ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
2pt
すみれが消息を絶ったあの日から三年。真奈の働くホテルのダイニングバーに現れた、親友のかつての恋人、遠野敦。彼はすみれと住んでいた部屋を引き払い、彼女の荷物を処分しようと思う、と言い出す。親友を亡き人として扱う遠野を許せず反発する真奈は、どれだけ時が経っても自分だけは暗い死の淵を彷徨う彼女と繋がっていたいと、悼み悲しみ続けるが――。
アプリ試し読みはこちら
「やがて海へと届く」
2022年4月1日公開 出演:岸井ゆきの、浜辺美波、杉野遥亮
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
すくいがあってよかった 震災、戦争を風化させてはいけない という”当たり前”の意識に対して 一刀されたような感覚になった場面があった 作者はそれらに対して フカクフカク考え込んだんだろう 夢なのか回想なのか 誰の視点なのかわかりづらい箇所もあったけど そこも作者の意図だろうとおもう これから...続きを読むの人生で きっとこの物語のことを何度も思い出す
3回読んでます。構成も好きだし読みやすい。何度も何度も出てくるおばあちゃんが、あーもう立ち止まっていいよと優しく諭す。それを跳ね除けて、そして生まれ変わる。あの震災で亡くなって、魂が洗われて生まれ変わって報われた。あの海まで何度も行く姿が切なくて、サムイボでした。友人の想いもしっかり出ていて私にも伝...続きを読むわった。4回目も必ず行きます
今年三月まで、東日本大震災で行方不明者は2523人となっています。 行方不明となったすみれの不在をどのように受け止めればいいんでしょうか。真奈は、すみれの死亡を認めずにいて、「形見分け」をする遠野も、仏壇に向かい記憶の「改竄」をするすみれの母も許せない。自分が苦しければ苦しいほど、すみれが近い。一...続きを読む人で暗闇のなかを彷徨うすみれを手放してはいけない。 一方、遠野は暗闇から去ると決め、「すみれはきっと歩き続けるだろう」と、自分も勇気を出して進まなければと考えている。 どちらにしても、現実の時間は生者の悲痛をものともせずに流れていく。真奈は時の移ろいの中で忘れていくことを怖がり、「本当にいいのか」とすみれに問い続け、「遠ざかるものにさようなら以外の言葉をかける方法を探している」(218) のだ。 消えても、流されても、何かが残れている。その残されたものを通じて、死者と会える。死んでも、生きても、きっと暗闇を通り抜けたあと、どこかへと辿り着く――というのは、本作のメッセージだと思います。
震災で失った友人の不在とそこからの再生の物語 友人が震災で亡くなって、海にかえる(成仏?)まで闇の中をさまようながら、思い出せない生きていたときの記憶を探る 奇数章は現実を生きる主人公が、友人が付き合っていた彼氏や職場の店長、同僚、友人の両親、女子高生たちとの時間と会話で少しずつ再生していく ...続きを読む偶数章は友人の視点で、生前深く大切に思っている人たちへの残り香のような繋がりを明確には思い出せないながらもかすかに感じながら、少しずつこの世から消えていく様子が美しい夢を見ているような感覚においる描写 同僚やある女性の言葉からいなくなってしまった人たちはただ消えるだけでなく、残された人たちに何か影響を残していくということが確かに感じられた。
突然姿を消した親友のことを いつか忘れようとする周囲に抵抗を感じながら 忘れることってどういうことなのか 何が正しい反応なのかとか 悩み苦しみながらも 自分なりの答えを見つけていく。 読みながら苦しくなるんだけど 大災害とかいつ何があるか分からないし 誰にでも起こりうる状況たがら 目を背けたらいけ...続きを読むないと思ったし 途中で本を閉じることが出来なかった。
「なにが、なにか困ったことはある?だ。あんな電話、しなくてよかったのに。職場のことなど考えず,迷惑をまき散らしながら逃げて逃げて、どこかの温泉にでも浸かってくれていた方がよかったのに。そうしたら、きっと探しに行ったのに。 本当だろうか、と熱いコーヒーを口に含んで自問する。死んだ人間相手だからと、非現...続きを読む実的な絵空事のやさしさを掻き集めていないか。実際にそれをやられたら,私はそれまで尊敬していた楢原店長をすぐさま見下すようになったはずだ。私も同じような目に遭ったことがあるけれどこんな風にはならなかった、なんて弱い人だろうと、さっきのように自分のたった一度の体験を引き合いに出して、わかる部分だけ切り刻み、乱暴に評価しようとしたはずだ。」p129-130
私にも大切な親友がいます。 もし真奈のように亡くしてしまったらどうしようと不安になりました。 「形見」という言葉に違和感があるのも凄く分かります。置いていかれたくないし、置いていきたくない。 しかし、「同じ場所にとどまってないと思う。歩いてると思う。俺たちがずっと同じところにいたら、たぶん置いていか...続きを読むれる」 という遠野の言葉に救われたような気分になりました。
愛する人の不条理な死を目の前にしたとき、人はどのように向き合っていくのか。 亡き人のそのままを残し、過去を生きようとする、亡き人の姿を解釈し、今の一時を乗り越えようとする、亡き人への思いを片隅に未来へ生きようとする…。 「死を乗り越える」とは何をするのか、そんなことを思わされた。 「忘れないって、...続きを読む何を忘れなければいいんだろう」 経験を持たない自分が、教師として何を伝えていけるのか。そんなことも考えてしまう。
読後に込み上げるこの想いはなんだろう。 ありふれた言葉では形容できない。 生者は喪くした人を日常に探してしまう。 どうしようもなく、その人の痕跡を探してしまう。 それが苦しく、胸をかき立ててゆく。 やがてもう訪れることはないと人は知り、人はそれぞれのやり方で明日への一歩を踏み出す。 それは残された者...続きを読むの抗いの記憶。 その過程を真正面に見据え、丁寧な筆致で描かれた本作は何度も読みたくなる一作。
『死者への誠実を保てない』このフレーズに改めてドキッとした。 正解なんてない。それに万人に当てはまる方法なんてない。それぞれがそれぞれに消化していかなければならないことだ。 この作品で、それを見守る事で何か少しきっかけや勇気をもらえる気がする。すくんでいる足を動かす気持ちを。 優しく背中に手を当てて...続きを読むくれるような作品だ。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
やがて海へと届く
新刊情報をお知らせします。
彩瀬まる
フォロー機能について
「講談社文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
朝が来るまでそばにいる(新潮文庫)
明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】
新しい星
あのひとは蜘蛛を潰せない
妖し
嵐をこえて会いに行く
鍵のかかった部屋 5つの密室(新潮文庫nex)
神様のケーキを頬ばるまで
「彩瀬まる」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲やがて海へと届く ページトップヘ