無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
「家族」とは何か……。
子どもの拾った小さな骨から、次第に表われていく数十年前の白骨死体(徐々に、であることがとても効果的)。
主人公エーデンデュルの捜査とその娘の出来事と並行して、ある家族の過酷な過去の出来事が語られていく。
登場する刑事たちは淡々と調べ、コツコツと人から話を聞き、少しずつ進む道を探る。
そこには、組織犯罪も国家間の軋轢も紛争もなく、派手なカーチェイスや銃撃戦、名探偵の謎解きもないが、確かに「ドラマ」がある。
「ドメスティック・ヴァイオレンス(DV)」という名称のつく前からあった「家庭内暴力」。
「家族」という閉鎖環境の中、DVを見たり受けたりする日常の中で育つ子供たち。
読み進めることすらつらくなるような描写に、訳者は日本語にすることを一度はためらったものの、作者の「表現者としての義務」という強い意志を受け入れることで、そのまま翻訳したとのこと(訳者あとがき)。
現実の事件で「力と言葉の暴力による支配」を、細かく文章化し公表をするのは、ためらいが生まれる。きっと「DV」という名を得るに至った陰に、この作者のような「強い意志」があったことだろう。
アイスランドの厳しい自然の中、寒い冬の海や吹雪の中に消えたといわれる人々。
主人公エーデンデュルにも消すことのできない自責の念と悲しみがあった。
これらのことは、自然の一部のように「すべてがあきらかになることはない」と……。
「家族」という問いかけと「神隠し」の正体も漠然とする横溝正史的な物語に、日本人の心に残る何かがある気がする。
Posted by ブクログ
インドリダソンもう1つの傑作、これも面白い!もはや推理小説の域ではない。現代の日本の小説は私小説のような書き方をする。登場人物が何を考えてるのか、心の内を書き尽くす。これがまだるっこしい。海外の小説の描写は簡潔だ。心の内なんて書かない。映画を観てるようだ。芥川龍之介のような文章の簡潔さが好きだ。さて、この話。赤ん坊がしゃぶっていたものは人間の骨だった。人骨は古いもので、発見現場近くにはかつてサマーハウスがあったらしい。誰の骨なのか。証言者が語る緑衣のいびつな女とは誰か。エーレンデュル捜査官は捜査を始める。麻薬中毒で身重の彼の娘は血だらけで意識不明の重体で病院に運ばれた。幸せにしてやれない自分の子供との悲惨な関係と彼は対峙する。そしてこの地で封印されていた哀しい事件が明らかになる。一方で妻や子供に肉体的精神的に残虐な暴力をふるう男の家族の物語が進む。親に虐げられた子が大人になって同じように自分の子を虐げる例がある。そして不幸から抜け出せない人たち。エーレンデュルのシリーズは家族の崩壊と再生の物語だ。そしてラストは切なく優しい。今回も希望の中で話は終わるがエーレンデュルと家族の問題が解決するわけではない。これもまた繰り返すのだが少しずつでも光の方へ進んでいると読者が信じたくなる余韻を残す。そこがいい(≧∀≦)
Posted by ブクログ
床に座った子どもがしゃぶっているものを見て、若者はすぐにそれが人間の骨だとわかったー
冒頭から一気読み確定パターン…(笑)
住宅建設地から見つかった人骨の一部
既に60年以上も経過した古いものだった
骨の主は誰なのか?なぜそこに埋められているのか?真相を追う捜査官たちの物語…
このシリーズの主人公でもある犯罪捜査官エーレンデュルの過去と家族の物語…
第二次世界大戦の頃のある家族の哀しい物語…
これらが絶妙なバランスで絡み合みながら、物語は進む!
ミステリーとはいえ、特にトリックがある訳ではない
それぞれの登場人物に深く深く心を寄せながらどっぷりと物語に浸っていくのだ…
もちろん、最後には全ての謎がとける
ずっしりと深い余韻を残して…
この作品を読むまで、恥ずかしながらアイスランドという国について無知だった
北海道より少し大きな島に人口は約36万人
1940年6月にデンマークがナチスドイツに占領されるとイギリス軍が上陸
一年ほどすると入れ替わるようにアメリカが進駐してくる…
そんなアイスランドの歴史がこの作品に深く関わる
ひとつの小さな家族の幸せが社会の幸せ、それが国の幸せ、そしてそれが世界の幸せ…
そう願いたい!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。