【感想・ネタバレ】星に願いを、そして手を。のレビュー

あらすじ

中学三年の祐人は、いつも薫、理奈、春樹とプラネタリウムのある科学館で過ごしていた。宇宙に憧れる四人は似た夢を持ち、同じ高校に進む。だが、月日が経ち、祐人は逃げた。夢を諦めて町役場で働く彼は科学館を避け、幼馴染の三人をも避け続ける。ところが、館長の訃報を受けて三人に会うことに。そこで科学館の閉鎖を知り…。瑞々しい筆致で描かれる青春群像劇。第29回小説すばる新人賞受賞作。

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ネタバレ

途中、ただの青春懐古物語か…とだれた感もあったが、謎が解けた瞬間からはとても面白かった。

ただの4人の青春ではなく、過去の3人、現代の2人の糸の絡まり合いも面白い。

祐人の夢を諦めた…の件はちょっとわかりにくいし、だからって別れる?みたいなところはあったけれど、それも夢とは…の帰結に繋がるのかな

『この星空の光は、写真に焼き付けるには弱すぎる。でも、心を動かすには十分だ』

星がほとんど見えない空の下に住んでいるけど、時々、星空を眺めてみよう。

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2021年12月05日

感動しました

読み終わったときに素直に感動しました。
小さな青春もあり、ミステリーというか謎もあり、出てくる登場人物一人ひとりの個性を感じます。
夢がある人、まだ夢がない人、夢を諦めた人、夢を追い続ける人。16歳が書いたとは思えない作品でした。次作にも期待します。

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2020年01月04日

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小説すばる新人賞受賞作。

著者が高一の時に、初めて書いた小説だと、巻末の解説を読んで知った。
衝撃。さすがに何作も書いてきたうえに完成した作品だと思いながら読んでいた。
というのも、読みやすく(序盤だけ読みづらかった)、構成が見事で、伏線もしっかり張られ、中だるみすることなく終盤に盛り上がって良い余韻の中で終わったからだ。

学生が書いた作品らしく、青春物語。
ただ宇宙科学の知識や、社会人の視点も違和感なく書かれていた。

視点人物は3人。
幼馴染の4人のうちの、祐人と理奈。そして科学館館長の孫の高校生、直哉。
男2人の一人称は僕と俺で使い分けられてるからわかりやすいし、口調も区別されてて、初作品とは思えない完成度。

館長のストーリーと、奔走しながら成長していく祐人には心動かされた。

正直、この才能には嫉妬する。

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2025年11月21日

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今、就活中の私にすごく心に刺さった一冊だった。夢と宇宙をテーマにした3世代の脆い人間関係が鮮明に描かれていた。
学生の頃の夢に対するあのトキメキと、大人になって感じる夢に対する焦燥や恐怖、この二面性のある感情がとても私には共感できる部分だった。16歳とは思えない文才や知識量、読んでいくうちに謎が明かされる構成力だったり、少しずつ物語にのめり込んで、気づけば私も登場人物の中のひとりになっていた。登場人物は3世代で分けられていて、それぞれの視点から読めるし、青春の甘酸っぱさや恋愛も入っていてとても感情移入できる部分もあって、とても読みやすいと感じた。
16歳でこの文章力?!とも思ったが、16歳の著者だから書けた内容だと思った。

ここからは私の話を少ししようと思う。
本書の登場人物たちのように私は、中学生の頃から他の子とは珍しく夢を持っていたし、その夢のために沢山の行動をしてきた。
本書で描かれてる夢は、決して憧れやキラキラとした綺麗事だけを述べる「夢」だけではなく、夢を見る者、叶える者、そしてその夢を諦める者、諦められない者など「夢」に対するさまざまな面が映し出されていた。
私にも夢がある。叶えたい理想の私がいる。
学生の頃は、叶えられる気がしていた。
だけど、中々簡単に上手くいかないことを知ったのは就活を始めた頃だった。
行きたい企業から内定をもらえず、厳しい世界を知った。夢を叶えさせるチャンスも貰えなかった。
私の夢はここまでだった、どう踠いても叶えられない夢もあるんだとかなりショックを受けた。

けど本書でも描かれてるように、
夢は今でも夢のままで。
人によって夢の形は、違うし、その夢をどうやって自分のものにするかも、きっとその人次第なんだなって。

この一冊を読んで、
私は夢を諦めないことを選んだ。

自分の夢を自分なりの形にしていくために
もう少し踠いてみようと思う。

そして最後に。
計算ミスは人生のミスだっていう文章を背景を知らないまま読んだときはすごく落ち込んだ。
小さい頃から今も変わらず、計算が大嫌いで、何度もミスをしてきた人生だったから(笑)

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2025年09月25日

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途中まではおもろすぎた
4人の男女の高校生から青年にかけての夢に対する描き方が素晴らしい
館長、館長の奥さん、細川先生の関係も入ってきて夢ってなんなんだろうって考えさせられる
館長の死後に明かされる事実で細川先生と奥さんの絡みが全く描かれてなかったのか4になった理由

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2025年09月22日

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第29回小説すばる新人賞受賞作。20代の若者たちが、青春を過ごした科学館の閉館を機に再会する物語。「夢とは何なのか」について、漠然とした不安を抱えていた10代や、色んな現実を知ったいま、共通する答えはなくても進んでいこうと思える作品。宇宙という爽やかな題材と、大人や後輩たちとの関わりの中紡がれる青臭いセリフが妙にマッチしている。

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2025年03月03日

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ネタバレ

最近の青春小説は理詰めであっさりしたものが多いですが(個人の感想です)、これは青臭くて、勿論好みは分かれると思うが私はとても好きな小説でした。

内容は「自分の選択した道を突き進む」という明確なテーマが存在しており、たとえ自分が選ばなかった道が魅力的に見えても、私達は今の道を良いものにしていくことが重要であるという所はなるほどなと感じました。まだまだ長い人生、砂利道歩くより綺麗な並木道歩くほうが疲れなくて済みますよね。

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2025年02月22日

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夢の話。
私はまだみる方だからこそ考えさせられる作品でした
今高2(新高3)なんですけど、この1年で感じられたので、夢のためにうける大学選択がせまってきていて、現実の厳しさを感じることを感じることがあります。そこで諦めて違う選択をとる人もいたり、踏ん張る人もいます。この話は夢の大切さを伝えるというより、夢のあり方を教えてもらったなと感じます。今色んな選択ができる時代だからこそ昔よりも諦める選択をしなくてはいけない時が多いのではないかと思います。すごく響きました。
この青羽悠さんは昨年「凪に溺れる」で完全に虜になって文章というか世界観・考え方にほんまに好きで何周かしたんですけど、もうこれも好きで「幾千年の声を聞く」も購入してるのですぐに読みます!

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2024年03月20日

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一つの物語で終わらせず、登場人物それぞれの過去や未来までを想像させてくる書き方が面白かった。ただ、宇宙や夢について繰り返し語られていて少し疲れてしまった。話の流れもまぁそうなるだろうなって感じ。

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2024年02月04日

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夢をテーマにした作品。高校時代、近くの東海高校に在学する同年代の子がすばる賞を受賞したという背景を相まって印象深い。
みんな大人になるにつれて何かを諦めながら歳を重ねている。そして、まぁこんなもんかと終着していくと思うのだが、そんな中でも最後まで夢を追い続ける自分でありたいと思った。

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2023年11月05日

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ネタバレ

2016年作品

夏バテや気分も滅入っていたので、心のビタミン剤として、爽やかそうなこの本を選んだ。
よく読む恩田陸は後回しに。

16歳でこの本を書けるとは経歴を見ると頷ける。
現在、京都大在学中。
主人公24歳、他同級生、孫16歳、天文学というプロットが上手く16歳で創作しやすく、背伸びせずフレッシュ感があり、賞を得たと感じる。

館長が無くなり、科学館閉館する話で、館長の過去や主人公の思い出、孫の話で3つの時間も表現している。

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2023年08月14日

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とても読みやすい小説だった。
夢を諦めて公務員となった祐人と自分が全く一緒で感情移入してしまった。
この小説を高校時代に読んでいれば、自分ももっと夢と向き合っていたかもしれないと感じさせられる小説であった。

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2021年09月02日

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青春小説。

高校生の時、こんな素敵な体験したかなって。

高校の時にしかできないこと、感じられないことを全力でやって欲しい。

大人の真似事したって面白くない。

反抗したっていいけど、高校時代を楽しくできれば、いい社会人になるよ!

そして、挫折したっていいじゃない、何回でもやれば!って思わせてくれる小説。

是非読んでもらいたい。

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2021年08月09日

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珍しい宇宙ものの小説。プラネタリウムをきっかけに宙に憧れる4人は青春真っ只中で、大人になったそれぞれの「夢」のかたちがリアルであたたかい。夢を追いかけている人にも、夢を諦めた人にも依りそう一冊。

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2021年05月01日

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4人の20代の若者と2人の高校生を主な登場人物とする「夢」をテーマにした小説。
著者の2作目である『凪に溺れる』がすごく良かったので、著者のデビュー作であり、当時高校生でありながら小説すばる新人賞を受賞した本作も読んでみた。感想としては、高校生が書いたにしてはすごくよく書けている小説だと思ったが、2作目の『凪に溺れる』に比べると、ちょっと凡庸というか、まだ青さを感じた。具体的には、登場人物のキャラや台詞があまりこなれていないというか、自然でない感じがした。
一方で、青春時代に対するセンチメンタルな気分を惹起させるような刺さる部分も随所にみられ、読後感の良い作品ではあった。

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2021年01月17日

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ネタバレ

すごく良かった…
プラネタリウムが見られる科学館が登場して、私の地元にもプラネタリウムが見られる科学館があるからその日々を思い出した。
誰にでも人には見せない過去があって、それを乗り越えて飲み込んで生きていくんだろうなと思った。
館長のように、誰かの人生の記憶にそっと寄り添う人になりたい。

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2020年10月11日

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星というのは近くにあるようで実際には手が到底届かない。

生きていく中で大きな選択という壁に必ず当たる。

たくさん悩んで考えて、、でも時には思考を変えて新しいことに挑戦してみたり、立ち止まってみたり、いつもは見えなかったものが見えてくるのかも。


今の私にはとても心が軽くなる一冊でした。


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2020年07月16日

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ネタバレ

幼なじみの薫、理奈、春樹、祐人は、町の科学館で多くの時間を過ごした。
館長や奥さんの乃々さんと過ごした高校時代は、唯一無二の大切な時間だった。しかし、理奈と祐人の破局をきっかけに何となく疎遠になってしまった四人が、館長の死をきっかけに再会する。

とてもフレッシュな作品だった。
作者が16歳だということもあってか、学生時代の話がとてもリアルで瑞々しく感じる。しばらく読書から離れていたので、自分の感性が急に年をとってしまったように感じた。将来の夢に対するひたむきさが眩しくて、共感よりも先に自分との乖離を感じた。夢にガチンコで向き合える期間は、渦中にいる間は気が付かないけれど、案外少ない。

物語の核にもう少し切り込んでほしかった。
館長の昔の仕事と仕事仲間についての謎に迫っていく流れなのだが、謎を謎たらしめる「真相を知りたい」という気持ちがさほど湧いてこない。それよりも、幼なじみの人間関係の方に興味が向いてしまうし、作者もそちらの描写の方に力が入っているように感じた。館長の昔の仕事の様子にもう少しフォーカスしてほしかった。幼なじみの関係性も、館長の過去も、それに加えて館長の孫とその同級生も、と手広く広げてしまったので、一つ一つが薄味になってしまったように思えた。

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2022年12月18日

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古本屋でたまたま目にして気になったから購入。

著者が16歳の時に書いた作品で、16歳でこのような作品を書ける事にはただただ脱帽。

恐らく、ネットの世界にはもっと色々な作品が溢れていて日の目を見るのを待っているのかもしれない。

今作は、タイトルにもあるように星が重要なテーマになっている。

閉館になる科学館を舞台に昔の友人が集う。

なんか、それだけでいいなぁ〜と思う。

子供から少し大人になって、幼少期を過ごしたところに、そのとき過ごした仲間と集う。

いつかやってみたいな。

河村さんいいなぁ〜。

それにしても、プラネタリウム。

寝ちゃうんだよなぁ〜。

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2022年11月21日

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夢 宇宙 夏 キーワードが青春ですね
当時16歳の著者が書いた作品
すばる新人賞受賞作
一つだけ難を言うと 人物目線の変わり目が少しわかりにくいことかな
生きていく上での誰もが抱いている葛藤が多分著者の年齢と同じ目線なのかな
描写が良かったです

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2022年04月18日

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「凪に溺れる」が良すぎてこっちはそうでもないなって思っちゃったけど、夢を見続けるのにはいろんな方法がある、とか共感できることはたくさんあった。

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2022年01月10日

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夢を追うことをめぐる、いくつかの世代の群像劇。

宇宙にあこがれて地元の科学館をたまり場にしていた祐人、理奈、薫、春樹。
理奈は研究者となるべく、大学院で学んでいる。
一方、高校時代彼女とつきあいはじめた祐人は、夢をあきらめ、地元に戻り公務員をしている。
薫は、「古巣」の科学館で働く。
その科学館が、閉館することになる。
彼ら四人をおおらかに見守り続け、時に導いてくれた館長の死をきっかけに。
社会人となってばらばらになっていた四人が、閉館をきっかけに、再び集まることで物語が動いていく。

宇宙の夢を追う幼馴染たちという構図は、実は館長とその妻の乃々さん、そして祐人たちの高校の物理教師だった細山先生の関係と重ねられる。
夢をあきらめたことで、理奈になじられた祐人。
夢を追い続けて届かなかった館長と細山先生。
館長と細山先生の関係は、ガス・グリソムとアームストロング船長に重ねられているのも印象的なところだ。

細山先生と館長の間で何があったのかは、四人と館長の孫の直哉によって解き明かされる。
直哉は、祖父たちの過去に、祖父たち自身ができなかったきちんとけりをつけることをしようと決意する。

高校生である直哉たちの若さ、真っ直ぐさが非常にまぶしい。
まだ若い二十代半ばの祐人たちも、時にたじろぎ、しかしそれに影響を受けていく。
この辺りは、青春小説だなあ、と思われるところ。

こう書いてきても分かるように、非常に輻輳した物語だ。
場面ごとに語り手もスイッチするので、気が抜けない。
さわやかな青春小説、としては、割とわかりにくい。

ただ、三つの世代に振り分けるところに、今の人が夢を追うということに対する複雑な態度をとらざるを得ないことが表れているのかな、なんて思ったりする。

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2021年11月03日

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ネタバレ

作者の執筆時の年齢を知らずに読めばよかったが、どうしても文章の未熟さが気になってしまった。ただ構成や人物の描き方などは非凡な才能と言わざるを得ない。
読後あなたはプラネタリウムに行きたくなるだろう。

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2021年01月13日

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科学館の館長の訃報を受けて、久しぶりに会った同級生達。
彼らは、それぞれ生きる道を辿っていた。訃報をきっかけに科学館の閉鎖が決定したり、館長の隠された経歴が明らかになっていきます。そこから彼らの見えなかった部分や人生の葛藤を垣間見えてきます。

登場人物達は、夢を諦めた人や目指そうとする人など、あらゆる「夢」によって人生を歩んでいる人たちが描かれています。作者のデビュー作品ということで、印象深かったのは、場面の転換が、スーッと自然に切り替わるので、ぶった切った感じがそんなにありませんでした。ただ、そのせいか、視点が一人ではなく、「僕」「私」「俺」の複数の視点であるため、「あれ?いつ視点変わった?」と思ったことが何度もありました。なので、あまりそれぞれの登場人物に感情移入しづらかった印象がありました。

同級生達の青春群像劇ですが、現代と過去の物語だけでなく、館長の世代や館長の孫世代での群像劇も垣間見えていきます。淡々と進行しているかと思いきや、あまり重視していなかったことが伏線として回収している場面もあり、ちょっとしたアクセントがあって、楽しめました。

科学館が舞台ということで、宇宙の知識が散りばめられていて、星を見るのが好きでしたので、個人的には面白かったです。ふっと立ち止まり、心を穏やかにさせてくれるような作品でした。

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2020年07月21日

Posted by ブクログ

16歳で新人賞を獲得したと知り、思春期特有のセンチメンタル系と思いきや良い意味で期待を裏切られた。宇宙学にかなり熟知した書き方。人情ものとミステリーが合わさったような作品でさらっと読めて伏線が結末につながっていて面白い。

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2019年11月04日

Posted by ブクログ

夢と宇宙の物語。
科学館での青春の日々を過ごした男女4人が何年かの時を経て再会する。 夢を追うもの、夢を諦めたもの関係は複雑で、そこに科学館の閉館と館長の死、館長の奥さんからの謎、などなどが絡まっている。
夢!!とか言われても、夢を持ったことはないし、宇宙にも興味ないし。 ただこの作品を高1で書いたというのはすごい。言葉選びとか。そもそも書き上げられるだけですごい。

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2019年08月29日

Posted by ブクログ

若者らしいお話で、好感が持てる。ただ、謎の部分の盛り上がりが少し控えめな感じなのが残念。
高校時代の話も全体的にあっさりなので、もう少し熱い感じの方が良かったかも。

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2019年06月06日

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