青羽悠のレビュー一覧

  • 22歳の扉

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    23歳の今、何気なく手に取ったこの本は、読んで本当によかったと心から思える一冊だった。
    大学4年の自分と重なる部分が多く、自分の中でも言葉にしづらかった感情が、この本の中で丁寧に描かれていた。

    大学生になると、「自分とは何か」「自分は何をしたいのか」といった問いに向き合わざるを得なくなる。
    明確な答えのない問いを探し続けることは、時に苦しく困難でもあるが、その過程に無駄なものは何一つない。
    悩み、もがき続ける中で、少しずつ“自分”という輪郭がはっきりしていくのだと思う。

    ディアハンツのシーンでは、思わず自分もお酒を飲みたくなった。

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    2025年10月29日
  • 22歳の扉

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    高校卒業したばかりの主人公が、大学生活の4年間で出逢った人や出来事を通じて、少しずつ大人へと成長していく物語。その過程でみせる、大学生ならではの、完全な大人にはなりきれず、しかし子どもでもない中途半端さや儚さが、人間関係の変化や自分自身の心の揺れを通じて鮮明に描かれている。
    誰もが大学生活で経験するであろう、人生の分岐点にたった時の葛藤や、思い通りにいかない他人の気持ちへのもどかしさ、親しい友人との心のすれ違い、こうしたリアルな感覚に自然と自分と重ねてしまう。あの時の青さや自由の中にある青春が、ページをめくる度に蘇る。もし22歳の時に出会っていたら、きっとより自分と重ね深く共感していたと思う。

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    2025年09月20日
  • 22歳の扉

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    頭の中で今夜はブギーバックが流れてました。
    この小説を読んで主人公のように自分も物事に対してもっと深く考え、行動するべきだったとおもいました。

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    2025年06月18日
  • 22歳の扉

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    読み終わった時には22歳の扉というタイトルに誰もが共感するのではないだろうか。自分の学生生活に重ね、主人公と同じように同じような悩みを抱えていたな、友達や他人と比べ彼らを羨んでいたな、自分に自信がなかったなと、でもそうやって毎日を生きていくことで多少なりとも成長しているんだと、よくやっているよ、と声をかけたくなった。誰だって頑張る時もあるけれど、休息の時間も必要で、決して自分がダメなことなんてない。これといって特別何かが起こるとかはないストーリーだが、主人公が大人になっていく様子が鮮明に書かれていて若さ、美しさ、鮮明さ、心地よさを感じる非常に読みやすい本だった。青羽さんの本を初めて読んだが他の

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    2025年05月24日
  • 22歳の扉

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    人は人を救えない。でも場所は人を救える。

    まともじゃないし、強くない。だから誰かのそばにはいられない。

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    2025年04月16日
  • 22歳の扉

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    自分が知ってる学生時代の京都にはまだスマホも無くて、市電が走ってた。随分時がたったけど、青春の思い出は今でもすぐに復活して来る。なんでもない日常のように思えて実は大事な4年間やったんやって思う。みんな生きてるかー。若き日の宮本輝作品「青が散る」を思い出したよ。

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    2025年01月29日
  • 凪に溺れる

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    1人の天才とそれと関わる人たちとの物語。
    すべてが繋がっている…。
    めぐりめぐって。
    最初の章から、この音楽を聴いてみたい!と思わせられた!
    みんなそれぞれ前に進むんだ。

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    2024年10月13日
  • 22歳の扉

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    読んでいくうちにだんだんと引き込まれておもしろくなって、最終章の途中まできたところで、もう一度最初から読み直して、ラストまでを読み切った。

    どんなにおもしろいと思った本でも、これまでは一気に読んで再読することはほとんどなかったから、私にしてはめずらしい読書の仕方。

    ドラマチックなことやびっくりさせられる意外な展開もとくになく、順序よくダラダラと大学の4年間が描かれているんだけど、それがまたなんかとっても良かった。

    関西のまちで過ごした自分自身の大学4年間のことを思い出した。ふだんはほとんど思い出すこともないような出来事やそのときの自分の感情、親しくしていた人たちのことなど。

    読み終えて

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    2024年08月31日
  • 凪に溺れる

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    一人の天才を取り巻く「普通」な人達と、一人の天才もまた「普通」だった話。

    物語の中に出てきた「凪に溺れる」の曲、聴いてみたくなった。存在しないのが残念。
    私の周りにはこうして突出した天才はいないけれど、人より何らかが抜きん出ている人はいた。私もああなりたい、届きたいと思っていたけどその気持ちに陰りが見え始めたとき嫉妬に変わった。あの気持ちも全部まるっと、私の青春の中にあった。
    日常に紛れる天才の描写がとても上手いと感じた。

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    2024年08月28日
  • 22歳の扉

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    京都大学のアングラな地下部屋、学生が長居する喫茶、自由を持て余すキャンパス、どう処理したらいいのかわからないどでかいエネルギー、生と性がぶつかり合い、酒と議論と煙草が空間を支配していたあの頃を彷彿とさせるちょっと最近のキャンパスには面影のない群像がいい。

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    2024年08月04日
  • 22歳の扉

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    私の大学時代の部室は、何故か一般の場所と異なる場所に。その建物は、乞食小屋と呼ばれた。複数の部で衝立等して分け合っていた。学食のお金もケチってそこで、蕎麦に卵入れたりして昼食を作っていた。ワンゲルだったので、煮炊き道具は、揃っていた。前の週に登った山行の反省会、次の山行の計画会、テント干し等で、昼に集まる。といっても、脱線して馬鹿話。土日は、登山。夏休みは、山を縦走。冬休みと春休みは、スキー合宿。スキー合宿は、山小屋か、冬季で閉鎖中の企業施設。よって、自炊。毎日夜は、酒盛りと生ギター伴奏の合唱。眠くなった奴から寝袋で寝る。酒や食材が無くなると、下界にスキーで降りて買い出し。リュック一杯買ってく

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    2024年08月04日
  • 22歳の扉

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    【あらすじ】
    京都の大学に入学した数学好きの田辺朔。
    大学生活に馴染めず、漫然と授業を受け、バイトをしているうちに一回生前期は終わってしまった。
    後期に入り、旧文学部棟の地下、通称「キューチカ」でひっそりと営業されているバーのマスター夷川と出会い、朔の大学生活は一変した―。

    【感想】
    朔が大学入学から卒業するまでに、色んな人と出会い、様々な出来事を経験し、成長・変化していく様子がありありと伝わってきた。読み手も朔の人生を経験してるような感覚になり、楽しくも辛い、そして読み手も成長できるような作品だった。

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    2024年07月05日
  • 凪に溺れる

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    「凪に溺れる」という一つの楽曲の周りにうごめく色んな人の感情の起伏が面白かった。
    夢を諦めるのか、
    孤独の中を進むのか
    今を愚直に生きるのか、
    色んな視点での葛藤とそれぞれが出す答えに人生の希望を貰える作品。

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    2023年08月14日
  • 凪に溺れる

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    あるバンドマンの死去、それが様々な人々に波紋を起こす。
    本書はミステリではないがミステリ小説のような構成で一気に読ませる秀作である。
    例えばカート・コバーンやシド・ヴィシャスがその例だが、才能の詰まった人というのは普通の人生を普通に歩けない。生きるのがどうしても上手くいかない。
    本書に登場する十太(じゅった)もそうで、彼はバンドをしたくてもことごとく上手くいかない。そして悲劇が待ち受ける。
    時間を遡る形式にして描かれる本書は青春の、何かが始まりそうな予感を前面に押し出している。陳腐な言い方をしてしまえば伝説の始まり、だろうか。そして大勢の若者がそうであるように彼らもそれに敗れていく。だがここで

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    2023年07月20日
  • 凪に溺れる

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    ネタバレ

    純文学のような文体と言葉選び、そしてミステリ小説のような伏線や話の構成で素晴らしかった。
    アーティストの霧野十汰とその周りにいた人たちのアンソロジーになっていて、主題は10代から20代の漠然とした「なにか起きるかも」という希望とそれを失う様々な瞬間が描かれていてとても良かった。

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    2023年05月31日
  • 凪に溺れる

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    《凪に溺れる》という1曲と関わる人たちの物語。
    読むにつれて、だんだんと物語が繋がっていく。
    もっと早くこの作品と出会いたかった。
    そのぐらい、心に染みる1冊でした。

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    2023年05月28日
  • 星に願いを、そして手を。

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    ネタバレ

    途中、ただの青春懐古物語か…とだれた感もあったが、謎が解けた瞬間からはとても面白かった。

    ただの4人の青春ではなく、過去の3人、現代の2人の糸の絡まり合いも面白い。

    祐人の夢を諦めた…の件はちょっとわかりにくいし、だからって別れる?みたいなところはあったけれど、それも夢とは…の帰結に繋がるのかな。

    『この星空の光は、写真に焼き付けるには弱すぎる。でも、心を動かすには十分だ』

    星がほとんど見えない空の下に住んでいるけど、時々、星空を眺めてみよう。

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    2021年12月05日
  • 凪に溺れる

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    「星に願いを、そして手を」で評されていたように、まだ文章に荒削りな部分はあるのかも知れないが、ストーリーとしてはとても読みやすくて、一気に読み切ってしまった。
    主人公視点の章がないところや内容に桐島に似たものを感じさせる雰囲気があって好みだった。
    まだ2作しか出されていないが、早く新しい作品を読みたいと思う。

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    2021年09月06日
  • 凪に溺れる

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    2000年生まれの作家さんだそうです。

    2018年10月23日に亡くなったボーカリスト霧野十太27歳と巡る人たちの物語です。

    十太と中学2年生のわずかな間だけ同級生だった、スイマーを目指す大宮夏佳は十太と初恋をしますが、転校により別れ別れになります。十太は夏佳の為に曲を作ります。夏佳はその曲をずっと覚えています。十太との約束も。

    十太の初めての彼女となる高校の少し危ない同級生、小崎聖来。聖来は十太のことを「私の神様」と呼ぶようになります。

    そして2015年。十太とバンドを組んでいたギターの石田正博。ベースの金木梓。ドラムの原田弘毅。やがてバンドは解散してしまい十太は一人になります。

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    2021年09月05日
  • 凪に溺れる

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    ☑︎予感は予感のまま、実現しない間だけが美しいのだ
    ☑︎顔の知れない人間に肯定されたところで何が嬉しいというのだ

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    2021年08月19日