作品一覧

  • 青く滲んだ月の行方
    -
    1巻825円 (税込)
    「ここからどうすればいい?」僕がこう思っている時、きみは。 若者の真実を描く感動共作!! 何かを「好き」と言える人を眩しく感じる隼人、 「女の子との遊びはクレーンゲームみたいなもの」と言ってみせる大地、 高校時代までは、周囲から認められて自信を持っていた和弘、 仲間が何に苦しんでいるのか分からず、寄り添えない自分に絶望するBーー 「なりたい自分」に向かってひとり藻掻く、"大人未満"の4人の物語。 『茜さす日に嘘を隠して』(真下みこと)と繋がる世界ーー ●ニシダ(ラランド) あの頃の感受性が戻ってきて痛くて気持ちいい。 ●瀧井朝世(ライター) どんな人間にも、その人だけの真実があるのだと改めて気づかされた。 <第1話 端正な夜> 恋人の咲良に別れを告げられた隼人。1年半付き合っていたはずなのに、胸は痛まないことに動揺する。サークル同期の皐月は、自分の好きなことを活かせる業界に就職したいらしい。それに比べて隼人は、手堅い企業ばかり受けていた。恋人と別れて「悲しい」、サークル活動が「楽しい」、あの会社に「就職したい」。それは、本当に自分の感情なのかーー? <第2話 街の地球人たち> 大学2年生の大地は、女の子を絡め取って過ごしている。友達の俊也は最近また、彼の人生を狂わせた女と連絡をとっているらしい。サークルのあの子も、マッチングアプリで出会ったあの子も、幼なじみの俊也のことさえも、全然わからないーーそうもがく大地がとった行動とは? <第3話 途方> 留年続きで三回目の大学3年生となってしまった和弘。ついに実家に帰らなくてはならない――。喫煙所で出会った綾香が、なぜか和弘の帰省に付き合うと言い出し、一緒に海沿いの故郷へ向かうことになった。大学に入ってからずっと「何かが違う」と感じていた和弘。過去と現実の間で揺れる、二人の逃避行が始まる。 <第4話 αを待ちながら> クラスメイトのAが自殺した。放課後、校舎の三階から飛び降りたらしい。演劇部のBは、それからなぜか脚本が書けない。空想の悲劇とは違う、本物の悲劇。今まで書いてきた不幸な出来事について、自分は何を思っていた? 無自覚な残酷さについて思い悩むBは、非常階段でαと出会う。どうやら、彼女もAの自殺について考えることがあるようでーー <第5話 逆三日月> 就職して2年半、隼人は後輩の大地と大学の学園祭に顔を出した。いつまでも続くと思っていた学生生活が今となっては遠く、当時心に秘めていた自分に対する葛藤や悩みも、すっかり過去のものになってしまったと気がつく。一方で、最近の大地は特別な女性との付き合いを続けているらしくーー
  • 22歳の扉
    4.1
    1巻1,980円 (税込)
    【小説すばる新人賞、史上最年少受賞から8年】 三重で育ち、京都の大学に入学した数学好きの田辺朔。 大学生活に馴染めず、漫然と授業に出て、バイトをしているうちに一回生前期は終わってしまった。 後期に入り、旧文学部棟の地下、通称「キューチカ」でひっそりと経営されているバーのマスターである先輩の夷川と出会い、朔の大学生活は一変した。 夷川につれられ、初めてのウイスキー、タバコ、そしてバーやクラブなど、これまで見たこともない世界を知っていく。 しかし、ある日をさかいに、何の前触れもなく夷川はナイジェリアへ留学に行ってしまった。「バー・ディアハンツはお前に任せる!」の一言を残して。 そこからマスターとしてバーに立つことになった朔は、その大学内の不思議なバーで数々の出会いと別れを経験する――。自由奔放な女の子に振り回されたり、学生運動紛いに巻き込まれたり、自分の行く末に悩んだり…… 二十代前半の「不変」と「今」が詰まった圧倒的青春小説!
  • 凪に溺れる
    4.5
    1巻850円 (税込)
    夢を追うべきか、諦めるべきか。「小説すばる新人賞」史上最年少受賞でデビューを飾った若き才能が、青春の難題を真っ向から描く! ●あらすじ 二〇一九年、無名のアーティストが歌う『凪に溺れる』という曲が、突如ネット上で拡散され始めた。その曲は多くの人々を魅了するが、後日、公式サイトにて、ボーカルの霧野十太(じゅった)が一年前に亡くなったことが発表される。なぜ今になって『凪に溺れる』が注目を浴びているのか。霧野十太とは何者なのか――。一人の天才音楽青年と、彼が作った歌を軸に、夢と現実との狭間で藻掻く六人を描いた著者渾身の青春小説。
  • 幾千年の声を聞く
    3.3
    1巻1,870円 (税込)
    16歳での衝撃デビューから5年。この才能は、誰も予想しなかった進化を遂げた。 世界の中心に聳える巨大な〈木〉。人々は枝の上に家を建て、各地から人が集まり、やがて国ができ、文明ができた。だが、他国から〈木〉のもとを訪れた学者は気がつく。 「こんなものは本来、地球に存在しえない」。 この〈木〉はいったい何なのか?  宗教の長となった少女、天文学に人生を捧げる青年、革命組織に身を置く男―― 数奇な運命に巻き込まれた人々の叡智と苦悩が積み重なり、やがて壮大な謎が解き明かされていく。 これは力ではなく、知性で世界を変えようとした人たちの、幾千年の物語。
  • 凪に溺れる
    3.9
    1巻1,500円 (税込)
    自分にも劇的な未来が待っている。そう信じられなくなったのは、いつからだろう――。16歳にして小説すばる新人賞史上最年少受賞を果たした鮮烈なデビュー作、『星に願いを、そして手を。』から三年。現役京大生となった若き才能が、“青春の難題”に立ち向かう! 読了後、静かな感動と勇気が押し寄せる、「救い」の物語。 【あらすじ】仕事も恋愛も惰性の日々を過ごしているOLの遥。ある日遥は、無名のアーティストの曲がYouTube上で「バズって」いるのを見つける。その曲にとてつもない引力を感じた遥だったが、数日後、そのアーティストの公式サイトで、「2018年10月23日、Vo.霧野十太逝去。27歳」の文字を目にする。なぜ1年も前に亡くなった無名のアーティストの曲が、今更注目を浴びているのか。霧野十太とは何者なのか――。一人の天才音楽青年と、彼が作った「ある曲」を軸に、夢と理想、そして現実とのはざまで藻掻く6人の人生を描き切った、著者渾身の青春小説。
  • 星に願いを、そして手を。
    3.7
    1巻616円 (税込)
    中学三年の祐人は、いつも薫、理奈、春樹とプラネタリウムのある科学館で過ごしていた。宇宙に憧れる四人は似た夢を持ち、同じ高校に進む。だが、月日が経ち、祐人は逃げた。夢を諦めて町役場で働く彼は科学館を避け、幼馴染の三人をも避け続ける。ところが、館長の訃報を受けて三人に会うことに。そこで科学館の閉鎖を知り…。瑞々しい筆致で描かれる青春群像劇。第29回小説すばる新人賞受賞作。

ユーザーレビュー

  • 22歳の扉

    Posted by ブクログ

    23歳の今、何気なく手に取ったこの本は、読んで本当によかったと心から思える一冊だった。
    大学4年の自分と重なる部分が多く、自分の中でも言葉にしづらかった感情が、この本の中で丁寧に描かれていた。

    大学生になると、「自分とは何か」「自分は何をしたいのか」といった問いに向き合わざるを得なくなる。
    明確な答えのない問いを探し続けることは、時に苦しく困難でもあるが、その過程に無駄なものは何一つない。
    悩み、もがき続ける中で、少しずつ“自分”という輪郭がはっきりしていくのだと思う。

    ディアハンツのシーンでは、思わず自分もお酒を飲みたくなった。

    0
    2025年10月29日
  • 22歳の扉

    Posted by ブクログ

    高校卒業したばかりの主人公が、大学生活の4年間で出逢った人や出来事を通じて、少しずつ大人へと成長していく物語。その過程でみせる、大学生ならではの、完全な大人にはなりきれず、しかし子どもでもない中途半端さや儚さが、人間関係の変化や自分自身の心の揺れを通じて鮮明に描かれている。
    誰もが大学生活で経験するであろう、人生の分岐点にたった時の葛藤や、思い通りにいかない他人の気持ちへのもどかしさ、親しい友人との心のすれ違い、こうしたリアルな感覚に自然と自分と重ねてしまう。あの時の青さや自由の中にある青春が、ページをめくる度に蘇る。もし22歳の時に出会っていたら、きっとより自分と重ね深く共感していたと思う。

    0
    2025年09月20日
  • 22歳の扉

    Posted by ブクログ

    頭の中で今夜はブギーバックが流れてました。
    この小説を読んで主人公のように自分も物事に対してもっと深く考え、行動するべきだったとおもいました。

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    2025年06月18日
  • 22歳の扉

    Posted by ブクログ

    読み終わった時には22歳の扉というタイトルに誰もが共感するのではないだろうか。自分の学生生活に重ね、主人公と同じように同じような悩みを抱えていたな、友達や他人と比べ彼らを羨んでいたな、自分に自信がなかったなと、でもそうやって毎日を生きていくことで多少なりとも成長しているんだと、よくやっているよ、と声をかけたくなった。誰だって頑張る時もあるけれど、休息の時間も必要で、決して自分がダメなことなんてない。これといって特別何かが起こるとかはないストーリーだが、主人公が大人になっていく様子が鮮明に書かれていて若さ、美しさ、鮮明さ、心地よさを感じる非常に読みやすい本だった。青羽さんの本を初めて読んだが他の

    0
    2025年05月24日
  • 22歳の扉

    Posted by ブクログ

    人は人を救えない。でも場所は人を救える。

    まともじゃないし、強くない。だから誰かのそばにはいられない。

    0
    2025年04月16日

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