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チャールズは切羽詰まっていた。父から受け継いだ会社は不況のあおりで左前、恋しいユナは落ちぶれた男の許へ来てはくれまい。母の弟アンドルーに援助を乞うも、駄目な甥の烙印を押されるばかり。チャールズは考えた。叔父の命か、自分と従業員全員の命か。これは「無用な一つの命」対「有用な多くの命」の問題だ。我が身の安全を図りつつ遺産を受け取るには――念入りに計画を立て、実行に移すチャールズ。快哉を叫んだのも束の間、フレンチ警部という名の暗雲が漂い始める。計画はどこから破綻したのか。『樽』と並ぶクロフツの代表作、新訳決定版。/解説=神命明
...続きを読むPosted by ブクログ 2023年10月25日
チャールズは工場の経営に行き詰まり、求婚相手のユナはお金のない男は相手にしない。頼みの綱の叔父は全くお金を貸してくれない。チャールズは従業員と叔父の命を秤にかけ、叔父の殺害を決意する。
フランシス・アイルズの「殺意」、リチャード・ハルの「伯母殺人事件」と並んで3大倒叙ミステリーと言われる作品。
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Posted by ブクログ 2020年07月06日
【ミステリーの古典名作を今さら読む】
このところ連続で観ている刑事コロンボ、コロンボといえば倒叙物…犯人が初めから分かっており、犯人がいかに追い込まれていき、犯行を見破られるか…という形式のミステリー。
そして、倒叙物の古典名作といえば、こちら、クロフツの『クロイドン発12時30分』ということは知っ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年03月01日
不況の煽りを受け経営者チャールズの工場は閉鎖寸前、頼みの綱は叔父の財産だったがあえなく断られる。 先の短い一人の老獪と将来のある従業員たちを天秤にかけたチャールズは・・・。
古典中の古典の倒叙ミステリです。 一章にて叔父が殺されます。 当然犯人はチャールズなのですが二章以降のチャールズの計画・行...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年03月28日
本作は倒叙ミステリ(物語前半に犯行が描かれ、後半で探偵がそれを推理していく形式のミステリ)であるので、前半と後半について述べる。
前半は犯人の様子や心情が細かく描写されていて、とても楽しく読めた。犯行を決意するまでの心情の変化は同情を覚えるほどだったし、犯行の瞬間などは動悸が抑えられなかった。テン...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年09月17日
面白いか、面白くないか、と聞かれたら、面白いと答えるし、確かに、無駄のない感じなど名作なのだろうと思う。初めから犯人が分かっている倒叙ものとして、上がったり下がったりの犯人の心理描写と、いつの間にか有罪になっているさま。どこでミスったんだろかと、犯人に感情移入。最後の推理プロセスお披露目も、なるほど...続きを読む
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