ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
3pt
その冬、おれの身近で三人の大切なひとが死んだ――究極のボクシング小説!第53回文藝賞受賞のデビュー作。尾崎世界観氏との対談、マキヒロチ氏によるマンガ「青が破れる」を併録。
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
表題作の「青が破れる」に「脱皮ボーイ」「読書」の短編、さらに「青が破れる」のマンガ、尾崎世界観との対談も併録された短編集。 何はともあれ、「青が破れる」である。文庫の紹介文に文藝賞の際の評価なんだろうけど、藤沢周、保坂和志、町田康が絶賛したこともわかる佳作。 文章の長短、リズムの変化、淡々とした描写...続きを読むなど、作者が小説を使って新たな表現というか体験を描こうと模索していることがよくわかる。それは例えば次のような文章に表れていると思う。 「ハルオの彼女は、「ボクシングやってるの?」とはいわなかった。/「はー、空がたっかー」/といった。」 「夏澄さんに/・・・・・・ きて/とまたいわれ、夏澄さんちにいく。午前十時。/着いた瞬間に、「よかった。はやくきてくれて、ありがとう。留守番お願い」といわれた。鍵を摑んだまま、玄関の前に立ち塞がるように待っていた。/夏澄さんに「ありがとう」なんていわれるのは、初めてのようなきがした。」 ひとつ目は表紙にも引用されているので印象的だけど、二つ目は適当にページを開いて目についたものの引用だ。まあ、全体的にこんな感じで終始文章を味わいながら読ませてもらった。 短編「脱皮ボーイ」「読書」は「青が破れる」とはまた少し文章のテイストが異なる。「読書」は古井由吉や松浦寿輝を思い出させた。 芥川賞受賞作も読んでみたいと思った。
4.2/5.0 わかりやすい事件や出来事が起こるわけではない、いわば「普通」の物語に、煌めきを持たせ、説得力を持たせる文章力に感心した。
読書開始日:2022年2月16日 読書終了日:2022年2月18日 所感 【青が破れる】 秋吉は、自分にしか矢印が向かない。自分が1番可愛いと思っている。 だから夏澄のSOSも、ハルオの状況も、とう子の心理も分からない。そしてそのわからないという状況により茫洋する。浸る。 そんな秋吉と関わろうとする...続きを読む人間は、恐らく自分に関心を向けられないことにどこか安らぎを覚えている。自らも無駄な関心を向けなくていいからだ。 関心は嫌でも向いてしまう。とう子とハルオの関係がそうだ。とう子は確率で死ぬため他の関心ごとは捨てきれても、ハルオへの関心だけは捨て去らなかった。他を切り捨てただけに、その関心は強固になる。だから疑心暗鬼にもなる。ハルオも同じ。 この二人は秋吉をクッションとして利用した。クッションは安らぐしね。 湖のほとりで疑心暗鬼から解放された2人を見て、秋吉も自分自身への矢印から解放されはじめたが、つけが回る。 夏澄が死ぬ。 ハルオが鬱による荒れた生活の果てに死ぬ。 とう子が昏睡の中死ぬ。 傾向に気づかない秋吉。 夏澄を浴びる夏澄の息子陽に勃起する秋吉。 そんな秋吉には、梅生が持つ統制されたブルーな情は訪れない。 破れるどころか元から持たざる者。 【脱皮ボーイ】 強烈な安堵。 架空の利益。 アイスクリームのシーン、脱皮を母にしか伝えていないシーン。 かのじょは母性のみでそこに恋情はなかった 【読書】 こういう考え方本当に好み。 無意識の部分でなにかを感じ取っていたり。 身体の部位や細胞レベルで何かに反応していたり。 そういう可能性を考えると楽しくなる。 読書中に急に文字を追えなくなることがある。こんなことも、上記のような考え方をすると途端にドラマチックになる。 最後のシーンの不意に出る涙に、感覚の鋭い赤ん坊だけが気づいているシーンがとても良かった。こんな短いのに季節を鮮やかに感じた。 好きな作品。 【青が破れる】 とう滑稽でなければひとといっしょにいられないとだもおもっているような性癖が、とても嫌だった スタミナとは勇気、そして試合が終わるまでは終わらないという意思という名のシステム もはや性欲で恋情を二乗していくような振る舞いはできない だれしも嘘はいやがるのに、ほんとうのことを伝えないことはやさしいことだとおもっている あいにいったら、それはおれの欲情であり、香澄さんの孤独であ。、それは情熱を装うけど、こんじつは空しい 人間は、季節の違いを気温なんかでは把握していない 茫洋 居場所が用意されすぎている感じ 梅生が単純な物質には満足し足りないことは分かっていた そんなたまじゃないでしゃ ボクシングと夏澄は同じ 痺れた思考が、この世をおうか 統制された感情はどこまでもブルー 他人に関心のあるひとのかなしみを、他人に関心のない人のかなしみを、秋吉さんはどっちもわからない 【脱皮ボーイ】 セックスの合間に、いっぱいいこう 瑣末
『青が破れる』 斉藤壮馬さんのおすすめということで読んでみた。 平仮名多めだったのにはどういう意図があったのか掴めなかったのが哀しい… 他の短編たちも独特の雰囲気を感じれて、読後には爽快感を感じました。
前から少し気になっていた作家さん。 好き嫌いが分かれる作品だな、と読んでみて思った。独特とも言えないが少し癖のある文体と平仮名と漢字の絶妙な使い分け。そのせいで読みづらいな、と最初は感じるけれど、私は読み進めていくうちに慣れていった。どっぷりハマったという感覚はなかったけどこういう本もあるんだ、とい...続きを読むうような、新しい音楽のジャンルを発見したときのような喜びがあって、それがこの本への抵抗感を薄めてくれた。文章自体も小難しさがなくて分かりやすいから物語もすんなり流れ込んできて、いつの間にか読み終わっていた。 ボクサー志望の秋吉、友達のハルオ、ハルオの彼女のとう子、ボクシング仲間の梅生、そして夫子のいる恋人の夏澄。5人の人物が織りなす日常には劇的なドラマはないが、ただ流れる日々が気持ちよく描かれている。
淡々とした文体で非常に読みやすい。それ故に多くは語らないので、登場人物の心情を考えながら読み進めました。しかし私には分からなかった。 その後見た書評で斉藤壮馬さんが「考えるな感じろ(意訳)」と仰っていたので、頭を空っぽにしながら2周目は読みたいです。
「青が破れる」は文章が平易で、奇を衒った表現もなく、すんなり読めるのに、登場人物のセリフや地の文が心に引っ掛ける。 他二編は文芸作品らしく、読みごたえが出てくるが、やはり表題作のさらりとかわいた秋風のような悲しみが心に沁みる。
不安定な心を不安定な文章で表現させているんだろう。熱を持てず大事なヒトとの接すればいいかも変わらない青年の葛藤劇。
体の痛みと心の痛みは繋がっているのだろうか。 町屋さんの著作を読むと、そういうことを考えます。 梅生が言う、「なにがわかる」「他人に関心のあるひとのかなしみを、他人に関心のないひとのかなしみを」という言葉。 秋吉はそれがわからないけれど、だから安らぐのだとも梅生は言います。 曖昧でモヤモヤして、いい...続きを読む加減で恥ずかしい。優越感で安心したり、優しさで絶望したりする。 そんな感覚を、こういうふうに小説にしてくれることに救いを見出したりしています。
心や気持ちの置きどころ、ゆさぶり その中で手探りまたはあえて手探らない 登場人物への自らの弱さの投影 けっきょく日々はつづくだけ
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
青が破れる
新刊情報をお知らせします。
町屋良平
フォロー機能について
「河出文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
愛が嫌い
生きる演技
1R1分34秒(新潮文庫)
恋の幽霊
坂下あたると、しじょうの宇宙
しき
ショパンゾンビ・コンテスタント
生活
「町屋良平」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲青が破れる ページトップヘ