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Posted by ブクログ
オレオレ詐欺などの特殊詐欺はなかなか捕まらない。それは何故かと言えば、高度に分業化されているため、ピラミッドの頂点にいる首謀者には警察の手が届かないのだ。
この小説にも詐欺集団を束ねる者、その集団の傘の中にいる者はリクルーター(架け子などのスカウト)、道具屋、名簿屋、下見屋等組織化されていることが描かれている。
奨学金の返済にあえぐ真奈美、結婚詐欺師の竹崎、出会い系サクラの貴美子、詐欺組織を束ねる頂点にいる平田。それぞれの視点で語られる詐欺ストーリー。高級キャバクラでそれぞれが出会い繋がっていく。
小説の中での彼らの言い分はこうだ。
オレオレ詐欺は犯罪だ。それはわかっている。しかし最悪の犯罪では無い。なぜなら闇金が金を貸して、家族や親戚まで不幸にするのと比べ、金を持っている人から、払える範囲内の金を奪うだけだから。金持ちの老人がもう使う予定もない大金を、若者たちに還流して何が悪い。そして(この小説の詐欺グループは)その一部を児童施設に寄付する…とのことだ。もっともらしい理屈をつけてはいるが、やはり正当な理由とは思えない。
また、架け子(特殊詐欺の電話をかける人)の研修は地獄のような凄まじいものであることが描かれていた。まず不動産会社の中途採用の募集をし、応募してきた採用者にはマンションの営業電話を1時間に30本かけさせる。一件の資料請求さえ確約できなければ椅子を取られ、立ったまま電話をかけることになる。これを繰り返し、脱落者が出て残った者だけを集め、既に個人情報は会社側に知られていることを仄めかした上で、実はオレオレ詐欺グループだったことを明かす。これで逃げられない…なんか実際のところこんなことあるのかなぁと怖くなった。
この小説は内容的に詐欺の指南のような側面もあるので、詐欺を数年やり大金稼いだら、あとは海外で遊んで暮らそうと、若い人がコツコツと働くことをバカバカしいと思わないか、一抹の不安が残る。
途中までは面白かったが、最後は話が大きくなり、尻切れの印象。
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