青羽悠のレビュー一覧
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感動しました
読み終わったときに素直に感動しました。
小さな青春もあり、ミステリーというか謎もあり、出てくる登場人物一人ひとりの個性を感じます。
夢がある人、まだ夢がない人、夢を諦めた人、夢を追い続ける人。16歳が書いたとは思えない作品でした。次作にも期待します。 -
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小説すばる新人賞受賞作。
著者が高一の時に、初めて書いた小説だと、巻末の解説を読んで知った。
衝撃。さすがに何作も書いてきたうえに完成した作品だと思いながら読んでいた。
というのも、読みやすく(序盤だけ読みづらかった)、構成が見事で、伏線もしっかり張られ、中だるみすることなく終盤に盛り上がって良い余韻の中で終わったからだ。
学生が書いた作品らしく、青春物語。
ただ宇宙科学の知識や、社会人の視点も違和感なく書かれていた。
視点人物は3人。
幼馴染の4人のうちの、祐人と理奈。そして科学館館長の孫の高校生、直哉。
男2人の一人称は僕と俺で使い分けられてるからわかりやすいし、口調も区別されてて、 -
Posted by ブクログ
今、就活中の私にすごく心に刺さった一冊だった。夢と宇宙をテーマにした3世代の脆い人間関係が鮮明に描かれていた。
学生の頃の夢に対するあのトキメキと、大人になって感じる夢に対する焦燥や恐怖、この二面性のある感情がとても私には共感できる部分だった。16歳とは思えない文才や知識量、読んでいくうちに謎が明かされる構成力だったり、少しずつ物語にのめり込んで、気づけば私も登場人物の中のひとりになっていた。登場人物は3世代で分けられていて、それぞれの視点から読めるし、青春の甘酸っぱさや恋愛も入っていてとても感情移入できる部分もあって、とても読みやすいと感じた。
16歳でこの文章力?!とも思ったが、16歳の著 -
Posted by ブクログ
現代版リアル四畳半神話大系。
大人と子供の狭間である大学生、彼らは確かに大人でありながら、大人になろうとしている子どものようにも見える。
どんな4年間を過ごそうが、なるようになるというか過去は過去であって未来を生きる気力になる。全て忘れて消えてしまうけれど確かにそこに足跡がある。人に揉まれながら、好きを知り、他人を知り、自分を知っていく主人公がとても恵まれていて羨ましく見えた。
大学生活って何故これほどに魅惑的な時間なのか。何に熱中してもいいし、全てを怠惰に過ごしてもいい。十人十色の生活の先に共通する価値観も存在すれば、全く異なる未来も創造される。それを能動的に行動できるならばそれ以上に素晴ら -
Posted by ブクログ
朔の4年間を通して、私も大学時代を過ごした京都の景色を少し懐かしく感じました。
それにしても若いです。
大学生だからこその馬鹿らしさ、青さを存分に楽しませてもらいました。
その時間は楽しいけれども、乗り越えて先に進まないといけないもので、ある意味まだ学生気分を抜けれてないようです。
でもこんなパワーもう私は失ってしまったかもしれない。
没頭できるもののある人生を羨ましく思います。
僕はただ、好きなものを好きだって言いたい。
俺は面白いものが見たいんだよな。面白くないものを見てると、搾取されてる気分になるだろ。何だろうな、そう、面白いというか、弾けるというか、しがらみのないものが見たん -
Posted by ブクログ
主人公は、京都の大学(おそらく京大)に入学した数学好きの田辺朔。大学生活になじめず、漫然と過ごしていた1回生の後期に、旧文学部棟の地下(通称「キューチカ」)でひっそりと営業されているバーのマスター夷川歩と出会って、大学生活が一変してからの4年間を描く。
出会い、恋愛、友情、サークル、学問、進路の悩み・・・と大学生というものが凝縮されたような小説で、自分の学生生活の断片も思い起こされた。京都を舞台にした現代版『三四郎』という印象。「場所が人を救う」というのは言い得て妙だと思った。
ただ、同じ京都の大学生活を取り上げる森見登美彦の作品などと比べると地に足のついた小説だとは思うのだが、どこか空想の産