19世紀英国。父母を亡くし、一族から疎まれて北イングランドの神学校に送られたオーランドは、この世の怪を蒐集する奇妙な少年と出会う。生者を道連れに誘う幽霊列車、夜の寄宿舎を彷徨う砂男と聖母マリアの顕現、哀切に歌う人魚の木乃伊の正体とは。怪異が、孤独な少年たちの友情を育んでゆく。のちに『怪談』を著したラフカディオ・ハーン――小泉八雲の青春を綴る奇譚集。
Posted by ブクログ 2020年02月02日
「境界の少年」
ロンドンのキングス・クロス駅から5時間。
神学校である聖カスバート校に入学する少年が、もう一人の少年に出会いきいた話。
境界でみた白昼夢。
奇しくもその日は以前もう一人の少年が列車内で亡くなった日でした。
出会った同じ寄宿舎の少年の名はパトリキオス・レフカディオス・ハーン。
「眠れ...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年11月02日
父母を亡くし、異母兄に疎まれ北イングランドの神学校へ厄介払いされたオーランド。学校編入のために乗り込んだ列車で奇妙な少年と出会う。
怪異譚を蒐集するその少年こそ、若かりし頃の小泉八雲である。
八雲が思ったよりも饒舌+毒舌な感じで面食らった。歴史的に正しいかは別として、キャラクター造形と話の流れは分か...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年12月01日
【内容】若かりし小泉八雲が寄宿舎で出合う怪異たちの正体は?
【感想】小泉八雲である必要はあまりない感じもするが。イメージする八雲よりクールな感じ。作品自体は暇つぶしに向いている。精霊のようなものが存在しつつ、謎はわりとリアルに解く。
▼小泉八雲に関する簡単なメモ
【ウィリアム・ファーガソン】一学年...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年06月16日
複雑な家庭環境の中で神学校に送られたオーランドが、不思議なモノが見えるという設定の小泉八雲と知り合い不思議に遭遇していく。
西洋東洋の伝承の中の存在・謎解き・19世紀のイギリス・寄宿舎と盛りだくさんの設定だが、それらが上手く混ざり合って青春小説にもなっている。
オーランドとパトリック(八雲)のやり取...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年07月14日
小泉八雲の若き頃の話。
「あっち」「こちら」「境界」この言葉がよく出て来る。
読んでいて何故か京極堂のセリフは多々思い出してしまった。
1番に浮かび上がったのは「この世に不思議な事など何も無いのだよ、関口くん」だった。
パトリック(小泉八雲)のセリフ「人はいつだって自分の視たいようにしかみないものさ...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年05月10日
ダラムの神学校を舞台にした、不思議な物語を詰め込んだ短編集です。
ブックカバーをつけたまま表紙もも読まずに読み始め、しばらくしてからようやく、あれ?これは小泉八雲の小説だったのでは…と思い当たり。疑問に思いながらも異国の物語を最後まで読んだのですが、疑問も何も、小泉八雲さんの本名がパトリックなのです...続きを読む
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