【感想・ネタバレ】幾千年の声を聞くのレビュー

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Posted by ブクログ

我々の住む世界とは違う世界なのか、それとも我々の住む世界が時を経てこうなるのか。
謎に満ちた巨大な「木」のある世界。そこで人々は暮らしていたが反乱が発生する。
ファンタジーかと思いきやハードSFの世界観だ。読者を突き放すような作風だから評価もパックリ割れるだろう。木は何者が持ち込み、そして何の役割を果たしているのか。人々はこの世界でどう生きていくのか。不思議な一冊だった。

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2023年10月04日

Posted by ブクログ

カバーがとても綺麗で、カバーを取ると表紙は物語の『木』の表面のような模様で素敵!

大樹である『木』の元で暮らす人々の幾千年の営み
ある時代では病が流行り、ある時代では機械文明になり
変わらない木と共に変化していく世界の文明
幾千年の民の移ろいを木と共に、様々な人の目線から窺い知る

1話目から3話目まではファンタジー感が強く4話と5話がSF要素がお強め
どの話も1部だけは繋がっているようで独立した物語
物語の中で触れられる木の存在は不可思議要素満載
最初はただの町にそびえる巨大樹なのかと思ったら、物語が進むごとに木の秘密が出てくる

私の理解力の足りなかった部分もあるけれど、物語の雰囲気はとても好みで読むのが楽しかったなと思う

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2023年02月04日

Posted by ブクログ

注目する著者のこれまでとは方向性の異なる作品で、本来地球には存在し得ない巨大な〈木〉が世界の中心に聳えるパラレル世界の数千年にわたる歴史を5つの断章で紡ぐSFファンタジー的な小説。
地球が舞台というものの完全な架空世界の話で最初はとっつきにくかったが、だんだん世界観に引き込まれた。生きる意味、文明の行きつく先など現実世界にも通じるテーマが織り込まれていて、読み応えがあった。
ただ、小説中の年代の設定と話の内容に辻褄の合わない部分(具体的には、第3章と第4章の間が254年あるのは、登場人物の家族関係等から無理があるのではないかという点)があるように思い、そこは気になった。

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2023年01月16日

Posted by ブクログ

表紙デザインが鮮やかで綺麗だと思い手に取りました。
架空の世界で、ある宗教が時代を越えて形を変えながら、人々のくらしあるいは政治に関わり存在する様子が描かれていると思います。
ファンタジーの世界観を楽しむことができました。
個人的に第四章からは世界観が自分の趣味でなくなり、途中で読むのをやめてしまったので、時間があれば再チャレンジしたいです。

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2023年06月18日

Posted by ブクログ

時が流れる中で変わらない存在と、存在が消えても確かにそこに居た証。
何を伝えんとするか分かりにくいけれど、「存在」の意味を考えさせられる壮大なストーリー。

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2023年05月27日

Posted by ブクログ

個人的に難しい本だった。
数年前に『星に願いを、そして手を。』で知った若い才能で、『凪に溺れる』でグッと心掴まれた著者の、初めての青春小説以外の作品。
元から全般的に共感しやすいわけではなく、どこか超然とした思考や真意があり、それらを掴むまでには時間がかかる印象だったけど、今作はその感じが顕著だった
幾千年もの時間を跨いだ舞台や、巨大な木の恩恵という設定は興味を惹かれるしワクワクするけど、どこか自分とはかけ離れたところで物語が進んでいるような、一種ののめり込めなさが常にあった。もちろん、個人的な読解力の問題ではあるけど。
いろんな変遷を経た上での最終章の、「もう死んだようには生きたくない。ちゃんと生きているうちに死にたい」という考えへの帰結で、やっと自分の範疇に収まった感じがあった。
16歳で受賞しまだ22歳。経験と共にこれからも色んな変容を見せていくであろう著者が進み到達する場所が気になってしょうがない。

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2023年02月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

古来に突然現れた謎の巨大な木。地球上には存在し得ない構造、一体何によって何のために生まれたものなのか、、?
舞台となる時代が異なる5つの短編集になっていて、人々と木の関係性や生き方の変化に注目です。
1つ目は原始的な世界で、木を中心とした信仰の中で生き、祈りを捧げる少女の話
2つ目は木の上に建つ天文台で星を観察することに全てを捧げる青年の話
3つ目は国の危機に、生まれながらに木を中心とした信仰の拠り所となった少女が立ち向かう話
4つ目は人生に絶望した配達員の男が、木に関する研究によって時代が変わる瞬間を目の当たりにする話
5つ目は科学技術が限界まで進み、人々が退化し機械化していく中で、人間らしい姿を取り戻そうと奮闘する男女の話(木の真相にも辿り着きます)

1〜3話までは古代〜近現代まで4、5話は近未来〜という時間軸に沿った話で、特に未来の姿は科学技術の発展によってもたられる弊害について考えさせられます。その時代ごとの建物や風景などの描写によって作り出される映像が壮大で、実写化したら面白そうだなって思います。

この小説はどの短編も人はなぜ生きるのか、生きる意味、宿命、何のために生まれたのかといった存在意義について考えされられる話だと思いました。明確な答えはないので難しくて、読むのに苦戦しましたが、自分の存在理由を信じ、それを全うしようとする登場人物たちの姿に心を撃たれました。

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2022年12月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ひとつの「木」を中心に5つの時代を歩む
完結しているようで中盤繋がりが現れる
時が進むにつれ明かされる「木」のことや、各章の展開は面白い
SFへの移行でついにきたか!と思ったのだけどな

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2022年12月17日

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