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Posted by ブクログ
「敗者の告白」
転落死した妻子 残った夫。その妻が残した夫に対する告発文。「私が死んだらそれは夫の仕業です」と、息子が死する前におばあちゃんに送った一通のメール。「僕はお父さんとお母さんに殺される」
そして「妻は自分を殺そうとしていた。正当防衛だ」と無罪を主張する夫。果たして何が本当で何が嘘なのか、誰が誰に殺意を持っていたのか。
一見、視界クリアな道が開かれているように見えて、目的地が見えない不思議な旅だった。
この家族の「告白」から連なる関係者達の「告白」が、主に夫の担当弁護士に向けて語られ、徐々に真実が明らかになっていく。今となっては珍しくない構築だが、やはりジワジワと全容が見えてくる形式は先が気になって仕方が無い。
「夫の親友」「その妻」「不倫相手」とまぁ様々な告白が繰り広げられる中、妻の不倫相手である「歯医者の告白」にはクスッとせずにはいられないでしょう。敗者ならぬ歯医者。もしかしてこちらのお方スーパーキーパーソンなのかなと、いらん考察を繰り広げた経緯は置いといて。
亡くなった妻子の告白、正に「敗者の告白」で進んでいく物語。そこから様々な告白を聞き、真相を探る弁護士様。その情報を縫い合わせて作ったつぎはぎに曖昧ながらも浮かび上がる真実。
ミステリーとして先が読みやすい部分はあるが、最後まで読んでこのタイトルの本当の意味に到達したその時、この作品の美しさを感じる事ができるかと思う。ドロドロまでいかないリアルな「人の闇」にスポットを当てた繊細な表現力に心掴まれました。
肝心の着地点ですが、通販ショップで大安売りしかねない「取り付けるだけで簡単イヤミス」なエピローグは賛否ありそうですが個人的には...好ちです。
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