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雨交じりの風が吹く10月のレイキャヴィク。湿地にある建物の地階で、老人の死体が発見された。侵入の形跡はなく、被害者に招き入れられた何者かが突発的に殺害し、逃走したものと思われた。金品が盗まれた形跡はない。ずさんで不器用、典型的アイスランドの殺人か? だが、現場に残された3つの単語からなるメッセージが事件の様相を変えた。しだいに明らかになる被害者の隠された過去。そして臓腑をえぐる真相。ガラスの鍵賞2年連続受賞の前人未踏の快挙を成し遂げ、CWAゴールドダガーを受賞した、北欧ミステリの巨人の話題作。
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Posted by ブクログ
北欧ミステリ、面白い! 本当に久しぶりに、シリーズを追いたくなる傑作に出会えました。 先が気になって2日ほどで一気読みだったのですが、早く結末が知りたいような、まだこの豊かな読書をじっくり味わっていたいような、複雑な気持ちでしたね〜。 ブックガイドなどで「北欧ミステリ」の存在は認識していたものの...続きを読む、どうにも暗く重たいイメージがあってなかなか手が出なかったんです。 しかし、そんな私がドハマりしたのが『The Elder Scrolls V: Skyrim』(スカイリム)というゲーム。 おそらく北欧がモチーフであろうこのゲームの世界観に馴染んだことで、ようやく手を伸ばす気になったのでした。 結果、大当たり!! 個人的に、現代ミステリはどうにも暴力的でセンシティブで受け入れがたい作品が多かったのですが、本書は私の好みにどんぴしゃ。 というのも、解説にあった著者インタビューによると、アイスランドには昔の伝承文学のサーガがあり、子牛のなめし革に最小限で書く必要があったため短い簡潔な表現になったとのこと。どうりで読みやすいはずです。 およそ翻訳小説らしくない抑制の効いた文章はすらすらと読みやすく、作中で扱われる事件はなんとも胸が苦しくなる事実ばかりなのに、不思議と気持ちが重たくならない。 それでいて、読んだ後も鮮烈な読書体験として残り続ける……なんとも稀有な一冊です。 主役であるエーレンデュル捜査官もなんとも硬派。 ”アイスランド的”警官であり、若手に手を焼きながらも己の信じる正義を決して曲げない、とても頼りになる存在です。 作中ずっと具合が悪そうで(事件解決が最優先で自分のことは二の次なため)、シリーズのどこかでリタイアしてしまうのではと不安でしたが、とりあえず重篤な病気ではなさそうで一安心。 娘であるエヴァとの関係性も始終ひりつくものでしたが、作中で数少ない希望のある終わり方でよかったです。エヴァもまた登場してくれるかしら? 続編も順次翻訳中とのことで、ぜひ次巻以降も読んでみたい。 そしてこれを機に、物怖じしていた「北欧ミステリ」の名著にも、取り組んでいきたいなと思います!
ミステリ。警察小説。 『声』『湖の男』『厳寒の町』は既読。 この物語を面白いと言っていいのかは分からないが、とにかく素晴らしい。 犯人に迫る過程の意外性、深い真相、丁寧な心理描写など、優れた点ばかり。 特に、この事件の真相は、あまりに悲しい。 文句なしの傑作。 シリーズ1作目だと思っていたが、実際...続きを読むはこれが3作目。1・2作目は翻訳されていないらしい。 というか、『厳寒の町』の発売から約2年間、日本で著者の新作が発売されていないのか…。
雨・闇・胸苦しさ
最果ての地、アイスランド🇮🇸から届いたミステリー。現場にしがみつき、昇進を拒む男エーレンデュレ捜査官を主人公に据えたシリーズ第4作目(らしい)。それが謎解きのキーになるのか!?ちょっと持ち込むにはムリっぽくないのか? 等とも感じましたが、アイスランドという特殊な背景においては成り立つという。しかし、...続きを読むそのキーが成立するには、昔かたぎというのか、あまり語ること・説明することを得意としない、と同時に嗅覚・感性を疎かにしない、執拗な(疑問を放置しない)姿勢を持つ主人公がそこにいたからという奇跡になるのかなーーー。主人公の子どもたちがどうしようもない状況に置かれていたり、登場人物の痛ましい過去に紙幅を割いて描写したりと、この当たりが現代的に感じます。謎解きについては、ちょいと都合よくないか?と思う点一ヶ所?結局なんでメッセージを残したわけよ?とかありますが、おおむね「良」だと思います。アイスランドの秋から冬に移り変わる季節、記録的な長雨に見舞われる年、視覚的には映画「セブン」に近いのかもしれません。(^-^)/
翻訳小説だがすごく読みやすかった。 淡々とストーリーが進むけど、芋蔓式に新しい人物や真実がどんどん出てきて飽きなかった。 全体的に湿っぽくて曇ってる感じの世界観が好き。 訳者のあとがきとあわせて読むと、アイスランドのお国事情も知ることができる。 あとがきにて作者が、”ある国のことを知りたいならその国...続きを読むのミステリ小説を読めばいい”と言っていて、なるほどなーって思った。 シリーズが何作かあるので他のも読みたくなった。
馴染みのないアイスランドが舞台の警察小説。 ミステリーとしては犯人探しの側面も興味を引くが、それよりも動機の解明に心血が注がれており、その過程でなんとも言いようのない悲劇が事件の裏に隠されているのが判明する。 解説に「どこかの国のことを知りたければミステリを読めばいい。一番的確な案内書だ」とあるが...続きを読む、まさにその通りで、アイスランドの風土やアイスランド人の気質が、レイキャビクの晩秋のどんよりとした気候や、主人公エーレンデュルの心情と相まってよく描かれている。 またエーレンデュルの捜査は地道で職人気質な所もあり、多くの日本人にもそのキャラはある意味親近感を持たれるのではないだろうか。 事件そのものは陰惨で暗く救いようがない。しかし物語の終わらせ方には痺れた。
■自分の中での傑作 とにかく、全てが淡々と進んでいく描写が非常に自分好み。 登場人物が自分の人生や揺れ動く気持ち等を長々と地文で語ったりせず、会話も常に淡々としていて無駄がなく、余計な風景描写や場面移動にページを割かない。この文章のあり方がとにかく気に入った。 訳者あとがきによれば、インタビューの中...続きを読むで著者本人が「形容詞をいくつも並べたりせず、簡潔で的確な表現を心がけている」と話したことが書かれているが、まさにこのあり方が自分の好みに突き刺さった。 ■警察ミステリ 本格推理小説ほどではないが、ミステリ色が強い警察小説。 とはいえいわゆるフーダニット的なものはなく、手がかりに沿って捜査を進めていくうちに自然と犯人や動機が浮かび上がってくるので、「こういうことじゃないか」と自分で考えた結末がそのままピシャリと当たる。 考える楽しみがある一方、楽しむメインのポイントは「謎解き」ではないため、その点やはり警察小説だな、と感じる。 ■雰囲気は暗め 「レイプ」「臓器」「悪臭」など、胸くそ悪くなるような描写が多いが、受け入れられないほどではない。 文体自体が淡々としていることもあり、暗め、という印象を受ける作品。 コージーミステリのような明るい作風が好きな人や、登場人物の心理描写やキャラクターを重視する作風が好きな人には、ちょっと合わない作品かもな、と思った。
何年か前に映画化されたのを観ましたが雰囲気しか覚えておらず読んでみました。ミステリー小説って面白い!と思わせてくれた作品です。 物語はレイキャビク(アイスランドの都市)の湿地で殺人事件が発生するところから始まります。これを皮切りにこの地域に眠る陰惨な出来事が浮かび上がり…といった流れです。 作中の...続きを読む天気も内容もずーっとジメッとしてるし内容はかなり重たいのですが、文節が細かく区切ってあり文体も簡潔でスラスラ読めました。 個人的に主人公の偏屈&昔堅気だけど人情味があるところが好きです。作中の境遇を考えると時々可哀想に思いますが…笑 シリーズものの3作目らしいので、翻訳済の他の作品も読んでみようと思います。いつか全シリーズ分翻訳されるといいな。
無駄な描写が無く最初から最後まで集中して一気読みできる警察クライムノベル。訪れたことがないアイスランドの様々な描写や麻薬などの社会的問題も垣間見えて、興味深く楽しめました。主人公の刑事が同い年だったことでも没入できました。
アパートの半地下の一室で老人男性が撲殺されているのが発見されたが、それは単純な強盗殺人ではなく、大昔の強姦事件を発端とする哀しい事件だった、というアイスランドの警察小説。 アイスランドは人口が少ない単一民族の国で、全国民の家系情報・遺伝情報がデータベースに登録されていて辿っていくことができるようにな...続きを読むっている…というのが肝になっている。 ストーリーは陰鬱だが、文量は多くなくて非常に読みやすい。
アイスランド発、ミステリー。 かなり陰鬱な物語。 湿地というタイトルからイメージする じめっとした空気や匂いの表現が気分を重くする。 ヴァランダーのシリーズと少し似たところがあるかも。 頑固そうで自分の道を突き進むおっちゃん刑事。 ちょっと(かなり)やんちゃな娘もいたりするところが。 事件の核心...続きを読むに近づくほどに 家族のつながりを強く意識させられた。 あとがきに書かれていたことにも納得。 訳者は作者に会うためアイスランドへ。 人口30万人ほどのこの小さな国で起こる犯罪の 理由とは? それを社会の現状や家族の関係をからめつつ描いていく手法がおもしろかった。 次作も読みたい。
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