あらすじ
母子家庭の幼い姉妹が自宅で殺害される。死体発見時から母親が行方不明の為、母親犯人説が浮上。日本新報甲府支局の南は、本社への栄転を懸け、特ダネを狙って精力的に事件情報を収集。警察のネタ元から犯人の情報を掴み、紙面のトップを飾る記事を書いた。だが、それは大誤報となって……。巧妙な罠に翻弄されながらも、新聞記者としての矜持と野心の狭間で真実を追う男の闘い。長編ミステリー。
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Posted by ブクログ
大人の都合で子供が犠牲になる嫌な事件
そこに他の大人の都合がからまっていく、
警察も絡んでの誤報 だれが加害者でだれが被害者なのか…なんだか最後までゾワゾワする
それにしても 暑い夏だったのね。
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本作は主要視点人物たる南の物語であるのだが、“新報”に象徴される「新聞という存在」、そして新聞に代表される「メディア」、メディアが扱う「情報」、情報が駆け巡っている「最近の社会」、その社会で暮らす「人々」というように「巨大な環」のようなモノが感じられる物語だ…
「メディアと情報」、「情報と社会」、「社会と人々」というように連なる“環”のようなモノの様相は、時代を追って少しずつ変わって、「現在の姿」が在るのかもしれない。そういう様相に関して、「多彩なシリーズを展開する作家」というイメージの他方で「新聞記者の経験を有している」という背景を持つ作者が“持論”のようなモノを展開している作品…本作はそういう側面が在るように感じられる。
当然ながら、本作は“サスペンス”な味付けのエンターテイメントだが、「意外に色々と考えさせられる」感じだ。お薦め!!
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主人公は新聞記者。作者の堂場瞬一も元新聞記者。なら、読むしかないよね!そのせいもあり、ところどころに新聞の役割、マスコミ報道の使命、権力との対峙などがメッセージみたいに見え隠れする。それが何だか良い。季節が夏の設定のせいか、手に汗握る場面が多く、全体的に汗の匂いを感じる。特ダネを決めて⁉︎終わったと思いたいが、この作品はメディア三部作として、『警察回りの夏』『蛮政の秋』『社長室の冬』と続く。好きなシリーズだ。
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推理小説や海外ミステリー小説好きなので、エンタメに寄り過ぎていない小説を久しぶりに読んだ。とても面白かった。
小説自体の骨組みがしっかりしているので、無理やり過ぎる展開が無い。時代背景や組織の背景がしっかりしてるし、登場人物たちの心境も過剰な表現が無く良かった。だらだらと場面が続かないのでテンポも良く、話のまとめ方も良い。
どんでん返しや意外な犯人、に重きを置いてる小説には無い重厚さがあった。考えさせられた。
最近は一般小説として出版されていても、ライトノベルのような文体や登場人物(ライトノベルが悪い訳ではないけど)で書かれている小説が多いな、と感じてしまう。個人的にだけれど、そういう小説は読んでいて途中で気持ちが悪くなってしまう。
これからはもっと、吟味しながら色んな作品を楽しんでいけたらと思う。
Posted by ブクログ
題名から、新聞記者から見た警察の捜査とか警察官の行動とかを描いた警察小説かと予想して読み始めたが、見事に外れた。
本書は、著者の新聞記者だった経験をもとに、現在の危機的状況を危惧したメディア小説ともいうべき作品だった。
母子家庭の小山内姉妹が殺された事件から幕を開ける。
ネタ元の警察官から、犯人の情報を収集した記者は、本社栄転を懸け特ダネにする。それが大誤報となり、しかも背後に権力の恣意的な策謀が見え隠れし、事件は思わぬ展開に。
メディア規制、報道の自由等々の現状に対する著者の思いが込められたこの小説は、彼の警察小説あるいはスポーツ小説とはまた違った味わいである。
『蛮政の秋』『社長室の冬』と、三部作だそうで、それらも読んでみたい。
Posted by ブクログ
新聞記者の南は、母子家庭の幼い姉妹が自宅で殺害された事件を追っていた。
そんな中、警察のネタ元から犯人逮捕の情報を得た。
特ダネだ。
南は甲府から東京本社への栄転を狙っていた。
正直、焦りがあり、ネタの裏取りも怠った。
その結果、そのネタは誤報であることがわかり、南は追い詰められる。
事件の真相の前に立ちはだかる、不穏な何か…
それにネットでの遠慮のない言葉の数々。
新聞記者としての誇りと特ダネに対する執着。
面白かった。
2024.8.21
Posted by ブクログ
どこかのサイトで紹介されてたので買ってみた一冊。
誤報を出した新聞記者の話。
序盤はなかなか話しが進まなくて内容に興味が湧かなかった。
中盤位からなんとなく話しが面白くなってきたと思ったが、そんなに興味がわくというわけでもなかった。
ちょっと消化不良なのは、メディア規制を進めようとしていた政治家はどうなった?どうしようもない母親はどうなった?
ちょっと気になった。
政治家と新聞社支社の長の真意が掴めない会話が本当にわかり辛くイライラしたなと感じた小説でした。
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安倍晋三の犯罪の一部を暴いた様な内容。民主主義の敵は殺人犯ではなく自民党の安倍晋三一派ということ。取り込まれたNHKを始めとしたかつては報道機関と呼ばれていた組織はその手下。無関心を決め込む国民は共犯者。これでは先進国から脱落し独裁国家に成り下がるわけだ。
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母子家庭の子供2人殺されネタ元であった新聞社の同僚から信頼できる情報を手に入れスクープとしてトップ記事にする母親が疑われたが母親は生活費を稼ぐためあるところにいた書いた記事は大誤算となって自分も姿を消す母親は自分の両親に1ヵ月に2度も3度もお金を要求していきそれに疲れた祖父が子孫に手をかけたその後自分も自殺を図るが死に切れない
Posted by ブクログ
最初の章は、殺人事件の 張り込みで…
…何だか ダラダラと、なかなか 面白くならない。
2章目くらいから、物語が 多展開し始めて、面白くなってくる。
ただ、物語の 周辺説明の 文章が、しつこい程に 多く…
…眠くなるので、どんどん 飛ばし読みした。
Posted by ブクログ
途中までは、マスコミの課題をしつこく語っているだけという感じでストーリーに入り込めなかったが、途中からぐいぐいと入っていけた。このシリーズの次に進むかどうか微妙なところ。もっとストーリーとマスコミというテーマが溶け込んだ内容だったらよかったのだが