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Posted by ブクログ
本作は主要視点人物たる南の物語であるのだが、“新報”に象徴される「新聞という存在」、そして新聞に代表される「メディア」、メディアが扱う「情報」、情報が駆け巡っている「最近の社会」、その社会で暮らす「人々」というように「巨大な環」のようなモノが感じられる物語だ…
「メディアと情報」、「情報と社会」、「社会と人々」というように連なる“環”のようなモノの様相は、時代を追って少しずつ変わって、「現在の姿」が在るのかもしれない。そういう様相に関して、「多彩なシリーズを展開する作家」というイメージの他方で「新聞記者の経験を有している」という背景を持つ作者が“持論”のようなモノを展開している作品…本作はそういう側面が在るように感じられる。
当然ながら、本作は“サスペンス”な味付けのエンターテイメントだが、「意外に色々と考えさせられる」感じだ。お薦め!!
Posted by ブクログ
推理小説や海外ミステリー小説好きなので、エンタメに寄り過ぎていない小説を久しぶりに読んだ。とても面白かった。
小説自体の骨組みがしっかりしているので、無理やり過ぎる展開が無い。時代背景や組織の背景がしっかりしてるし、登場人物たちの心境も過剰な表現が無く良かった。だらだらと場面が続かないのでテンポも良く、話のまとめ方も良い。
どんでん返しや意外な犯人、に重きを置いてる小説には無い重厚さがあった。考えさせられた。
最近は一般小説として出版されていても、ライトノベルのような文体や登場人物(ライトノベルが悪い訳ではないけど)で書かれている小説が多いな、と感じてしまう。個人的にだけれど、そういう小説は読んでいて途中で気持ちが悪くなってしまう。
これからはもっと、吟味しながら色んな作品を楽しんでいけたらと思う。
Posted by ブクログ
題名から、新聞記者から見た警察の捜査とか警察官の行動とかを描いた警察小説かと予想して読み始めたが、見事に外れた。
本書は、著者の新聞記者だった経験をもとに、現在の危機的状況を危惧したメディア小説ともいうべき作品だった。
母子家庭の小山内姉妹が殺された事件から幕を開ける。
ネタ元の警察官から、犯人の情報を収集した記者は、本社栄転を懸け特ダネにする。それが大誤報となり、しかも背後に権力の恣意的な策謀が見え隠れし、事件は思わぬ展開に。
メディア規制、報道の自由等々の現状に対する著者の思いが込められたこの小説は、彼の警察小説あるいはスポーツ小説とはまた違った味わいである。
『蛮政の秋』『社長室の冬』と、三部作だそうで、それらも読んでみたい。
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