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山怪 山人が語る不思議な話
著者の田中康弘氏が、交流のある秋田・阿仁のマタギたちや、各地の猟師、山で働き暮らす人びとから、実話として聞いた山の奇妙で怖ろしい体験談を多数収録。 話者が自分で経験したこととして語る物語は、リアリティがあり、かつとらえどころのない山の裏側の世界を垣間見させてくれる。 山の怪談。 現代版遠野物語。 目次 序文 I 阿仁マタギの山 狐火があふれる地/なぜか全裸で/楽しい夜店/生臭いものが好き/狐の復讐/見える人と見えない人/狸は音だけで満足する/消えた青い池/人魂、狐火、勝新太郎/親友の気配/辿り着かない道/蛇と山の不思議な関係/汚れた御札/マタギの臨死体験/叫ぶ者/白銀の怪物 II 異界への扉 狐と神隠し/不死身の白鹿/来たのは誰だ/もう一人いる/ 道の向こうに/響き渡る絶叫/僕はここにいる/謎の山盛りご飯/山塊に蠢くもの/鶴岡市朝日地区/出羽三山/鷹匠の体験/奈良県山中・吉野町/ツチノコは跳び跳ねる/足の無い人/只見町/山から出られない/行者の忠告 III タマシイとの邂逅 帰らない人/死者の微笑み/迎えに来る者/ナビの策略/椎葉村にて/テントの周りには/宮城県七が宿町/なぜか左右が逆になる/不気味な訪問者/奈良県天川村/帰ってくる人/固まる爺婆/お寺とタマシイ/飛ぶ女/帰ってくる大蛇/呼ぶ人、来る人/狐憑き/真夜中の石臼/狐火になった男 -
第四の扉
幽霊屋敷で行われた交霊実験。だがその最中に密室殺人が発生し……。名探偵があまりにも意外な真相を暴く、本格ミステリの名作! -
バー極楽
6年間の放蕩の果てに実家の寺に出戻った照月は、あらゆる欲を捨て「絶食系男子」に生まれ変わることを決意する。しかし修行を終えた彼を出迎えたのは、父ではなく欲望まみれの謎の美人姉妹だった! 派手でセクシーな “女豹”ことフミヨと、清楚だけど肉感的な“菩薩”のテイ子。自称姉妹の2人が境内に開いたバーには、連日煩悩まみれの檀信徒や町の人々がトラブルを持ち込んでくる。寺での生活を守るため、照月は嫌々トラブル処理に奔走するが……!? 欲と食の極楽へようこそ! 無欲の絶食系僧侶×欲深き美人姉妹、異色のトリオがあなたのお悩みを解決します。 痛快・爽快・うっかり泣ける!? 新食感のお仕事小説!!!! -
吉原百菓ひとくちの夢
『生きるための食事でなく、ひと時の幸福のための菓子を作る』 江戸の吉原一、料理が美味いと評判の中見世・美角屋。そこで働く“菓子専門の料理番”太佑は、日々訪れる客や遊女達のために菓子を作っていた。しかしある日、幼馴染で見世一番の花魁・朝露が全く太佑の菓子を食べていないことを知り……。 切ない想いを秘め、懸命に生きる人々にひとくちの“夢”を届ける――とある料理番の、心温まる人情物語。 -
きのうの影踏み(角川文庫)
あるホラー作家のもとに送られてきた手紙には、存在しない架空の歌手とラジオ番組のことが延々と綴られていたという。編集者たちの集まりによると、チェーンメールのように、何人かの作家にも届いているという。かくいう私にもその手紙は届いていた。その手紙のことを調べるうちに、文面の後ろのほう、文字が乱れて読み取れなくなっていた部分が、徐々に鮮明になってきている……。ある日、友人作家が手紙のことで相談があると言ってきた。なんと、その手紙、サイン会で手渡しされたという。誰がその人物だったかはわからない。けれど、確実に近づいてきているーー。(「手紙の主」)。その交差点はよく交通事故が起こる。かつてそこで亡くなった娘の霊が、巻き添えにしていると、事故死した娘の母親は言っているという。その娘が好きだったという「M」の字の入ったカップがいつもお供えされていた。ある雨の日、そのおばさんがふらふらと横断歩道にさしかかり……。死が母娘を分かつとも、つながろうとする見えない深い縁を繊細な筆致で描く「七つのカップ」。闇の世界の扉を一度開けてしまったらもう、戻れない。辻村深月が描く、あなたの隣にもそっとそこにある、後戻りできない恐くて、優しい世界。 【解説:朝霧カフカ】 -
ある葬儀屋の告白
アメリカで話題独占!「葬儀屋」ブログを書籍化した 異色のベストセラー、ついに日本上陸! 今を生きるすべての人に贈る再生の物語。 「死は生の正常な一部である」 「死を健全に理解すれば、そこには美が見出される」 ・生後すぐの赤ん坊 ・がんと闘病していた少女 ・大好きだった祖父 ・薬物中毒の男 ・アルコール依存症の男 ・ダウン症の中年女性 ・排除されていたレズビアン ・余命二日で自ら電話をかけてきた男 ...ありとあらゆる形の死に接した、葬儀屋の六代目。 苦しみながらも、大切な人を失った人々に寄り添い続けていくうちに、 彼は死に希望と美しさを見出す。 死は、弱さを受け入れる強さをくれる。 米タイム誌が「必読の書!」と太鼓判。 原書である 『Confessions of a Funeral Director:How the Business of Death Saved My Life』 はAmazon.comで4.6/5.0の高評価(6月6日時点で189人がレビュー)を得ている。 翻訳は『死ぬ瞬間』(エリザベス キューブラー・ロス)を訳した法政大学教授の鈴木晶氏。 タイム(ネット版) 「ある葬儀屋の告白」というブログは示唆に富み、幅広いテーマを扱い、時には不遜だ。筆者は死を扱うビジネスの深層に踏み込んでいる。読者は、死についてだけでなく、人生について学ぶことができる。 ワシントン・ポスト 著者は有名ブロガーとして知られる。彼は葬儀屋という地味で堅い職業を定義し直し、人生における究極の関心事についての会話を誘う。 -
一行怪談
穂村弘氏、推薦! たった一行なのに、怖い。想像力が喚起され、不思議な怖さが込み上げてくる怪談を二百近く収録。じわじわと想像力を刺激される、まったく新しい怪談集。 【一行怪談凡例】●題名は入らない。 ●文章に句点は一つ。 ●詩ではなく物語である。 ●物語の中でも怪談に近い。 以上を踏まえた一続きの文章。 ◎内容例 今まさに電車が迫る線路上に、物欲しげな目つきの人々が立っていたので、踏み切りに身を投げるのは止めにした。/寝る時に必ず、洗濯機を回し続けることだけは忘れないよう願いますが、それさえ守ればたいへんお得な物件だと思いますよ。/世界中あらゆる料理を食べても、いまだ思い出の味に辿りつけない彼には、産まれなかった双子の片割れがいるそうだ。 -
ショートショート千夜一夜
祭りの夜に集う、奇妙な店と妖しの客人。 TBS系「王様のブランチ」出演、ピース・又吉直樹氏主演による映像化など、ショートショート界の旗手として活躍し、注目を浴びている著者。本書では、多魔坂神社で行われるお祭りを舞台に、奇想天外な物語が繰り広げられます。賑やかな祭囃子と綿あめの甘やかな香りにワクワクしながら、でもほんの少しだけ不気味な夜に出逢う物語は予測不可能! 懐かしくも、まったく新しい読書体験をお約束します。 欲しいと念じたものが出てくるヒモくじ屋、そこに現れたゴロツキどもが引いたヒモの先に現れたのは……?(「ヒモくじ屋」)、夜店ですくった人魚がどんどん成長してしまって(「人魚すくい」)、モデルにスカウトされたエリカが行方不明に(「ラムネーゼ」)、降り注ぐ優しい雨を、自分のものにする方法(「雨ドーム」)、人の想いが映し出される不思議なお菓子を買いに来たのは(「夕焼き屋」)他、全20編に加え、しりあがり寿さんによる書き下ろしショートショートを収録。いちどページを開いたら止まらない! たった5分の物語、読めばあなたを魅惑と幻想の世界へと誘います。 ※この作品は単行本版『ショートショート千夜一夜』として配信した作品の文庫版となります。 -
遭難信号
アイルランドの小さな町で、ハリウッドを夢見て脚本を書き続けてきたアダム。恋人のサラが仕事でバルセロナに出張し、まったく連絡がとれなくなってしまう。だが出発から数日後、アパートにサラのパスポートが郵送されてくる。それには「ごめんなさい――S」とサラの字で書かれた付箋が貼ってあったが、封筒の文字は別人のものだった。彼女に何があったのか? アダムは恋人を追い、手がかりをもとに地中海クルーズ船に乗り込む。千以上もの客室を持つ豪華客船で暴かれる、予想外の真実。巧みな構成力と謎解きの妙味を味わえる衝撃のサスペンス!/解説=穂井田直美 -
リヴィジョンA
地味部署社員たちの夢と意地を乗せて、新型戦闘機が飛び立つ! 『推定脅威』に続く松本清張賞受賞第一作の航空サスペンス 中堅の航空機メーカー、四星工業の女性技術者・沢本由佳は、社の主力製品である戦闘機「TF-1」を担当しながらも、自分の仕事に行き詰まりを感じていた。 業務は順調だが、仕事は煩雑なルーチンワークのみ。 もと技術者の恋人・倉崎から自分の焦燥感の理由を、「技術者の醍醐味は、新しい製品を開発することだから」と指摘され、沢本は社内で新規開発の機会を探り始める。 TF-1の過去の資料を調べた沢本は、かつて社の先達たちが目指し、挫折した計画を元にTF-1のリヴィジョン(改修開発)を提案する。 だが、計画の実現には防衛省との折衝や巨額の防衛予算の獲得など課題が山積。 社内の不正やライバル企業からの妨害も発覚する中、新型機は無事に大空へと飛び立つことができるのか!? 戦闘機設計の裏側にうずまく、民・官の思惑とは? 経験者にしか書けない、これまでなかったほどのリアルな航空サスペンス小説。 解説・吉野仁 -
私は存在が空気
《この世界で、たしかに生きていると信じたい――》そこらへんに落ちている石ころのように人畜無害で、存在感のない人間、鈴木伊織。彼女がこんな存在に成長したのは、生きるためだった。鈴木伊織のことを認識できるのは、友人の春日部さやか、ひとりだけ。そんな不思議な力を持つ彼女は、春日部の話をきっかけに、上条先輩のことを知る。かっこいい先輩は、バスケ部で主力選手として大活躍。気になった鈴木伊織は“体質”を活かして、こっそり彼のストーキングを始めたが……(「私は存在が空気」より)普通じゃない私を、受け入れてくれるのは誰? どこかおかしくて、ちょっぴり切ない【超能力者×恋物語】。 -
文学効能事典
本書は、体や心の具合が悪いと感じたときに開いて、その対処法を知るために参考にしてほしい。 といっても、いわゆる健康本や医学解説書とはちがう。どこがちがうかというと、まず、取り上げている症状や悩みの種類がバラエティに富んでいる。体の痛みも心の痛みも区別することなく取り上げているので、この本を開けば、「腰が痛いとき」や「歯が痛いとき」と同様に、「恋人と別れたとき」の対処法もみつかる。また「ホームシックのとき」や「飛行機がこわいとき」など、ストレスを感じやすい状況も取り上げているし、「結婚相手をまちがえたとき」や「職を失ったとき」など、人生の深刻な危機も心身の不調をもたらす悩みとして取り上げている。さらに「二日酔いのとき」や「ユーモアがわからないとき」などのささいな症状や悩みも、ケアの必要な疾患とみなしている。 そしてもう一つちがうのは、ここがいちばん肝心なのだが、症状の改善のためにすすめる「薬」が、薬局ではなく書店や図書館にある点だ。場合によっては、ネットショップから手持ちの端末にダウンロードすることもできる。つまり治療に使うのは「本」なのだ。 取り揃えている「薬」は、ヘミングウェイ、トルストイ、メルヴィルはもちろん、古くは2世紀の作家アープレーイユスの『黄金の驢馬』から、現代の強壮剤ともいうべきジョナサン・フランゼンの作品まで、2000年に及ぶ文学史のなかから、最高の優れた知性にあふれ、もっとも心身の回復効果が期待できる小説を集めた。 読者の皆さんは普通の薬と同じように、処方された本は最後まで読み切り、いま以上の健康と、幸福と、より多くの知恵を手に入れてほしい。自分なりの処方箋をもっておくのもいいかもしれない。 -
この春、とうに死んでるあなたを探して
矢口弼は38歳、元税理士。離婚を経験して仕事にも疲れた矢口は、中学時代を過ごした南森町にひとりきりで戻る。新しい住まいは、かつての同級生・小日向の営む喫茶店「レインフォレスト」の上階。外見は変わっても中身は子どものままに騒々しい小日向に矢口は面食らいながらも、少しずつ雨森町になじんでいく。そんなふたりにもたらされる恩師の死をめぐる謎。先生の死は事故なのか? あるいは、生徒からのいじめを苦にした自殺? 23年前の真実を求めて、矢口と小日向は元クラスメイトを訪ねるが──。失くしたものも、ふたりでなら見つけられる。喪失を抱えた者たちの人生を全力で肯定する物語。 -
さよなら、ニルヴァーナ
あの子は、どこから戻れなくなったんだろう── 小説家志望の女と、少年犯罪の加害者・元少年Aとの運命の出会い 東京で働きながら小説家を目指していた今日子は、震災が起こった翌年に夢を諦め、母のすすめで実家に戻る。 妹とその夫、娘との二世帯住宅の生活に倦み疲れながらも、小説を諦めきれない。 そんな中、過去に凶悪犯罪を起こした少年Aが地元にいるという噂を耳にする。 そしてパソコンなどを検索して知った少年Aの姿に急速に惹かれていく。 一方、神戸生まれで、東京に住む十七歳の莢(さや)も、少年Aを崇拝し、「聖地巡礼」と称して事件現場などを訪れていた。 また少年Aに当時七歳の娘を殺された母親は、息子、夫とともに同じ場所にとどまり、一見平穏そうに見える暮らしを送っていたが、教会の人間から、Aのファンの話を聞かされる。 少年犯罪の加害者、被害者遺族、加害者を崇拝した少女、その運命の環の外にたつ女性作家……それぞれの人生が交錯したとき、彼らは何を思い、何を見つけるのか。 著者渾身の長編小説! 作家が書くことに固執するのは、「人間の中身を見たい」からなのだ。これは、小説ノンフィクションのジャンルにかかわらず、作家が持つ病理なのだ。その意味で、私もAの同志なのである──佐藤優氏・解説より -
ショートショートガーデン プチコン受賞作品集 花
30秒後に胸が熱くなって、1分後に涙? 盛り上がる短文の小説、ショートショート。ブームの兆しも見せていますが、この流行を牽引する現代ショートショートの旗手・田丸雅智。その田丸雅智が主催するショートショート投稿WEBサービス「ショートショートガーデン」で初の作品コンテストが行われ、多数の応募から多く名作が誕生しました。本書は、その応募作品の中から受賞作品を15編、さらに田丸雅智による書き下ろし作品を1編加えて収録したものです。投稿者による名作ショートショートをぜひお楽しみください。 【収録作品(作者名)】花柄の猫(ぱせりん)、wwwww(そるとばたあ)、魔法使い(TAMAUSA825)、純粋なる願い=残酷な欲望(nanaki)、時間葬 櫻の樹の下には(K_Ichida)、新種(真夏の雪だるま)、花水(矢口慧)、はなごえ飴(ぬらりひょん)、アイスブレイク(天宵 遥)、花の回線(goppe)、柳の木 VS. 幽霊(会社やめたろー)、花を贈る(たかはし)、花算用(如月十九)、猫目椿(AYAKA)、お花畑の紳士(小狐裕介)、ゴッホのひまわり(田丸雅智) -
千福万来! まねき猫事件ノート 化け猫の夏、初恋の夏
凪の家にいる黒猫のマネコは、とある事情から、まねき猫と猫の姿を行き来でき、言葉も交わせる不思議な存在だ。夏休みのある日、凪のママが営む通販下着メーカー「ラブリーアンジェラ」のお店に化け猫が出る、という噂が立つ。あり得ないと笑った直後、お店はさまざまなトラブルに見舞われて・・・。まさか本当に化け猫の呪い!? 凸凹コンビが繰り広げるユーモア猫ミステリー第2弾! -
晴れ女の耳 紀ノ国奇譚
私の一族は「うつるイボ」ができる。私にその「イボ」ができたときは絶望的な気持ちに襲われ、大好きだった絵も描くことができず、じっと動かないでいた。そんな私に母は「イボ神様にお願いしてみる?」と持ちかけてきた。「けれど、信じなあかんよ」と。イボが無事消えたあと、そのイボはどこへ行ったのでしょう?私はお礼参りとともに、その謎を解くためにイボ神様に会いにいくことにしました。そこで見たイボ神様とは…!(「イボの神様」) 卒業以来初めての同窓会が開かれ、40代になった私たちは昔話に花を咲かせていた。かつての同級生で、日本人形のような神秘的な雰囲気の漂うちょっと暗い女の子の話題になった。けれどだれももう、連絡先が分からない。ところが、その晩、実家の母親から、その彼女からの手紙が出てきたという。住所は和歌山県の山奥にある村。どういうわけだか私は見も知らないその場所に強く惹かれ、大して知りもしない彼女に導かれるごとく、会いにいくことになった。彼女の家は、仏壇やを経営しながら民間療法の診療所を経営していた。扉を開けて中に入ると何やら儀式的なことをしている真っ最中で・・・・。(「ことほぎの家」) ほか、和歌山の人柱や神隠しを題材に、娘を神に取られた母の壮絶な心情を描いた「赤べべ」、和歌山の山奥の貧しい炭焼きを生業とする夫を殺したという無実の罪を着せられた妻が村八分に遭い、6人の子供たちを次々に貧困で失っていく母親の狂気をある種のユーモアで描き切った快作「晴れ女の耳」。 ほか、「怪談実話系 妖」に掲載した「サトシおらんか」、ほか書き下ろしを加えた全8編。 ※本書は二〇一五年四月に小社より刊行された『晴れ女の耳』を一部改稿し、文庫化したものが底本です。 -
スイート・ホーム
香田陽皆は、雑貨店に勤める引っ込み思案な28歳。 地元で愛される洋菓子店「スイート・ホーム」を営む、腕利きだけれど不器用なパティシエの父、明るい「看板娘」の母、華やかで積極的な性格の妹との四人暮らしだ。 ある男性に恋心を抱いているのだが、なかなか想いを告げられず……(「スイート・ホーム」)、料理研究家の未来と年下のスイーツ男子・辰野との切ない恋の行方(「あしたのレシピ」)、香田一家といっしょに暮らしはじめた“いっこおばちゃん”が見舞われた思いがけない出来事(「希望のギフト」)など、うつくしい高台の街にある小さな洋菓子店を舞台に、稀代のストーリーテラーが紡ぎあげる心温まる連作短編集。 -
007/薔薇と拳銃【井上一夫訳】
英国秘密情報部の腕利きエージェント、007ことジェームズ・ボンド。祖国の平和と安寧のため、世界を股にかけて危険な任務を遂行する。パリ郊外の静かな森に隠れ潜むソ連の情報機関を破壊する「薔薇と拳銃」、ジャマイカで荘園主夫妻を殺害した、凶悪なナチの残党の男を暗殺する「読後焼却すべし(フオー・ユア・アイズ・オンリー)」、ローマからベニスに通じる麻薬密輸ルートを追跡する「危険」、セーシェル諸島のサンゴ礁を舞台に、アメリカ人の富豪の死を描いた「珍魚ヒルデブランド」、植民地総督がボンドに語る、一組のカップルの数奇な運命「ナッソーの夜」の全5編を収録。 -
現代詩人探偵
とある地方都市でSNSコミュニティ、『現代詩人卵の会』のオフ会が開かれた。九人の参加者は別れ際に、これからも創作を続け、十年後に再会する約束を交わした。しかし当日集まったのは五人で、残りが自殺などの不審死を遂げていた。なぜ彼らは死ななければならなかったのか。細々と創作を続けながらも、詩を書いて生きていくことに疑問を抱き始めていた僕は、彼らの死にまつわる事情を探り始めるが……。生きることと詩作の両立に悩む孤独な探偵が、創作に取り憑かれた人々の生きた軌跡を辿り、見た光景とは? 気鋭の著者が描くミステリ長編。/解説=宇田川拓也 -
宮部みゆきの江戸怪談散歩(角川文庫)
三島屋シリーズ情報から岡本綺堂まで――ファン必携! 著者自らによる公式読本 「三島屋変調百物語」シリーズ情報を掲載し角川文庫に登場! 人の業がなせる、恐ろしくも切ない怪談話の語り部・宮部みゆき。稀代のストーリーテラーが織りなす物語には、どんな思いがあったのか。 物語の舞台を歩きながらその魅力を探る異色の怪談散策! さらに怪異の世界を縦横に語りつくす北村薫氏との特別対談に加え、“今だから読んでほしい”小説4編を厳選。ファン必携! 著者責任編集「宮部怪談」公式読本。 電子書籍は巻頭カラーバージョン! ※本書は2013年に小社から刊行された『宮部みゆきの江戸怪談散歩』(新人物文庫)を増補したものです。 -
武道館
【正しい選択】なんて、この世にない。 「武道館ライブ」という合言葉のもとに活動する少女たちが、最終的に“自分の頭で”選んだ道とは――。 様々な題材を通して現代を描き続けてきた著者が今回選んだのは「アイドル」。 視聴者のあいだで物議を醸したドラマ化を経て、待望の文庫化。 解説には、音楽家として多くのアイドルをプロデュースしてきたつんく♂を迎える。 結成当時から、「武道館ライブ」を合言葉に活動してきた女性アイドルグループ「NEXT YOU」。 独自のスタイルで行う握手会や、売上ランキングに入るための販売戦略、一曲につき二つのパターンがある振付など、 さまざまな手段で人気と知名度をあげ、一歩ずつ目標に近づいていく。 しかし、注目が集まるにしたがって、様々な種類の視線が彼女たちに向けられるようになる。 そして、ある出来事がグループの存続さえも危うくしてしまい……。 「人って、人の幸せな姿を見たいのか、不幸を見たいのか、どっちなんだろう」 「アイドルを応援してくれてる人って、多分、どっちもあるんだろうね」 恋愛禁止、炎上、特典商法、握手会、スルースキル、無料文化、卒業…… この数年であっという間に市民権を得た言葉たちの中には、 アイドルという存在から発生したものも多い。 新しい言葉が生まれた場所から見えてくるのは、今を生きる人々の様々な一面。 現代社会での生き方を模索するすべての人へ送る、真摯な物語。 -
YA! アンソロジー ひとりぼっちの教室
「もし、今日、わたしが、死んだら、明日、泣いてくれる人間は、このクラスに何人いるんだろう? 一人もいないかもね」YA!アンソロジー第7弾。「いじめ」をテーマに、加害者、被害者、傍観者の立場だけに終わらない、リアルな学園ドラマを届けます。小林深雪『友達なんかいない』/戸森しるこ『これは加部慎太郎に送る手紙』/吉田桃子『転生☆少女』/栗沢まり『イッチダンケツ』 -
鬼談(角川文庫)
愛、絆、情、欲。 執着の虜となった者たちを描く、京極小説の神髄! 藩の剣術指南役を仰せつかる桐生家に生まれた作之進には、右腕がない。 物心付いた時には、もうなかったのだ。二の腕の途中から、すっぱりとない。 これが普通だこういうものなのだと、ずっとそう思っていた。 元服の夜、作之進は父に呼び出された。 そして父は――厳かに言った。 「お前の腕を斬ったのは儂だ」 一方、柔らかで幸福な家庭で暮らす「私」は、何故か、弟を見ていると自分の中に真っ黒な何かが涌くのを感じていた。 ある日、私は見てしまう。 幼い弟の右腕を掴み、表情の無い顔で見下ろす父を。そして父は、 「これだよなあ」 と、暗い声で言ったのだった――。 過去と現在が奇妙に交錯する「鬼縁」ほか、<人と鬼>の狭間を漂う者たちを描いた全9篇。 <解説/東雅夫> -
天保院京花の葬送
天保院京花には、俗に言う『第六感』が備わっている。でも実際は、人よりちょっとだけ、目がおかしくて、耳が変で、鼻が異常で、舌が特殊で、肌が異様なだけ――。廃墟の洋館で起きた殺人事件。現場に集まったのは、霊感女子高生の京花、トラブルメーカーな元女装少年の人理。不良出身の熱血刑事・竜弥、そして、麗しきナルシスト霊能者の行幸。喪服を纏った女子高生・京花が、おかしな奴らと『謎』に挑むとき、事件は意外な結末を迎える――! -
許されざる者
国家犯罪捜査局の元凄腕長官ラーシュ・マッティン・ヨハンソン。脳梗塞で倒れ、一命はとりとめたものの、右半身に麻痺が残る。そんな彼に主治医の女性が相談をもちかけた。牧師だった父が、懺悔で25年前の未解決事件の犯人について聞いていたというのだ。9歳の少女が暴行の上殺害された事件。だが、事件は時効になっていた。ラーシュは相棒だった元捜査官や介護士を手足に、事件を調べ直す。犯人をみつけだし、報いを受けさせることはできるのか。スウェーデンミステリ界の重鎮による、CWA賞、ガラスの鍵賞など5冠に輝く究極の警察小説。/解説=杉江松恋 -
湖底のまつり
傷心を癒す旅に出た若い女性香島紀子は、東北地方の山間の村で、急に水量が増した川の岩場に取り残される。岸に戻ろうと水に入った紀子は流れに呑まれそうになるが、ロープが投げられ辛うじて救出された。助けてくれたのは、土地の若者埴田晃二で、その夜晃二の家に泊まった紀子は彼に抱かれる。翌朝目覚めると晃二の姿はなかった。村祭で賑わう神社に行き、村人に尋ねると晃二はひと月前に毒殺されたと告げられた。では彼女を助け、晃二と名乗った人物は誰なのか? 文学的な香気漂う描写の陰から、著者が仕掛けた謎が妖しく浮かび上がる……?!/解説=綾辻行人 -
本日はコンビニ日和。
大好きなすみればあちゃんが、1年前死んだ――。純平が住む小さな町・虹色町には、何でも揃うコンビニがある。お店を作ったのは、町の人気者だった純平の祖母・すみればあちゃんだ。そんなばあちゃんが残したのは、18歳の純平をコンビニオーナーにするという遺言だった。自信のないままオーナーになった純平だが、個性豊かなスタッフとお客に囲まれ働くうち、すみればあちゃんの想いを知ることになり……。切なくて温かい、こもれびの物語。
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