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生還せよ
航空自衛隊の安濃将文三等空佐は、同期の泊里三等空佐ともども内閣府の遺骨収容対策室に出向中。実際は、内閣府に設立された小規模な諜報部門に配属され、CIAから情報提供を受け、シンガポールへ潜入捜査に入っていた。ここシンガポールで、映像解析技術の専門家である田丸という男から、アジア某国の軍事関係者へ、軍事転用出来る技術が渡っていたのだ。田丸と接触を試みた二人の新米工作員は、田丸が部屋で撃たれたとの連絡を受ける。さらに、東京にいる内閣府大臣政務官の能任からの電話で、インドからシンガポールに入った日本人ビジネスマンの保護要請を受けるが、その際に泊里が撃たれてしまう。そこに外為法違反捜査に経産省安全保障貿易検査官の高木摩子、田丸の取引相手の程、警察庁の神崎が現れて--。諜報員となった自衛官を主人公に、東アジアに繰り広げられる国際謀略を描く! -
人間
初の長編小説にして代表作、誕生!! 絵や文章での表現を志してきた永山は、38歳の誕生日、古い知人からメールを受け取る。若かりし頃「ハウス」と呼ばれる共同住居でともに暮らした仲野が、ある騒動の渦中にいるという。永山の脳裡に、ハウスで芸術家志望の男女と創作や議論に明け暮れた日々が甦る。当時、彼らとの作品展にも参加。そこでの永山の作品が編集者の目にとまり、手を加えて出版に至ったこともあった。一方で、ハウスの住人たちとはわだかまりが生じ、ある事件が起こった。忘れかけていた苦い過去と向き合っていく永山だったが――。 漫画家、イラストレーター、ミュージシャン、作家、芸人……。何者かになろうとあがいた季節の果てで、かつての若者達を待っていたものとは? -
滴水古書堂の名状しがたき事件簿
【レジェンドノベルス・エクステンド】 【電子書籍には特典として書き下ろしSSを収録】大学卒業を控え、進学も就職も選べなかった「私」こと楠田由宇子。あるきっかけから、「滴水古書堂」という古本屋でアルバイトを始めることになる。しかし、店主の古戸時久は謎めいた男。右半身にあたる部分がなぜか時折奇怪に蠢く、まさに「名状しがたい」動作をする男だった。さらに、店が取り扱う商品に漫画やベストセラーなどは一切なく、名前を聞いたこともない人物の全集や手記、書簡のほか、英語やラテン語、さらには謎の言語で題名が書かれた本など、普通の流通から弾き出されたような奇妙なものばかり。訪れる客ももちろん、少ない。しかし、物静かでトラブルのかけらもない店の空気に不思議な縁を感じた由宇子はこの店で働くことにしたのだった。 そんなある日、古戸を呼び出す一本の電話が店にかかってくる。なんでも、古戸の師匠のような老婆からの依頼だという。由宇子は古戸とともに鎌倉に向かうのだが、それは奇妙な事件のほんの小さな入り口に過ぎなかった。 -
絶対城先輩の妖怪学講座
妖怪に関する膨大な資料を蒐集する、長身色白、端正な顔立ちだがやせぎすの青年、絶対城阿頼耶。白のワイシャツに黒のネクタイ、黒の羽織をマントのように被る彼の元には、怪奇現象に悩む人々からの相談が後を絶たない。 季節は春、新入生で賑わうキャンパス。絶対城が根城にしている東勢大学文学部四号館四階、四十四番資料室を訪れる新入生の姿があった。彼女の名前は湯ノ山礼音。原因不明の怪奇現象に悩まされており、資料室の扉を叩いたのだ――。 四十四番資料室の妖怪博士・絶対城が紐解く伝奇ミステリ登場! -
死後の恋(乙女の本棚)
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人気シリーズ「乙女の本棚」第14弾は夢野久作×イラストレーター・ホノジロトヲジのコラボレーション! 小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。 「私の運命を決定《きめ》て下さい」浦塩の町で、一人の男が話しかけてきた。彼が語るのは、兵隊時代の話と、それにまつわる「死後の恋」についてであった。 夢野久作の『死後の恋』が、有名ゲームのキャラクターデザインなどで知られ、本シリーズでは夢野久作『瓶詰地獄』、泉鏡花『外科室』を担当する大人気イラストレーター・ホノジロトヲジによって描かれる。 名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。 自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。 -
久遠堂事件<新装版>
少年探偵・狩野俊介が 次々に起こる難事件に立ち向かう! 父の行方を捜してほしい、石神探偵事務所に現れた中井田は切り出した。 依頼者の父は一代で財閥にまで成長させた会社経営を親族に譲った後、西巻村に移り住み仏像彫刻を始める。 二年前、莫大な資金を投じて巨大な釈迦涅槃像を作った直後、謎の失踪を遂げたのだ。 探偵・野上栄太郎と助手の狩野俊介は事件を洗い直すため現地へ赴く。 涅槃像は内部が刳り貫かれ、お堂と宿坊が造られていた。 完成披露で集まった中井田家の親族と同宿した晩、惨劇が起きた。 次々と襲われる親族たち。野上は犯人を目撃するが、その姿は…。 ※本作品は、「久遠堂事件」を加筆修正した新装版です。 -
若様組まいる
明治二十三年、ミナこと皆川真次郎は西洋菓子店を開いた。店には、旧幕臣の「若様組」の面々や、女学校に通うお嬢様・沙羅が甘い菓子と安らぎを求めてやってきた。その少し前――。徳川の世であれば、「若殿様」と呼ばれていたはずの旧幕臣の子息・長瀬とその友人は、暮らしのために巡査になることを決意。今は芝愛宕の巡査教習所で訓練を受けていた。ピストル強盗の噂が絶えない物騒な昨今、教習所でも銃に絡む事件が起きた。若様組の他、薩摩出身者、直参で徳川について静岡に行った士族たち、商家の子息たち、さまざまな生徒に、何やら胡散臭い所長や教員を巻き込んで、犯人捜しが始まる。大好評『アイスクリン強し』の前日譚。 -
若様とロマン
明治二十三年、ミナこと皆川真次郎は西洋菓子店を開いた。店には、旧幕臣の「若様組」の面々や、女学校に通うお嬢様・沙羅が甘い菓子と安らぎを求めてやってくる。しかし平和そうに見える世の中に、不穏な空気が漂いはじめていた。数年以内に“戦争”が始まるかもしれない――。 明治になって現れた「成金」のひとり、小泉琢磨は、戦へと突き進む一派の意向を押さえるべく動いていた。が、このままでは開戦派のやりたいようになってしまうという懸念から、今いる仲間以上に人を集めようと考える。 その秘策がなんと、「若様たちのお見合い」だったのだ! はたしてその成り行きは――? -
総選挙ホテル
○著者の言葉「働く現場でしか学べないことがたくさんあると思っています。育った環境も、考え方も、年齢も違う職場の中で揉まれることが、人として成長させてくれると思っています。しんどいけれど喜びもある、それが職場。そこにある感動を小説にしたいと考えました。」桂望実 ○単行本時帯推薦文より 「一丸となって」でも「勧善懲悪」でもない感動的な人間ドラマがここにはある。まさに極上のエンタテインメントだ。松田哲夫(編集者・書評家) ○内容紹介 ある中堅ホテルを立て直そうと、外からやってきた変わり者の社長が提案したことは「総選挙」! そう、ホテル内の従業員の配置を“選挙”で決めるという斬新な人材シャッフル案でした。しかもそれだけに終わらず、管理職の選挙まで! 果たして従業員の反応は? 今の日本の働く環境の閉塞感を打ち破るお仕事小説。さまざまな年代の男女が抱え働く悩みに答え、働くことの意味、働くことで成長できる喜びを読書で味わえる、お仕事エンタメ作品。 -
まことの華姫シリーズ
江戸は両国。暮れても提灯の明かりが灯る川沿いの茶屋は、夜も大賑わい。通りの向こうの見世物小屋では、人形遣いの芸人、月草の名が最近売れてきている。 なんでも、木偶の姫様人形、お華を相方に、一人二役の話芸を繰り広げるのだという。それも、話芸が目当てというより、お華に会いに来るお客が多いというのだ。 何故なら。“まことの華姫”は真実を語る―― 姉を殺したのは、実の父かもしれないと疑う、小屋一帯の地回り山越の娘・お夏。 六年前の大火事で幼な子を失い、諦めきれずに子ども捜しを続ける夫婦。 二年前に出奔したまま行方知れずの親友かつ義兄を探しにはるばる西国からやってきた若旦那。 そして明らかになる語り部・月草の意外な過去…… 心のなかに、やむにやまれぬ思いを抱えた人々は、今日も真実を求めてお華の語りに耳を澄ます。 しかし、それは必ずしも耳に心地よいものばかりとは限らなくて…… 快刀乱麻のたくみな謎解きで、江戸市井の人々の喜怒哀楽を描き出す、新たな畠中ワールド! -
アンボス・ムンドス ふたつの世界
人生で1度だけ思い切ったことをしたからには――。現代女性の奥底に潜む毒を描く、刺激的で挑戦的な桐野文学の方向性を示す短篇集。 不倫相手と夏休み、キューバに旅立った女性教師を待ち受けていたのは非難の嵐だった。 表題作の他、女同士の旅で始まった生々しい性体験告白大会、若い女の登場に翻弄されるホームレスの男達、など七つの短篇を収録。 「直木賞受賞後に発表された七つの短編を収める本書は、桐野さんの新旧二つの作品世界に架けられた吊り橋のようなものといえようか」 (本書解説より) 解説・杉本章子 ※この電子書籍は2005年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
アンソロジー 隠す
冒険、ミステリー、人間ドラマ、恋愛……。 11人の人気女性作家が同じテーマに挑む短編小説集! 誰しも、自分だけの隠しごとを心の奥底に秘めているもの――。 実力と人気を兼ね備えた11人の女性作家たちがSNS上で語り合い、「隠す」をテーマに挑んだエンターテインメントの傑作! 『アンソロジー 捨てる』に続く「アミの会(仮)」が送る、注目シリーズ第2弾。 多彩な物語すべてに、共通の「なにか」が隠されています。 (答えが掲載されている「あとがき」は、最後にお読みください) これが、本物の短編小説集。 ※この電子書籍は2017年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
27時の怪談師
事故物件から事故物件へと移り住み、事故履報告義務のない物件に変える棲師(すみし)を生業としている、霊能力者の亜嵐。 だが本当の姿は、生きた人間より幽霊の方がマシだという、ただの引きこもり。 今回依頼を受けて引っ越すことになったのは〈住むと不幸になる呪いのマンション〉と呼ばれていて、 しかも女性が自殺したマンションの一室。 このマンションに住んでいた人は不気味がり、怯え、とうとう皆出て行ってしまった。 そこにオッドアイの怪談師・ナイトが現れる。 明夜行われるトークライブでこの呪いのマンションの〈真実〉を語りたいので、真実探しの協力をしてほしいとのこと。 どうやら先日あった怪談ライブで、呪いのマンションの話をした怪談師が話し終えた途端、 血を吹いて倒れてしまうという怪奇現象が起きたのだという。しかも2人も――。 その理由は〈真実〉が語られていないからだと推測し、 2人は協力して真実を探しだそうとするが、ライブまでは残り34時間を切っていて……。 引きこもりの〈棲師〉×美形オッドアイの凸凹コンビが 怪奇現象の裏に隠された真実を浮かび上がらせていく! -
銀の匙
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 安野光雅が描く、自らの幼少期の思い出と、少年の目でとらえた美しい世界。 漱石が絶賛した日本文学の不朽の名作が、心に残る情景とともによみがえる。 「本だけは子どものころの続きだった。はるかむかしのことになった今でも、 おもいだすのはきのうのことではなく、少年時代のことである。」――安野光雅 古い茶箪笥の抽匣から銀の匙を見つけたことから始まる、伯母の愛情に包まれて過ごした 幼少期の日々を綴った自伝的作品。 安野光雅によって情感豊かに描きだされた子どもの内面世界は、誰しもの心にある郷愁、 幼き日のさまざまな感情を思い起こさせる。 作:中 勘助 1885年、東京に生まれる。小説家、詩人。東京大学国文学科卒業。夏目漱石に師事。 漱石の推薦で『銀の匙』を『東京朝日新聞』に連載。主な著作に小説『提婆達多』『犬』、詩集に『琅玕』『飛鳥』などがある。 絵:安野光雅 1926年、島根県津和野町に生まれる。BIB金のリンゴ賞(チェコスロバキア)、国際アンデルセン賞などを受賞。 1988年紫綬褒章、2008年菊池寛賞、他を受賞。2012年、文化功労者に選ばれる。 主な著作に「『旅の絵本』シリーズ(全9巻)」(福音館書店)、『本を読む』(山川出版社)、 『小さな家のローラ』(小社刊)などがある。 2001年、津和野町に「安野光雅美術館」、2017年、京丹後市の和久傳ノ森に「森の中の家 安野光雅館」が開館。 -
悪魔を憐れむ
けっして手を下さず、 だが、死に至らしめ、 捕まることも、ない。 ウサコは電撃結婚、タカチは安槻へ一時帰還、ボアンは女子高の国語教師に!? 読み応えたっぷり! ミステリの魔術師・西澤保彦の匠千暁シリーズ最新作! 「先生がその時間に校舎の五階から跳び降り自殺するから見張っていてほしい」。大学OBの居酒屋店主からそう頼まれた匠千暁は、現場で待機していたにもかかわらず、小岩井先生をみすみす死なせてしまう。老教師の自殺の謎を匠千暁が追い、真犯人から「悪魔の口上」を引き出す表題作。平塚刑事の実家の母屋で二十三年間にわたって起こる午前三時に置き時計が飛んできてソファで寝ている人を襲う心霊現象【ルビ:ポルターガイスト】の謎と隠された哀しい真実を解く「無間呪縛」。男女三人が殺害された殺人現場で被害者二人の首と手首だけが持ち去られゴミ集積所に打ち捨てられていた事件、犯人の奇妙な動機を推理する「意匠の切断」。ホテルの九階に宿泊する元教職者がなぜかエレベータを七階と十二階で降りた……殺人事件の奇想天外なアリバイ工作を見破る「死は天秤にかけられて」。四つの珠玉ミステリ短編集。 -
バック・ステージ
新入社員の松尾は忘れ物で戻った夜の会社で、先輩社員の康子がパワハラ上司の不正証拠を探す場面に遭遇。そのまま巻き込まれる形で、片棒を担がされることになる。翌日、中野の劇場では松尾たちの会社がプロモーションする人気演出家の舞台が始まろうとしていた。その周辺では息子の嘘に悩むシングルマザーやチケットを手に劇場で同級生を待つ青年、開幕直前に届いた脅迫状など、それぞれ全く無関係の事件が同時多発的に起きていたが、松尾と康子の行動によってそれらは少しずつ繋がっていく、そして……。バラバラのピースが予測不能のラストを象る。いま、最も注目される作家芦沢央の驚愕・痛快ミステリ! -
シャドウ
お姉ちゃん、恋人、私――究極の三角関係。 十代半ばで両親を失い、姉妹二人で生きてきた陽菜と元菜。美しい姉の陽菜は女優として活躍し、妹の元菜は付き人をつとめている。 姉の“影”として生きてきた元菜は、ロケ現場で野性的な風貌のカメラマン、生駒春也と出会い、それまで味わったことのないような感情を覚える。 生駒と神楽坂でデートをした元菜は、初めての恋に心が浮き立ちつつも、姉に隠しごとをしていることに後ろめたさを感じる。 そんな折、陽菜はキャスティングされていた役を降ろされる。「色気が足りない」と事務所の社長に指摘され、女優として瀬戸際に立たされた陽菜は、生放送の番組で写真家と交際していると宣言してしまう。 生駒と元菜の関係に気付いていた陽菜は、「元菜を愛しているなら、私と交際宣言をして」と生駒に無理難題を持ちかける。姉なしでは生きられない元菜の気持ちを尊重した生駒は、陽菜の要望を受け入れることに……。 深い絆で結ばれた姉妹の関係、そして元菜の恋の行方は――!? 『ぼくの守る星』の注目作家が究極の三角関係を描く、新しいカタチの恋愛小説。 -
ラストレター
「Love Letter」から24年――映画「ラストレター」原作小説。 「君にまだずっと恋してるって言ったら信じますか?」 「君にまだずっと恋してるって言ったら信じますか?」亡くなった姉の未咲の代わりに同窓会に出た裕里は、初恋相手の鏡史郎と再会し、姉のふりをして文通を始める。 手紙は姉妹の娘たちをも巻き込み、二つの世代の時間を動かし始める――。 不朽の名作『ラヴレター』から24年の時を経て贈られる、岩井美学の到達点。 映画「ラストレター」(出演:松たか子、広瀬すず、神木隆之介、福山雅治ほか)の原作小説。 解説・西崎憲 ※この電子書籍は2018年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
迷える羊の森
犬や猫は人間の感情を察して寄り添ってくれるが、植物も同じ。植物にも感情や思考がある。そんな植物の力を知り抜いた男、花宮が主人をつとめる植物療法店には、今日も悩める人々がやってくる。 両親の勧めでお見合いをした相手とこのまま結婚していいのか躊躇う女性、継母が産んだ妹を「いなくなればいいのに」と嫌う七歳の少年……。 人生の岐路に立つ人々を、彩り豊かな香りを放つ植物が、正しい道へと導いてくれる。 心を癒やす、不思議な《迷える羊の森》に、ようこそ。 -
猫には推理がよく似合う
とある弁護士事務所に勤める花織は、先生に寄せられる依頼を盗み聞きしては、“おしゃべりする猫”のスコティと噂話に花を咲かせていた。ある日、愛らしく気高くちょっと生意気なスコティが、推理合戦を仕掛けてくる。「もしいま先生が殺されて、金庫の中身が盗まれたら、犯人は誰だと思う?」。金庫に入っているのは、5カラットのダイヤ、資産家の遺言書、失踪人の詫び状、12通の不渡り手形。怪しい依頼人たちを容疑者に、あれこれと妄想を膨らますふたり(1人と1匹)だったが、なぜか事件が本当に起きてしまい―。現実の事件と、謎解きに興じる“しゃべる猫”の真実は?ミステリ界注目の気鋭による、猫愛あふれる本格推理。 解説 我孫子武丸 帯推薦文 有栖川有栖 -
007/カジノ・ロワイヤル【白石朗訳】
イギリスが誇る秘密情報部で、ある常識はずれの計画がもちあがった。ソ連の重要なスパイで、フランス共産党系労組の大物であるル・シッフルを打倒せよ。彼は党の資金を使いこんで窮地に追いこまれ、高額のギャンブルの儲けで一挙に挽回しようとしていた。それを阻止し嘲笑の的に仕立てて破滅させるために、秘密情報部からカジノ・ロワイヤルにジェームズ・ボンドが送りこまれる。冷酷な殺人をも厭わない、ダブル0の称号――007のコードをもつ男。巨額の賭け金が動く緊迫の勝負の裏で密かにめぐらされる陰謀。007初登場作を新訳でリニューアル。/解説=杉江松恋 -
マンソン・ファミリー 悪魔に捧げたわたしの22カ月
14歳。わたしはカルト集団の一員(ファミリー)になった。愛され、殴られ、蹂躙された日々のはて、1969年、世紀の無差別殺人は起きた――。著者が初めて語る壮絶な自伝。 1967年、14歳のダイアンはチャールズ・マンソン率いる“ファミリー”の一員になった。セックスとドラッグが蔓延するLAでヒッピーになった両親に捨てられ、ようやく見つけた居場所だった。だがチャールズの微笑みは暴力的な支配に変わり、ファミリーは無差別殺人を犯すカルト集団へと変貌していく。一夜に女優シャロン・テートら5人を惨殺するまで――。事件から50年、初めて明かされる衝撃の内幕! -
ラストレター
ラジオ局に入社して4年目の新米アナウンサーの寺島尚人は、 ある日、聴取率0%台、誰も聴いていない深夜放送の≪大改革≫に名乗りをあげてしまう。 「みんな小さな人生を生きている。それを伝えたいと誰もが思っている筈です。 そんな葉書を……小声で、ただひたすら愚直に読んであげるのはどうでしょうか」と。 大抜擢で番組を任されることになる。 しかし自分でスポンサーも探せと命令されたり、 ライバル局に邪魔をされたりとトラブル続出。 だが新米アナウンサーの青臭い情熱が、 それまで傍観するだけだったラジオ局の人々を動かし、団結させていく。 そして、Twitterでもなく、メールでもなく、 ファクスでもなく、ラインでもなく、 リスナーから届く≪葉書≫で番組を構成していくというやり方が支持を得る。 特に、一緒に泣いたり本気で怒りながら読み上げる 「ラストレター」という企画が目玉コーナーとなり、 人気番組となるのだが……。 ラジオ局で働く仲間たちをめぐる、愉快で心温まる物語。 1981(昭和56)年から12年半、文化放送「さだまさしのセイ!ヤング」を続けてきた著者の、経験に基づく深夜ラジオ小説!! -
灼熱
復讐のために、女は整形し、身分を変え、憎い男の妻となった……。人は復讐のために、どこまで非情になることができるのか? どれだけ身を焦がす日々に耐えることができるのか? 医者である英雄と一見、幸せな結婚生活を送る絵里。しかし彼女の本当の名前は咲花子といい、英雄が元夫を殺した証拠を探していた――。物語は一年半前に遡る。咲花子は刑事から当時の夫が転落死したこと、何件もの詐欺を働いていたことを知らされる。詐欺師の妻として彼女自身もマスコミに叩かれる中、夫殺しの容疑者だった英雄の不起訴が確定。希望を失った彼女は、自殺サイトで知り合った絵里という女性と自殺を試みるのだが……。『暗黒女子』『絶対正義』で話題の著者、慟哭の最新作を電子書籍化。 -
海の乙女の惜しみなさ
2017年に没した著者が死の直前に脱稿した、26年ぶりの短篇集。『ジーザス・サン』の流れを汲みつつ、どん底から救済を夢見る人々の姿を通して、アメリカ的精神のゆくえを冷徹に見つめる5篇を収録。 「海の乙女の惜しみなさ」 広告代理店に長年勤務した60代前半のビル・ウィットマンの人生の瞬間をめぐる断片的な物語。老境に差しかかった語り手にのしかかる「老い」と「死」という主題が全体を貫く。 「首絞めボブ」 1967年、主人公はささいな非行により刑務所に収監される。そこで目にしたのは、無秩序の寸前で保たれている秩序、それぞれの受刑者が語る虚構すれすれの体験談だった。 「ドッペルゲンガー、ポルターガイスト」 詩人である大学教師ケヴィンが、才能豊かな教え子マークのエルヴィス・プレスリーに対する強迫観念を振り返る。マークはエルヴィスに関する陰謀説を証明しようとしていた。 「老い」と「死」という主題と、老いつつある「アメリカ」そのものを視野に入れた描写が、どの短篇にも色濃く現われている。生前、「現在においてもっとも影響力のある作家」と呼ばれた著者の集大成と呼ぶにふさわしい作品。 -
文庫 沈黙の少女
このラスト、予測不能。 衝撃の展開、底なしの邪悪…、人は平静ではいられなくなる。 ドイツ推理作家協会賞受賞『謝罪代行社』の鬼才が贈る衝撃の罠に誰もがハマる! 冬。ベルリン。闇に消えた子どもたち。ただ一人生還した少女…。凍てつく魂の闇を往く父親の彷徨。今と数年前の「時制」、わたし・彼ら・きみの「人称」、これらの錯綜が読み手を舞台へと引き込んでいく。迷宮の果てに待ち受ける驚天動地の真相とは! 【あらすじ】 雪の夜、ベルリン。13歳のルチアとその弟が何者かに誘拐された。2週間後保護された彼女はそれから6年間、謎の沈黙を守りつづけることになる――。一方、教師のミカはパブで4人の男たちと接触を持ち、仲間として加わることに成功する。それはずっと温めてきた計画の第一歩――ミカを衝き動かすのは、父親としての妄執にも似た狂おしい想いだけだった。予想を超える展開の果てに待ち受ける驚愕の真相とは? 黒々とした衝撃が胸を貫き、腹を震わせる傑作ミステリー登場! (解説・酒井貞道) -
不時着する流星たち
盲目の祖父は、家中を歩いて考えつく限りの点と点を結び、その間の距離を測っては僕に記録させた。足音と歩数のつぶやきが一つに溶け合い、音楽のようになって耳に届いてくる。それはどこか果てしもない遠くから響いてくるかのようなひたむきな響きがあった――グレン・グールドにインスパイアされた短篇をはじめ、パトリシア・ハイスミス、エリザベス・テイラー、ローベルト・ヴァルザー等、かつて確かにこの世にあった人や事に端を発し、その記憶、手触り、痕跡を珠玉の物語に結晶化させた全十篇。硬質でフェティッシュな筆致で現実と虚構のあわいを描き、静かな人生に突然訪れる破調の予感を見事にとらえた、物語の名手のかなでる10の変奏曲。 -
静かな雨
忘れても忘れても、ふたりの世界は失われない。 映画化決定(主演・太賀、衛藤美彩)、本屋大賞受賞作家の瑞々しいデビュー作。 行助は美味しいたいやき屋を一人で経営するこよみと出会い、親しくなる。 ある朝、こよみは交通事故の巻き添えとなり、三ヵ月後、意識を取り戻すと新しい記憶を留めておけなくなっていた。 忘れても忘れても、二人の世界は少しずつ重なりゆく。 文學界新人賞佳作に選ばれた瑞々しデビュー作。 *文庫版には「日をつなぐ」(角川文庫『コイノカオリ』収録)も併録しました。 解説・辻原登 ※この電子書籍は2016年12月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
ブルーアウト
エルトゥールル号遭難に着想を得た海洋小説。 和歌山県串本町のダイビングショップでガイドとして働く高畑水輝。そのもとを偶然訪れたトルコ人青年ギュスカン。彼の目的はいまから125年前、祖先ムスタファを乗せた軍艦「エルトゥールル号」の遭難現場に潜り、「あるもの」を捜すことにあった。バディとして潜る水輝が一瞬目を離した隙に突然視界から消えたギュスカン・・・。1世紀の時を経て、日本とトルコの時空を超えて絡み合うふたりの宿命。それは偶然なのか、必然なのか。1890年に起きた「エルトゥールル号遭難事故」に着想を得て、書き下ろした生命の根源を問う渾身の長編海洋小説。待望の文庫化。「生と死が交錯するスリリングな物語」 (朝宮運河氏「解説」より) <エルトゥールル号の遭難事故とは> 1890年9月、オスマン帝国の親善訪日使節団を乗せた軍艦「エルトゥールル号」は帰国の途中、和歌山県串本沖で台風に遭遇、遭難し、500名を超える犠牲者を出した。この未曾有の大惨事の中、地元住民たちの献身的な救助活動により、69名の乗組員が奇跡的に母国トルコに生還した。 -
モルフェウスの領域【電子特典付き】
桜宮市に新設された未来医学探究センター。日比野涼子はこの施設で、世界初の「コールドスリープ」技術により人工的な眠りについた少年の生命維持業務を担当している。少年・佐々木アツシは両眼失明の危機にあったが、特効薬の認可を待つために5年間の“凍眠”を選んだのだ。だが少年が目覚める際に重大な問題が発生することに気づいた涼子は、彼を守るための戦いを開始する。人間の尊厳と倫理を問う、最先端医療ミステリ! ★豪華電子版特典付き! 【電子書籍・共通あとがき】 【著作解説】電子版あとがき『モルフェウスの領域』 【関連小文】1 「自作解説」 初出『ジェネラル・ルージュの伝説』 【関連小文】2 「はるかなる南アフリカ 前編 危険なヨハネスブルグとクルーガー国立公園」 【関連小文】3 「はるかなる南アフリカ 中編 来た、見た、負けた、ダーバン・ナイト」 【関連小文】4 「はるかなる南アフリカ 後編 麗しのケープタウン」 付録1【海堂尊・全著作リスト】 付録2【作品相関図】 付録3【桜宮年表】 付録4【「桜宮サーガ」年代順リスト】 付録5【「桜宮サーガ」構造】 付録6【「海堂ラボ」登場人物リスト】 付録7【関連小文索引】 -
ハリネズミと謎解きたがりなパン屋さん
「人の秘密はそっとしておかなければならないんです。膝の上に乗ったハリネズミみたいに」 いつも無表情な麦さんは“ささいな謎”を愛する、ちょっと不思議なパン屋の店員さん。 彼女の貴重な笑顔に一目惚れして以来、毎日せっせと謎を探しお店を訪ねる僕。パンとコーヒーと“ハリネズミ”とともに、今日も僕らのおいしい謎解きが始まる――。 “なるほどフォカッチャ”。それは「僕と彼女」を結び、「日常の謎」を紐解く魔法の合言葉。
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