青羽悠のレビュー一覧

  • 幾千年の声を聞く

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    個人的に難しい本だった。
    数年前に『星に願いを、そして手を。』で知った若い才能で、『凪に溺れる』でグッと心掴まれた著者の、初めての青春小説以外の作品。
    元から全般的に共感しやすいわけではなく、どこか超然とした思考や真意があり、それらを掴むまでには時間がかかる印象だったけど、今作はその感じが顕著だった。
    幾千年もの時間を跨いだ舞台や、巨大な木の恩恵という設定は興味を惹かれるしワクワクするけど、どこか自分とはかけ離れたところで物語が進んでいるような、一種ののめり込めなさが常にあった。もちろん、個人的な読解力の問題ではあるけど。
    いろんな変遷を経た上での最終章の、「もう死んだようには生きたくない。ち

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    2023年02月07日
  • 凪に溺れる

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    十太の心の中の暗い「凪」から、美しい音楽が生まれ、出会った人たちを巻き込んでいく。
    十太の望んだものは一体何だったんだろう。
    夢を追い続ける人の目はキラキラ輝いているものだと思っていたが、視線の先に何を見ていたのだろう。

    十太の息子には、違った生き方をして欲しい。

    尾崎豊の歌が遠くから聞こえてくる。

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    2023年01月09日
  • 幾千年の声を聞く

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    ネタバレ

    古来に突然現れた謎の巨大な木。地球上には存在し得ない構造、一体何によって何のために生まれたものなのか、、?
    舞台となる時代が異なる5つの短編集になっていて、人々と木の関係性や生き方の変化に注目です。
    1つ目は原始的な世界で、木を中心とした信仰の中で生き、祈りを捧げる少女の話
    2つ目は木の上に建つ天文台で星を観察することに全てを捧げる青年の話
    3つ目は国の危機に、生まれながらに木を中心とした信仰の拠り所となった少女が立ち向かう話
    4つ目は人生に絶望した配達員の男が、木に関する研究によって時代が変わる瞬間を目の当たりにする話
    5つ目は科学技術が限界まで進み、人々が退化し機械化していく中で、人間らし

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    2022年12月30日
  • 星に願いを、そして手を。

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    ネタバレ

    幼なじみの薫、理奈、春樹、祐人は、町の科学館で多くの時間を過ごした。
    館長や奥さんの乃々さんと過ごした高校時代は、唯一無二の大切な時間だった。しかし、理奈と祐人の破局をきっかけに何となく疎遠になってしまった四人が、館長の死をきっかけに再会する。

    とてもフレッシュな作品だった。
    作者が16歳だということもあってか、学生時代の話がとてもリアルで瑞々しく感じる。しばらく読書から離れていたので、自分の感性が急に年をとってしまったように感じた。将来の夢に対するひたむきさが眩しくて、共感よりも先に自分との乖離を感じた。夢にガチンコで向き合える期間は、渦中にいる間は気が付かないけれど、案外少ない。

    物語

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    2022年12月18日
  • 幾千年の声を聞く

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    ネタバレ

    ひとつの「木」を中心に5つの時代を歩む
    完結しているようで中盤繋がりが現れる
    時が進むにつれ明かされる「木」のことや、各章の展開は面白い
    SFへの移行でついにきたか!と思ったのだけどな

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    2022年12月17日
  • 星に願いを、そして手を。

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    古本屋でたまたま目にして気になったから購入。

    著者が16歳の時に書いた作品で、16歳でこのような作品を書ける事にはただただ脱帽。

    恐らく、ネットの世界にはもっと色々な作品が溢れていて日の目を見るのを待っているのかもしれない。

    今作は、タイトルにもあるように星が重要なテーマになっている。

    閉館になる科学館を舞台に昔の友人が集う。

    なんか、それだけでいいなぁ〜と思う。

    子供から少し大人になって、幼少期を過ごしたところに、そのとき過ごした仲間と集う。

    いつかやってみたいな。

    河村さんいいなぁ〜。

    それにしても、プラネタリウム。

    寝ちゃうんだよなぁ〜。

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    2022年11月21日
  • 凪に溺れる

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    十太の音楽によってつながっていく人たちの物語。凄まじい力のある音楽だったのだろう。しかし人が死ぬ話はあまり好きでは無い。

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    2022年10月04日
  • 凪に溺れる

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    岡本歌織さんの装丁より。タイトルになっている『凪に溺れる』という曲を作ったミュージシャンの周辺の人々の回顧録。

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    2024年04月08日
  • 星に願いを、そして手を。

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    夢 宇宙 夏 キーワードが青春ですね
    当時16歳の著者が書いた作品
    すばる新人賞受賞作
    一つだけ難を言うと 人物目線の変わり目が少しわかりにくいことかな
    生きていく上での誰もが抱いている葛藤が多分著者の年齢と同じ目線なのかな
    描写が良かったです

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    2022年04月18日
  • 星に願いを、そして手を。

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    「凪に溺れる」が良すぎてこっちはそうでもないなって思っちゃったけど、夢を見続けるのにはいろんな方法がある、とか共感できることはたくさんあった。

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    2022年01月10日
  • 凪に溺れる

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    ネタバレ

    なりたい自分であること、大人になること。
    祈り。
    書こうとしているのはこういうことなのかもと思う。

    登場人物全員に書かれるべきストーリーがあるが、人物切りで章立てし、かつ章ごとに舞台となる年が切り替わるため、それぞれがどうしても短く淡白になり描ききれていない印象。
    登場人物たちの心理描写はリアルを追求しているように感じられる一方、十太と父親との人生の重なり方は非現実的な創作感が漂っており、ちぐはぐに感じてしまった。
    十太の魅力、十太が聖来と惹かれあった理由、タイドオブノイズが人々の心に響く納得感など、もっとクリアになるとストンと来そう。

    文章はちょっと詩的な感じもあってきれいで魅力的。

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    2021年12月25日
  • 凪に溺れる

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    若いなという印象を持ちました。肩に力入っている感じが微笑ましいとも言えます。
    言ってもまだ十代でこれだけ書けるんだからすごいんですよ。それを念頭に置いてまず読む。
    音楽ものとして読んだとき、ミュージシャン目線で読むのであまりにも違和感があったりすると気になりますが、これは違和感なくすんなり入って来るので作者も楽器やられるのでしょうか。
    一人の不遇な天才ミュージシャンの一生を、色々な人の目線で追う連作集でさくさく読めます。

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    2021年11月10日
  • 星に願いを、そして手を。

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    夢を追うことをめぐる、いくつかの世代の群像劇。

    宇宙にあこがれて地元の科学館をたまり場にしていた祐人、理奈、薫、春樹。
    理奈は研究者となるべく、大学院で学んでいる。
    一方、高校時代彼女とつきあいはじめた祐人は、夢をあきらめ、地元に戻り公務員をしている。
    薫は、「古巣」の科学館で働く。
    その科学館が、閉館することになる。
    彼ら四人をおおらかに見守り続け、時に導いてくれた館長の死をきっかけに。
    社会人となってばらばらになっていた四人が、閉館をきっかけに、再び集まることで物語が動いていく。

    宇宙の夢を追う幼馴染たちという構図は、実は館長とその妻の乃々さん、そして祐人たちの高校の物理教師だった細山

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    2021年11月03日
  • 星に願いを、そして手を。

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    ネタバレ

    作者の執筆時の年齢を知らずに読めばよかったが、どうしても文章の未熟さが気になってしまった。ただ構成や人物の描き方などは非凡な才能と言わざるを得ない。
    読後あなたはプラネタリウムに行きたくなるだろう。

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    2021年01月13日
  • 星に願いを、そして手を。

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    科学館の館長の訃報を受けて、久しぶりに会った同級生達。
    彼らは、それぞれ生きる道を辿っていた。訃報をきっかけに科学館の閉鎖が決定したり、館長の隠された経歴が明らかになっていきます。そこから彼らの見えなかった部分や人生の葛藤を垣間見えてきます。

    登場人物達は、夢を諦めた人や目指そうとする人など、あらゆる「夢」によって人生を歩んでいる人たちが描かれています。作者のデビュー作品ということで、印象深かったのは、場面の転換が、スーッと自然に切り替わるので、ぶった切った感じがそんなにありませんでした。ただ、そのせいか、視点が一人ではなく、「僕」「私」「俺」の複数の視点であるため、「あれ?いつ視点変わった

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    2020年07月21日
  • 星に願いを、そして手を。

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    16歳で新人賞を獲得したと知り、思春期特有のセンチメンタル系と思いきや良い意味で期待を裏切られた。宇宙学にかなり熟知した書き方。人情ものとミステリーが合わさったような作品でさらっと読めて伏線が結末につながっていて面白い。

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    2019年11月04日
  • 星に願いを、そして手を。

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    夢と宇宙の物語。
    科学館での青春の日々を過ごした男女4人が何年かの時を経て再会する。 夢を追うもの、夢を諦めたもの関係は複雑で、そこに科学館の閉館と館長の死、館長の奥さんからの謎、などなどが絡まっている。
    夢!!とか言われても、夢を持ったことはないし、宇宙にも興味ないし。 ただこの作品を高1で書いたというのはすごい。言葉選びとか。そもそも書き上げられるだけですごい。

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    2019年08月29日
  • 星に願いを、そして手を。

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    若者らしいお話で、好感が持てる。ただ、謎の部分の盛り上がりが少し控えめな感じなのが残念。
    高校時代の話も全体的にあっさりなので、もう少し熱い感じの方が良かったかも。

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    2019年06月06日