えて、興味深く楽しめました。主人公の刑事が同い年だったことでも没入できました。

    0
    2025年10月14日

湿地 の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

湿地 のシリーズ、関連作品

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

創元推理文庫 の最新刊

無料で読める 小説

小説 ランキング

作者のこれもおすすめ

湿地 に関連する特集・キャンペーン

同じジャンルの本を探す