【感想・ネタバレ】ふりむけばそこにいる 奇譚蒐集家 小泉八雲のレビュー

あらすじ

19世紀英国。父母を亡くし、一族から疎まれて北イングランドの神学校に送られたオーランドは、この世の怪を蒐集する奇妙な少年と出会う。生者を道連れに誘う幽霊列車、夜の寄宿舎を彷徨う砂男と聖母マリアの顕現、哀切に歌う人魚の木乃伊の正体とは。怪異が、孤独な少年たちの友情を育んでゆく。のちに『怪談』を著したラフカディオ・ハーン――小泉八雲の青春を綴る奇譚集。

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Posted by ブクログ

小泉八雲の少年時代を描いたオカルトミステリ。
ミステリと言っても怪奇現象も普通に起きるのでだいぶファンタジーです。
お話もキャラクターもとても好みで楽しく読みました。ふたりの掛け合いが読んでて心地よい。半分くらい読んだあたりで読むタイミング無くして2年くらい放置しちゃったけどやっと読み終えて満足。続刊も全部買ってあるので少しずつ読んでいきたい。

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2024年11月25日

Posted by ブクログ

「境界の少年」
ロンドンのキングス・クロス駅から5時間。
神学校である聖カスバート校に入学する少年が、もう一人の少年に出会いきいた話。
境界でみた白昼夢。
奇しくもその日は以前もう一人の少年が列車内で亡くなった日でした。
出会った同じ寄宿舎の少年の名はパトリキオス・レフカディオス・ハーン。

「眠れる子らのみる夢は」
オーランド・レディントンとパトリキオス・レフカディオ・ハーン(パトリック・ハーン)は学寮の2人部屋で同室になります。
学寮内では夜になると眼を奪いに来る砂男がいるという噂がたちます。
果たして砂男とは何者か?
又、聖母マリアの顕現や家で飼っていた仔犬をみたという新入生が現れます。
パトリック・ハーンは鮮やかに謎を解きますが。
ヒントはタイトルの「眠れる子らのみる夢は」です。

「忘れじのセイレーン」
ファーガソン夫妻の家にあった日本製の人魚の木乃伊を預かることになったお話。
木乃伊を預かってからオーランドは女性の歌声が聴こえるようになり、眠れなくなってしまいます。
パトリックは木乃伊は何かを訴えていると言い出しますが。そしてパトリックは木乃伊のとある秘密を探り出します。そこには木乃伊を日本から持ってきたラムゼイ氏のとある過去がからんでいます。

「誰がために鐘は」
ハロウィンの頃、オーランドはパトリックに墓地に行こうと誘われます。そこで出会った墓守の老トマス。
みつけた三体の人形。
夫を亡くしたばかりのウェアリング夫人。
血染めの服の切れ端。
ダラム大学の遊び人の学生エヴァンズがウェアリング夫人に近づいたことがわかり、パトリックとオーランドは夫人の家を訪ねます。「非力な女性だからといって、男ひとりを殺せないことはないからね」果たしてウェアリング夫人は息子は今留守だと言って二人を迎え入れます。


不思議な話であり、微笑ましい話、心あたたまる話、狂気をおびた話もありました。
バラエティに富んだ事件をパトリックこと隻眼の異端者である小泉八雲が謎を解き明かします。
英国の幻想的な雰囲気が醸し出され、独特の趣と推理のシャープな切れ味がありました。

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2020年02月02日

Posted by ブクログ

ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の若かりし頃のお話。神学校に通う彼とその友人達の冒険譚でもある。
今日はちょうど「ハロウィン」だ。
作中に登場するお話しとリンクする。
もともとは「サウィン」と呼ばれた日、10月31日は夏の終わる日でもあり、冬の始まる日でもあった。
その日を「新年」ととらえた昔の人は、この日がちょうど「境目(エッジ)」とし、この世とあの世の境界があやふやになる…つまり、あの世から魂が彷徨い出でる、とも捉えて懐かしい邂逅を期待する人も多かったとか。ちょうど日本の「彼岸」に似ているのかな。


謂れや昔からの言い伝えには、物事の成り立ちが含まれていることが多い。

巷で騒ぐ「ハロウィン」とは趣きの異なる歴史を知ると、厳かな気分になる。

若いハーンの博識にも感嘆する。

孤独を知る人は、眼に見えざるナニカを見る事もできるのかもしれないな。心の静かな人にだけ聞こえる不思議な声や音もあるのかもしれないな。

そんな「異世界」を自分も知りたい。

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2025年10月31日

Posted by ブクログ

小泉八雲の若かりし頃の話です。
思わず、Wikipediaで調べてしまいました。

19世紀の英国が舞台ですが、怪異について考えている時間が多いため、あまり神学校の厳しさや英国特有の雰囲気という訳ではなく、海外に詳しくなくてもすんなり読めてよかったです。

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2021年03月07日

Posted by ブクログ

小泉八雲という名前に期待を寄せた自分が悪いのですが…
別に主人公はラフカディオ・ハーンでなくてもよかったかも…

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2023年08月28日

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父母を亡くし、異母兄に疎まれ北イングランドの神学校へ厄介払いされたオーランド。学校編入のために乗り込んだ列車で奇妙な少年と出会う。
怪異譚を蒐集するその少年こそ、若かりし頃の小泉八雲である。
八雲が思ったよりも饒舌+毒舌な感じで面食らった。歴史的に正しいかは別として、キャラクター造形と話の流れは分かりやすい。
日常と非日常がほんのり混ざり合う様な作品。

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2022年11月02日

購入済み

小泉八雲

設定は小泉八雲が神学校の学生だった頃。ホラーに属する話ですが、おどろおどろしい感じはなく、ちょっと切ない気がする話が多いです。次作以降は読まなくてもいいかなあ。

#切ない #怖い

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2022年06月19日

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【内容】若かりし小泉八雲が寄宿舎で出合う怪異たちの正体は?
【感想】小泉八雲である必要はあまりない感じもするが。イメージする八雲よりクールな感じ。作品自体は暇つぶしに向いている。精霊のようなものが存在しつつ、謎はわりとリアルに解く。

▼小泉八雲に関する簡単なメモ
【ウィリアム・ファーガソン】一学年下の学生。熊のぬいぐるみのようにのんびりした感じ。パトリックと親しい。愛称はウィル。
【オーランド・レディントン】語り手。編入生。チェロをたしなむ。母に育てられるが亡くなったので合ったこともない父に引き取られるも寄宿学校に放り込まれる。寝起きが悪い。
【コンラート】砂男に追われてる学生?
【砂男】ドイツ出身の妖魔。子どもの目に砂をかけて眠らせる。
【聖カスバート校】イギリスにある厳しさだけが一流のカトリック系寄宿校。
【パトリキオス・レフカディオス・ハーン】寄宿舎でオーランドと同室になった小柄な学生。愛称はパトリック。怪異譚が好き。ロバート兄さんを通じてあちらの世界にいろいろな友だちがいるらしい。
【ライナス・トンプソン】ウィルの友人。
【ロバート兄さん】鴉のような黒い鳥の姿をした死者の魂?見える人には見える。パトリックを見守っているらしい。愛称はロビン。

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2019年12月01日

Posted by ブクログ

複雑な家庭環境の中で神学校に送られたオーランドが、不思議なモノが見えるという設定の小泉八雲と知り合い不思議に遭遇していく。
西洋東洋の伝承の中の存在・謎解き・19世紀のイギリス・寄宿舎と盛りだくさんの設定だが、それらが上手く混ざり合って青春小説にもなっている。
オーランドとパトリック(八雲)のやり取りも軽快で、どんどんバディっぽくなっていくのも面白い。
いろいろなものを詰め込んでごちゃごちゃしているようにも思えるが、今後の話の方向性を紹介しているようにも思える。
続編も出ているようなので読んでみたい。

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2019年06月16日

Posted by ブクログ

小泉八雲の若き頃の話。
「あっち」「こちら」「境界」この言葉がよく出て来る。
読んでいて何故か京極堂のセリフは多々思い出してしまった。
1番に浮かび上がったのは「この世に不思議な事など何も無いのだよ、関口くん」だった。
パトリック(小泉八雲)のセリフ「人はいつだって自分の視たいようにしかみないものさ」とある様に自分の理解出来ないもの・理解しようとしないものに関して人間は「不思議」という言葉で片づけてしまう。
「怪奇」とされるエピソードもその奥。隠された事実に目を向ければ「怪奇」若しくはただ「ホラー」として片づけられないものが浮かび上がってくる。最後の話はサスペンス風なのも絡んでいて面白かった。

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2018年07月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ダラムの神学校を舞台にした、不思議な物語を詰め込んだ短編集です。
ブックカバーをつけたまま表紙もも読まずに読み始め、しばらくしてからようやく、あれ?これは小泉八雲の小説だったのでは…と思い当たり。疑問に思いながらも異国の物語を最後まで読んだのですが、疑問も何も、小泉八雲さんの本名がパトリックなのですね。てっきり日本の方だとばかり思っていました…お恥ずかしい。
ちなみにダラムも知らなかったので調べたら、まさかのハリーポッターのロケ地!うわあ、恥の上塗り。でもそんなのどうでも良くなるくらい、素敵な街並みでした。実際にダラムの写真を見てみると想像しやすくなるので、これから読まれる方は、ぜひ調べてみることをお勧めします。

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2018年05月10日

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